オイシックス・ラ・大地株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)

当社の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づいて作成しております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

(2)財政状態の分析
① 資産
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度と比較して641,125千円増加し、6,331,519千円となりました。

(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は5,061,287千円となり、前事業年度末残高4,429,577千円と比較して631,709千円増加いたしました。この主な要因は、現金及び預金が280,495千円、売掛金が279,261千円、未収入金が45,821千円増加したことによるものです。

(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,270,231千円となり、前事業年度末残高1,260,816千円と比較して9,415千円増加いたしました。この主な要因は、吉祥寺店舗の固定資産に係る減損損失の計上を主要因とした建物の減少108,647千円、機械及び装置の減少17,079千円、工具、器具及び備品の減少13,610千円とともに、ソフトウェアの増加68,812千円、関連会社である株式会社ごちまるへの追加出資による関係会社株式の増加48,000千円、繰延税金資産の増加37,466千円によるものです。

② 負債
当事業年度末の負債は前事業年度と比較して236,807千円増加し、2,553,946千円となりました。

(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は2,480,416千円となり、前事業年度末残高2,224,424千円と比較して255,992千円増加いたしました。この主な要因は、買掛金が138,745千円、未払金が146,705千円、未払消費税等が72,538千円増加するとともに、未払法人税等が103,354千円、ポイント引当金が27,442千円減少したことによるものです。

(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は73,529千円であり、前事業年度末残高92,714千円と比較して19,185千円減少いたしました。この主な要因は、長期前受収益が18,264千円減少したことによるものです。

③ 純資産
当事業年度末における純資産の残高は3,777,573千円であり、前事業年度末残高3,373,255千円と比較して404,317千円増加いたしました。この要因は、新株予約権の権利行使に伴う増資により資本金が28,521千円、資本準備金が28,468千円増加したこと、並びに当期純利益を347,327千円計上したことによるものです。

(3)経営成績の分析
① 売上高
当事業年度においては、主力であるEC事業において、定期宅配サービス「おいしっくすくらぶ」会員数が、前事業年度末(2014年3月末)の82,081人から、当事業年度末(2015年3月末)には96,718人へと増加し、期初に目標とした95,000人を上回る結果となりました。。
この結果、当事業年度における売上高は、18,060,465千円と前事業年度と比較して13.5%の増収となりました。

② 売上原価、売上総利益
当事業年度における売上原価は、9,450,983千円(前期比13.9%増)となりました。これは主に、EC事業における売上拡大に伴い商品仕入が増加したことによるものです。
この結果、当事業年度の売上総利益は、8,609,481千円(前期比13.1%増)となりました。

③ 販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度における販売費及び一般管理費は、7,960,748千円(前期比15.9%増)となりました。これは主に、売上拡大に伴って荷造運賃発送費が増加したことや、より多くの新規顧客を獲得するために販売促進費を積極的に投下したこと等によるものです。
この結果、当事業年度の営業利益は648,733千円(前期比12.4%減)となりました。

④ 営業外損益、経常利益
当事業年度の営業外損益では、受取補償金9,855千円を主な要因とした営業外収益23,022千円、営業外費用3,044千円を計上いたしました。
この結果、当事業年度における経常利益は668,712千円(前期比13.8%減)となりました。

⑤ 特別損益、当期純利益
当事業年度の特別損益では、「Oisix CRAZY for VEGGY アトレ吉祥寺店」の固定資産に係る減損損失113,369千円を特別損失に計上することといたしました。
また、当事業年度の法人税等合計は208,014千円となり、前事業年度より81,078千円減少いたしました。
この結果、当事業年度における当期純利益は347,327千円(前期比20.5%減)となりました。

(4)キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(5)現状と見通し
今後のわが国経済は、政府の経済再生に向けた積極的な取り組みや日銀の金融緩和政策の継続により着実な景気回復が期待される一方で、国際情勢の変化や、円安の影響による輸入コストの上昇が懸念されるなど、引き続き先行き不透明な状況が想定されます。
食品EC事業においては、大手EC事業者や大手流通事業者のネット・スーパー事業強化の動きが継続しており、食品のネット宅配市場全体の拡大・活性化が見込まれる一方で、競争・競合の激化も予想されます。
このような状況の下、当社では、引き続き、食品小売市場の中でも高い成長が見込まれる高付加価値食品・食材の市場や、ECを活用した食品宅配市場におけるトップ・ブランドとしての地位確立を目指してまいります。
具体的には、EC事業では積極的な集客施策により定期購入会員数の増加を図るほか、「KitOisix」の拡充などを通じ購入頻度・購入単価の向上に取り組むとともに、将来的な規模拡大に備えた製造・物流機能への投資を実施してまいります。
その他事業においては、「オイフル」を軸にマーケティング面の実行支援サービスを付加することで、より総合的なソリューション・サービスとして確立することを目指してまいります。
また、店舗事業においては「Shop in Shop」の更なる拡大とともに、アトレ吉祥寺店を中心に、より収益力・競争力のある業態へと構造改革することに取り組んでまいります。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社としては、安心・安全な食品・食材を求める消費者層は今後も引き続き拡大するものと見込んでおり、また利便性の高いインターネットを通じた商取引(EC)も今後とも成長していくと予想されることから、当社の主たる事業である食品宅配事業の成長余力は依然として大きいものと考えております。
このような環境の下、当社としては、更なる成長、企業規模の拡大とともに「Oisix」ブランドの価値向上を図ることにより、我が国におけるオーガニック系食品業界のリーディング・カンパニーを目指してまいります。
このため、中長期的な経営戦略としましては、外部大型ウェブサイトとの提携や積極的な販売促進による更なる新規顧客の開拓のほか、収益性の向上を図るため、お客様の嗜好や属性に合わせたマーケティングの実施による顧客単価の向上や、競合他社と比較した場合のサービスの差別化・競争力強化が重要であると認識しております。