有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10051RQ
アキレス株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
省エネ、環境、健康、をキーワードに、これまでの技術を向上・進化させ、独創性のある製品を提案し続けるために、当社のコア技術であるプラスチック加工(成型・製膜・発泡)を軸に研究開発活動を行ってきた。
省エネ商品としては、新規発泡剤を用いて優れた断熱性能が保持できる断熱材の開発、環境配慮型の商品としては、機能性を持った生分解性フィルムの開発、健康を促進する商品としては、高齢者向けスマートシューズの開発等、市場が最も求めていることに貢献可能な商品を開発している。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は、1,372百万円であり、各事業の研究開発の目的、主要課題、成果および研究開発費は以下のとおりである。
なお、研究開発費には各事業に配分できない基礎研究費514百万円が含まれている。
(1)シューズ事業
ジュニア、チャイルド用スポーツシューズのトップブランドである「瞬足」は、主力のランニングカテゴリーに、短距離走向け新シリーズ「SYUNSOKU EVO」を投入し、好評を得た。さらに、小学校高学年以上の男子に向けた陸上競技トレーニングモデル「瞬足JAPAN」、女児向け軽量新モデル「SYUNSOKU Pinguino」、瞬足史上最軽量の瞬足「キングエスチーター」など、瞬足ファミリーブランドの充実を図った。災害など非常時に長距離歩行が可能な20km歩けるパンプス「ALL DAY Walk」が、大きな反響をよんでいるが、リピーター待望の4cmウェッジヒールタイプを投入した。高機能スーパークッション「ソルボ」を搭載した「アキレス・ソルボ」では、本格的なメンズビジネスシューズ「Bizシリーズ」の充実を図った。スポルディングブランドからは、誰もが気軽に全身運動効果を期待できるスポーツとして注目を集めている「ノルディックウォーキング」シリーズの充実を進めた。
当事業に係わる研究開発費は422百万円である。
(2)プラスチック事業
合成皮革関係は、従来からの車輌分野用にハンドル用合皮、耐摩耗性に優れたPVCレザーの開発を、また、航空機・鉄道車輌の座席用合成皮革をそれぞれ開発上市した。
フィルム関係では、PVCにおいて欧州化学物質規制のREACH対応商品を確立し、生産を開始した。PO系においては、ポビックシリーズでバイオマス材料を使用したタイプを開発し上市した。
建装関係は、部屋の模様替えを楽しく、簡単にできる商品として、自分でも貼れる粘着壁紙を開発した。
引布商品では、連接バスに使用されるジャバラ用CSM原反(輸出)を開発上市した。マリン商品では、米国市場向けにアルミRIBボートを開発上市した。
当事業に係わる研究開発費は275百万円である。
(3)産業資材事業
軟質ウレタン関係は、理想的な寝姿勢の維持と寝心地の良さについて研究・検証し「フレアベル」シリーズを一新、新シリーズとして4ラインアップ7商品を上市した。
硬質ウレタン関係では、現場発泡システム原液において、北海道で先行販売した低GWPガスであるHFOを用いた「アキレスエアロンFR-FO」について、市場展開を視野に全国向けの処方を開発した。
工業資材関係は、進化するシリコンウエハーの3次元積層加工技術をサポートする部材として、ウエハー非接触搬送用トレイ「ウエハーサポートトレイ」を開発上市した。
当事業に係わる研究開発費は159百万円である。
(4)独自技術による成長分野への新商品を担う研究開発本部では、ウレタン弾性体の独自配合技術により、これまでに無い高反発で衝撃吸収特性に優れた新素材が開発できた。シューズをはじめ床材等への新素材として期待されている。
STEPプロジェクト(導電性ポリマーを用いた新しい無電解めっきシステム)では、電磁波シールド、アンテナ分野での共同開発を推進し、次年度での上市に見通しが得られた。さらに、タッチパネル用の透明電極、立体の透明電極等の新たな商品を提案しており、高い注目度が得られた。
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