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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100JZBS (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社ブシロード 事業の内容 (2020年7月期)


沿革メニュー関係会社の状況

当社グループは、当社、子会社14社及び関連会社2社の合計17社により構成されており、良質なIP(Intellectual Property:知的財産)を開発・取得・発展するIPディベロッパーとして「新時代のエンターテイメントを創出する」ことをミッションとし、IPを軸に置いて事業を展開しております。
当社グループ内にはトレーディングカードゲーム(TCG)部門、モバイルオンラインゲーム(MOG)部門、マーチャンダイジング(MD)部門、メディア部門、音楽部門、スポーツ部門の合計6部門があり、TCGやMOG、音楽CD、ライブ、グッズ、書籍など様々なサービス展開(=メディアミックス)をワンストップでタイミングよく提供できる体制を構築しております。この体制によって様々なチャネルからファンを獲得することができ、さらに収益源が多角化する体制であるため、1部門で得られる収益のボラティリティが高くとも他の部門で補えるビジネスモデルとなっております。
2015年1月に発表した「BanG Dream!(バンドリ!)」は、キャラクターの声を演じる声優が実際に楽器を演奏し、生のライブ活動を行うというユニークな発想を起点として開発したIPであり、こうした音楽活動をはじめ、アニメ、TCG、MOG、MDといった様々なメディアミックスと幅広い広告宣伝によって多様なチャネルからファンを獲得しております。収益の面においてもTCGやMOGのみならず、子会社が担う音楽ソフトやMDの売上が順調に伸びており、IPが発展することによって子会社を含む各部門の成長が牽引されるという当社が理想とするビジネスモデルを体現したIPとなっております。
2017年4月に発表した「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は、昨今エンタメ業界で話題となっている「2.5次元ミュージカル(2次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台コンテンツの総称)」の多くがアニメのミュージカル化であることに対し、ミュージカルを原点としたアニメとの二層展開式プロジェクトという発想から開発されたIPであり、ミュージカル、アニメともに同一のキャストが演じることがプロジェクトに一体感をもたらし、どちらの入り口からも相乗的にファンを獲得できるIPとなっております。また、こちらも「BanG Dream!(バンドリ!)」同様にIPをさらに発展させるべく、TCGやMOG、MDなど様々な展開を実施しております。
2018年12月に発表した「D4DJ(ディーフォーディージェー)」は、「DJ(ディスクジョッキー)」をテーマに、アニメ・ゲーム・声優によるライブなど様々なメディアミックスを展開し、幅広い層の獲得を目指している新規IPです。キャラクターの声を演じる声優がDJとして6つのユニットを結成し、世代を超えた名曲の再生(リミックス)はもちろん、個性溢れるオリジナル曲も展開してまいります。2019年7月に幕張メッセにて「D4DJ 1st LIVE」を開催、また、2020年秋にはモバイルオンラインゲーム「D4DJ Groovy Mix」のリリースを予定しております。
また、創業当初よりIPやメディアミックス展開が幅広く認知されることを重要視しており、屋外広告、TVCM、紙面出稿、SNS、WEB広告などオフライン、オンライン問わず積極的で幅広い広告宣伝施策を展開しております。
なお、報告セグメントにつきましてはデジタルIP事業とライブIP事業に区分をしており、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。当社グループ各社の事業内容とセグメント区分との関連は次のとおりです。

セグメント区分会社名事業内容
デジタルIP事業㈱ブシロード(当社)トレーディングカードゲーム(TCG)部門
(TCGの企画、開発、発売)
モバイルオンラインゲーム(MOG)部門
(MOGの企画、開発)
マーチャンダイジング(MD)部門
(グッズの企画、開発、発売)
(ECサイトの運営)
メディア部門
(アニメ製作委員会収入管理など)
各種IPの企画、開発、プロデュース業務
㈱ブシロードクリエイティブ*マーチャンダイジング(MD)部門
(グッズの企画、開発、発売)
(グッズ販売イベントの企画、運営)
㈱ブシロードメディア*メディア部門
(雑誌・書籍制作)
㈱ブシロードムーブ*メディア部門
(広告代理店)
(イベント制作)
(音響・映像制作)
(声優事務所「響」)


セグメント区分会社名事業内容
Bushiroad International Pte. Ltd. *海外での当社製品の販売
トレーディングカードゲーム(TCG)部門
(TCGの開発、発売)
モバイルオンラインゲーム(MOG)部門
(MOGのローカライズ)
Bushiroad USA Inc.米国での当社製品の販売
㈱キネマシトラスメディア部門
(アニメーションの制作)
㈱リンガ・フランカメディア部門
(コンテンツ電子配信サービス)
その他1社
ライブIP事業㈱ブシロードミュージック*音楽部門
(音楽コンテンツの企画、制作、管理)
(ライブやイベントの制作、運営)
㈱ブシロードミュージック・パブリッシング*音楽部門
(音楽著作物の著作権に関する管理)
(音楽著作物の利用の開発)
(楽譜の出版)
新日本プロレスリング㈱*スポーツ部門
(プロレスリングの興行)
(グッズの企画、販売)
(映像コンテンツの制作、配信)
(ファンクラブの運営)
New Japan Pro-Wrestling of America Inc. *スポーツ部門
(北米地域でのプロレスリングの興行)
(北米地域でのグッズの企画、販売)
㈱ブシロードファイト*スポーツ部門
(女子プロレスリングブランド「スターダム」の事業運営)
㈱劇団飛行船*音楽部門
(マスクプレイミュージカルの企画・制作・公演事業など)
㈱ソプラティコ*スポーツ部門
(フィットネスクラブ事業)
その他1社*
*連結子会社

1.デジタルIP事業
デジタルIP事業は、トレーディングカードゲーム(TCG)部門、モバイルオンラインゲーム(MOG)部門、自社・他社のIPに関連するグッズの企画・発売などを行うマーチャンダイジング(MD)部門、関連書籍の出版、広告代理店業務及び声優のマネージメントなどを行うメディア部門の4部門に分かれており、それらを担う当社と連結子会社の相互作用によって独創性が高いIPを開発(又は良質なIPを取得)し、時代の潮流を読みながら多角的なメディアミックスを行うことでIPを発展させ、事業を拡大しております。

① トレーディングカードゲーム(TCG)部門
当社が創業より開発、発売を行っておりますトレーディングカードゲームは、1対1の対面で遊べるアナログゲームであり、現在主に「カードファイト!! ヴァンガード」、「ヴァイスシュヴァルツ」、「Re バース for you」を展開しております。
このうち「ヴァイスシュヴァルツ」は、自社他社問わずアニメやゲームなど様々な有力IPを取り入れたプラットフォーム型TCGであり、2008年3月の発売以降100を超えるIPに参入いただいております。これは当社が積極的かつ総合的なプロモーションを実現していることから、「ヴァイスシュヴァルツ」への参入が単なる商品化としての側面だけでなく、IP自体のプロモーションに寄与することが1つの要因であり、当社が「協業先から選んでいただけるIPプロデュース会社」であることを意味しています。
一方で「カードファイト!! ヴァンガード」は、オリジナルIPとしての側面も持つトレーディングカードゲームであり、発売以来国内のTCG市場上位に位置し続けております。また、当社の有力IPの1つとしてアニメやコミック、MD、コンシューマーゲームなど様々な形のメディアミックス展開も盛んに行っております。
「Reバース for you」は、オリジナルIPとしての側面と有力IPを取り入れるプラットフォームとしての側面の両方をあわせ持つ新規TCGです。オリジナルIPとしてアニメなどを展開しつつ、他社IPを含めたカード商品を発売することで、幅広いユーザー層へのアプローチを継続的に行うことができます。
いずれのトレーディングカードゲームにおいても対戦相手が必要なアナログゲームであるため、販売小売店での大会開催支援や当社主催での大型大会及びイベントの開催などユーザーが遊べる場所の提供をインフラ整備として積極的に行っており、その運営ノウハウが他の部門でも生かされております。
海外展開においては日本語版の輸出や英語版の発売の他、「カードファイト!! ヴァンガード」ではイタリア語、タイ語、韓国語などでもローカライズ(翻訳、仕様変更など)を行っており、当連結会計年度末時点では海外60カ国以上で発売しております。海外での主催大会においても、アメリカやフランス、ドイツ、シンガポール、中国、タイなど世界20カ国以上で毎年開催するなど意欲的に展開を進めております。

② モバイルオンラインゲーム(MOG)部門
当社のモバイルオンラインゲームはゲームブランド「ブシモ」を冠してGoogle LLC.及びApple Inc.などが運営するプラットフォームを介しユーザーに無料で提供され、一部アイテムを購入する際に課金される課金型のビジネスモデルを導入しており、当連結会計年度末月時点で「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-ReLIVE-」「ヴァンガードZERO」など自社IPを題材としたタイトルや「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」など他社IPを題材としたタイトルなど、主にIPを中心とした計14タイトルを提供しております。
当事業において提供しているタイトルはすべて外部のパートナー会社と共同で展開をしているものであり、その収益モデルは(①自社配信)当社がゲームの企画、製作、宣伝、配信を行って課金収入を得、外部のパートナー会社に開発及び運営を外注又は委託するケース、(②他社配信)当社がゲームの企画、製作、宣伝を、プロジェクトパートナー会社が開発、運営、配信を担い、収益は一定割合で分配するケースの2通りに分けられます。現在の主力タイトルである「ヴァンガード ZERO」は(①)、「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」、「少女☆歌劇 レヴュースタァライト-ReLIVE-」はいずれも(②)の収益モデルに該当しております。
海外展開においてはパートナー会社と協力しながら、グローバル版(英語)、繁体字版、簡体字版、韓国語版をメインに展開しております。

③ マーチャンダイジング(MD)部門
MD部門は連結子会社㈱ブシロードクリエイティブと当社にて展開しており、㈱ブシロードクリエイティブにおいては自社や他社の有力IPを用いたグッズの企画・制作・販売を行っております。販売チャネルは全国にあるアニメショップなどでの一般流通のほか、全国のカプセル玩具自動販売機向けの販売や、アミューズメント施設向け景品の商品化も行っております。IPのファンが集うイベント会場や商業施設での期間限定ポップアップストアなどコアなファンに向けた商品展開にも積極的に取り組んでおり、IPに対するユーザーのロイヤリティをさらに高める役割を果たしております。また、カプセルトイブランド「TAMA-KYU (たまきゅう)」など独創性のある新事業の展開にも積極的に取り組んでおります。
また、当社でも主催イベントでのグッズ販売やトレーディングカードゲーム関連のサプライ用品などを企画・発売しており、これらのMDやライブIP事業の音楽部門の音楽ソフトなどを取り扱うオンラインショップ「ブシロードEC SHOP」を運営しております。

④ メディア部門
メディア部門は、当社でアニメ製作委員会収入の管理などを行っております。
また連結子会社㈱ブシロードメディアにおいて、「カードファイト!! ヴァンガード」「BanG Dream!(バンドリ)」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」「D4DJ」などを看板タイトルに掲げた雑誌「月刊ブシロード」を制作・発行しております。「月刊ブシロード」の名を冠した実写情報バラエティ番組「月刊ブシロードTV」の制作・配信も併せて行っており、雑誌単体では成し得ない複合的なプロモーションが可能となっております。
連結子会社㈱ブシロードムーブでは、広告代理店事業・イベント制作・音響映像制作を、当社グループ向け・他社向けの両軸で行っております。また、声優事務所「響-HiBiKi-」での所属声優のマネージメントの他、WEBラジオの配信プラットフォームである「響 -HiBiKi Radio Station-」及びYouTubeチャンネル「HiBiKi StYle」を運営しており、自社、他社問わず有力IPのWEBラジオや所属声優による配信を行っております。

2.ライブIP事業
ライブIP事業は、自社IPを中心とした音楽ソフトの販売やライブ・イベントの運営を行う音楽部門、2012年1月に連結子会社化した新日本プロレスリング㈱を中心としたスポーツ部門の2部門に分かれております。新日本プロレスリング㈱は45年を超える歴史を持ち、日本で唯一1989年から現在まで毎年東京ドームでの興行を開催し続けているプロレス団体です。連結子会社化以降、興行の動員人数や全体の売上は伸張し続けておりましたが、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により悪化しております。

① 音楽部門
音楽部門は連結子会社㈱ブシロードミュージック、2020年4月に設立した連結子会社㈱ブシロードミュージック・パブリッシング及び2020年2月に連結子会社化した㈱劇団飛行船にて展開しております。
㈱ブシロードミュージックでは、自社IPを中心に、音楽ソフトの販売や楽曲の権利開発、ライブやイベント運営などを行っております。また、それらの音楽ソフトやライブは、同じく連結子会社の㈱ブシロードムーブが運営する声優事務所「響-HiBiKi-」に所属する声優を中心に展開しているため、他社では模倣する事が困難なフットワークの軽さによって良質なパフォーマンスを実現しており、多くのユーザーから支持を頂いております。
㈱ブシロードミュージック・パブリッシングでは、当社グループを中心とした法人の音楽著作権の管理と使用促進を行っております。
㈱劇団飛行船は、50年以上にわたってマスクプレイミュージカル(ぬいぐるみ舞台劇)の上演を行ってきており、その舞台表現技術は国内外で高い評価を受けております。また、IPプロデュースにおいて重要な役割を持つ「舞台」の機能として、2.5次元ミュージカルの分野にも力を入れております。

② スポーツ部門
スポーツ部門は、連結子会社新日本プロレスリング㈱、㈱ブシロードファイト及び2020年2月に連結子会社化した㈱ソプラティコにて展開しております。
新日本プロレスリング㈱は、1972年に旗揚げした歴史あるプロレス興行会社であり、年間およそ160試合を開催し、延べ約40万人を動員しており、2020年1月4日・5日に開催された「WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム」では2日間で70,071人を動員いたしました。また、北米を中心とした海外での興行にも注力しており、2019年4月に開催された米国ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン大会では、アメリカの団体ROHとの合同興行で16,534名の観衆を集めました。このような興行のほか、選手や団体名に関連するモチーフを使用したアパレルや雑貨などグッズの企画・販売・直営ECサイト「闘魂SHOP」の運営、㈱テレビ朝日との共同事業である月額動画配信サービス「新日本プロレスワールド」(有料会員約100,000名)の配信を行っております。主要大会の生中継や過去の名勝負など現在から過去まで豊富な映像資産は今後の海外展開においてもファン獲得の肝であり、外国語実況及び字幕をつけるなど海外の視聴者にも向けたコンテンツ作りへより一層注力し、さらなる海外ファンの掘り起こしを促進しております。また、2019年11月に新日本プロレスリング㈱の100%子会社としてNew Japan Pro-Wrestling of America Inc.をアメリカのカリフォルニア州に設立いたしました。
㈱ブシロードファイトでは、2011年に旗揚げし、2019年に当社グループに所属した女子プロレス団体「スターダム」を運営しており、年間およそ90試合を開催しております。
㈱ソプラティコは、フィットネスクラブ事業を行っており、自社IPとフィットネスを掛け合せた新しい業態の開発によるサービス拡充を目指しております。

[事業系統図]
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沿革関係会社の状況


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