有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TWUC (EDINETへの外部リンク)
株式会社QLSホールディングス 事業等のリスク (2024年3月期)
本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、特に断りがない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)利用者の減少
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの主要な事業は保育事業であり、認可等を受けた保育所の運営を行なっております。
また、保育事業だけでなく介護福祉事業におきましても、国内の居住者を対象とした事業であるため、人口変化による影響が大きい事業となっております。今後、国内においては人口減少、特に少子高齢化が見込まれておりますが、保育事業に関連する事項としましては、待機児童数が年々減少していることが挙げられます。女性就業率の上昇傾向や被用者保険の適用拡大に伴う働き方の変容を踏まえると、人口減少による縮小影響よりも利用率の増加による影響が上回り、今後も市場拡大が見込まれておりますが、想定よりも利用率が低下し、利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。介護事業に関しましても、高齢化により今後の市場拡大が見込まれておりますが、想定よりも利用率が低下し、利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)人材の確保
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループでは、新規施設の増加に伴い、保育士、児童指導員や介護福祉士などの資格や要件を満たした人材の確保と育成が必要となっております。これらの人材を確保するために人材紹介会社との取引拡大、自社による人材確保戦略の拡充等、人材の確保における多チャネル化を進めておりますが、施設数の増加に人材の確保が追い付かず、施設の運営が計画通りに進まない場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(3)国や自治体による方針や関連法規制等の改訂等
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
2000年に認可保育園の運営主体に株式会社も認められるようになったため、当社グループも認可保育園の運営事業へ参画いたしました。2015年4月には子ども・子育て支援新制度が施行され、国及び自治体は待機児童解消に向けた様々な支援策を実施しております。しかしながら、今後、国や自治体の方針について改定等が実施され、補助金の削減や株式会社による認可保育所の開設並びに既存の公立保育所の民営化が認められなくなった場合、当社グループにおける保育事業の拡大が止まり、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
また、介護福祉事業においては介護保険法などをはじめとする各種関連法令改定によって影響を受ける事業であり、介護保険制度は定期的な見直し改定が行われております。今後、介護保険制度の改定により報酬引き下げ等の事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、委託費単価や報酬単価が期中に改定された場合、期初に遡って精算される可能性があります。
(4)許認可等事業
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、保育事業、介護福祉事業及び人材派遣事業において、児童福祉法及び介護保険法、及び労働者派遣法等に基づき、認可保育所、小規模認可保育所、放課後等デイサービス、障がい者グループホーム等を運営しております。いずれの事業も許認可権限、指定権限を持つ行政機関へ施設設置の申請を行ない、審査を経た上で許認可や指定が付与されます。現時点において、当社グループの事業において運営している施設に許認可取消、指定取消事由は発生しておりませんが、今後、何らかの原因により行政機関から取消された場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(5)食の安全性について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、食品衛生法に基づき、厳正な食材管理及び衛生管理を実施し、食中毒などの事故防止に努めております。しかしながら、何らかの原因により食の安全に関する重大な問題が発生した場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(6)大規模な災害
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、首都圏と大阪市内を中心に保育施設及び介護施設を有しております。これらの施設が地震、火災及び台風等の自然災害等の発生により利用者や従業員、施設の建物等が被害を受けた場合には施設の運営が困難となり、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(7)個人情報の保護について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの保育施設及び介護施設においては、利用者の氏名、住所をはじめ、保護者の氏名及び職業などの情報を保持しております。これら顧客の個人情報の取扱いについては厳重に管理し、万全を期しておりますが、万が一漏洩するようなことがあった場合、顧客からだけでなく、広く社会的な信用を失墜することとなり、施設の許認可及び指定に影響が出るなど、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(8)感染症の流行
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、多くの利用者に安全なサービスを提供するため、感染症について厳重に対応しておりますが、新型コロナウイルスやインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が流行し、利用者が大きく減少し、従事する従業員が多数欠勤し、施設運営が困難となる可能性があります。また、今般の新型コロナウイルスの感染拡大のように、社会全体として外出自粛が要請される中で施設自体の運営を自粛する可能性や、国又は自治体より施設の休業要請を受ける可能性もあります。その場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(9)運営施設の事故等
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、施設運営において利用者の安全を確保する体制を整備していることから、これまで業績に多大な影響を与えるような事故等は発生しておりません。しかし、万が一運営施設において重大な事故等が発生し、所管する自治体等からの事業停止命令を受けた場合や、保護者等から損害賠償請求を受けた場合、風評被害等により多数の利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(10)季節変動(保育施設の利用者の一時的な減少)
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
保育事業においては、毎年4月になると5歳児等クラスが小学校へ進級する一方、新規0歳児は月齢を満たした後に入園することから、児童数が一時的に減少する傾向があります。このため、上半期は下半期と比較して児童数・施設稼働率が減少する傾向があります。
(11)新たに保育所等の施設を開設する場合の経営成績に対する影響
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業は、認可等を受けた保育所の運営を行なう保育事業を主としているため、保育事業に関する政策や市場の動向が、グループ全体の業績に大きな影響を与える可能性があります。
新たに保育所等の施設を開設する場合、一般的には下記の影響が生ずる傾向があります。
営業損益:開設時には、高年齢クラス(3歳~5歳児等)が定員を満たさない傾向があるため、開設初年度からの数年間は稼働率が低く、また、従業員の新規採用コストや研修費、消耗品等の費用の発生により経費が増加することから、営業損失となる傾向にあります。その後、低年齢クラスの児童が進級を重ねることにより、稼働率が向上して営業利益化する傾向があります。
経常損益:新規開設に伴う費用は「開園前費用」として営業外費用に計上されます。このため、新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、開園前費用(営業外費用)を増大させる可能性があります。
また、新規開設に伴う費用や設備投資等に対して、所管する自治体から設備補助金が交付されることがあります。当該補助金は下記記載の特別利益に計上されるものを除いて「補助金収入」として営業外収益に計上されます。このため、新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、補助金収入(営業外収益)を増大させる可能性があります。
なお、当該補助金は開設が完了したことに伴い支給が決定されます。仮に、開設計画の進捗が遅れた場合は、当該補助金の発生も遅れることから、業績の見通しに影響を及ぼす可能性があります。なお、開設予定地において物件の確保や地域社会からの反対などにより開設が困難となった場合は、開設計画の見直し等により当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
特別損益:開設に伴う設備投資のうち、当該設備投資に対して補助金が交付されるものについては、税務上のメリットを享受するため直接減額方式による圧縮記帳を行なうことがあり、「固定資産圧縮損」として特別損失に計上されます。2024年3月期において、固定資産圧縮損の計上はありません。2024年3月期末における有形固定資産の取得価額から控除している圧縮記帳額は4,123,798千円であります。
また、圧縮記帳を行なった固定資産の取得のために交付される補助金については「整備補助金収入」として特別利益に計上しておりますが、2024年3月期において整備補助金収入の計上はありません。
なお、候補地選定の難航等により施設開設場所が確保できない場合、グループ全体の業績に影響を与える可能性があります。
(12)固定資産の減損に関するリスク
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの保育事業及び介護福祉事業の業績が今後著しく悪化し、保育施設及び介護施設の建物や設備等の投資回収が困難となり減損処理が必要となった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。2024年3月期において減損損失を55,890千円計上しております。
(13)子会社の赤字計上
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の子会社である株式会社エルサーブは、2024年3月期において、障がい者向けグループホーム事業「g-port」を譲受けましたが、初期費用がかさんだ結果、6期連続で営業赤字を計上しております。今後も利用者の獲得活動を行なうことで売上拡大及び継続的な黒字計上を目指しておりますが、想定通りの結果が得られない場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(14)社会保険料の増加
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
従業員について、一定の条件を満たした場合は社会保険(厚生年金及び健康保険)への加入が義務付けられております。当社グループでは、既に加入義務者全員が社会保険に加入しておりますが、今後、社会保険加入要件について加入対象者が短時間労働者まで広がった場合、従業員の社会保険加入人員数が増加し、会社負担の社会保険料が増加するため、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(15)有利子負債及び金利負担について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、新規施設開設に関する設備資金などは金融機関からの借入れや社債などの有利子負債により調達しておりますが、外部からの有利子負債への依存度が高く、外部からの有利子負債への依存度が2024年3月31日現在、負債純資産合計の45.5%と高くなっており、急激な金利変動などの金融情勢の変化により、計画どおりに資金調達出来ない場合には、新たな保育・介護福祉施設の開設計画に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(16)財務制限条項について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあり、当該条項に抵触し、一括返済が必要となった場合には、当社のグループの財政状態及び業績に影響を与える可能性がります。
(17)創業者依存
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の代表取締役社長である雨田武史は、株式会社クオリスの創業者であり、当社グループ事業の創業者であります。同氏は保育・介護業界に精通しており、経営戦略等の策定において重要な役割を果たしております。当社グループでは、役員等への権限移譲やコーポレート・ガバナンス体制の構築により、同氏に過度に依存しない経営体制を整備しておりますが、現状では何かしらの事情等により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(18)新株予約権の行使による1株当たりの株式価値の希薄化について
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では、当社役員、当社従業員及び外部の協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権(以下「ストック・オプション」)を付与しております。
本書提出日現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は271,800株であり、発行済株式総数2,227,560株の12.2%に相当しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、新株式が発行され、1株当たりの株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
新株予約権の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照下さい。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、特に断りがない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)利用者の減少
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの主要な事業は保育事業であり、認可等を受けた保育所の運営を行なっております。
また、保育事業だけでなく介護福祉事業におきましても、国内の居住者を対象とした事業であるため、人口変化による影響が大きい事業となっております。今後、国内においては人口減少、特に少子高齢化が見込まれておりますが、保育事業に関連する事項としましては、待機児童数が年々減少していることが挙げられます。女性就業率の上昇傾向や被用者保険の適用拡大に伴う働き方の変容を踏まえると、人口減少による縮小影響よりも利用率の増加による影響が上回り、今後も市場拡大が見込まれておりますが、想定よりも利用率が低下し、利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。介護事業に関しましても、高齢化により今後の市場拡大が見込まれておりますが、想定よりも利用率が低下し、利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(2)人材の確保
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社グループでは、新規施設の増加に伴い、保育士、児童指導員や介護福祉士などの資格や要件を満たした人材の確保と育成が必要となっております。これらの人材を確保するために人材紹介会社との取引拡大、自社による人材確保戦略の拡充等、人材の確保における多チャネル化を進めておりますが、施設数の増加に人材の確保が追い付かず、施設の運営が計画通りに進まない場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(3)国や自治体による方針や関連法規制等の改訂等
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
2000年に認可保育園の運営主体に株式会社も認められるようになったため、当社グループも認可保育園の運営事業へ参画いたしました。2015年4月には子ども・子育て支援新制度が施行され、国及び自治体は待機児童解消に向けた様々な支援策を実施しております。しかしながら、今後、国や自治体の方針について改定等が実施され、補助金の削減や株式会社による認可保育所の開設並びに既存の公立保育所の民営化が認められなくなった場合、当社グループにおける保育事業の拡大が止まり、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
また、介護福祉事業においては介護保険法などをはじめとする各種関連法令改定によって影響を受ける事業であり、介護保険制度は定期的な見直し改定が行われております。今後、介護保険制度の改定により報酬引き下げ等の事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、委託費単価や報酬単価が期中に改定された場合、期初に遡って精算される可能性があります。
(4)許認可等事業
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、保育事業、介護福祉事業及び人材派遣事業において、児童福祉法及び介護保険法、及び労働者派遣法等に基づき、認可保育所、小規模認可保育所、放課後等デイサービス、障がい者グループホーム等を運営しております。いずれの事業も許認可権限、指定権限を持つ行政機関へ施設設置の申請を行ない、審査を経た上で許認可や指定が付与されます。現時点において、当社グループの事業において運営している施設に許認可取消、指定取消事由は発生しておりませんが、今後、何らかの原因により行政機関から取消された場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
セグメントの名称 | 法令名 | 許認可等の名称 | 監督官庁 | 主な取消事由 |
保育事業 | 児童福祉法 | 認可、認証、認定等 企業主導型保育に係る助成 | 厚生労働省 内閣府 都道府県及び市町村 | 関係法令の規定水準に達しない場合や給付費の請求に関し不正があったとき 改善命令や事業の停止命令に従わず、違反したとき |
介護福祉事業 | 介護保険法 | 訪問介護指定 居宅介護支援指定 通所介護指定 特定施設入居者生活介護(介護付き有料老人ホーム)指定 認知症対応型共同生活介護指定 | 都道府県及び市町村 | 介護保険法第77条の関係法令に定める基準を満たさないとき、人格尊重義務に違反したとき、請求や指定に関し不正があったとき、帳簿書類提出命令や検査等に従わない、又は虚偽の報告や答弁をしたとき |
障害者総合支援法 | 居宅介護事業指定 就労移行支援事業指定 生活介護事業指定 共同生活援助事業指定 計画相談支援事業指定 | 都道府県及び市町村 | 障害総合支援法第50条の関係法令に定める基準を満たさないとき、人格尊重義務に違反したとき、請求や指定に関し不正があったとき、帳簿書類提出命令や検査等に従わない、又は虚偽の報告や答弁をしたとき | |
児童福祉法 | 児童発達支援事業指定 放課後等デイサービス事業指定 | 都道府県及び市町村 | 児童福祉法第21条の5の23の関係法令に定める基準を満たさないとき、人格尊重義務に違反したとき、請求や指定に関し不正があったとき、帳簿書類提出命令や検査等に従わない、又は虚偽の報告や答弁をしたとき | |
人材派遣事業 | 労働者派遣法 | 労働者派遣事業許可 | 厚生労働省 | 許可の欠格事由に該当するとき(労働者派遣法第6条に定められている条項に抵触した場合等) 労働者派遣法若しくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき |
職業安定法 | 職業紹介事業許可 | 厚生労働省 | 許可の欠格事由に該当するとき(職業安定法第32条に定められている条項に抵触した場合等) 職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく政省令若しくは処分に違反したとき |
(5)食の安全性について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、食品衛生法に基づき、厳正な食材管理及び衛生管理を実施し、食中毒などの事故防止に努めております。しかしながら、何らかの原因により食の安全に関する重大な問題が発生した場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(6)大規模な災害
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、首都圏と大阪市内を中心に保育施設及び介護施設を有しております。これらの施設が地震、火災及び台風等の自然災害等の発生により利用者や従業員、施設の建物等が被害を受けた場合には施設の運営が困難となり、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(7)個人情報の保護について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの保育施設及び介護施設においては、利用者の氏名、住所をはじめ、保護者の氏名及び職業などの情報を保持しております。これら顧客の個人情報の取扱いについては厳重に管理し、万全を期しておりますが、万が一漏洩するようなことがあった場合、顧客からだけでなく、広く社会的な信用を失墜することとなり、施設の許認可及び指定に影響が出るなど、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(8)感染症の流行
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、多くの利用者に安全なサービスを提供するため、感染症について厳重に対応しておりますが、新型コロナウイルスやインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症が流行し、利用者が大きく減少し、従事する従業員が多数欠勤し、施設運営が困難となる可能性があります。また、今般の新型コロナウイルスの感染拡大のように、社会全体として外出自粛が要請される中で施設自体の運営を自粛する可能性や、国又は自治体より施設の休業要請を受ける可能性もあります。その場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(9)運営施設の事故等
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループは、施設運営において利用者の安全を確保する体制を整備していることから、これまで業績に多大な影響を与えるような事故等は発生しておりません。しかし、万が一運営施設において重大な事故等が発生し、所管する自治体等からの事業停止命令を受けた場合や、保護者等から損害賠償請求を受けた場合、風評被害等により多数の利用者が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(10)季節変動(保育施設の利用者の一時的な減少)
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
保育事業においては、毎年4月になると5歳児等クラスが小学校へ進級する一方、新規0歳児は月齢を満たした後に入園することから、児童数が一時的に減少する傾向があります。このため、上半期は下半期と比較して児童数・施設稼働率が減少する傾向があります。
(11)新たに保育所等の施設を開設する場合の経営成績に対する影響
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの事業は、認可等を受けた保育所の運営を行なう保育事業を主としているため、保育事業に関する政策や市場の動向が、グループ全体の業績に大きな影響を与える可能性があります。
新たに保育所等の施設を開設する場合、一般的には下記の影響が生ずる傾向があります。
営業損益:開設時には、高年齢クラス(3歳~5歳児等)が定員を満たさない傾向があるため、開設初年度からの数年間は稼働率が低く、また、従業員の新規採用コストや研修費、消耗品等の費用の発生により経費が増加することから、営業損失となる傾向にあります。その後、低年齢クラスの児童が進級を重ねることにより、稼働率が向上して営業利益化する傾向があります。
経常損益:新規開設に伴う費用は「開園前費用」として営業外費用に計上されます。このため、新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、開園前費用(営業外費用)を増大させる可能性があります。
また、新規開設に伴う費用や設備投資等に対して、所管する自治体から設備補助金が交付されることがあります。当該補助金は下記記載の特別利益に計上されるものを除いて「補助金収入」として営業外収益に計上されます。このため、新規開設施設の件数増加や施設規模の大型化は、補助金収入(営業外収益)を増大させる可能性があります。
なお、当該補助金は開設が完了したことに伴い支給が決定されます。仮に、開設計画の進捗が遅れた場合は、当該補助金の発生も遅れることから、業績の見通しに影響を及ぼす可能性があります。なお、開設予定地において物件の確保や地域社会からの反対などにより開設が困難となった場合は、開設計画の見直し等により当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
特別損益:開設に伴う設備投資のうち、当該設備投資に対して補助金が交付されるものについては、税務上のメリットを享受するため直接減額方式による圧縮記帳を行なうことがあり、「固定資産圧縮損」として特別損失に計上されます。2024年3月期において、固定資産圧縮損の計上はありません。2024年3月期末における有形固定資産の取得価額から控除している圧縮記帳額は4,123,798千円であります。
また、圧縮記帳を行なった固定資産の取得のために交付される補助金については「整備補助金収入」として特別利益に計上しておりますが、2024年3月期において整備補助金収入の計上はありません。
なお、候補地選定の難航等により施設開設場所が確保できない場合、グループ全体の業績に影響を与える可能性があります。
(12)固定資産の減損に関するリスク
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの保育事業及び介護福祉事業の業績が今後著しく悪化し、保育施設及び介護施設の建物や設備等の投資回収が困難となり減損処理が必要となった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。2024年3月期において減損損失を55,890千円計上しております。
(13)子会社の赤字計上
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の子会社である株式会社エルサーブは、2024年3月期において、障がい者向けグループホーム事業「g-port」を譲受けましたが、初期費用がかさんだ結果、6期連続で営業赤字を計上しております。今後も利用者の獲得活動を行なうことで売上拡大及び継続的な黒字計上を目指しておりますが、想定通りの結果が得られない場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(14)社会保険料の増加
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
従業員について、一定の条件を満たした場合は社会保険(厚生年金及び健康保険)への加入が義務付けられております。当社グループでは、既に加入義務者全員が社会保険に加入しておりますが、今後、社会保険加入要件について加入対象者が短時間労働者まで広がった場合、従業員の社会保険加入人員数が増加し、会社負担の社会保険料が増加するため、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(15)有利子負債及び金利負担について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループでは、新規施設開設に関する設備資金などは金融機関からの借入れや社債などの有利子負債により調達しておりますが、外部からの有利子負債への依存度が高く、外部からの有利子負債への依存度が2024年3月31日現在、負債純資産合計の45.5%と高くなっており、急激な金利変動などの金融情勢の変化により、計画どおりに資金調達出来ない場合には、新たな保育・介護福祉施設の開設計画に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(16)財務制限条項について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあり、当該条項に抵触し、一括返済が必要となった場合には、当社のグループの財政状態及び業績に影響を与える可能性がります。
(17)創業者依存
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の代表取締役社長である雨田武史は、株式会社クオリスの創業者であり、当社グループ事業の創業者であります。同氏は保育・介護業界に精通しており、経営戦略等の策定において重要な役割を果たしております。当社グループでは、役員等への権限移譲やコーポレート・ガバナンス体制の構築により、同氏に過度に依存しない経営体制を整備しておりますが、現状では何かしらの事情等により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(18)新株予約権の行使による1株当たりの株式価値の希薄化について
(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では、当社役員、当社従業員及び外部の協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権(以下「ストック・オプション」)を付与しております。
本書提出日現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は271,800株であり、発行済株式総数2,227,560株の12.2%に相当しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、新株式が発行され、1株当たりの株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
新株予約権の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照下さい。
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