株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル 研究開発活動 (2015年3月期)

1.研究開発体制
当社は、グラフィックスIPコア、LSI開発に対して研究開発活動を行っています。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載をしておりません。
2.グラフィックスIPコアの開発状況
組み込み機器向けの3Dグラフィックス(OpenGL ES)および2Dグラフィックス(OpenVG)に準拠したグラフィックスIPコアおよび、低消費電力グラフィックスLSIの開発を進めています。
また、標準規格のグラフィックスIPコア開発に加え当社独自の技術を実装することで、競合他社との差別化を図るための技術の開発を推進しています。
(1)開発状況
①「MAESTRO」の開発
一般的にソフトウエアで処理される3Dグラフィックスの陰影付け処理などをハードウエアに実装することで、より写実的な3Dグラフィックス描画を低消費電力、高品質、かつ高速に実現することができる「MAESTRO」を開発しました。この技術をもとに後処理の高速化など、さらなるアルゴリズム(注)開発、ハードウエア・ソフトウエアの開発を進めています。
②「antシリーズ」の開発
ウェアラブル・IoTデバイス、FPGA向けに、サイズの最小化を図った2Dグラフィックス、ベクターグラフィックス、3Dグラフィックスを高速化するIPコアの開発を行いました。
③IPコアを最適に動作させるための技術開発
グラフィックスシステムを構築する際、各種システムの特性に対して最適な組み込み・統合を行うことで、低消費電力でありながら大画面に対する表示対応や、パソコンで使用されるような高度なグラフィックス機能を有する描画システムを構築することが可能となります。当社ではこの最適な組み込み・統合を容易にするために、IPコアに係わる周辺ハードウエアおよび周辺ソフトウエアの研究開発を進めており、成果物の1つを「Loputo Platform IP」としてライセンスを開始しています。本技術と既存IPコアを併せて顧客に提供することで、最大限に最適化できるソリューションを提供することが可能となります。
④低消費電力グラフィックスLSIに関わる技術開発
NEDOによる「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」助成金を用い、携帯機器に採用が拡がる高品位なユーザーインターフェイスの実現で使用されるグラフィックプロセッサにおいて課題となっている消費電力増大の問題を解決するため、上記①③の技術を適用したグラフィックスプロセッサ開発を進めました。
(2)開発成果
当社サイズを最小化したグラフィックスコアおよび低消費電力グラフィックスLSIの開発
サイズを最小化したグラフィックスコア「antシリーズ」についてライセンスを開始しました。また、低消費電力グラフィックスLSIの設計を完了し、評価LSIを入手しました。
①ウェアラブル・IoTデバイス、FPGA向けに、サイズの最小化を図った2Dグラフィックス、ベクターグラフィックス、3Dグラフィックスを高速化するためのIPコア「antシリーズ」の開発を完了し、ライセンスを開始しました。
②NEDOによる「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」助成金を用いた省電力グラフィックスLSIの設計を完了し、評価用LSIを入手しました。
(注)「アルゴリズム」とは、問題を解くための効率的手順を定式化した形で表現したものを意味します。

3.研究開発費
当事業年度における研究開発費総額は537百万円となっております。