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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100NSKM (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ENECHANGE株式会社 事業等のリスク (2021年12月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載します。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示します。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

(1)事業環境に関するリスクについて

①電力小売市場について
当社グループが事業展開をしている電力業界においては、2016年4月の小売全面自由化以降、家庭向け(低圧電灯)、法人向け(特高・高圧)ともに切替数が順調に増加しております。また、新型コロナウイルス感染症の流行による社会全体でのデジタルトランスフォーメーション(DX)への要望が高まっており、エネルギープラットフォーム事業ではオンラインでの切替需要増加、エネルギーデータ事業では、電力ガス事業者からのDXサービスの導入需要増加等当社グループの業績にとっては好影響になる要素も多いと考えております。しかしながら、今後エンドユーザーの切替意欲の減退による切替数の鈍化や、新電力の競争力低下に伴うシェアの伸び悩み等の要因により、切替が進行しなかった場合、或いは電力ガス事業者に対するDXサービスの導入が順調に進展しなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

②電力制度改革について
当社グループが事業展開するエネルギー分野においては、東日本大震災を契機に、再生可能エネルギー固定価格買取制度の創設、電力・ガス小売の全面自由化や送配電事業の法的分離の実施、ベースロード市場や容量市場の整備等大規模な改革が政府主導で行われてきました。そうした電力制度改革を更に推進すべく、2020年に電気事業法及び再エネ特措法の改正案が第201回通常国会で可決され、電力データの活用促進や分散型電源の推進に向けたアグリゲーター事業者の法的位置付けの整理、計量法規制の合理化、再生可能エネルギーの買取価格の市場連動型(FIP制度)の導入等が制定されており、今後も様々な制度変更が行われる見込みです。これらの制度変更は、市場の競争環境における公平性の担保を強化し、市場活性化を促す施策であり、当社グループにとっては追い風であると考えております。しかしながら、これら事業環境に影響を及ぼす規制緩和や制度改革が計画のとおりに進行しなかった場合や、想定外の形での法規制の変更等があった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③その他関連市場について
当社グループの展開するサービスは主にインターネットを通じて提供されているため、使用環境の改善や利用可能な端末の増加等を通じたインターネット関連市場の更なる発展が、当社グループの成長のためには重要であると考えています。また、当社グループがサービス展開を行う上での基盤となるクラウド関連市場やビッグデータ関連市場については、今後拡大が見込まれており、当社グループとして積極的に関連サービスを多角的に展開する方針です。
しかしながら、これら当社グループが事業展開する上での基盤となる関連市場が、新たな規制やその他予期せぬ要因により急激な変化に見舞われ、使用環境への制限等を通して発展が阻害された場合は、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業内容及び提供サービスに関するリスクについて

①電力・ガス会社への依存について
当社グループの「プラットフォーム事業」及び「データ事業」においては、取引先の電力・ガス会社からの収益が主な収益源となっています。そのため、資源価格や日本卸電力取引所(以下「JEPX」)における電力取引価格の想定外の高騰、自然災害や突発的な事象等予期せぬ事態、などの影響により取引先電力・ガス会社の経営状態が悪化した場合、また電力・ガス会社における集客チャネルに関する戦略の変更等により、当社グループ以外のチャネルの重要度が高まった場合には、既存契約の条件見直しや解消、新規発注の停止等につながる可能性があります。当社グループとしては、取引先電力・ガス会社の分散を通じてリスクの低減に努めていますが、特定の時期にかかる事象が集中発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②大型案件について
当社グループの「エネルギーデータ事業」においては、顧客の個別ニーズや予算規模により受注案件が大型化した場合、売上計上が可能となるサービスのリリースに至るまでに長期間を要する可能性があります。一部大型案件の受注可否については、特定顧客の動向や判断に左右される部分が多いため、当該案件の受注が計画のとおりに進まなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③サービスのライフサイクルについて
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」においては、当社サービスを経由して電力・ガス会社の契約切替を行ったユーザーの小売供給契約期間は基本的に1年間となっていますが、その後ユーザーの意思に従って契約の更新又は解約がなされます。当社としてはユーザーにとっての最適な小売供給契約の締結をサポートするために、契約締結後もカスタマーサポートの提供や営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握等に努めており、追加的な電力・ガス会社の切替ニーズが発生した場合は、そのサポートも実施することで継続的な切替報酬を収受しております。しかしながら、当社提携外の電力・ガス会社からの営業活動等により、ユーザーが小売供給契約を当該電力・ガス会社に切替えた場合は手数料収入が減少するため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④競合他社の状況について
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」において、家庭向け・法人向けユーザーに電力・ガス切替プラットフォームを展開する事業者は複数存在しており、また電力・ガス会社が自ら直接・間接的に顧客に対して営業行為を行っているため、一定程度の競争環境は存在するものと認識しております。前者の競合に対しては、提携電力・ガス事業者数の拡大、サービス価値の向上及びSEO対策や積極的なマーケティング施策をベースにしたオンラインでの集客力強化、パートナーシップの拡大によるオフラインでの集客力強化を図ってまいりました。後者の競合に対しては、複数の電力・ガス会社から最適な事業者を選択できるというサービスモデルを差別化要因として競争力の向上に努めてまいりました。その結果として、本書提出日現在での競争環境は限定的なものと認識しております。
「エネルギーデータ事業」においては、一部顧客管理システムや需給管理システムを対象にした商材展開を行っている事業者が存在しております。しかしながら、「EMAP」においては「エネルギープラットフォーム事業」で蓄積された独自データベースを活用しオンライン上での顧客獲得を推進させるという、ユニークなポジショニングでのサービス展開を実施しているため、本書提出日現在では競争環境は比較的軽微なものと認識しております。今後新たな競合が参入した場合も、電力・ガス比較サイト「エネチェンジ」で培ったマーケティングの知見や蓄積されたデータベース、データ解析技術等を差別化要因として、競合に対する優位性は保てるものと認識しております。また「SMAP」においては、今後スマートメーターの普及とともに国内外の競合他社が増加し、競争環境が激化してくる可能性がありますが、国内外の顧客企業へのサービス提供を通じて蓄積された独自データベースを活用したプロダクトの開発やデータ活用に関する知見、導入実績の積み上げにより競争力の向上に努めてまいります。
しかしながら、今後他に優れた技術やビジネスモデルを持ち合わせた競合の参入により、当社グループの事業領域における競争激化の結果として当社グループユーザーの解約や電力・ガス会社との契約単価の下落が生じた場合、若しくは当社グループサービスの導入が進まなかった場合は、当社グループの事業及び経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤検索エンジンのロジック変化について
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」においては、検索エンジン(Google及びYahoo!Japan等)から多くのユーザーを集めており、今後についても、検索エンジンからの集客を強化すべくSEO対策等の必要な対策を実施する方針です。しかしながら、検索エンジンを提供する企業が、検索アルゴリズムのロジックを変更することで検索結果の表示順位が変更された場合、または新たな検索エンジンが主流になった場合、当社の提供サービスへの集客に影響が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥技術革新等について
当社グループが事業展開するエネルギー分野においては、電力ビッグデータのAI技術による解析の他、電気自動車、蓄電池といった分野における技術革新や、技術の普及に伴う価格競争力の強化によって、従来にはなかった様々なサービスの誕生が見込まれており、それに伴った顧客ニーズの変化も発生するものと予想されます。当社グループは、これらの変化に対応するため、Japan Insight Venturesというアクセラレーションプログラムの運営を通じた海外の有望な電気自動車、蓄電池制御関連のエネルギーベンチャーとの連携を率先して行う等情報収集・連携に努めております。また、それらの技術を実用化するために必要な技術者の確保や体制の整備に努めていますが、今後当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、または、変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦海外展開について
当社子会社のSMAP ENERGY LIMITEDは英国に本拠を置き、プロダクト開発や欧州地域における顧客開拓を実施しております。また、関連会社であるJapan Energy Capital 1 L.P.は主に中東地域での再生可能エネルギー発電所への投資を行っており、関連会社であるJapan Energy Capital 2 L.P.は海外のエネルギーベンチャー企業への投資を予定しております。これらの取組みに関して、海外における当社グループの事業に係る法規制等の成立・改正等が実施された場合、政治情勢により事業運営に支障をきたす事態が生じた場合、予期せぬ自然災害、人為災害、テロ、戦争や感染症等が発生した場合等は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧システム障害等について
当社グループの事業は、電力やガス等のインフラ関連企業の継続的なサービス提供が前提となっています。また当社グループのサービスは、主にインターネットを介して提供されており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信インフラに依存しております。従って、自然災害、人為災害、テロ、戦争等に伴いシステム障害が発生することでサービスの提供が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業別コンティンジェンシープランを作成し、役職員に対して周知することでこれら不測の事態に対しての対応を定めていますが、かかる事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨当社が出資するファンドの投資コミット金額について
当社グループの「JEF」サービスにおいては、Japan Energy Capital合同会社より再生可能エネルギー発電所への電力データ解析に基づく運営効率化業務並びにファンド運営業務を独占的に受託しており、その報酬はJapan Energy Capital 1 L.P.の投資コミット金額に連動します。従って、当該ファンドの投資コミット金額が計画のとおりに増加しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、Japan Energy Capital 1 L.P.での実績を活かし、脱炭素化ベンチャー投資に特化した新たなファンドであるJapan Energy Capital 2 L.P.を2021年9月30日に組成しており、上限を50百万米ドルとして継続的にLP出資者を募る営業活動を行っております。Japan Energy Capital 2 L.P.も同様に、Japan Energy Capital合同会社がファンド運営業務等を受託し、その報酬は当該ファンドの投資コミット金額に連動するものとなります。従って、今後当該ファンドの投資コミット金額が計画のとおりに増加しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)業績変動に関するリスクについて

①四半期毎の業績変動等について
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」における売上高は、特定の電力・ガス会社の撤退等に伴う切替先の電力・ガス会社を探すユーザーの増加により切替報酬が一時的に増加するといった外部環境の要因や、引越の繁忙期における切替報酬増加、または暖冬・冷夏等の特定の気象状況下における切替報酬減少等、季節要因の影響により変動します。
また、「エネルギーデータ事業」における売上高は、新規受注や新規機能のサービスリリースに伴う一時的な売上が発生する等の要因で変動する傾向にあります。また人材の確保を円滑に進めるための採用活動に伴う費用や、新規ユーザーを獲得するための各種プロモーション施策に係る費用が一部四半期に集中することもあります。これらの要因により、収益が年間を通じて平準化されず、四半期決算の業績が変動する可能性があります。

第6期及び第7期の各四半期連結会計期間の業績は次のとおりです。

第6期(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年度計
売上高(千円)420,139383,645448,393461,0161,713,196
売上総利益
(千円)
315,851282,589358,658366,7461,323,846
営業利益又は
営業損失(△)
(千円)
42,231△4,32344,899△29,48753,320
第7期(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年度計
売上高(千円)657,640728,419800,316831,6263,018,003
売上総利益
(千円)
560,997635,938677,444707,7002,582,080
営業利益又は
営業損失(△)
(千円)
33,07226,39578,289△96,88240,875

②事業領域の拡大について
当社グループが取り組む事業領域では、市場の規制撤廃や新たな技術革新やサービスモデルの誕生が見込まれております。本書提出日時点において、当社グループの収益は、「エネルギープラットフォーム事業」及び「エネルギーデータ事業」による売上の影響を大きく受けている状況であるため、当社グループは、「エネルギーの4D」に則した新たな収益源を常に模索し、事業の拡大と安定化に取り組んでおります。しかしながら、事業領域を拡大し、現在の事業領域と異なる分野にも進出することで、人材採用、システム開発、営業体制構築等の投資を実施したにも関わらず、当該分野における収益化が進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③為替変動について
当社グループでは、海外子会社の現地通貨建ての財務諸表を日本円に換算した上で、連結財務諸表を作成しております。また、一部外貨建ての出資や債権債務、外貨建てで収入若しくは支出が発生する取引が存在します。従って、為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)コンプライアンス・法的規制等に関するリスクについて

①法的規制について
当社グループが事業展開する電力業界においては、電気事業及びその関連事業を行う者に対し電気事業法が課せられています。当社は小売電気事業者と一般ユーザーとの間の小売供給契約締結の「媒介」(注)を行う事業者として取引に関与しており、電気事業法及び同法施行規則で定められた義務や、経済産業省が公表する「電力の小売営業に関する指針」上のガイドラインに基づいて事業を行っています。また当社は、小売電気事業者として経済産業省へ登録(法人番号6010601047805)を行っております。
これら関連法規制やガイドラインへの対応については、外部弁護士の見解確認を踏まえて四半期毎のコンプライアンス・リスク管理委員会において慎重に判断を行っていますが、新たな法令等の制定や、当社グループが想定しない形での既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(注) 「媒介」とは、「他人(小売電気事業者及び小売供給を受けようとする者)の間に立って、当該他人を当事者とする法律行為(小売り供給契約)の成立に尽力する事実行為」をいいます。また「媒介」の他にも「取次ぎ」「代理」のパターンがあり、「取次ぎ」とは「自己の名をもって、他人(小売供給契約)の計算において、法律行為(小売供給契約)をすることを引き受ける行為」をいい、「代理」とは、「他人(小売電気事業者)の名をもって、当該他人のためにすることを示して行う意思表示」をいいます(「電力の小売営業に関する指針」)。
②知的財産権について
当社グループが事業活動を行うにあたり、第三者が保有する商標権、著作権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っており、損害賠償請求や特許権侵害の訴訟等は現在ありません。しかしながら、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払要求等が発生する可能性があり、その場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③情報管理について
当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」及び「エネルギーデータ事業」において、企業情報及び個人情報を取り扱っております。当社並びに当社子会社であるSMAP ENERGY LIMITEDの日本支店においては、個人情報取扱事業者として適切な管理体制を構築するため、プライバシーマークを取得し、他の情報についても厳密なセキュリティルールを施して管理することに加え、情報管理に関する社員研修も毎年受講必須とする等、社員教育・運用面の徹底もしております。また、情報管理に関しての適切な運用遵守状況を内部監査室が組織横断的に確認しております。しかしながら、万が一不測の事態によりこれらの情報が流出・漏洩した場合には、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④メディアコンテンツの品質維持について
当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」で運営しているメディアのコンテンツとして、電気やガスをはじめとしたライフサポート領域に関する記事の制作の一部を外部委託しております。かかるコンテンツの内容については公開前に自社ガイドラインと照らし合わせた厳正なチェックを行っており、また、その運用状況を内部監査にて確認することで、著作権侵害やコンテンツの盗用等の事態を未然に防止するような体制を構築しております。しかしながら、当社の意図せざる事態によってメディアの一部コンテンツが第三者の権利侵害等を発生させていると認定された場合、当該第三者より使用差し止め請求や損害賠償請求、ロイヤリティの支払い要求等が発生する可能性があり、かかる場合において当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤広告掲載について
当社グループの「エネルギープラットフォーム事業」において掲載される広告については、当社独自の広告掲載基準による確認を実施し、景品表示法等の関連法令に違反する広告や公序良俗に反する広告の排除に努めています。しかしながら、人為的な過失等に起因して広告掲載内容に瑕疵が発生した場合や広告掲載が行われなくなった場合においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥訴訟等について
当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」におけるウェブサービスにおいて、サービス利用規約を定めてサービス利用者からの同意を得ることで利用者との間での紛争防止に努めています。また、当社の社内規程として、「コンプライアンス規程」及び「リスク管理規程」を定め、役職員に対して当該規程を遵守させるとともに、コンプライアンス違反の恐れのある事象については経営執行会議やコンプライアンス・リスク管理委員会等に報告する仕組みを構築・運用することで、法令違反や損害賠償等の発生リスクの低減に努めています。しかしながら、当社グループの提供するサービスに関連して顧客、取引先、及びその他第三者との間で予期せぬトラブルが生じた結果、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては、訴訟対応費用の発生や社会的信用の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、本書提出日現在、訴訟を提起されている事実はありません。

(5)事業運営体制に関するリスクについて

①特定人物への依存について
当社の代表取締役CEO、当社子会社のSMAP ENERGY LIMITED CEO、その他関連会社1社にて主要役職を兼職している城口洋平、そして当社の代表取締役COO、当社子会社のオーベラス・ジャパン株式会社代表取締役を兼職している有田一平は、当社グループの事業に深く関与しており、また、電力業界及びスマートメーターデータ解析に関する深い造詣を有しており、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っています。当社グループは、特定の人物に依存しない体制を構築すべく、代表取締役2名体制を取ることにより両代表間での役割分担や相互牽制機能を働かせており、またエネルギー事業に関しての深い知見・経験と、上場企業として求められる水準の開示・内部管理体制構築における造詣を有している社外取締役が過半数を占める取締役会体制の構築や執行役員制度の導入等による組織体制の強化を図り、両代表取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めています。しかしながら、何らかの理由により両氏の経営方針に重大な齟齬をきたした場合や、当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②人材の確保・育成について
当社グループでは、事業の持続的な成長を支える優秀な人材を確保することが事業運営上重要であると考えています。このため、新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、「ウィズコロナ宣言」を発表し、テレワークの恒久化、オフィススペースの縮小、テレワーク手当の支給等、コロナ禍においてもより優秀な人材を惹きつけることができるような取組みを積極的に実施しております。今後も優秀な人材の採用を積極的に推進し、当社グループの企業理念及び経営方針を理解した社員の確保・育成を行ってまいりますが、雇用情勢の変化等により、計画のとおりに人材が確保できない場合には、事業運営や開発計画に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③社歴が浅いことについて
当社の前身となるCambridge Energy Data Lab Limitedは2013年6月に英国で設立されていますが、日本では当社は2015年4月に設立されており、設立後の経過期間は7年程度と社歴の浅い会社です。当社グループはストック型収益を重視し売上の予見性を高める方針であるとともに、予算統制の精度を高める各種施策を行っております。しかしながら、当社グループの経営計画には一定の不確定事象が含まれるため、過年度の業績及び実績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。

④小規模組織であることについて
当社グループは小規模組織であり、ガバナンス体制や内部管理体制は当社グループの組織規模に応じたものとなっています。これらの体制については組織規模に関わらず高い水準を構築・維持することが重要であるとの考えのもと、当社グループは、コーポレートガバナンス・コードを念頭に置いた内部管理体制の構築を図っています。具体的には、各専門分野における豊富な経験を有した人材を採用するとともに、各種のコンプライアンス研修等社内教育による人材育成を進めることで、事業規模の拡大や多様化に合わせ、内部理体制を充実・強化していく方針であります。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤海外子会社について
当社子会社のSMAP ENERGY LIMITEDは英国を本拠として、主にスマートメーターデータの解析ソリューションツールである「SMAP」の開発及び海外顧客向け営業を実施しております。世界的にスマートメーターの普及とそれに伴う電力データの解析ニーズは増えていくものと見込まれていますが、今後、現地における制度上の問題や競争環境の激化等の要因により、同社の経営成績が悪化した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、SMAP ENERGY LIMITEDのガバナンス・内部統制に関しては、当社代表取締役CEOの城口洋平がSMAP ENERGY LIMITEDのCEOを兼務したうえで、原則として当社と同等の基準を適用し、その遵守状況を内部監査にて確認しております。しかしながら、現地において内部統制上の問題を抱えたり、法令に違反したりする可能性があります。かかる事態において問題の早期発見と是正措置の実施ができない場合、当社グループの信頼性や企業イメージの低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)その他のリスクについて

①減損会計の適用について
当社グループでは、継続的に行う開発投資に係る人件費等の一部をソフトウエア資産として計上しております。今後、これらの資産を利用して提供するサービスの収益性が著しく低下した場合、当該資産について減損損失の計上が必要となる可能性があります。
また、当社は、2021年10月15日開催の取締役会において、オーベラス・ジャパン株式会社の発行済株式の100%を取得して子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結、2021年11月1日付で全株式を取得いたしました。当該株式取得によって生じたのれんは、当該株式取得による期待収益及び将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと想定しております。しかしながら、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合等においては、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

②Japan Energy Capital 1 L.P.への出資について
当社が出資するJapan Energy Capital 1 L.P.は、主として太陽光発電所に代表される再生可能エネルギー発電所への投資を海外にて行う、ケイマン籍のリミテッドパートナーシップ形態のファンドです。当該ファンドはキャピタルコール方式をとっており、当社の出資コミットは2021年12月末時点において最大11百万米ドル(既出資額は7.0百万米ドル、回収額は3.4百万米ドル)です。本ファンドにおいては、当社グループは電力データ解析技術を活用し、ファンドの投資先である発電所の運営効率化業務を積極的に果たしていくことが期待されており、当該業務を独占的に受託する業務委託先として、この種の枠組みでの事業を日本で運営する際に求められる必要な拠出額を出資コミットしております。そのため、その役割に応じて追加の出資コミットメントが要請される可能性があります。当社としましては、当該要請に対しては、取締役会において慎重な議論を経て適切に判断してまいります。また、かかる出資は、一定期間以上稼働実績のある太陽光発電所を中心とした既設再生可能エネルギー発電所を主な投資対象とし、米国ドルでの決済とする等、為替リスクを限定的とするストラクチャーを採用したうえで、想定されるリスク・リターンを精緻に分析した上で行われていますが、当該ファンドにおける投資実行の遅れ、日射量の低下に伴う売電収入の減少、自然災害・テロ等の発生による投資対象資産の損傷、地政学的リスクの高まり等による対象国における再生可能エネルギー発電事業への影響等により、当初想定されたリターンが得られず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③Japan Energy Capital 2 L.P.への出資について
当社が出資するJapan Energy Capital 2 L.P.は、主として脱炭素社会の実現を目的とした海外のエネルギーベンチャー企業への投資を行う、ケイマン籍のリミテッドパートナーシップ形態のファンドです。当該ファンドはキャピタルコール方式をとっており、当社の出資コミットは2021年12月末時点において最大5百万米ドル(既出資額はなし)です。本ファンドにおいては、当社グループは投資先に対して当社の知見や実績を活用し、制度改革に合わせた日本市場参入支援や、ローカライズのサポートも同時に行うことが期待されており、当該業務を独占的に受託する業務委託先として、この種の枠組みでの事業を日本で運営する際に求められる必要な拠出額を出資コミットしております。そのため、その役割に応じて追加の出資コミットメントが要請される可能性があります。当社としましては、当該要請に対しては、取締役会において慎重な議論を経て適切に判断してまいります。また、かかる出資は、綿密なデューデリジェンスやシナジー検証を経た上で、想定されるリスク・リターンを精緻に分析した上で行われていますが、当該ファンドにおける投資実行の遅れや、投資先企業の将来的な不確定要素による業績悪化の影響等により、当初想定されたリターンが得られず、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

④配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、現状では財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながると考えています。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針です。
内部留保資金については、財務体質の強化と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針です。
将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び当社グループを取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ですが、本書提出日現在において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。

⑤税務上の繰越欠損金について
当社では、過年度に生じた税務上の繰越欠損金があるため、課税所得が減殺され納税負担額が軽減されております。繰越欠損金の繰越期間内に課税所得が生じなかった場合や、税制改正により繰越欠損金の使用が制限された場合においては、納税負担額を軽減できない可能性があります。繰越欠損金の使用が出来ず納税負担が軽減できない場合、通常の税率に基づく法人税等が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

⑥ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社では、取締役、執行役員、従業員、子会社取締役、子会社従業員、外部協力者に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は3,733,992株であり、発行済株式総数29,677,880株と潜在株式数3,733,992株の合計の11.2%に相当しておりますが、その多くは経営陣及び主要従業員の長期にわたるコミットメントを目的としたものであり、権利行使期間に一定の制限が設けられています。具体的には、当社代表取締役CEOの城口洋平に対して付与された新株予約権は、2018年から段階的に権利行使可能となる条件のため、当社グループの長期にわたる価値向上に対してのコミットメントを担保するものです。また、植野泰幸に対して付与された新株予約権は、いわゆる時価発行新株予約権信託®であり、2018年から5年間にわたり、当社取締役(代表取締役CEOの城口洋平を除く)、執行役員、従業員、子会社取締役、子会社従業員、外部協力者に段階的に付与し権利行使可能となる条件です。時価発行新株予約権信託®の活用により、長期にわたるコミットメントの強化、並びに人材採用力の強化、現金での給与・賞与等の報酬水準を抑制する効果が見込まれるため、当社グループの業績においても重要な影響を持ちます。これらの新株予約権を除くと、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は164,496株であり、発行済株式総数29,677,880株と潜在株式数3,733,992株の合計の0.5%に相当します。本書提出日現在においては、更なる新株予約権の新規発行は予定しておりませんが、競争環境等の変化により今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

⑦大規模な自然災害等について
当社グループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生した場合、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、本書提出日現在、世界的に流行している新型コロナウイルス感染症は、収束時期が依然として不透明であります。当社グループでは新型コロナウイルス感染症の流行以降、迅速にリモートワークを推奨しており、柔軟に事業を継続できる体制の整備に努めております。また、当社グループのビジネスへの影響は軽微であると認識しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行長期化に伴い、度重なる緊急事態宣言の発令や外出自粛等により法人ユーザーの電力使用量が極端に落ち込んだり、当社グループ顧客の業績への影響が想定を超えて拡大したりした場合には、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧資金使途及び投資効果について
2021年12月に実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、エネルギープラットフォーム事業における、①プロモーション及びセールス・マーケティング体制強化の投資に係る資金、②当社グループの顧客基盤強化を企図した買収に係る資金、③自社サービス拡充に資する資金、エネルギーデータ事業における、④「脱炭素テックファンド」への出資や運営に係る資金、⑤エネルギーデータ事業の将来成長に資する資金、及び⑥エネルギープラットフォーム事業及びエネルギーデータ事業におけるエンジニア、セールス、サポート人員の採用費並びに人件費等に充当予定です。これら投資のうち、①③及び⑤についてはその効果に対して費用が先行する性質のため、2022年12月期においては営業損失及びマイナスのフリー・キャッシュフローを計上する見込みであります。またこれら投資については厳密な費用対効果分析を経た上で実施する方針でおりますが、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があります。
また、本書提出日現在、当社はエネルギープラットフォーム事業及びエネルギーデータ事業の2セグメントですが、将来において、更なる事業ポートフォリオの拡大により、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があります。なお、調達資金を上記以外の目的で使用する場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E36130] S100NSKM)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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