有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1005ITA
株式会社スリー・ディー・マトリックス 研究開発活動 (2015年4月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1) 研究開発目的・体制
当社グループは、外科医療や再生医療の発展に寄与すべく、自己組織化ペプチド技術を外科領域では吸収性局所止血材および粘膜隆起材、再生医療領域では歯槽骨再建材および創傷治癒材等のパイプラインへ応用し、製品化に向けた研究開発活動を行っております。
当社の研究開発活動は、製造販売承認申請・品質管理体制等を管掌する薬事開発部、臨床試験における臨床施設・治験医師・治験モニタリング等を担当する事業開発部の2部門で行っており、全体を代表取締役社長が統括・管掌する体制を取っております。また、必要に応じて適宜外部機関に対する一部検査・試験等の委託やCROを活用する等、少人数で効率的に研究開発が進められる体制を整備しております。子会社においても、当社のサポートの下で、外部の薬事コンサルタントなどの外部支援を得て、研究開発活動を進めております。
(2) 研究開発活動
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は816,211千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました。
① 外科領域
A 吸収性局所止血材(TDM-621)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした外科医療における吸収性局所止血材の世界展開に向けた開発を進めております。2014年1月に欧州子会社がCEマーキングの指令適合について第三者認証機関からの認証を取得しました。これにより、EU加盟国での製品販売が可能となりました。
このCEマーキング認証は欧州だけでなくアジア・オセアニア・南米等グローバルに広く採用されており、同認証を用いて製品登録承認を取得することにより製品販売が可能となります。アジアではシンガポールとインドネシアで登録承認を取得し、南米ではコロンビアで登録に向けた申請を実施いたしました。
日本・米国・中国は製品販売に向けて臨床試験と製造販売承認取得が必要であり、各国での当局対応や試験開始に向け準備を進めております。日本においてはPMDAに対して製造販売承認申請を行っておりましたが、2015年3月に申請の取下げを行い、有効性評価をより客観的に検証するための再臨床試験に向けた準備を行っております。米国においては、臨床試験の開始に向けた米国FDAとプロトコルの協議を実施いたしました。
B 粘膜隆起材(TDM-641)・血管閉塞材(TDM-631)
当社グループは、TDM-621に続く外科領域のパイプラインとして、主にTDM-641の製品化に向けた研究開発を進めております。当連結会計年度に日本での臨床試験を開始いたしましたが、2015年2月に製材検討を実施するために一時中断することとし、製品優位性の確保に向けた研究試験を実施しております。
② 再生医療領域
A 歯槽骨再建材(TDM-711)
当社グループでは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における骨再建材の開発を進めております。TDM-711は米国子会社で開発・製品化を目指しており、2011年7月に米国FDAからIDEの承認を取得したことに続き、2012年2月に米国ハーバード大学の医学部・歯学部の付属研究所であるフォーサイス・インスティテュート(Forsyth Institute)において臨床試験を開始いたしました。プロトコルに規定した15症例の施術が完了し、米国FDAと臨床試験の拡大に向けた協議を進めておりましたが、骨再生に有効なデータを得られたことから、次のフェーズでの試験実施の準備を実施いたしました。
B 創傷治癒材(TDM-511)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における皮膚再建材の開発を進めております。TDM-511は米国子会社で開発・製品化を目指しており、2014年10月に医療機器として市販前届510(k)を米国FDAに申請し、2015年2月に販売承認を得ました。TDM-511は、皮膚(表皮、表皮・真皮)からの出血を迅速に止血する局所止血材、皮膚の創傷部の再生環境を整え創傷治癒を促す創傷治癒材としての活用に加え、他薬剤とのコンビネーションによる治療効果の増大が期待できることから、熱傷治療、皮膚がん治療、美容整形分野での研究開発を進めております。
C その他の開発
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と、生体内で自律的に成熟する臓器再生デバイスの実用化研究開発に係る共同研究を行っており、軟骨再生の足場材としての技術提供・開発を行っております。
③ DDS領域
当社は界面活性ペプチド(A6K)を用い国立がん研究センターと新規癌治療技術の開発に向けて共同研究を行っており、癌細胞への徐放技術の確立に向け前臨床試験実施し、乳がん治療に向けたsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)を共同開発しております。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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