有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10052IH
ピーエス・コンストラクション株式会社 研究開発活動 (2015年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は、当社において、社会のニーズを的確に把握するように技術開発部門を本社に配備し、プレストレストコンクリート技術及び在来技術の改良、新規分野への適用を目指して、効率的に成果をあげる施策を講じながら研究開発活動を積極的に推進しております。また、新しいニーズに応えるため、海外における先進技術の調査、情報の収集をはじめ、産・官・学との共同研究を積極的に推進しております。
当連結会計年度における研究開発活動の主な成果並びに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4億94百万円であります。
1.土木建設事業
(1)橋梁床版更新技術の開発(半断面施工)
高速道路等の重交通路線において、供用開始後30年以上経過した橋梁の経年劣化の進展とともに、厳しい使用環境にさらされていることによる変状の増加や新たな変状の発生などが顕在化してきております。
特に鋼橋の鉄筋コンクリート床版においては、大型車交通量の増加による疲労に加え、冬期に大量散布される凍結防止剤(塩化ナトリウム)を原因とする塩害と凍害による複合劣化損傷が顕著であり、早期に大規模更新、大規模修繕に取り組むことが求められております。
一般に床版の取り替え工事は、通行止めを伴う交通規制が行われていますが、重交通路線の工事においては社会的な損失が大きくなることが懸念されております。このため本研究においては、交通規制に伴うリスクを最小限に抑えるために、半断面施工による床版取り替え工法の開発及び早期の実用化を目指し、今後の更新工事の受注拡大に向けた検討を行っております。
(2)支承取り替え技術の開発
橋けたは支点部の支承装置により支持されておりますが、過去の基準で建設されたコンクリート橋のパッド型のゴム支承を現行の基準を満たす支承に取り替える工事は、支承をコンクリートに定着するためのアンカーボルトの設置のため、はつり作業等工事規模が膨らむ傾向にあります。
本研究は既設橋のダメージを少なくし、施工性を向上することに着目した支承取り替え技術に関するものであり、支承のアンカーボルトに頭付きスタッドを用いることにより、既設橋のはつり量を少なくする構造を考案いたしました。また、パッド型ゴム支承から水平伝達機能を有するゴム支承へ変更するには支承自体の高さが増大し、既設の遊間では配置できなくなるため、近年開発された超小型ゴム支承装置に改良を加えることで、既設の遊間で交換可能な水平力伝達機能を有した支承を考案いたしました。
はつり後の断面修復用に、コンクリートに代ってセメントモルタルを用いることから、モルタルに定着される頭付きスタッドの性能を確認し、支承の設計方法を提案いたしました。今後は本工法の優れた特長を活かして大規模修繕の物件にも採用されるよう展開してまいります。
(3)H型PC杭技術審査証明更新
H型PC杭は、H形断面を有しており、工場で製作されるプレテンション方式のプレストレストコンクリート製品です。施工スペースが狭隘であり建築構造物に近接している等の施工条件が厳しい都市部等でのアンダーパスにおける土留め構造物構築工事、壁高の高い自立式土留め構造物構築工事及び調整池構築工事等に施工実績があります。
2008年に証明機関である一般財団法人土木研究センターより建設技術審査証明を取得しておりましたが、更なる受注の拡大を目的に技術内容の拡充を行い、当連結会計年度に審査証明の登録更新を行いました。
(4)エコチューブ工法(袋詰脱水処理工法)による放射性物質汚泥の封じ込め
エコチューブ工法は、透水性を有する袋(ジオテキスタイル製)に高含水の粘性土を詰めて脱水・減容化し、盛土材や埋土材として有効利用する工法です。また、本工法は、環境汚染物質(放射性セシウム等)を含んだ底泥・泥水を袋内に充填し、布材によって土粒子をろ過することで、土粒子に吸着した環境汚染物質を袋体内に封じ込めることができ、脱水することで汚染土の減容化が可能です。
今回、道路側溝に堆積した放射性物質汚泥を試料として採取し、エコチューブ工法による封じ込め効果の確認を行いました。その結果、放射性物質の99%以上の封じ込めが可能で、排水中の放射性セシウムの濃度は全て環境省ガイドラインの排水濃度限度を下回ることが確認されました。
今後本工法が採用され、環境汚染物質の除去に貢献できるよう活動してまいります。
土木建設事業に係る研究開発費は4億44百万円であります。
2.建築建設事業
(1)VERJON工法の適用範囲の拡大
一般的に鉄筋コンクリート構造の梁において必要とされるコンクリート強度はスラブで必要なコンクリート強度に比べて高いことが多く、施工において梁とスラブのコンクリートを打ち分ける場合があります。VERJON工法では、梁の上部をスラブと同一のコンクリートとし、コンクリートの打ち分け等の施工の煩雑さを軽減させ、同時に高強度のコンクリート打設量を少なくしてコストダウンを図る工法で、その構造性能を実験により把握・検討し、2010年10月に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得いたしました。
今回、比較的短い梁、段差スラブ付き梁及びスラブ無し梁の構造実験を行い、適用範囲を拡大して建築技術性能証明を改定いたしました。これにより、ほとんどすべての部位への適用が可能となり、品質・施工性が更に向上いたしました。なお、本開発は当社を含むゼネコン9社による共同研究開発です。
(2)梁主筋を柱梁接合部内で機械式継手により接合したプレキャスト(PCa)化工法
近年、RC造の施工においては、建設労働者の不足による工期の遅延、労務費の高騰が深刻化しております。この問題に対してPCa化工法は、型枠工事や鉄筋工事等に係わる建設労働者数を減じることができる有効な手段の一つと言えます。
PCa化工法における柱・梁の組立方法は多くのものが提案されており、当社においても既に実施している方法がありますが、保有技術の多様化を目的として、柱上で梁を接続する工法の検討を行うことといたしました。
本試験研究は、柱、梁をPCa部材として工場生産し、現場にて梁主筋を柱梁接合部内で機械式継手(スリーブ継手)により接合するPCa化工法を対象としております。柱梁接合部内での鉄筋継手使用については、「柱梁接合部内で継手を用いる場合は別途(実験等)検討する。」とされております。柱梁接合部内では梁主筋とコンクリートの付着状態が厳しくなるため、その定着・付着性状を把握する必要があり、構造性能を確認するための構造実験を実施いたしました。
実験結果は、柱梁接合部内で梁主筋を機械式継手で接合した試験体は、継手の無い(通し配筋)試験体とほぼ同等な耐力を有し、架構としての変形性能も十分に有していることが確認されました。
建築建設事業に係る研究開発費は49百万円であります。
当連結会計年度における研究開発活動の主な成果並びに主要案件は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4億94百万円であります。
1.土木建設事業
(1)橋梁床版更新技術の開発(半断面施工)
高速道路等の重交通路線において、供用開始後30年以上経過した橋梁の経年劣化の進展とともに、厳しい使用環境にさらされていることによる変状の増加や新たな変状の発生などが顕在化してきております。
特に鋼橋の鉄筋コンクリート床版においては、大型車交通量の増加による疲労に加え、冬期に大量散布される凍結防止剤(塩化ナトリウム)を原因とする塩害と凍害による複合劣化損傷が顕著であり、早期に大規模更新、大規模修繕に取り組むことが求められております。
一般に床版の取り替え工事は、通行止めを伴う交通規制が行われていますが、重交通路線の工事においては社会的な損失が大きくなることが懸念されております。このため本研究においては、交通規制に伴うリスクを最小限に抑えるために、半断面施工による床版取り替え工法の開発及び早期の実用化を目指し、今後の更新工事の受注拡大に向けた検討を行っております。
(2)支承取り替え技術の開発
橋けたは支点部の支承装置により支持されておりますが、過去の基準で建設されたコンクリート橋のパッド型のゴム支承を現行の基準を満たす支承に取り替える工事は、支承をコンクリートに定着するためのアンカーボルトの設置のため、はつり作業等工事規模が膨らむ傾向にあります。
本研究は既設橋のダメージを少なくし、施工性を向上することに着目した支承取り替え技術に関するものであり、支承のアンカーボルトに頭付きスタッドを用いることにより、既設橋のはつり量を少なくする構造を考案いたしました。また、パッド型ゴム支承から水平伝達機能を有するゴム支承へ変更するには支承自体の高さが増大し、既設の遊間では配置できなくなるため、近年開発された超小型ゴム支承装置に改良を加えることで、既設の遊間で交換可能な水平力伝達機能を有した支承を考案いたしました。
はつり後の断面修復用に、コンクリートに代ってセメントモルタルを用いることから、モルタルに定着される頭付きスタッドの性能を確認し、支承の設計方法を提案いたしました。今後は本工法の優れた特長を活かして大規模修繕の物件にも採用されるよう展開してまいります。
(3)H型PC杭技術審査証明更新
H型PC杭は、H形断面を有しており、工場で製作されるプレテンション方式のプレストレストコンクリート製品です。施工スペースが狭隘であり建築構造物に近接している等の施工条件が厳しい都市部等でのアンダーパスにおける土留め構造物構築工事、壁高の高い自立式土留め構造物構築工事及び調整池構築工事等に施工実績があります。
2008年に証明機関である一般財団法人土木研究センターより建設技術審査証明を取得しておりましたが、更なる受注の拡大を目的に技術内容の拡充を行い、当連結会計年度に審査証明の登録更新を行いました。
(4)エコチューブ工法(袋詰脱水処理工法)による放射性物質汚泥の封じ込め
エコチューブ工法は、透水性を有する袋(ジオテキスタイル製)に高含水の粘性土を詰めて脱水・減容化し、盛土材や埋土材として有効利用する工法です。また、本工法は、環境汚染物質(放射性セシウム等)を含んだ底泥・泥水を袋内に充填し、布材によって土粒子をろ過することで、土粒子に吸着した環境汚染物質を袋体内に封じ込めることができ、脱水することで汚染土の減容化が可能です。
今回、道路側溝に堆積した放射性物質汚泥を試料として採取し、エコチューブ工法による封じ込め効果の確認を行いました。その結果、放射性物質の99%以上の封じ込めが可能で、排水中の放射性セシウムの濃度は全て環境省ガイドラインの排水濃度限度を下回ることが確認されました。
今後本工法が採用され、環境汚染物質の除去に貢献できるよう活動してまいります。
土木建設事業に係る研究開発費は4億44百万円であります。
2.建築建設事業
(1)VERJON工法の適用範囲の拡大
一般的に鉄筋コンクリート構造の梁において必要とされるコンクリート強度はスラブで必要なコンクリート強度に比べて高いことが多く、施工において梁とスラブのコンクリートを打ち分ける場合があります。VERJON工法では、梁の上部をスラブと同一のコンクリートとし、コンクリートの打ち分け等の施工の煩雑さを軽減させ、同時に高強度のコンクリート打設量を少なくしてコストダウンを図る工法で、その構造性能を実験により把握・検討し、2010年10月に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得いたしました。
今回、比較的短い梁、段差スラブ付き梁及びスラブ無し梁の構造実験を行い、適用範囲を拡大して建築技術性能証明を改定いたしました。これにより、ほとんどすべての部位への適用が可能となり、品質・施工性が更に向上いたしました。なお、本開発は当社を含むゼネコン9社による共同研究開発です。
(2)梁主筋を柱梁接合部内で機械式継手により接合したプレキャスト(PCa)化工法
近年、RC造の施工においては、建設労働者の不足による工期の遅延、労務費の高騰が深刻化しております。この問題に対してPCa化工法は、型枠工事や鉄筋工事等に係わる建設労働者数を減じることができる有効な手段の一つと言えます。
PCa化工法における柱・梁の組立方法は多くのものが提案されており、当社においても既に実施している方法がありますが、保有技術の多様化を目的として、柱上で梁を接続する工法の検討を行うことといたしました。
本試験研究は、柱、梁をPCa部材として工場生産し、現場にて梁主筋を柱梁接合部内で機械式継手(スリーブ継手)により接合するPCa化工法を対象としております。柱梁接合部内での鉄筋継手使用については、「柱梁接合部内で継手を用いる場合は別途(実験等)検討する。」とされております。柱梁接合部内では梁主筋とコンクリートの付着状態が厳しくなるため、その定着・付着性状を把握する必要があり、構造性能を確認するための構造実験を実施いたしました。
実験結果は、柱梁接合部内で梁主筋を機械式継手で接合した試験体は、継手の無い(通し配筋)試験体とほぼ同等な耐力を有し、架構としての変形性能も十分に有していることが確認されました。
建築建設事業に係る研究開発費は49百万円であります。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 関係会社の状況
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 対処すべき課題
- 事業等のリスク
- 研究開発活動
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01161] S10052IH)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。