有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004ZS2
日本高純度化学株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
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(1)研究開発活動の基本方針
当社の研究開発部門の課題は、最先端のデバイスの表面実装に必要とされる貴金属めっき技術をエレクトロニクス業界に提供することです。
貴金属めっきの顧客は急速にグローバル化が進んでおり、これに対応するには、当社の研究開発業務を、ソフト技術、材料技術の両面より推進する必要があります。ソフト技術を駆使してグローバル化に対応しながら、一方では次世代の材料技術を長期的な視野で育成してゆくのが当社の研究開発の基本方針です。
ソフト技術とは、当社の既存のめっき薬品をどのような条件で、かつどのような前工程、後工程との組み合わせで使用するかを検討し、顧客に最適なトータルプロセスを提案する技術です。対象となる電子デバイスは多様であり、顧客の設備も多様です。これらの状況を考慮しながら顧客の満足するソリューションを提供するのがソフト技術で、既存の当社の製品を顧客の設備にいかにフィットさせるか、短期間に解答を出すことが要求されます。
一方、材料技術とは、既存の薬品では対応できないような課題を解決するための新しい薬品を開発する業務です。新しい薬品はデバイスに用いられ、実装工程を経て、最終的にはエレクトロニクス機器(完成装置)としての一連の評価まで行い、新製品として認定されますので、開発から製品化までには数年の検討期間が必要になることもあり、長期間にわたる計画が必要です。
特に新規化合物を発見しないと問題が解決されないような製品には、新規化合物の環境試験も行わねばならず、長期間のR&Dは避けられませんが、グローバルなファインケミカル企業になるための必須条件と受けとめております。
なお、当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。
(2)研究開発活動の主要課題
当社は、会社設立以来、エレクトロニクス業界を最大のターゲットとした貴金属めっき薬品を提供してまいりました。近年、めっき液の低金濃度化やめっき皮膜の薄膜化による金使用量を削減(省金化)した仕様が浸透しつつあり、めっき皮膜物性を維持しつつ、このような仕様に対応することが主要課題となっております。さらに、省金化に伴う貴金属めっき薬品の販売量低下を補うべく、これまでに集積した貴金属めっき技術を、エレクトロニクス業界以外へ展開すること、貴金属以外のめっき技術へ応用することも課題として取り組んでおります。
これらの課題にソフト技術・材料技術で対応する際、従来技術と経験(Know-How)だけでは不十分で、“化学的反応機構解明(Know-Why)”の思考が重要となります。Know-Whyで最も重要なのは、めっき液成分の分子構造とめっき皮膜物性とを化学的な原理・原則に基づき結びつけることであり、以下の問題にKnow-Whyの見地より取り組んでいます。
① 環境問題対応
・有害物質規制に対応しためっき技術
・はんだめっきの代替となるめっき技術
② 新規デバイス対応
・ワイヤーボンディング可能なめっき技術
・ナノレベルの厚さのめっき技術
③ 新分野対応
・電子デバイス以外の分野へのめっき技術の展開
(3)研究開発の成果
第44期(2015年3月期)における、当社の研究開発の成果は次のとおりであります。
① 電解金めっき
硬質金めっきにおいて、Protecting Agentを応用した「BAR7」が微細化・省金化という市場からの要請に対応し、電子部品だけでなく車載用途にも販売網を広げました。さらに、コバルトの代わりにニッケルを使用した「BAR7」の姉妹品「BAR(NI)」の市場テストが終了し、拡販が始まりました。
一方、軟質金めっきについては、メモリ基板向けワイヤボンディング用途で需要が増大し、省金化により減少していた販売量がやや増加傾向に転じました。
② 無電解金めっき
無電解金めっきは薄膜用の置換金めっきと厚膜用の還元金めっきに大別されますが、両者の中間的な性質を示し、省金化も図れる置換還元金めっき技術が顧客ニーズとしてありました。当社では金源として、亜硫酸金とシアン化金の2種類を用いた「HY-GOLD」を開発しました。44期はパソコンの半導体パッケージにも省金化仕様が浸透し、厚膜型の還元金めっき「NEO GOLD」から薄膜型の置換還元金めっき「HY-GOLD」に切り替えが進みました。
③ パラジウムめっき
無電解パラジウムめっきは、無電解ニッケルを下地とするスマートフォン用パッケージ基板に使われています。スマートフォンのデータ処理が高速化するにつれ、無電解ニッケルを省き銅配線上に直接無電解パラジウムめっきを施す“ 銅上ダイレクトEPIG(無電解パラジウム/無電解金)”プロセスが有望視されるようになりました。当社のProtecting Agentを応用した銅上ダイレクトEPIGプロセスを開発し、スマートフォン関連業界で市場テストが始まりました。
(注)「 」内は当社の製品名であります。
(4)研究開発費
第44期(2015年3月期)における、研究開発費の総額は235,215千円であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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