有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004G3W
株式会社カイオム・バイオサイエンス 事業の内容 (2014年12月期)
当社グループは、当社と国内子会社1社で構成され、当社独自の創薬基盤技術であるADLib®(アドリブ)システムを核とした、抗体医薬品の研究開発等による抗体医薬品の創薬支援事業及び創薬事業を展開しております。
当社グループは、抗体医薬品の研究段階のうち、探索(*)研究・創薬研究を主な事業領域とし、創薬基盤技術であるADLib®システムを核として、以下の3つの事業を展開しております。なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
当社グループは、上記3事業より、着手金、成功報酬、ロイヤルティ等の対価をクライアントである製薬企業等から受け取ります。
当社グループが展開する3つの事業は、市場の拡大が見込まれている抗体医薬品市場において、国内外の製薬企業等を相手にサービスや製品を提供するものです。
1.当社グループの基本戦略
当社の創薬基盤技術であるADLib®システムを核とした事業戦略の重要なポイントは、想定される顧客のニーズに応じた技術改良や技術革新を行えるというADLib®システムの特性を活かすことであると考えております。当社は創業時から、ADLib®システムの持つこの特性を活用し、技術の進化とともに事業を拡大するよう努めてまいりました。今後の事業展開においても、ADLib®システムの持つこの特性を活かした「創薬基盤技術と事業展開の連動」を当社グループの基本戦略としてまいります。
2.当社グループのビジネスモデルの特徴
当社グループのビジネスモデルの大きな特徴は次のとおりです。
(事業内容)
① 創薬アライアンス事業
国内外の製薬企業等と提携し、主に治療用医薬品開発を目的とする抗体をADLib®システムを用いて創出いたします。提携先企業との共同研究開発や委受託研究として、提携先企業から抗原の提供を受け、提携先企業のニーズに応じて抗体の提供やそれに付随する各種サービスの提供を行います。提携先企業は当社グループが作製した抗体の機能を解析し、医薬品としての可能性を検討します。なお、創出した抗体の特許権は自社又はパートナーと保有します。当社グループは、ADLib®システムにより作製した抗体をこれらの研究開発に使用することを許諾する対価として技術アクセス料、共同研究開発費、着手金(アップフロント)の他、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指しております。
② リード抗体ライセンスアウト事業
アカデミア(大学及び公的研究機関等)との共同研究・提携から得られたターゲット(抗原)を用いて、当社グループがADLib®システムにより単独でFirst in Class(*)の医薬品候補となる抗体の作製を行います。これにより得られた医薬品候補となる抗体について、製薬企業への早期(試験管内あるいはヒト以外の実験動物で治療用としての可能性が確認できた段階)のライセンスアウトを目指します。当社グループは着手金(アップフロント)の他、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指しております。
③ 基盤技術ライセンス事業
ADLib®システムを第三者にライセンスし、ライセンシーがその技術により独自に抗体作製を行います。当社は、着手金(アップフロント)及び技術使用料の他、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指しております。
このように、当社グループは独自の創薬基盤技術に基づく多様な事業展開を図ることにより、探索から上市後に至るバリューチェーンの各段階において収益を計上することができるビジネスモデルを有しています。
(1)抗体医薬品
① 抗体医薬品とは何か
ヒトには、体内に侵入した細菌やウイルス等のタンパク質を異物(抗原)として認識し、異物を抗体タンパク質が攻撃する仕組み(抗原抗体反応)で身体を守る防御システムが備わっています。ヒトが本来持っているこの反応を医薬品に生かしたものが抗体医薬品です。正常な細胞にも作用する従来の抗がん剤等とは違い、先行品の実績から副作用の少ない効果的な治療薬として注目されております。なお、抗体医薬品の誕生は、破傷風菌に感染したウサギから取り出した血清を破傷風患者に注射したのが始まりとされております。
② 抗体医薬品が使われている主な疾患
抗体医薬品は、さまざまな疾患の治療に使われています。以下に代表的な疾患を記載します。
③ 抗体医薬品市場に関する当社グループの見解
抗体医薬品は、1980年代から研究開発が始まりました。近年、従来のブロックバスター医薬品(*)の特許期間満了による収益性の低下が顕在化しており、更には新たなブロックバスター医薬品の研究開発に鈍化傾向が見え始めております。製薬業界再編の動きも活発化する中で、これまで抗体医薬品の自社開発に消極的であった資金力のある製薬企業による抗体医薬品市場への参入が活発化しています。
市場調査会社のDatamonitor社の資料「Monoclonal Antibodies Market Analysis Update (2011年版)」によりますと、抗体医薬品の世界市場における売上高は、2004年の100億ドルから、2011年には約4倍の400億ドルとなり、30種類超販売されています。その後も年間10%以上成長し、2016年には600億ドルに達すると推定されております。
(Datamonitor社資料「Monoclonal Antibodies Market Analysis Update
(2011年)」)
(2)創薬基盤技術(ADLib®システム:トリ免疫細胞を用いたモノクローナル抗体(*)作製システム)について
当社の創薬基盤技術は、従来の抗体作製技術であるマウスハイブリドーマ法(*)やファージディスプレイ法(*)では抗体取得が困難な抗原に対する多様な抗体を極めて短期間で創出する方法です。この方法を当社では、ADLib®システム(トリ免疫細胞を用いたモノクローナル抗体作製システム:Autonomously Diversifying Library, 総称してADLib®)と呼んでおります。
① ADLib®システムの原理
ADLib®システムによる抗体の作製方法を簡略化して以下に記載します。なお、作製方法がイメージしやすいように、各説明の後に“魚釣り”を例として解説しています。
ADLib®システムによる抗体の作製方法を“魚釣り”に例えて簡略化して一文で説明しますと、“様々な種類の魚(「抗体産生細胞(DT40細胞(*))」)を意図的に繁殖・飼育したバラエティに富んだ釣り堀(「ライブラリ(*)」)の中で、必要となる卵(「抗体」)を産み落とす特定の魚だけを捕まえた後、急速に繁殖・産卵をさせて大量の卵を取得すること”になります。
(当社作成)
手順1:多種多様な細胞を有するライブラリを作製します。
ニワトリの免疫細胞であるDT40細胞に特殊な薬剤トリコスタチンA(以下「TSA」といいます)(*)を添加して培養すると、遺伝子の相同組換え(*)が活性化し、多種多様な遺伝子配列を持つDT40細胞が自律的に増殖します。その結果、多種多様な細胞集団としてのライブラリが形成されます。
“一匹の魚(抗体産生細胞(DT40細胞))をいけすの中に入れ、特殊な餌(TSA)を与え、意図的に様々な種類の魚に繁殖・飼育、バラエティに富んだ釣り堀(ライブラリ)を作り出します”
手順2:ターゲット(抗原)を磁気を帯びた微粒子(磁気ビーズ)に固着させ、ターゲット(抗原)にだけ反応する抗体(特異的抗体(*))を産生する細胞を釣り上げるための“しかけ”を作製します。
“(当社が欲しい卵(抗体)を産み落としてくれる)特定の魚(抗体産生細胞(DT40細胞))だけを捕まえるための特殊な釣り道具(磁気ビーズに固着されたターゲット(抗原))を作製します”
手順3:あるターゲット(抗原)にだけ反応する特異的抗体を産生する細胞を釣り上げます。
磁気ビーズに固着させたターゲット(抗原)をライブラリに投入し、30分程度おきます。この時ライブラリの中では、ターゲット(抗原)にだけ反応する特異的抗体を持つ抗体産生細胞が抗原に付着します。30分後、抗体産生細胞が付着した磁気ビーズを磁石で釣り上げます。
“手順2で作製した特殊な釣り道具(磁気ビーズに固着されたターゲット(抗原))を手順1のバラエティに富んだ釣り堀(ライブラリ)に投げ入れて、(当社が欲しい卵(抗体)を産み落としてくれる)特定の魚(抗体産生細胞(DT40細胞)だけを釣り上げます”
手順4:釣り上げた抗体産生細胞を増殖させ、抗体タンパクを分泌させます。
釣り上げた抗体産生細胞を培養液の中で1週間程度培養します。この間に培養液の中では細胞が増殖するだけでなく、同時に大量の抗体を分泌します。その後、培養液から抗体タンパクを分離精製します。
“手順3で釣り上げた(当社が欲しい卵(抗体)を産み落としてくれる)特定の魚(抗体産生細胞(DT40細胞))を別の水槽(培養液)に移します。特定の魚は、全く同種の魚を急速に繁殖(増殖)させると同時に、当社が欲しい卵も大量に産卵します。当社はこの卵を取得します”
なお、取得した抗体はニワトリ型の抗体であるため、ヒト型の抗体に変換する作業を行います。このヒト化された抗体(*)が医薬品候補となりますが、現在では完全ヒトADLib®システムの実用化によりこの工程は不要となり、完全ヒトの医薬品候補抗体のダイレクトな取得が可能となります。
② 従来の抗体作製技術との主な違い
ADLib®システムは、従来の抗体作製技術とは全く異なるテクノロジーとして、以下のような技術的特徴を有しております。
ヒトを含む動物は、自分の身体を構成するタンパク質に対する抗体は作らない免疫寛容(*)とよばれる仕組みを持っています。従って、マウスを使用するマウスハイブリドーマ法では、マウスの持つタンパク質に対する抗体を取得することが困難です。特に生きていくために重要なタンパク質は、マウスとヒトの間でも殆ど変化することなく非常に似た状態のまま種を越えて受け継がれてきているために、ヒトタンパク質に対する抗体もこの方法で取得することは容易ではありません。また、ファージディスプレイ法では、原理的にマウスハイブリドーマ法のような制限はありませんが、技術の性質上変化の程度が限定されているために良質な抗体を早く取得するのは必ずしも容易なことではありません。
これに対してADLib®システムは、DT40細胞の持つ生体独自の多様化メカニズムを利用するものであり、マウスハイブリドーマ法の課題であった免疫寛容による抗体多様性の制限を受けることはありません。また、ファージディスプレイ法の課題である抗体ライブラリのバラエティの乏しさや質の確保の難しさといった課題も克服可能です。
ADLib®システムによる抗体作製では、従来の抗体作製技術では取得が困難であった病原毒素(*)や生物種間で類似のタンパク質に対する抗体、さらには糖鎖や脂質といった免疫反応(*)を起こしにくい物質に対する抗体を作製することも可能です。
実績として、マウスハイブリドーマ法やファージディスプレイ法で抗体を取得できなかった抗原(以下「困難抗原」といいます)に対する抗体の取得に成功しております。また、現在はADLib®システムの応用技術であるADLib® axCELL(*)法を開発することにより、医薬品のターゲットとして注目されている複数回膜貫通型タンパク質(「GPCR(*)」を含む)に対する抗体の取得に成功しております。
(当社作成)
ADLib®システムは、生きた実験動物を使用することなしに、試験管内において10日程度でモノクローナル抗体を作製できます。マウスハイブリドーマ法やファージディスプレイ法等の従来の抗体作製方法では、数週間~数ヶ月の期間が必要であるとされており、ADLib®システムは他の技術と比較して抗体作製の期間が短い点が大きな特徴と言えます。
③ ADLib®システムを核とした事業展開
当社グループの戦略は、多くのバイオベンチャー企業にみられるように、限られた数の医薬候補品のライセンスアウトを主体とする事業展開のみを前提としていません。独自のADLib®システムを用いて、付加価値の高い抗体をゼロから創出することを当面の事業の基本としているため、同時に複数の企業との契約締結あるいは一つの企業から複数案件の契約締結が可能となっております。更にはADLib®システムのバージョンアップに伴い、従来の抗体作製技術では困難な様々な抗原に対する抗体を作製することを可能とし、また、バージョンアップと連動した事業展開を連続的・長期的に図ることを目指しております。
また、当社は、創業時から「誰が行っても成功する技術」を目指し、マニュアルの作成や自動化機器によるセレクション(*)等により、既にADLib®システムの標準化・自動化を実現しております。
当社の創薬基盤技術は、ADLib®システムに関連する特許権と当社独自の運用ノウハウ(例:多様な抗体を発現した細胞のライブラリ、セレクション方法)で成り立っており、同様の技術を他社は容易に実現できないと考えております。
これまでのバージョンアップの主な内容と現在取り組んでいるバージョンアップの主な内容は以下のとおりであります。
現状において当社グループの事業の柱となっている創薬アライアンス事業における契約は、オリジナルのADLib®システムの標準化やADLib® Combo、ADLib® axCELL及び抗GPCR対応取得システムの開発により獲得されたものです。オリジナルのトリIgM(*)を産生するライブラリに加え、トリ―マウスキメラIgGを産生するライブラリを用いた、抗体作製研究を実施しております。また、抗体遺伝子(*)をヒト由来のものに置き換えた完全ヒトADLib®システムについても、多様性が増加したライブラリを拡充することでライセンス契約獲得を目指してまいります。
④ ADLib®システム発明の経緯
ADLib®システムは、理研の太田邦史研究員(現:東京大学大学院教授、当社社外取締役)が率いる遺伝ダイナミクス研究ユニットと財団法人埼玉県中小企業振興公社(現:財団法人埼玉県産業振興公社)との共同研究により開発され、2002年7月に抗体作製技術として確立、2005年5月にその論文が専門誌「Nature Biotechnology」(*)で発表されました。
上記研究ユニットは、それまでの酵母等を用いた研究から、「相同組換えは染色体を構成するクロマチン構造(*)によって制御されており、クロマチンが弛緩する条件で組換えが著しく活性化する」ことを明らかにしてきました。(EMBO J.1994,1998,2004;Cell 2003;Genes Dev 1997;PNAS 1998等)
そこで、ニワトリDT40細胞にクロマチン弛緩を誘導する薬剤であるTSAを作用させ、抗体遺伝子座(*)の組換えへの影響を調べたところ、3~6週間のTSA処理により全細胞集団の60~90%の細胞で組換え体が生じることを見出しました。この現象は、TSA処理によりDT40細胞の抗体遺伝子座が多様化し、多様な受容体型IgMを提示した細胞クローン(*)集団が得られることを意味しています。
TSA処理を行って得られたDT40細胞をベースとした自律多様化ライブラリ(現在のADLib®システム)から磁気ビーズに固着した任意の抗原を用い、ターゲット(抗原)に対して特異的に結合するモノクローナルIgM抗体を産生するDT40細胞クローンを選択したところ、10日程度という短期間でELISA(*)等の免疫化学的アッセイ(*)に利用可能なモノクローナル抗体を作製することに成功し、新規の抗体作製技術として確立しました。
(3)抗体医薬品開発における当社グループの事業領域について
医薬品の開発には、一般的に探索研究、創薬研究、臨床開発、製造、販売のプロセスがあります。当社の基盤技術であるADLib®システムを利用した3つの事業は、初期の研究から販売まで一般的に6.5~9年の期間が必要となる抗体医薬品開発の上流工程(探索研究・創薬研究の約1~2年間)を主な対象としております。
3.現状における事業展開の実績
これまでに当社グループが契約を締結した主な企業との契約内容等は以下のとおりであります。
(1)創薬アライアンス事業
(注1)2014年12月24日付覚書により2015年12月31日まで契約延長
(注2)2014年12月24日付覚書により2016年12月31日まで契約延長
(2)リード抗体ライセンスアウト事業
(3)基盤技術ライセンスアウト事業
4.ADLib®システムに関連する特許及び特許ライセンス契約
当社保有のADLib®システムについての基本特許が、2007年に中国、2008年に日本、2010年には米国と欧州で登録されました。同時に関連特許を国内外において適時取得しており、今後も知的財産権を積極的に取得していく方針であります。
当社グループの保有する事業推進上重要な特許権及び特許出願中の発明並びに基盤技術に関する特許ライセンス契約は、以下のとおりであります。
(1)提出会社
体細胞相同組換えの促進方法及び特異的抗体の作製方法
体細胞相同組換えの誘発方法
細胞表面に発現したタンパク質に対する抗体作製法
体細胞相同組換えの誘発方法
(注)優先日は、最初に特許出願した日付のことです。後に他国に出願した場合でもこの日を基準に特許の新規性・進歩性が判断されます。
細胞表面に発現したタンパク質に対する抗体作製法
抗セマフォリン3A抗体(*)、並びにこれを用いたアルツハイマー病及び免疫・炎症性疾患の治療
(2)連結子会社(リブテック)
オンコスタチンM受容体遺伝子欠損動物及びその用途
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体
(注)優先日は、最初に特許出願した日付のことです。後に他国に出願した場合でもこの日を基準に特許の新規性・進歩性が判断されます。
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体
5.提携機関との関係
当社グループは、単に製薬企業との提携に留まらず、ターゲット(抗原)の獲得や技術革新を目的として、アカデミア等と提携し事業拡大を図っております。アカデミア等から、がんやその他の疾患に対して従来の技術では抗体作製が困難な特異的な抗原遺伝子情報を入手し、当社はその抗原に対する研究用抗体を作製します。その抗体が疾患の原因となるターゲット(抗原)を特異的に認識し、ターゲット(抗原)を発現する細胞を死滅させたり症状を改善させる等疾患に対する機能が確認された場合、当社はその発明について共同出願を行い事業化の権利を確保いたします。また技術革新については、ADLib®システムの多様化メカニズムの解明、抗体の多様化レベルの解析等、より基礎的かつ高度な専門性を要求される分野において外部のアカデミア等と共同研究を行い、効果的かつ効率的な課題解決を図っております。
(当社作成)
(50音、アルファベット順)
名称 | 主要な事業内容 |
株式会社カイオム・バイオサイエンス | 独自の創薬基盤技術であるADLib®システムを核とした抗体医薬品の研究開発等 |
株式会社リブテック | 抗体医薬品の研究開発等 |
当社グループは、抗体医薬品の研究段階のうち、探索(*)研究・創薬研究を主な事業領域とし、創薬基盤技術であるADLib®システムを核として、以下の3つの事業を展開しております。なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
創薬アライアンス事業 | :製薬企業等と提携して治療用医薬品開発を目的とした共同研究を行う事業 |
リード抗体(*)ライセンスアウト事業 | :治療薬候補となる新規抗体を作製し、製薬企業等にライセンスアウトを行う事業 |
基盤技術ライセンス事業 | :ADLib®システムをライセンス提供し、ライセンスを受けた相手先が抗体の創生により独自に研究開発を行う事業 |
当社グループは、上記3事業より、着手金、成功報酬、ロイヤルティ等の対価をクライアントである製薬企業等から受け取ります。
当社グループが展開する3つの事業は、市場の拡大が見込まれている抗体医薬品市場において、国内外の製薬企業等を相手にサービスや製品を提供するものです。
1.当社グループの基本戦略
当社の創薬基盤技術であるADLib®システムを核とした事業戦略の重要なポイントは、想定される顧客のニーズに応じた技術改良や技術革新を行えるというADLib®システムの特性を活かすことであると考えております。当社は創業時から、ADLib®システムの持つこの特性を活用し、技術の進化とともに事業を拡大するよう努めてまいりました。今後の事業展開においても、ADLib®システムの持つこの特性を活かした「創薬基盤技術と事業展開の連動」を当社グループの基本戦略としてまいります。
2.当社グループのビジネスモデルの特徴
当社グループのビジネスモデルの大きな特徴は次のとおりです。
① | 独自の創薬基盤技術であるADLib®システムを核とした3つの事業を展開していること | ||
② | 各事業において、複数の企業と提携していること | ||
③ | 個々の企業と複数のターゲット(抗原(*))についての契約を締結していること |
① 創薬アライアンス事業
国内外の製薬企業等と提携し、主に治療用医薬品開発を目的とする抗体をADLib®システムを用いて創出いたします。提携先企業との共同研究開発や委受託研究として、提携先企業から抗原の提供を受け、提携先企業のニーズに応じて抗体の提供やそれに付随する各種サービスの提供を行います。提携先企業は当社グループが作製した抗体の機能を解析し、医薬品としての可能性を検討します。なお、創出した抗体の特許権は自社又はパートナーと保有します。当社グループは、ADLib®システムにより作製した抗体をこれらの研究開発に使用することを許諾する対価として技術アクセス料、共同研究開発費、着手金(アップフロント)の他、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指しております。
② リード抗体ライセンスアウト事業
アカデミア(大学及び公的研究機関等)との共同研究・提携から得られたターゲット(抗原)を用いて、当社グループがADLib®システムにより単独でFirst in Class(*)の医薬品候補となる抗体の作製を行います。これにより得られた医薬品候補となる抗体について、製薬企業への早期(試験管内あるいはヒト以外の実験動物で治療用としての可能性が確認できた段階)のライセンスアウトを目指します。当社グループは着手金(アップフロント)の他、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指しております。
③ 基盤技術ライセンス事業
ADLib®システムを第三者にライセンスし、ライセンシーがその技術により独自に抗体作製を行います。当社は、着手金(アップフロント)及び技術使用料の他、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指しております。
このように、当社グループは独自の創薬基盤技術に基づく多様な事業展開を図ることにより、探索から上市後に至るバリューチェーンの各段階において収益を計上することができるビジネスモデルを有しています。
(1)抗体医薬品
① 抗体医薬品とは何か
ヒトには、体内に侵入した細菌やウイルス等のタンパク質を異物(抗原)として認識し、異物を抗体タンパク質が攻撃する仕組み(抗原抗体反応)で身体を守る防御システムが備わっています。ヒトが本来持っているこの反応を医薬品に生かしたものが抗体医薬品です。正常な細胞にも作用する従来の抗がん剤等とは違い、先行品の実績から副作用の少ない効果的な治療薬として注目されております。なお、抗体医薬品の誕生は、破傷風菌に感染したウサギから取り出した血清を破傷風患者に注射したのが始まりとされております。
② 抗体医薬品が使われている主な疾患
抗体医薬品は、さまざまな疾患の治療に使われています。以下に代表的な疾患を記載します。
分 類 | 病 気 |
がん | 大腸がん、乳がん、急性骨髄性白血病、非小細胞肺がん、メラノーマ、腎がん |
アレルギー免疫 | 関節リウマチ、クローン病、キャッスルマン病、喘息、 腎臓移植後の急性拒絶(正)反応 |
その他 | 加齢黄斑変性症、骨粗鬆症、感染症 |
③ 抗体医薬品市場に関する当社グループの見解
抗体医薬品は、1980年代から研究開発が始まりました。近年、従来のブロックバスター医薬品(*)の特許期間満了による収益性の低下が顕在化しており、更には新たなブロックバスター医薬品の研究開発に鈍化傾向が見え始めております。製薬業界再編の動きも活発化する中で、これまで抗体医薬品の自社開発に消極的であった資金力のある製薬企業による抗体医薬品市場への参入が活発化しています。
市場調査会社のDatamonitor社の資料「Monoclonal Antibodies Market Analysis Update (2011年版)」によりますと、抗体医薬品の世界市場における売上高は、2004年の100億ドルから、2011年には約4倍の400億ドルとなり、30種類超販売されています。その後も年間10%以上成長し、2016年には600億ドルに達すると推定されております。
(Datamonitor社資料「Monoclonal Antibodies Market Analysis Update
(2011年)」)
(2)創薬基盤技術(ADLib®システム:トリ免疫細胞を用いたモノクローナル抗体(*)作製システム)について
当社の創薬基盤技術は、従来の抗体作製技術であるマウスハイブリドーマ法(*)やファージディスプレイ法(*)では抗体取得が困難な抗原に対する多様な抗体を極めて短期間で創出する方法です。この方法を当社では、ADLib®システム(トリ免疫細胞を用いたモノクローナル抗体作製システム:Autonomously Diversifying Library, 総称してADLib®)と呼んでおります。
① ADLib®システムの原理
ADLib®システムによる抗体の作製方法を簡略化して以下に記載します。なお、作製方法がイメージしやすいように、各説明の後に“魚釣り”を例として解説しています。
ADLib®システムによる抗体の作製方法を“魚釣り”に例えて簡略化して一文で説明しますと、“様々な種類の魚(「抗体産生細胞(DT40細胞(*))」)を意図的に繁殖・飼育したバラエティに富んだ釣り堀(「ライブラリ(*)」)の中で、必要となる卵(「抗体」)を産み落とす特定の魚だけを捕まえた後、急速に繁殖・産卵をさせて大量の卵を取得すること”になります。
(当社作成)
手順1:多種多様な細胞を有するライブラリを作製します。
ニワトリの免疫細胞であるDT40細胞に特殊な薬剤トリコスタチンA(以下「TSA」といいます)(*)を添加して培養すると、遺伝子の相同組換え(*)が活性化し、多種多様な遺伝子配列を持つDT40細胞が自律的に増殖します。その結果、多種多様な細胞集団としてのライブラリが形成されます。
“一匹の魚(抗体産生細胞(DT40細胞))をいけすの中に入れ、特殊な餌(TSA)を与え、意図的に様々な種類の魚に繁殖・飼育、バラエティに富んだ釣り堀(ライブラリ)を作り出します”
手順2:ターゲット(抗原)を磁気を帯びた微粒子(磁気ビーズ)に固着させ、ターゲット(抗原)にだけ反応する抗体(特異的抗体(*))を産生する細胞を釣り上げるための“しかけ”を作製します。
“(当社が欲しい卵(抗体)を産み落としてくれる)特定の魚(抗体産生細胞(DT40細胞))だけを捕まえるための特殊な釣り道具(磁気ビーズに固着されたターゲット(抗原))を作製します”
手順3:あるターゲット(抗原)にだけ反応する特異的抗体を産生する細胞を釣り上げます。
磁気ビーズに固着させたターゲット(抗原)をライブラリに投入し、30分程度おきます。この時ライブラリの中では、ターゲット(抗原)にだけ反応する特異的抗体を持つ抗体産生細胞が抗原に付着します。30分後、抗体産生細胞が付着した磁気ビーズを磁石で釣り上げます。
“手順2で作製した特殊な釣り道具(磁気ビーズに固着されたターゲット(抗原))を手順1のバラエティに富んだ釣り堀(ライブラリ)に投げ入れて、(当社が欲しい卵(抗体)を産み落としてくれる)特定の魚(抗体産生細胞(DT40細胞)だけを釣り上げます”
手順4:釣り上げた抗体産生細胞を増殖させ、抗体タンパクを分泌させます。
釣り上げた抗体産生細胞を培養液の中で1週間程度培養します。この間に培養液の中では細胞が増殖するだけでなく、同時に大量の抗体を分泌します。その後、培養液から抗体タンパクを分離精製します。
“手順3で釣り上げた(当社が欲しい卵(抗体)を産み落としてくれる)特定の魚(抗体産生細胞(DT40細胞))を別の水槽(培養液)に移します。特定の魚は、全く同種の魚を急速に繁殖(増殖)させると同時に、当社が欲しい卵も大量に産卵します。当社はこの卵を取得します”
なお、取得した抗体はニワトリ型の抗体であるため、ヒト型の抗体に変換する作業を行います。このヒト化された抗体(*)が医薬品候補となりますが、現在では完全ヒトADLib®システムの実用化によりこの工程は不要となり、完全ヒトの医薬品候補抗体のダイレクトな取得が可能となります。
② 従来の抗体作製技術との主な違い
ADLib®システムは、従来の抗体作製技術とは全く異なるテクノロジーとして、以下のような技術的特徴を有しております。
a.抗体の多様性 |
ヒトを含む動物は、自分の身体を構成するタンパク質に対する抗体は作らない免疫寛容(*)とよばれる仕組みを持っています。従って、マウスを使用するマウスハイブリドーマ法では、マウスの持つタンパク質に対する抗体を取得することが困難です。特に生きていくために重要なタンパク質は、マウスとヒトの間でも殆ど変化することなく非常に似た状態のまま種を越えて受け継がれてきているために、ヒトタンパク質に対する抗体もこの方法で取得することは容易ではありません。また、ファージディスプレイ法では、原理的にマウスハイブリドーマ法のような制限はありませんが、技術の性質上変化の程度が限定されているために良質な抗体を早く取得するのは必ずしも容易なことではありません。
これに対してADLib®システムは、DT40細胞の持つ生体独自の多様化メカニズムを利用するものであり、マウスハイブリドーマ法の課題であった免疫寛容による抗体多様性の制限を受けることはありません。また、ファージディスプレイ法の課題である抗体ライブラリのバラエティの乏しさや質の確保の難しさといった課題も克服可能です。
b.困難抗原に対する抗体取得 |
ADLib®システムによる抗体作製では、従来の抗体作製技術では取得が困難であった病原毒素(*)や生物種間で類似のタンパク質に対する抗体、さらには糖鎖や脂質といった免疫反応(*)を起こしにくい物質に対する抗体を作製することも可能です。
実績として、マウスハイブリドーマ法やファージディスプレイ法で抗体を取得できなかった抗原(以下「困難抗原」といいます)に対する抗体の取得に成功しております。また、現在はADLib®システムの応用技術であるADLib® axCELL(*)法を開発することにより、医薬品のターゲットとして注目されている複数回膜貫通型タンパク質(「GPCR(*)」を含む)に対する抗体の取得に成功しております。
(当社作成)
c.迅速な抗体作製 |
ADLib®システムは、生きた実験動物を使用することなしに、試験管内において10日程度でモノクローナル抗体を作製できます。マウスハイブリドーマ法やファージディスプレイ法等の従来の抗体作製方法では、数週間~数ヶ月の期間が必要であるとされており、ADLib®システムは他の技術と比較して抗体作製の期間が短い点が大きな特徴と言えます。
③ ADLib®システムを核とした事業展開
当社グループの戦略は、多くのバイオベンチャー企業にみられるように、限られた数の医薬候補品のライセンスアウトを主体とする事業展開のみを前提としていません。独自のADLib®システムを用いて、付加価値の高い抗体をゼロから創出することを当面の事業の基本としているため、同時に複数の企業との契約締結あるいは一つの企業から複数案件の契約締結が可能となっております。更にはADLib®システムのバージョンアップに伴い、従来の抗体作製技術では困難な様々な抗原に対する抗体を作製することを可能とし、また、バージョンアップと連動した事業展開を連続的・長期的に図ることを目指しております。
また、当社は、創業時から「誰が行っても成功する技術」を目指し、マニュアルの作成や自動化機器によるセレクション(*)等により、既にADLib®システムの標準化・自動化を実現しております。
当社の創薬基盤技術は、ADLib®システムに関連する特許権と当社独自の運用ノウハウ(例:多様な抗体を発現した細胞のライブラリ、セレクション方法)で成り立っており、同様の技術を他社は容易に実現できないと考えております。
これまでのバージョンアップの主な内容と現在取り組んでいるバージョンアップの主な内容は以下のとおりであります。
a.これまでのバージョンアップの主な内容 |
完了時期 | バージョンアップの内容 |
2005年7月 | オリジナル ADLib®システムを使用開始 |
2008年4月 | ADLib® Combo(*)の開発 |
2008年12月 | ADLib® axCELLの開発 |
2011年9月 | IgG(*)キメラ抗体(*)ライブラリの開発 |
2014年3月 | 完全ヒト ADLib®システム(*)の実用化レベルの完成 |
現状において当社グループの事業の柱となっている創薬アライアンス事業における契約は、オリジナルのADLib®システムの標準化やADLib® Combo、ADLib® axCELL及び抗GPCR対応取得システムの開発により獲得されたものです。オリジナルのトリIgM(*)を産生するライブラリに加え、トリ―マウスキメラIgGを産生するライブラリを用いた、抗体作製研究を実施しております。また、抗体遺伝子(*)をヒト由来のものに置き換えた完全ヒトADLib®システムについても、多様性が増加したライブラリを拡充することでライセンス契約獲得を目指してまいります。
④ ADLib®システム発明の経緯
ADLib®システムは、理研の太田邦史研究員(現:東京大学大学院教授、当社社外取締役)が率いる遺伝ダイナミクス研究ユニットと財団法人埼玉県中小企業振興公社(現:財団法人埼玉県産業振興公社)との共同研究により開発され、2002年7月に抗体作製技術として確立、2005年5月にその論文が専門誌「Nature Biotechnology」(*)で発表されました。
上記研究ユニットは、それまでの酵母等を用いた研究から、「相同組換えは染色体を構成するクロマチン構造(*)によって制御されており、クロマチンが弛緩する条件で組換えが著しく活性化する」ことを明らかにしてきました。(EMBO J.1994,1998,2004;Cell 2003;Genes Dev 1997;PNAS 1998等)
そこで、ニワトリDT40細胞にクロマチン弛緩を誘導する薬剤であるTSAを作用させ、抗体遺伝子座(*)の組換えへの影響を調べたところ、3~6週間のTSA処理により全細胞集団の60~90%の細胞で組換え体が生じることを見出しました。この現象は、TSA処理によりDT40細胞の抗体遺伝子座が多様化し、多様な受容体型IgMを提示した細胞クローン(*)集団が得られることを意味しています。
TSA処理を行って得られたDT40細胞をベースとした自律多様化ライブラリ(現在のADLib®システム)から磁気ビーズに固着した任意の抗原を用い、ターゲット(抗原)に対して特異的に結合するモノクローナルIgM抗体を産生するDT40細胞クローンを選択したところ、10日程度という短期間でELISA(*)等の免疫化学的アッセイ(*)に利用可能なモノクローナル抗体を作製することに成功し、新規の抗体作製技術として確立しました。
(3)抗体医薬品開発における当社グループの事業領域について
医薬品の開発には、一般的に探索研究、創薬研究、臨床開発、製造、販売のプロセスがあります。当社の基盤技術であるADLib®システムを利用した3つの事業は、初期の研究から販売まで一般的に6.5~9年の期間が必要となる抗体医薬品開発の上流工程(探索研究・創薬研究の約1~2年間)を主な対象としております。
3.現状における事業展開の実績
これまでに当社グループが契約を締結した主な企業との契約内容等は以下のとおりであります。
(1)創薬アライアンス事業
契約会社名 | 契約締結日 | 相手方の名称 | 契約内容 | 契約期間 | 対価の内容 |
㈱カイオム・バイオサイエンス (当社) | 2008年11月1日 | 中外製薬㈱ | ADLib®システムを利用した抗体作製に関する共同研究を実施 | 2008年11月1日から2015年12月31日まで (注1) | 当社が分担する業務に要する費用 (技術アクセスに係る費用を含む) |
㈱カイオム・バイオサイエンス (当社) | 2011年6月30日 | 中外製薬㈱ | ADLib®システムを利用した抗体作製に関する委託研究を実施 | 2011年7月1日から2016年12月31日まで (注2) | 研究委託料 |
㈱リブテック (連結子会社) | 2011年11月7日 | ㈱ヤクルト本社 | 抗ヒトTROP-2モノクローナル抗体に関する研究参画及びオプション契約 | 2011年11月7日から2015年11月6日まで | 分担する業務に要する費用 |
㈱カイオム・バイオサイエンス (当社) | 2012年8月1日 | Chugai Pharmabody Research Pte. Ltd. | 効率的な抗体医薬品の開発に必要な研究材料の調製等の業務 | 非開示 | 研究委託料 |
(注2)2014年12月24日付覚書により2016年12月31日まで契約延長
(2)リード抗体ライセンスアウト事業
契約会社名 | 契約締結日 | 相手方の名称 | 契約内容 | 契約期間 | 対価の内容 |
㈱カイオム・バイオサイエンス (当社) | 2008年10月1日 | 公立大学法人横浜市立大学 | セマフォリン分子を特異的に認識する抗体の開発 | 2008年10月1日から2015年3月31日まで | 事業化権 |
(3)基盤技術ライセンスアウト事業
契約会社名 | 契約締結日 | 相手方の名称 | 契約内容 | 契約期間 | 対価の内容 |
㈱カイオム・バイオサイエンス (当社) | 2010年9月30日 | 富士レビオ㈱ | ADLib®システムの非独占的実施許諾及び共同研究開発契約 | 特許期間満了まで(ただし、共同研究開発は2010年9月30日から2016年9月30日まで) | 着手金、技術使用料及びロイヤル ティ |
㈱カイオム・バイオサイエンス (当社) | 2013年6月20日 | 富士レビオ㈱ | ADLib®システムの使用により取得したビタミンD類の測定を目的とした抗体を含む体外診断用医薬品の製造及び販売に係る実施許諾 | 特許期間満了まで | ロイヤルティ |
4.ADLib®システムに関連する特許及び特許ライセンス契約
当社保有のADLib®システムについての基本特許が、2007年に中国、2008年に日本、2010年には米国と欧州で登録されました。同時に関連特許を国内外において適時取得しており、今後も知的財産権を積極的に取得していく方針であります。
当社グループの保有する事業推進上重要な特許権及び特許出願中の発明並びに基盤技術に関する特許ライセンス契約は、以下のとおりであります。
(1)提出会社
体細胞相同組換えの促進方法及び特異的抗体の作製方法
権利取得日 | 発明の名称 | 登録番号 | 権利者 | 取得国 | 有効期間 |
2008年11月14日 | 体細胞相同組換えの促進方法及び特異的抗体の作製方法 | 第4214234号 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50%) | 日本 | 2023年7月28日 |
2010年8月17日 | METHOD OF ENHANCING HOMOLOGOUS RECOMBINATION OF SOMATIC CELLS AND METHOD OF CONSTRUCTING SPECIFIC ANTIBODY | US7,776,599 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50%) | 米国 | 2025年4月10日 |
2012年5月29日 | METHOD OF ENHANCING HOMOLOGOUS RECOMBINATION OF SOMATIC CELLS AND METHOD OF CONSTRUCTING SPECIFIC ANTIBODY | US8,187,884 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50%) | 米国 | 2025年4月10日 |
2010年12月1日 | METHOD OF PROMOTING HOMOLOGOUS RECOMBINATION OF SOMATIC CELLS AND METHOD OF CONSTRUCTING SPECIFIC ANTIBODY | EP1536004 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50%) | 欧州 | 2023年7月28日 |
2008年4月9日 | 体細胞相同組換えの促進方法及び特異的抗体の作製方法 | CN100379862 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50%) | 中国 | 2023年7月28日 |
権利取得日 | 発明の名称 | 登録番号 | 権利者 | 取得国 | 有効期間 |
2013年7月19日 | 体細胞相同組換えの誘発方法 | 特願2002 -376555 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50%) | 日本 | 2022年12月26日 |
2010年8月4日 | 体細胞相同組換えの誘発方法 | CN1756840 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50%) | 中国 | 2023年12月22日 |
細胞表面に発現したタンパク質に対する抗体作製法
権利取得日 | 発明の名称 | 登録番号 | 権利者 | 取得国 | 有効期間 |
2014年9月17日 | 細胞表面に発現したタンパク質に対する抗体作製法 | CN102282256 | 当社 | 中国 | 2029年12月7日 |
体細胞相同組換えの誘発方法
出願日 | 発明の名称 | 出願番号 | 出願人(出願割合) | 出願国 |
2003年12月22日 (優先日) 2002年12月26日 | METHOD OF INDUCING HOMOLOGOUS RECOMBINATION OF SOMATIC CELL | 10/540302 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50% | 米国 |
2003年12月22日 (優先日) 2002年12月26日 | METHOD OF INDUCING HOMOLOGOUS RECOMBINATION OF SOMATIC CELL | 3,781,013.2 | 独立行政法人理化学研究所(持分割合50%)及び当社(持分割合50% | 欧州 |
細胞表面に発現したタンパク質に対する抗体作製法
出願日 | 発明の名称 | 出願番号 | 出願人 | 出願国 |
2009年12月7日 (優先日) 2008年12月5日 | 細胞表面に発現したタンパク質に対する抗体作製法 | 特願2010-541252 | 当社 | 日本 |
2009年12月7日 (優先日) 2008年12月5日 | METHOD FOR PRODUCING ANTIBODY DIRECTED AGAINST PROTEIN EXPRESSED ON CELL SURFACE | 13/132462 | 当社 | 米国 |
2009年12月7日 (優先日) 2008年12月5日 | METHOD FOR PRODUCING ANTIBODY DIRECTED AGAINST PROTEIN EXPRESSED ON CELL SURFACE | 9,830,224.3 | 当社 | 欧州 |
出願日 | 発明の名称 | 出願番号 | 出願人 | 申請国 |
2014年2月6日 (優先日) 2013年2月6日 | 抗セマフォリン3A抗体、並びにこれを用いたアルツハイマー病及び免疫・炎症性疾患の治療 | PCT/JP2014/052758 | 公立学校法人横浜市立大学(持分割合50%)及び当社(持分割合50%) | 国際 |
相手方の名称 | 契約書名 | 契約内容 | 契約期間 |
独立行政法人理化学研究所 | 共有発明の実施に関する契約書 | ADLib®システムの基盤特許に関する実施権及び再実施権の当社による取得、及びその対価である予め定められた比率に基づくロイヤルティの当社による支払い | 2012年12月25日より基盤特許の有効期間まで |
(2)連結子会社(リブテック)
オンコスタチンM受容体遺伝子欠損動物及びその用途
権利取得日 | 発明の名称 | 登録番号 | 権利者 | 取得国 | 有効期間 |
2008年4月11日 | オンコスタチンM受容体遺伝子欠損動物及びその用途 | 特許4107838号 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 日本 | 2021年12月14日 |
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体
権利取得日 | 発明の名称 | 登録番号 | 権利者 | 取得国 | 有効期間 |
2011年3月15日 | in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体 | 特許5219827号 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 日本 | 2027年11月12日 |
2012年7月24日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY SHOWING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | US8227578 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 米国 | 2027年11月12日 |
2014年7月16日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY SHOWING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | EP2096122 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 欧州 | 2027年11月12日 |
2013年8月29日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY SHOWING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | AU2007318483 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 豪州 | 2027年11月12日 |
2014年3月5日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY SHOWING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | ZL200780041789.3 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 中国 | 2027年11月27日 |
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体
権利取得日 | 発明の名称 | 登録番号 | 権利者 | 取得国 | 有効期間 |
2011年9月13日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | US8017118 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 米国 | 2029年3月16日 |
2014年12月24日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 2275533 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 欧州 | 2029年3月16日 |
2014年9月19日 | in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体 | 特許第5615169 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 日本 | 2029年3月16日 |
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体
権利取得日 | 発明の名称 | 登録番号 | 権利者 | 取得国 | 有効期間 |
2014年9月1日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 2102/08026 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 南アフリカ | 2031年5月17日 |
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体
出願日 | 発明の名称 | 出願番号 | 出願人 | 出願国 |
2007年11月12日 (優先日) 2006年11月10日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY SHOWING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 2669731 | 連結子会社 (㈱リブテック) | カナダ |
2007年11月12日 (優先日) 2006年11月10日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY SHOWING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 200780041789.3 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 中国 |
2007年11月12日 (優先日) 2006年11月10日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY SHOWING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 10-2009-7011429 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 韓国 |
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体
出願日 | 発明の名称 | 出願番号 | 出願人 | 出願国 |
2013年10月3日 (優先日) 2012年10月3日 | in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体 | 14/045,326 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 米国 |
2013年10月2日 (優先日) 2012年10月3日 | ANTI-HDLK-1 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | PCT/JP2013/077540 | 連結子会社 (㈱リブテック) | PCT |
2013年10月2日 (優先日) 2012年10月3日 | in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトDlk-1抗体 | 特願2014-539861 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 日本 |
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体
出願日 | 発明の名称 | 出願番号 | 出願人 | 出願国 |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体 | 特願2012-515954号 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 日本 |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 10-2012-7032403 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 韓国 |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 20118002429.2 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 中国 |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 20118002429.2 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 香港 |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 13/698,201 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 米国 |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 2,798,778 | 連結子会社 (㈱リブテック) | カナダ |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 11783675.9 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 欧州 |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 2011255870 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 豪州 |
出願日 | 発明の名称 | 出願番号 | 出願人 | 出願国 |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 222812 | 連結子会社 (㈱リブテック) | イスラエル |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 603455 | 連結子会社 (㈱リブテック) | ニュージーランド |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 702053(603455の分割出願-1) | 連結子会社 (㈱リブテック) | ニュージーランド |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 702057(603455の分割出願-2) | 連結子会社 (㈱リブテック) | ニュージーランド |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 1-2012-502231 | 連結子会社 (㈱リブテック) | フィリピン |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 201291260 | 連結子会社 (㈱リブテック) | ユーラシア |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | ID W-00 2012 05145 | 連結子会社 (㈱リブテック) | インドネシア |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 10266/CHENP/2012 | 連結子会社 (㈱リブテック) | インド |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | BR112012029281-1 | 連結子会社 (㈱リブテック) | ブラジル |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | PCT1859/2012 | 連結子会社 (㈱リブテック) | エジプト |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | MX/a/2012/013327 | 連結子会社 (㈱リブテック) | メキシコ |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 1-2012-03728 | 連結子会社 (㈱リブテック) | ベトナム |
2011年5月17日 (優先日) 2010年5月17日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 20120839-1 | 連結子会社 (㈱リブテック) | シンガポール |
in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体
出願日 | 発明の名称 | 出願番号 | 出願人 | 出願国 |
2012年11月20日 (優先日) 2011年11月22日 | in vivoで抗腫瘍活性を有する抗ヒトTROP-2抗体 | 13/682,319 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 米国 |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | PCT/JP2012/080800 | 連結子会社 (㈱リブテック) | PCT |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 特願2013-545988 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 日本 |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 12852269.5 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 欧州 |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 14111574.5 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 香港 |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 201280057258.4 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 中国 |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 10-2014-7015979 | 連結子会社 (㈱リブテック) | 韓国 |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | PCT/JP2012/080800 | 連結子会社 (㈱リブテック) | オーストラリア |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 2855699 | 連結子会社 (㈱リブテック) | カナダ |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | MX/a/2014/006037 | 連結子会社 (㈱リブテック) | メキシコ |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | BR 11 201412119.2 | 連結子会社 (㈱リブテック) | ブラジル |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 623464 | 連結子会社 (㈱リブテック) | ニュージーランド |
2012年11月21日 (優先日) 2011年11月22日 | ANTI-TROP-2 ANTIBODY HAVING AN ANTITUMOR ACTIVITY IN VIVO | 201491006 | 連結子会社 (㈱リブテック) | ユーラシア |
5.提携機関との関係
当社グループは、単に製薬企業との提携に留まらず、ターゲット(抗原)の獲得や技術革新を目的として、アカデミア等と提携し事業拡大を図っております。アカデミア等から、がんやその他の疾患に対して従来の技術では抗体作製が困難な特異的な抗原遺伝子情報を入手し、当社はその抗原に対する研究用抗体を作製します。その抗体が疾患の原因となるターゲット(抗原)を特異的に認識し、ターゲット(抗原)を発現する細胞を死滅させたり症状を改善させる等疾患に対する機能が確認された場合、当社はその発明について共同出願を行い事業化の権利を確保いたします。また技術革新については、ADLib®システムの多様化メカニズムの解明、抗体の多様化レベルの解析等、より基礎的かつ高度な専門性を要求される分野において外部のアカデミア等と共同研究を行い、効果的かつ効率的な課題解決を図っております。
(当社作成)
(50音、アルファベット順)
用語 | 意味・内容 |
完全ヒトADLib®システム | DT40細胞のもつニワトリ抗体の遺伝子の主要部分をヒト抗体の遺伝子に置き換えることで、ヒトの抗体を作り出すADLib®システム(完全ヒトADLib®システム)を構築することを、当社の研究目標として掲げております。 |
キメラ抗体 | ヒト以外の動物に由来する抗体分子のうち抗原と結合する部分(可変領域)を取り出し、ヒト由来の抗体分子の定常領域と交換したものをヒトキメラ抗体といいます。このような異種の抗体のキメラ抗体は、一般的に可変領域のもっている抗原と結合する能力を保持することが知られています。 |
クローン | 同一の起源を持ち、かつ均一な遺伝情報を持つ核酸、細胞、個体の集団のことをいいます。 |
クロマチン構造 | クロマチンとは、真核細胞内に存在するDNAとタンパク質の複合体のことを表します。例えばヒトの場合、一つの核に納められているDNAの総延長はおよそ2mといわれており、これを10μmの核に収納するための構造がクロマチン構造であります。 |
抗セマフォリン3A抗体 | セマフォリン3Aは神経ガイダンス因子として同定された分子で、神経伸長を抑制することにより伸長方向を決めていることが知られています。最近の研究では、セマフォリン3Aを阻害することにより神経再生が起こること、また免疫反応やがん、アルツハイマーとも関連していることが報告されております。 |
抗原 | 通常、細菌やウイルスの持つタンパク質等、体内で異物と認識され、抗原抗体反応を起こさせる物質のことを抗原と言います。抗原が体内に入ると、これを撃退するための物質として抗体が作られ、抗原を排除するために働きます。さらにこの意味から派生して、抗体に結合する物質、あるいはこれから抗体を作製したい物質全般を、抗原と呼ぶこともあります。 |
抗体遺伝子 | 抗体遺伝子とは、抗体タンパク質の設計図となる遺伝子のことです。 |
抗体遺伝子座 | 遺伝子座とは、染色体やゲノムにおける遺伝子の位置のことをいい、抗体遺伝子座とは、ゲノムの中で抗体を形作る遺伝子が存在する場所のことを示します。 |
抗体医薬品 | ヒトには体を守る防御システムが備わっています。すなわち、細菌やウイルスの持つタンパク質を異物(抗原)として認識し、その異物に反応するタンパク質(=抗体)が異物を攻撃する仕組み(抗原抗体反応)です。ヒトが本来的に持つこの反応を生かした医薬品が抗体医薬品(抗体医薬ともいわれます。)です。 |
セレクション | 数多くの候補細胞から抗原特異的な抗体発現細胞を選択することをいいます。 |
相同組換え | 相同組換え(相同的組換え)は、DNAの塩基配列がよく似た部位(相同部位)の間で起こる遺伝子の組換えメカニズムのことをいいます。 様々な化学物質や放射線により切断されたDNAは主に相同組換えによって修復されます。また、相同組換えがうまくいかないと配偶子が形成されなくなる等、生命が存続するために不可欠な仕組みの一つです。トリDT40における抗体遺伝子座の相同組換えは、抗体遺伝子の多様化を創出するための仕組みとして機能しています。 |
探索 | 創薬研究の最初の段階として、医薬品の元となる生理活性をもつ物質を探索する研究段階があります。この研究を一般的に探索研究と呼びます。 |
特異的抗体 | 抗原抗体反応において、ある特定の抗原に結合する抗体です。 |
トリコスタチンA(TSA) | ニワトリDT40細胞にクロマチン弛緩を誘導するために利用する薬剤でヒストン脱アセチル化酵素という種類の酵素の働きを阻害する働きがあります。 |
ヒト化された抗体 | 人の抗体に似ていますが、一部他の動物由来の構造を保持する抗体のことをいいます。 |
用語 | 意味・内容 |
病原毒素 | 主に細菌等の生物によって作られる、毒性を持った物質をいいます。たとえば、病原性大腸菌O157の持っている毒性の物質も病原毒素の一つです。 |
ファージディスプレイ法 | 遺伝子工学的手法でファージ(細菌に感染するウイルス)粒子に多様な抗体タンパク質の抗原認識部位を発現提示させ、抗原と反応するファージを回収して、モノクローナル抗体を作製する方法です。なお同じ操作を複数回繰り返すため必要な抗原量が多くなり、かつ作製に時間を要します。 |
ブロックバスター医薬品 | 従来の治療体系を覆す薬効を持ち、莫大な売上高と利益を生み出す医薬品のことをいいます。多くの場合は、年商10億ドルを超える医薬品を指します。 |
マウスハイブリドーマ法 | 最も一般的なモノクローナル抗体作製技術です。動物個体を使うことから、必要な抗原量や抗原の適応範囲等に制約があり、かつ作製に時間を要します。 |
免疫化学的アッセイ | 免疫化学的アッセイとは、生物材料を用いて行うバイオアッセイ(生物化学的実験)の一つであり、特に抗体を用いて行う分析手法をいいます。抗体が、抗原に対して非常に特異的に結合する特長を持っているため、免疫化学的アッセイはバイオアッセイの中でも特に広く用いられる手法です。 |
免疫寛容 | 特定の抗原(例えば、自身の体の構成成分やそれに似ているもの)に対しては、これが異物とみなされないために体が免疫反応を示さず、体内で抗体を産生しない状態をいいます。 |
免疫反応 | 生体が外来性あるいは内因性の物質に対して自己か非自己かを識別し非自己に対してこれを排除することで、個体の生存維持及び種の存続のために起こす一連の生体反応をいいます。 |
モノクローナル抗体 | 単一の抗体分子を産生する細胞から得られた抗体のことをいいます。特定の性質を持つ抗体を大量に産生することが可能であり、抗体医薬品の開発にも利用されます。 |
ライブラリ | 一つ一つの細胞が異なる構造の抗体を持っているような、大量の細胞の集団のことを、図書館にたとえて、ライブラリと呼びます。ADLib®システムにおいては、論理的には無限の抗体遺伝子配列の異なる細胞ライブラリを作製する事が可能です。 |
リード抗体 | 医薬品の候補となる抗体のことです。 |
ADLib® axCELL | ADLib®システムの応用技術の一つです。ADLib®システムで使用する抗原を細胞にまで拡大した技術で、当社で開発に成功した独自技術です。細胞表面に発現する抗原をそのまま自然な状態で利用することで従来技術では取得困難であった抗体を得ることができます。 |
ADLib® Combo | ADLib®システムの応用技術の一つです。既存の抗体とは異なったエピトープ(抗体が認識する抗原の一部分)を認識する抗体の取得方法で当社で開発に成功したものです。 |
ADLib®(アドリブ)システム | ニワトリ細胞をもとにして作製された細胞株であるDT40細胞のもつ抗体遺伝子の組換えを活性化することによって、抗体タンパクの多様性を増大させ、特定の抗原を固定した磁気ビーズで特異的抗体を産生する細胞をつり上げる仕組みです。理研で開発された技術で、当社はその独占的な実施権を保有しております。既存の方法に比べ、迅速性に優れていること及び従来困難であった抗体取得が可能であること等の点に特徴があると考えております。 |
DT40細胞 | ニワトリのファブリキウス嚢(鳥類に特有な一次免疫器官)から取り出され、がん遺伝子の導入により不死化されたB細胞(抗体産生細胞の一種)の一つです。このDT40細胞株の抗体遺伝子座において起こる遺伝子変換を人為的に誘導することによって、多様な抗体を産生する細胞集団(ライブラリ)が得られます。これがADLib®システムの技術の基になっています。 |
用語 | 意味・内容 |
ELISA | ELISA (Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay) は、試料中に含まれる抗体あるいは抗原の濃度を検出・定量する際に用いられる免疫化学的アッセイの一つです。 |
First in Class | 一般的には、その作用機序の医薬品のなかで市場に最初に登場した医薬品を指します。類似薬がないことから高い薬価と高い売上が期待できます。抗体の場合は、あるタンパク質(抗原)を疾患治療用のターゲットとして初めて用いる場合、その抗体はFirst in Class抗体と呼ばれます。First in Class抗体のターゲット抗原の候補は、潜在的なものも含めてアカデミアを中心としたさまざまな疾患研究の中に多く存在していると考えられます。当社グループではそうした抗原をターゲットとすることで、これまでにない医薬品候補抗体の開発を目指し、治療充足度が十分でない疾患の治療に貢献します。 |
GPCR | GPCR(G Protein Coupled Receptor)は、7回膜貫通型タンパク質であり、がんや免疫疾患の治療を目的とした有力な医薬品ターゲットとして注目されています。 |
IgG | 抗体は、構造の違いによっていくつかのタイプに分けられ、その中の免疫グロブリンG(Immunoglobulin G)の名称を略したものです。IgG抗体はヒトの抗体の大部分を占めている抗体です。 |
IgM | 抗体は、構造の違いによっていくつかのタイプに分けられ、その中の免疫グロブリンM(Immunoglobulin M)の名称を略したものです。ADLib®システムによって作製する抗体は一般的にこのタイプのものです。なお、当社では、ADLib®システムによって作製したIgM抗体をIgG化する技術も保有しております。 |
Nature Biotechnology | Nature誌と同じ出版社であるNature Publishing Group社が発行するバイオテクノロジー専門の論文雑誌です。 |
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E26096] S1004G3W)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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