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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100552Y

有価証券報告書抜粋 京セラ株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)


研究開発活動メニュー株式の総数等

「将来予想に関する事項」については、有価証券報告書提出日時点において判断しています。
(1) 営業成績
① 売上高
当連結会計年度の売上高は1,526,536百万円となり、前連結会計年度の1,447,369百万円と比較し、79,167百万円(5.5%)増加しました。
部品事業における当連結会計年度の売上高は870,347百万円となり、前連結会計年度の825,028百万円と比較し、45,319百万円(5.5%)増加しました。自動車関連市場やスマートフォン、通信インフラ、各種産業機器市場を中心に売上が増加しました。機器事業における当連結会計年度の売上高は536,886百万円となり、前連結会計年度の494,597百万円と比較し、42,289百万円(8.6%)増加しました。新製品投入や新規顧客開拓等により特に海外市場で売上を伸ばすことができました。なお、欧米通貨に対する円安の影響を主因として、当連結会計年度の邦貨換算後の売上高は、前連結会計年度に比べ約58,000百万円押し上げられました。
売上高の詳細については、後述の「⑪ レポーティングセグメント別営業概況」を参照下さい。
② 売上原価及び売上総利益
当連結会計年度の売上原価は1,137,137百万円となり、前連結会計年度の1,068,465百万円と比較し、68,672百万円(6.4%)増加しました。これは主に、売上の増加と円安の影響による諸費用の増加に加え、当連結会計年度は2013年10月に連結子会社化した京セラサーキットソリューションズ㈱の費用が期を通じて発生したこと、及びソーラーエネルギー事業においてたな卸資産の評価減及び構造改革費用を計上したことによるものです。
売上原価の主な内訳は、原材料費が前連結会計年度の426,472百万円から14,368百万円(3.4%)増加の440,840百万円で全体の38.8%を占め、人件費が前連結会計年度の196,244百万円から10,932百万円(5.6%)増加の207,176百万円で全体の18.2%を占めています。また、減価償却費は前連結会計年度の56,055百万円から2,968百万円(5.3%)減少の53,087百万円で全体の4.7%を占めています。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は389,399百万円となり、前連結会計年度の378,904百万円と比較し10,495百万円(2.8%)増加しましたが、売上高に対する売上総利益率は、26.2%から25.5%へ0.7ポイント低下しました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は295,971百万円となり、前連結会計年度の258,322百万円と比較し、37,649百万円(14.6%)増加しました。主に販売増に伴う諸費用の増加に加え、円安の影響、及び通信機器関連事業において営業権の減損損失を18,456百万円計上したことによるものです。この減損損失は、事業の収益性が低い状況下、当連結会計年度の実績が営業権の減損損失を除いても事業損失となったこと、及び米国市場を中心とする海外事業における収益性の改善が遅れていること等の内容を将来キャッシュ・フローの見積もりに反映させた結果、公正価値が減少したことによるものです。
販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は19.4%となり、前連結会計年度の17.9%から1.5ポイント上昇しました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費の主な内訳は、人件費が前連結会計年度の141,935百万円から10,431百万円(7.3%)増加の152,366百万円で全体の51.5%を占め、続いて販売費及び広告宣伝費が、前連結会計年度の45,894百万円から789百万円(1.7%)増加の46,683百万円で全体の15.8%を占めています。また減価償却費は前連結会計年度の13,633百万円から658百万円(4.8%)減少の12,975百万円で全体の4.4%を占めています。
この結果、当連結会計年度の営業利益は93,428百万円となり、前連結会計年度の120,582百万円と比較し、27,154百万円(22.5%)減少しました。売上高に対する比率は前連結会計年度の8.3%から2.2ポイント低下し、6.1%となりました。
④ 受取利息・配当金
当連結会計年度の受取利息・配当金は22,783百万円となり、前連結会計年度の18,172百万円と比較し、4,611百万円(25.4%)増加しました。これは主に、KDDI㈱からの受取配当金が増加したことによるものです。
⑤ 支払利息
当連結会計年度の支払利息は1,718百万円となり、前連結会計年度の1,945百万円と比較し、227百万円
(11.7%)減少しました。これは主に、AVX Corporationの環境汚染浄化費用に係る利息が減少したことによるものです。
⑥ 為替換算差損益
当連結会計年度の平均為替レートは、前連結会計年度と比較し、米ドルは10円(10.0%)の円安、ユーロは5円(3.7%)の円安となりました。また、当連結会計年度末の為替レートは、前連結会計年度末と比較し米ドルは17円(16.5%)の円安、ユーロは12円(8.5%)の円高となりました。なお、当連結会計年度の為替換算差損益は4,499百万円の利益となりました。
当社では、外貨建の債権債務に係る為替変動リスクの低減を図るために、主に先物為替予約を利用しています。当社は、先物為替予約については、外国為替レートの変動をヘッジする目的に限定して利用しており、トレーディング目的のための先物為替予約は行っていません。
⑦ 投資損益
当連結会計年度の有価証券売却損益は505百万円の利益となり、前連結会計年度の2,875百万円の利益と比較し、2,370百万円(82.4%)利益が減少しました。
当連結会計年度の有価証券評価損は2百万円となり、前連結会計年度の109百万円の損失と比較し、107百万円(98.2%)損失が減少しました。
⑧ 税引前当期純利益
当連結会計年度の税引前当期純利益は121,862百万円となり、前連結会計年度の146,268百万円と比較し、24,406百万円(16.7%)減少しました。売上高に対する税引前当期純利益の比率は前連結会計年度の10.1%から2.1ポイント減少し、8.0%となりました。
ソーラーエネルギー事業においてたな卸資産の評価減及び構造改革費用を計上したこと、及び通信機器関連事業において営業権の減損損失を18,456百万円計上したこと等により、営業利益は前連結会計年度の120,582百万円に比べ27,154百万円(22.5%)減少の93,428百万円となりました。受取配当金は増加したものの、営業利益が減少したことにより税引前当期純利益は減少しました。なお、欧米通貨に対する円安の影響により、当連結会計年度の邦貨換算後の税引前当期純利益は、前連結会計年度に比べ約7,000百万円押し上げられました。
部品事業における当連結会計年度の事業利益は87,636百万円となり、前連結会計年度の98,386百万円と比較し、10,750百万円(10.9%)減少しました。機器事業における当連結会計年度の事業利益は14,357百万円となり、前連結会計年度の29,630百万円と比較し、15,273百万円(51.5%)減少しました。
税引前当期純利益の詳細については、後述の「⑪ レポーティングセグメント別営業概況」を参照下さい。
⑨ 法人税等
当連結会計年度の税額及び繰延税額は合計で△3,441百万円となり、前連結会計年度の51,254百万円と比較し、54,695百万円減少しました。当連結会計年度の実効税率は△2.8%となり、前連結会計年度の35.0%と比較して37.8ポイント減少しました。日本において、「所得税法等の一部を改正する法律」(2015年法律第9号)が2015年3月31日に公布され、2015年4月1日以後に開始する連結会計年度から法人税率等の引下げ等が行われることとなりました。これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は従来の36%から、2015年4月1日に開始する連結会計年度に解消が見込まれる一時差異については33%に、2016年4月1日に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異については32%に変更しています。この日本の税率変更により、繰延税金資産及び繰延税金負債の再計算を行った結果、31,703百万円の法人税等の戻し入れを行ったことを主因として、実効税率が減少しました。
⑩ 非支配持分帰属損益
当連結会計年度の非支配持分帰属利益は9,428百万円となり、前連結会計年度の6,258百万円と比較し、3,170百万円(50.7%)増加しました。これは主に、当社以外の株主比率が約30%を占めるAVX Corporationにおける当期純利益の増加を反映したものです。
⑪ レポーティングセグメント別営業概況
ファインセラミック部品関連事業
当連結会計年度のファインセラミック部品関連事業の売上高は90,694百万円となり、前連結会計年度の80,020百万円と比較し10,674百万円(13.3%)増加しました。半導体製造装置等の産業機械向け部品やLED用サファイア基板、並びに車載用カメラモジュールを中心に自動車関連部品の売上が増加したことに加え、前連結会計年度に比べ約3,000百万円の円安による押し上げ要因があったことにより増収となりました。
事業利益は16,134百万円となり、前連結会計年度の11,836百万円に比べ4,298百万円(36.3%)増加しました。主要製品の売上増及び原価低減の効果による売上総利益の増加に加え、円安による約1,000百万円の押し上げ効果もあり、大幅な増益となりました。
半導体部品関連事業
当連結会計年度の半導体部品関連事業の売上高は217,879百万円となり、前連結会計年度の187,891百万円と比較し29,988百万円(16.0%)増加しました。スマートフォンや通信インフラ、LED等の市場拡大や拡販策によりセラミックパッケージの売上が増加しました。また、2013年10月にグループ入りした連結子会社が期を通じて貢献したことにより約12,000百万円の増収要因となりました。なお、売上高は円安により前連結会計年度に比べ約11,000百万円押し上げられました。
事業利益は33,971百万円となり、円安による約6,000百万円の押し上げ要因もあり、前連結会計年度の31,889百万円と比較し2,082百万円(6.5%)増加しました。国内での有機パッケージの新工場立ち上げに伴う費用の増加や製品価格の下落の影響により売上総利益率は低下したものの、セラミックパッケージは増収及び原価低減効果により前連結会計年度に比べ増加しました。
ファインセラミック応用品関連事業
当連結会計年度のファインセラミック応用品関連事業の売上高は277,629百万円となり、円安による約5,500百万円の押し上げ効果もあり、前連結会計年度の272,795百万円に比べ4,834百万円(1.8%)増加しました。ソーラーエネルギー事業においては、太陽電池価格の下落及び一部の電力会社による系統接続保留等の市況悪化の影響は受けたものの、単結晶モジュールの投入による製品ラインアップの拡充や積極的な販売策を推進したことにより、売上高は前連結会計年度に比べほぼ横ばいとなりました。一方、機械工具事業は、自動車関連市場での生産活動の拡大に伴い増収となったことから、当事業セグメントの売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
事業利益は3,159百万円となり、前連結会計年度の33,501百万円と比較し30,342百万円(90.6%)減少しました。ソーラーエネルギー事業において前連結会計年度に比べ約20%の価格下落の影響があったことに加え、当レポーティングセグメントにおいて、円安に伴う海外からの調達コストの増加等による約5,000百万円の利益押し下げ要因、並びにたな卸資産の評価損等が前連結会計年度に比べ約8,500百万円増加した影響もあり、減益となりました。
電子デバイス関連事業
当連結会計年度の電子デバイス関連事業の売上高は、円安による約19,000百万円の押し上げ要因はあったものの前連結会計年度の284,322百万円と比較し177百万円(0.1%)減少し、284,145百万円となりました。スマートフォン向けのコンデンサやコネクタ、産業機器向けのプリンティングデバイス等の売上は順調に増加したものの、ディスプレイ関連製品の売上が前連結会計年度に実施した一部の事業を縮小する構造改革の影響により減少した結果、当レポーティングセグメントは前連結会計年度に比べ減収となりました。
事業利益は34,372百万円となり、前連結会計年度の21,160百万円と比較し13,212百万円(62.4%)増加しました。前連結会計年度に実施した構造改革や原価低減の効果による売上総利益の改善に加え、円安により約5,000百万円の押し上げ効果もあり、増益となりました。
通信機器関連事業
当連結会計年度の通信機器関連事業の売上高は204,290百万円となり、前連結会計年度の186,749百万円と比較し17,541百万円(9.4%)増加しました。スマートフォンの新モデルの投入によるプロダクトミックスの改善及び新規顧客開拓による海外市場での売上拡大を主因に増収となりました。なお、円安により売上高は前連結会計年度に比べ約7,500百万円押し上げられました。
事業利益は20,212百万円の損失となり、前連結会計年度の1,437百万円の利益と比較し、21,649百万円の減少となりました。2008年4月に、三洋電機㈱(当時)の携帯電話事業を承継した際に計上した営業権の減損損失18,456百万円を計上したことに加え、円安による海外からの調達コストの増加等をはじめ、約1,000百万円の利益押し下げ要因があったことを主因に減益となりました。
情報機器関連事業
当連結会計年度の情報機器関連事業の売上高は332,596百万円となり、前連結会計年度の307,848百万円と比較し24,748百万円(8.0%)増加しました。新製品の拡販活動を進めたことにより海外を中心に機器の販売台数が約10%増加し、また、これに伴い消耗品を含む関連製品の売上も増加したことから増収となりました。なお、円安により前連結会計年度に比べ約11,000百万円押し上げられました。
事業利益は34,569百万円となり、前連結会計年度の28,193百万円と比較し6,376百万円(22.6%)増加しました。拡販活動に伴い販促費が約2,700百万円増加したことに加え、研究開発費の増加等により約2,200百万円の利益押し下げ要因があったものの、増収及び原価低減を図ったことにより増益となりました。なお、円安により事業利益は約1,000百万円押し上げられました。
その他の事業
当連結会計年度のその他の事業の売上高は172,925百万円となり、前連結会計年度の173,137百万円と比較し212百万円(0.1%)減少しました。京セラコミュニケーションシステム㈱の売上が通信エンジニアリング事業の需要減により約1,000百万円減少したことを主因に減収となりました。
事業利益は6,848百万円となり、前連結会計年度の6,276百万円と比較し572百万円(9.1%)増加しました。減収の影響はあったものの、各連結子会社においてコスト低減を図ることができ、増益となりました。
本社部門損益及び持分法投資損益
本社部門損益は、金融資産に係る損益や、各レポーティングセグメントに対して本社部門から提供される経営管理サービスに伴う収入等から構成されます。
当連結会計年度は13,744百万円の収益となり、前連結会計年度の11,889百万円の収益と比較し、1,855百万円(15.6%)の増加となりました。これは主に、有価証券の売却益が減少した一方で、KDDI㈱からの受取配当金が増加したことによるものです。
(2) 流動性及び資金の源泉
① 資金の源泉
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは130,767百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金等価物を351,363百万円保有しています。また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しています。
当社は、主な短期的な資金需要として、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等を見込んでいます。当社の短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によって獲得した現金です。一部の連結子会社は金融機関からの借入により資金調達を行っていますが、当連結会計年度末の短期債務、一年以内返済予定長期債務、並びに長期債務の残高は31,451百万円であり、総資産に対し1.0%と引き続き低い依存度となっています。当社の借入は、主にユーロ建、円建、並びに米ドル建で行っていますが、その他の外国通貨での借入も行っています。設備の発注契約残高を含め、当社の債務の詳細については、後述の「④ 契約債務」を参照下さい。
当連結会計年度の設備投資額は、前連結会計年度の56,611百万円と比較し、59百万円(0.1%)増加し、56,670百万円となりました。当連結会計年度は主に、情報機器関連事業、ファインセラミック部品関連事業、並びに電子デバイス関連事業での投資が増加した一方で、半導体部品関連事業の投資が減少したことにより、設備投資額は前連結会計年度に比べ、ほぼ横ばいとなりました。研究開発費については、前連結会計年度の48,830百万円と比較し6,455百万円(13.2%)増加し、55,285百万円となりました。これらの設備投資額及び研究開発費のほぼすべては、自己資金によって賄われました。
当社は翌連結会計年度において、約70,000百万円の設備投資と約60,000百万円の研究開発費を予定しています。設備投資額は、半導体部品関連事業における増産及び生産性向上のための設備導入を主因として、当連結会計年度に比べて増加する見通しです。研究開発費についても、さらなる事業拡大に向けて、新技術・新製品開発を強化していく考えであり、当連結会計年度に比べて増加する見通しです。なお、売上高に対する割合は当連結会計年度とほぼ同等の割合を維持する考えであり、これらの設備投資額及び研究開発費のほぼすべてを、自己資金によって賄う予定です。当社は新製品の創造、技術の進歩、将来の利益の獲得のために、新規事業分野の開拓と既存技術の高度化に対する継続的な投資が必要であると考えています。
当社は、退職給付制度に対し、当連結会計年度において14,008百万円の拠出を行い、翌連結会計年度において13,258百万円の拠出を行う予定です。当社の退職給付制度の積立状況は、加入者及び受給者に対する給付金等の支払いを行う上で必要な原資を確保しており、大幅な追加拠出が必要となる状況にはありません。当社は制度資産への拠出を自己資金によって賄う予定です。
当社の米国の連結子会社 AVX Corporationは、米国マサチューセッツ州ニューベッドフォード湾の環境汚染浄化に係る米国政府等との和解契約に基づき、環境汚染浄化費用として、前連結会計年度に24,749百万円と利息を、2015年5月26日に14,894百万円と利息を、同社の自己資金より米国政府等へ支払いました。
当社は当連結会計年度において、1株当たり年間80円、総額29,349百万円の配当金の支払いを行いました。また、2015年6月24日に開催された当社の定時株主総会において、2015年3月31日現在の株主に対し、2015年6月25日に1株当たり60円、総額22,012百万円の期末配当を実施することが承認されました。
当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記2」に記載のとおり、当連結会計年度において事業取得を実施しました。これらの取引に係る対価は、取得現金控除後で1,843百万円となり、自己資金によって賄われました。
当連結会計年度末の運転資本は、営業活動によって獲得した現金が増加したことにより、前連結会計年度末の1,039,984百万円から61,312百万円(5.9%)増加し、1,101,296百万円となりました。当社は、自己資金によって必要となる運転資本を確保し、また将来の事業拡大のための設備投資を実施するとともに、債務の返済を行いました。
当社が恒久的に再投資する方針である海外の連結子会社の未分配利益は302,266百万円です。海外の連結子会社の保有する現金及び現金等価物と換金性の高い有価証券の合計額は、当連結会計年度末において266,676百万円になりますが、日本での利用を目的として当社への配当を行うことは現時点で想定していません。当社は、日本での事業を展開するために十分な資金の流動性を確保していると考えており、海外の連結子会社が保有する現金及び現金等価物と換金性の高い有価証券について、少なくとも翌連結会計年度において日本へ還流させる必要はないと考えています。
以上の結果、翌連結会計年度に関しても、自己資金の範囲で上記の資金需要に対応できると考えています。従って、現時点では格付機関による信用格付に影響を与えるような外部からの資金調達を行う予定はありません。しかし、万一、営業活動によって十分な現金が得られなかった場合、当社は短期借入金、長期借入金といった外部からの資金調達や社債、株式の発行といった他の資金調達源泉を有しています。当連結会計年度末における当社の株主資本比率は73.3%と引き続き良好な財務体質を保っており、必要な資金を比較的低いコストで外部から調達することができると考えています。なお、当社は、いくつかの主要金融機関と良好な関係を維持しています。
今後、市場での需要動向が更に悪化した場合や製品価格が当社の予想を大きく超えて下落した場合には、当社の経営成績や財政状態にも影響が及び、結果として当社の流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」を参照下さい。
③ 資産、負債及び純資産
当連結会計年度末における当社の総資産は、前連結会計年度末の2,636,704百万円から384,480百万円(14.6%)増加し、3,021,184百万円となりました。
一年以内償還予定負債証券及び持分証券は、満期保有有価証券の償還を主因として、前連結会計年度末から20,663百万円(17.8%)減少し、95,237百万円となりました。
その他短期投資は、定期預金の預入を行ったことを主因として、前連結会計年度末から24,027百万円(15.0%)増加し、184,358百万円となりました。
売掛金は、売上の増加を主因として、前連結会計年度末から41,562百万円(16.1%)増加し、299,412百万円となりました。
たな卸資産は、ファインセラミック応用品関連事業において評価の見直しに伴う損失を計上したものの、円安の影響等により、前連結会計年度末から18,697百万円(5.6%)増加し、354,499百万円となりました。
負債証券及び持分証券は、KDDI株式を含む保有株式の株価上昇に伴う時価総額の増加等により、前連結会計年度末から313,426百万円(42.5%)増加し、1,051,638百万円となりました。
減価償却累計額控除後の有形固定資産合計は、前連結会計年度末から9,066百万円(3.4%)減少し、261,491百万円となりました。当連結会計年度の設備投資額は56,670百万円、減価償却費は62,413百万円でした。
営業権は、通信機器関連事業において資産評価の見直しに伴う減損損失を計上したことを主因として、前連結会計年度末から14,465百万円(12.4%)減少し、102,167百万円となりました。

当連結会計年度末における当社の負債合計は、前連結会計年度末の649,478百万円から68,083百万円(10.5%)増加し、717,561百万円となりました。
未払費用は、AVX Corporationにおける環境汚染浄化費用の引当金を、その他固定負債から振替えたことを主因として、前連結会計年度末に比べて21,958百万円(70.0%)増加し、53,305百万円となりました。
繰延税金負債は、KDDI株式を含む保有株式の株価上昇に伴う時価総額の増加を主因として、前連結会計年度末から56,500百万円(23.9%)増加し、292,454百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末の1,987,226百万円から316,397百万円(15.9%)増加し、2,303,623百万円となりました。
利益剰余金は当社株主に帰属する当期純利益115,875百万円から支払配当金29,349百万円を差し引き、86,526百万円(6.1%)の増加となりました。
累積その他の包括利益は前連結会計年度末より218,710百万円(87.1%)増加し、469,673百万円となりました。未実現有価証券評価損益はKDDI株式を含む保有株式の株価上昇により、前連結会計年度末より174,058百万円(59.2%)増加しました。
為替換算調整勘定は、米ドルに対して円安が進んだことを主因として、前連結会計年度末より52,115百万円増加し、残高は30,656百万円となりました。
当連結会計年度末の株主資本比率は、前連結会計年度末の72.5%から0.8ポイント増加し、73.3%となりました。
AVX Corporationなどの連結子会社の非支配持分は、前連結会計年度末の77,143百万円から11,161百万円(14.5%)増加し、88,304百万円となりました。
④ 契約債務
当社の予定決済日ごとの契約債務は次のとおりです。当社はこれらの契約債務については自己資金で履行可能であると考えています。
(百万円)

2016年3月期2017年3月期-
2018年3月期
2019年3月期-
2020年3月期
2021年3月期
以降
合 計
短期借入金4,129---4,129
支払利息(短期借入金)(注1)88---88
長期借入金
(一年以内返済予定分を含む)
9,44112,8684,76325027,322
支払利息(長期借入金)
(一年以内返済予定分を含む)
(注1)
97893818552,106
多結晶シリコン原材料に係る
長期購入契約(注2)
44,20373,26267,75124,016209,232
オペレーティング・リース6,1166,9963,1721,72718,011
設備の発注契約9,52641--9,567
契約債務計74,48194,10575,87125,998270,455
(注) 1 変動金利による借入金の支払利息については、当連結会計年度末の実質利率を使用して、将来見込まれる
支払利息を算出しています。
2 当該長期購入契約については「第2 事業の状況 4 事業等のリスク 事業活動に関するリスク (6)当
社の生産活動に使用される原材料の価格変動、サプライヤーの供給能力に係るリスク」を参照下さい。
当社は翌連結会計年度において、退職給付制度に対し、13,258百万円を拠出する予定です。また、当社は、当連結会計年度末において会計基準編纂書740「法人税等」に基づき、未認識税務ベネフィットを負債として3,258百万円計上していますが、将来の解決時期を合理的に見積ることができないため、上記の表には含めていません。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記15」を参照下さい。

(3) 市場リスクに関する定量的及び定性的開示
当社は、為替相場、金利、株価などの変動による市場リスクにさらされています。当社ではデリバティブを用いて、これらのリスクをヘッジしていますが、トレーディング目的でデリバティブは保有していません。当社では、主に金融商品の市場価値を基本に、前述のリスク及びその他の潜在的なリスクを回避するためにリスク管理方針及び手続きを設定して、市場リスクを定期的に評価しています。また、取引相手の契約不履行により損失を被る恐れがありますが、当社は取引先を信用度の高い取引相手に限定しており、このような可能性はないか、万一発生しても重要な影響を与えるものではないと考えています。
当社には、通常の事業活動において、カントリーリスク、信用リスク、法的リスクなど上記以外のリスクも存在しますが、次の表には反映されていません。
① 為替リスク
当社は、主に米ドル及びユーロの外貨建資産及び負債に対する通貨変動リスクを軽減するために、先物為替予約を行っています。当連結会計年度末における先物為替予約は、主として4ヵ月以内に満期となります。
次の表に、当連結会計年度末における、ヘッジ会計を適用しているものを含む当社の主要な先物為替予約に関する契約高、公正価値、加重平均予約レートを表示しています。契約高は、通常、契約上の交換支払額を算出するのに利用されます。
(売り/買い)
先物為替売予約US$/円EURO/円EURO/US$
契約金額(百万円)84,83870,5714,786
公正価値(百万円)△2,3323,66750
平均予約レート0.0090.0070.908

(買い/売り)
先物為替買予約円/US$CZK/US$US$/円
契約金額(百万円)5,4763,2312,822
公正価値(百万円)0△43△13
平均予約レート119.08024.8810.008

② 金利リスク
下記の表は、金利変動の影響を受けやすい金融商品を表示しています。
長期債務(一年内返済予定分を含む)(百万円)
平均支払
利率
満期日
2016年
3月期
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
以降
合 計公正価値
銀行等からの
借入金
4.33%9,4417,5595,3093,2971,46625027,32227,322

③ 株価リスク
当社は、市場性のある持分証券及び負債証券を保有しており、売却可能として区分される有価証券については公正価値で評価し、連結貸借対照表に計上しています。公正価値の変動は、税効果控除後の金額で累積その他の包括利益として株主資本の中で独立表示しています。市場性のある持分証券に含まれる未実現利益総額734,358百万円のうち685,745百万円は、当社が保有するKDDI株式に関する未実現利益です。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記3」を参照下さい。
当社は、負債証券及び持分証券について公正価値の下落が一時的なものであるか否かを判定します。一時的でない公正価値の下落は評価損失として連結損益計算書に計上され、評価損失後の金額が有価証券の新たな原価となります。当該評価損失は、主に公正価値が原価を下回る期間とその程度及び予測される公正価値の回復の可能性に依拠しています。
当連結会計年度末において、当社は下記の売却可能有価証券を保有しています。
(百万円)

2015年3月31日現在
原 価公正価値
持分証券285,7711,020,129

(4) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、米国において一般に認められた会計原則に準拠して作成されています。これらの財務諸表を作成する際には、見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、及び開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断並びに仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の財務諸表における見積りは次の場合において会計上非常に重要な見積りとなります。すなわち、当社が見積りを行った時点ではその対象となった事象が非常に不確実な状況にも関わらず見積りを行う必要があった場合、また、当該期間において当社が実際に採用したものとは異なるが当社が採用することができた見積りがある、もしくは複数の会計年度にわたって変更が発生すると予想される見積りがあり、その見積りが当社の財政状態及び経営成績の開示に重要な影響を及ぼす場合です。当社は会計情報の開示を行う上で、下記の項目を重要な会計方針として認識しています。
① 貸倒引当金
当社は営業債権及び金融債権について、顧客が利息支払いを含め、期日までに返済する能力があるか否かを考慮し、回収不能額を見積った上で貸倒引当金を計上しています。見積りには期日経過債権の回収期間、経験値並びに現在の経営環境を含む様々な要因を考慮しています。なお、特定の顧客について債務の返済が困難であることが明らかになった場合には、債権の担保資産の価値を考慮の上、個別に引当を行います。また、債権を回収できる見込みがないと判断した場合には、債権を直接減額しています。
② たな卸資産の評価
当社は、たな卸資産が適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積っています。過剰、滞留、並びに陳腐化したたな卸資産に対して評価減を行っています。また、たな卸資産は市場価値まで評価減を行っています。当社は通常、一定の保有期間を超えるたな卸資産を滞留もしくは陳腐化していると見なします。また、当社では、将来の需要予測や市況そして関与する経営者の判断のもとに、一定の保有期間に満たないたな卸資産についても評価減を行うことがあります。
当社は、評価損を前連結会計年度に7,256百万円、当連結会計年度に17,361百万円を計上しました。これらは主にファインセラミック応用品関連事業及び通信機器関連事業において計上されました。評価損は、製品寿命の短い製品や市況が急速に悪化した製品の販売価格が下落したことに伴い、市場価値まで評価減を行ったことによるものです。従って、今後も市場の状況や製品の需要が当社の想定を下回れば、たな卸資産の評価損を計上しなければならない可能性があります。
なお、事業セグメント別のたな卸資産評価損の金額は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記17」を参照下さい。
③ 有価証券の減損
当社は負債証券及び持分証券について、その公正価値の下落が一時的でないと判断する場合には減損処理を行います。当社は定期的に個々の有価証券について、その公正価値が取得原価を下回っている期間と程度、予測される公正価値の回復の可能性、並びに発行者の財政状態を精査しています。仮に発行者の経営状態が著しく悪化した場合、もしくは市場において著しく悪影響を与える事象が発生した場合には、将来的に減損処理を行う可能性があります。なお、減損処理を行う場合には、主に本社部門損失として計上します。
当社は、前連結会計年度及び当連結会計年度に、負債証券及び持分証券について、109百万円及び2百万円の評価損を計上しました。
なお、当社は現在、KDDI㈱の主要な株主であり、KDDI株式の市場価格が大きく変動すれば、当社の財政状態に影響を及ぼすことがあります。当連結会計年度末において、当社が保有するKDDI株式の未実現利益は、KDDI株式の市場価格の変動に伴い、前連結会計年度末における435,428百万円から250,317百万円(57.5%)増加し、685,745百万円となりました。KDDI㈱の業績は堅調であることから、当社は、KDDI株式の市場価格についても堅調に推移するものと考えています。未実現利益総額または未実現損失総額の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記3」を参照下さい。
④ 長期性資産の減損
当社は長期性資産及び償却性無形固定資産について、帳簿価額を回収できない可能性を示す事象が発生した時点、もしくは状況が変化した時点で、減損の判定を行っています。
長期性資産及び償却性無形固定資産については、その資産から将来生み出されると期待される割引前のキャッシュ・フローが、帳簿価額を下回っている場合に減損していると判断しています。減損していると判断した場合は、当該資産の帳簿価額が公正価値を超過している金額に基づいて損失額を算出しています。
⑤ 営業権及びその他の無形固定資産
当社は、営業権及び耐用年数が確定できない無形固定資産は償却をせず、年1回及び減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損の判定を行っています。また、耐用年数を確定できる無形固定資産については、その見積耐用年数にわたり残存価額まで継続して定額法で償却し、減損の可能性を示す事象が発生または状況が変化した時点で減損の判定を行います。
また、当社は2015年3月期に、通信機器関連事業セグメントにおいて、営業権の減損損失18,456百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しました。この減損損失は、収益性が低い状況下、2015年3月期の実績が営業権の減損損失を除いても事業損失となったこと、及び米国市場を中心とする海外事業における収益性の改善が遅れている等の内容を将来キャッシュ・フローの見積もりに反映させた結果、公正価値が減少したことによるものです。
2015年1月1日時点において、14,143百万円の営業権を有している電子デバイス関連事業セグメントに含まれる液晶ディスプレイ事業の第1ステップにおける公正価値の帳簿価額に対する超過率は6.9%でした。しかしながら、今後の市場環境、液晶ディスプレイ事業の業績動向、並びに、割引率などの評価項目の主要な前提数値が変わることにより将来フリーキャッシュ・フローが減少した場合、当該営業権の減損リスクが生じます。
これらの詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記9」を参照下さい。
⑥ 繰延税金資産
当社は繰延税金資産を計上しており、その繰延税金資産が実現しないと考えられる金額についてはその資産の帳簿価額を調整するため評価性引当金を設定しています。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りと税務上、実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
当連結会計年度末における連結貸借対照表に繰延税金資産を103,140百万円計上しています。当社は、当連結会計年度の税引前当期純利益及び法人税等と比較し、当該繰延税金資産が将来において合理的に実現するものと考えます。
⑦ 給付制度
確定給付型退職制度の制度資産及び予測給付債務に基づく積立超過または積立不足の状況は、連結貸借対照表の資産もしくは負債として認識し、会計年度中の積立状況の変化は当該年度の包括利益の増減として認識します。予測給付債務は数理計算に基づき決定され、その計算には前提条件として、割引率、昇給率などが基礎率として用いられます。制度資産の運用状況に基づく長期期待収益率も前提条件として用いられます。
当社は日本の国債などの優良債券の固定利回りを参考に割引率を決定します。昇給率は主に過去の実績、近い将来の見通し、物価変動などにより決定されます。長期期待収益率は、制度資産の投資対象の予想される収益率と、過去の実績率をもとに決定されます。当社は毎年、数理計算の基礎となる前提条件を見直しており、必要に応じてその時点の市場環境をもとに調整を行っています。
日本及び世界的な経済の停滞により、当社が割引率及び制度資産に係る長期期待収益率の基礎率を引き下げる場合には、予測給付債務や期間純退職給付費用が増加します。
(感応分析)
当社グループの予測給付債務と期間純退職給付費用の主要な部分を占める当社と一定の国内子会社の給付制度について、その計算の前提となる割引率と期待収益率の仮定を変化させ、その他の前提をすべて一定とした場合の影響は次のとおりです。
(百万円)

2015年3月31日現在の
予測給付債務への影響
2016年3月期の
税引前当期純利益への影響
割引率
0.25%の減少5,879△41
0.25%の増加△5,55140
期待収益率
0.25%の減少-△420
0.25%の増加-420

⑧ 偶発債務
当社は通常の事業活動を営む上で、様々な訴訟や賠償要求を受ける可能性があります。当社は、法律専門家と相談の上で、こうした偶発債務が重要な結果を引き起こす可能性を予測しています。当社は、不利益な結果を引き起こす可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当該債務を計上します。見積りを行う際、当社は受けている訴訟の進捗、及び他の会社が受けている同種の訴訟やその他関連する要因を考慮します。発生した負債は、見積りに基づいており、将来における偶発債務の発展や解決に大きく影響されます。
⑨ 収益認識
当社は、産業用部品及び通信情報機器の販売を主な収益源としています。当社のセグメントは、「ファインセラミック部品関連事業」、「半導体部品関連事業」、「ファインセラミック応用品関連事業」、「電子デバイス関連事業」、「通信機器関連事業」、「情報機器関連事業」並びに「その他の事業」の7つのレポーティングセグメントで構成されています。
当社は、会計基準編纂書605「収益の認識」に準拠し、取引が存在しているという説得力のある証拠が存在すること、引渡しが行われ、所有権及び所有によるリスクが顧客へ移転されたこと、もしくは役務が履行されたこと、販売価格が確定もしくは確定可能であり、回収可能性が合理的に確実であるというすべての条件を満たした時点で収益を認識しています。上記の各々のセグメントにおいて顧客への販売は、顧客と締結した取引基本契約書及び注文書に記載された条件に基づいて行われています。この取引基本契約書及び注文書には価格、数量並びに(損失リスク及び権利等の)所有権の移転時点が記されています。
顧客からの注文の大半において、製品が顧客へ出荷された時点で所有権が移転し、収益を認識しています。その他の顧客からの注文については、ファインセラミック応用品関連事業及び情報機器関連事業における、最終消費者向けの設置を伴う太陽光発電システムや情報機器の販売を除いて、顧客が製品を受領した時点で所有権が移転し、収益を認識しています。
ファインセラミック応用品関連事業及び情報機器関連事業における、最終消費者向けの設置を伴う太陽光発電システムや情報機器の販売について、契約上の義務がない限り会計基準編纂書605「収益の認識」の認識基準が満たされた時点、すなわち、製品が設置され、顧客が受入れた時点で所有権が移転し、収益を認識しています。当社は、製品とサービスを組み合わせて提供する場合、会計基準編纂書605-25「複数の製品・サービス等を提供する取引の取決め」に基づいて収益を認識しています。
情報機器関連事業において、当社は、販売契約及び1年から7年にわたるリース契約を最終消費者と直接締結する場合があります。販売契約及びリース契約には、製品の設置と顧客の受入れの条項が存在します。販売及び販売型リース契約において、設置が完了し、顧客が受入れた時点で収益を認識しています。なお、出荷日と設置日は通常同日です。販売型リースにおける未稼得収益(受取利息該当分)は、会計基準編纂書840「リース」に従い利息法を用いて、リース期間にわたって収益を認識しています。
すべてのセグメントにおいて、当社は製品に欠陥があった場合のみ返品を受入れます。また、当社の販売条件には、電子デバイス関連事業における販売プログラムを除いて、価格保証、ストック・ローテーションまたは返品規定はありません。
販売奨励金について
電子デバイス関連事業において、電子部品を販売する代理店への販売については、以下の様々な販促活動が定められており、会計基準編纂書605-50「顧客への支払と販売奨励」及び会計基準編纂書605-15「製品」に準拠し、売上を認識した時点で収益から販売奨励金を控除しています。
(a) ストック・ローテーション・プログラムについて
ストック・ローテーション・プログラムとは、品質に問題のない在庫について、直近6ヵ月の純売上高に対して特定の比率を乗じ算出される金額分を、代理店が半年毎に返品することが可能な制度です。売上に対するストック・ローテーション・プログラムの引当金は、会計基準編纂書605-15「製品」に準拠し、現時点までの推移、現在の価格と流通量の情報、市場の特定の情報や売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて算出した代理店の売上に対する比率に基づき、売上時点で算定し、計上されており、これらの手続きには、重要な判断を必要とします。当社は、ストック・ローテーション・プログラムによる将来の返品について妥当な算定ができていると考えており、これまでの実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。なお、製品が返品され、検収された時点で、代理店に対する売掛金を減額しています。
(b) シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラムについて
シップ・フロム・ストック・アンド・デビット・プログラム(以下、シップ・アンド・デビット)は、代理店が顧客への販売活動における市場での価格競争に対して代理店を補助する仕組みです。シップ・アンド・デビットが適用されるためには、代理店が在庫から顧客へ販売する特定部分についての価格調整を、代理店が要求する必要があります。シップ・アンド・デビットは、現在及び将来の代理販売において、代理店が顧客へ販売する特定部分について適用されることがあります。会計基準編纂書605「収益の認識」に準拠し、当社は代理店に対して売上を計上した時点で、その代理店への売上にシップ・アンド・デビットが適用される可能性を考慮して、その売上に関連する代理店の将来の活動に対して引当金を算定し、計上しています。当社は、会計基準編纂書605-15「製品」に準拠し、当該期間における純売上高、代理店に対する売掛金の残額、代理店の在庫水準、現時点までの推移、市場状況、設備製造業やその他顧客に対する直接的な販売活動に基づく価格変動の傾向、売上情報、マーケティングやその他主要な経営手段を用いて、売上に対する引当金を算定し、引当金を計上しています。これらの手続きは慎重な判断のもとで行われており、またその結果、当社はシップ・アンド・デビットにおける引当金について、妥当な算定、計上ができていると考えています。これまでの当社の実際の結果と算定額に重要な乖離はありません。
リベートについて
ファインセラミック応用品関連事業と情報機器関連事業における代理店への販売において、当社は、定められた期間内に予め定めた売上目標を達成した代理店に対し、現金でリベートを支払っています。このリベートについては、会計基準編纂書605-50「顧客への支払と販売奨励」に準拠して、製品の売上を認識した時点で各代理店の予想販売額を見積り、収益から控除しています。
返品について
当社は、過去の実績に基づいて返品による損失額を見積り、引当金を計上しています。
製品保証について
当社は、保証期間中に発生が見込まれるアフターサービス費用に備えるため、過去実績を基礎に将来の見込みを加味して製品保証額を見積り、引当金を計上しています。
情報機器関連事業において、当社は、製品に対して通常1年間の製品保証を提供しています。また、最終消費者への販売において、1年間の保証期間終了後、延長保証契約を締結する場合があります。役務提供に係る収益については、会計基準編纂書605-20「役務」に準拠し契約期間にわたり収益を認識しています。
⑩ 法人税等の不確実性
法人税等における不確実性に関する会計処理は、会計基準編纂書740「法人税等」に準拠しています。税務調査を受けることを前提に税務上認識された税務ベネフィットについて、50%超の実現可能性がないと判断した場合、当該部分を未認識税務ベネフィットとして負債に計上しています。法人税等における不確実性に関する会計処理の金額と将来の税務当局との解決による金額は異なる可能性があります。
当社は、当連結会計年度末において未認識税務ベネフィットを総額で3,258百万円計上しています。当社は、法人税等の不確実性に関する最終的な解決が将来の損益計算書へ重要な影響を及ぼすことはないと考えています。
(5) 新規に適用された会計基準
当社は、2014年4月1日より会計基準編纂書更新2013-04号「報告日において総額が確定している連帯債務契約から生じる債務」を適用しています。本基準は、報告日において総額が確定しており、本基準の対象となる連帯債務契約から生じる債務について、(a)連帯債務者間の取り決めに基づき、報告企業が支払うことを合意した金額、及び、(b)連帯債務者に代わり、報告企業が追加で支払うことが予想される金額の合計金額として測定することを要求しています。また、本基準は企業に対し、債務の性質、金額並びに他の情報を開示することを要求しています。本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はありません。
当社は、2014年4月1日より会計基準編纂書更新2013-05号「子会社または海外事業体の資産グループ、海外事業体への投資の認識中止時における為替換算調整勘定についての親会社の会計処理」を適用しています。本基準は、親会社が海外子会社に対する投資の一部または全額を売却する場合、もしくは、子会社の支配財務持分または海外企業の非営利活動及び事業に関する資産グループを喪失する場合に、為替換算調整勘定を純利益へ振り替えるために、会計基準編纂書810-10「連結―全体」もしくは会計基準編纂書830-30「外貨換算―財務諸表の換算」のいずれかを適用する際の実務の多様性を解消するものです。また、本基準は、海外企業に対し段階的に行われる企業結合の処理における実務の多様性を解消するものです。本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はありません。
当社は、2014年4月1日より会計基準編纂書更新2013-11号「繰越欠損金、類似の欠損金並びに繰越税額控除が存在する場合の未認識税務ベネフィットの表示」を適用しています。本基準は、未認識税務ベネフィットもしくはその一部を、繰越欠損金、類似の欠損金並びに繰越税額控除に起因する繰延税金資産から控除し、財務諸表上にて表示することを要求しています。本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はありません。
(6) 新規に発行された会計基準
2014年4月、米国財務会計基準審議会は、会計基準編纂書更新2014-08号「非継続事業の報告及び企業の構成要素の処分に関する開示」を発行しました。本基準は、会計基準編纂書205-20「財務諸表の表示―非継続事業」における非継続事業の報告要件を変更するものです。企業の構成要素または構成要素のグループの処分が企業の事業活動、及び、業績へ重要な影響を与える戦略の転換を意味する場合において、当該処分は非継続事業として報告されることが要求されます。また、本基準は企業に対し、非継続事業の表示要件を満たさなかった個々の重要な構成要素の処分に関して、財務諸表において開示を行うことを要求しています。本基準は、2014年12月15日以降に開始する連結会計年度及びその期中期間において発生する全ての企業の構成要素の処分(または売却予定としての区分)について適用されます。当社は、本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はないと考えています。
2014年5月、米国財務会計基準審議会は、会計基準編纂書更新2014-09号「顧客との契約から生じる収益」を発行しました。本基準は、顧客への契約に基づいた物品またはサービスの移転を表現するために、企業に対し、物品またはサービスと引き換えに権利を得ることが見込まれる対価を反映した金額で収益を認識することを要求しています。また、本基準は企業に対し、顧客との契約から生じる収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期並びに不確実性について、財務諸表の利用者が理解するのに十分な情報を開示することを要求しています。要求される定性的・定量的情報は以下のとおりです。
1.顧客との契約―認識された収益及び評価損、収益の内訳、並びに、契約残高及び履行義務(未履行義務に配分された取引価格含む)の情報を含む
2.重要な判断及び判断の変更―(一定期間にわたる、またはある時点における)履行義務を充足する時期の決定、及び、取引価格及び履行義務へ配分される金額の決定
3.契約の獲得及び履行のための費用から認識された資産
本基準は2016年12月16日以降に開始する連結会計年度及びその期中期間において適用されます。当社は本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの影響を検討しています。
2014年6月、米国財務会計基準審議会は、会計基準編纂書更新2014-10号「会計基準編纂書810『連結』における変動持分事業体についてのガイダンスの修正を含む、特定の財務報告要求の削除」を発行しました。本基準は、創業準備段階の企業の定義を会計基準編纂書の用語から削除し、米国会計基準において創業準備段階の企業と他の報告企業の間の財務報告についての差異を解消するものです。また本基準は、リスクにさらされる持分投資の金額に基づいて企業が変動持分事業体に該当するか否かを決定するにあたり、会計基準編纂書810「連結」において、創業準備段階の企業に与えられた例外規定を削除しています。本基準は、2015年12月16日以降に開始する連結会計年度及びその期中期間において遡及的に適用されます。当社は、本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はないと考えています。
2014年8月、米国財務会計基準審議会は、会計基準編纂書更新2014-15号「継続企業の前提の不確実性に関する開示」を発行しました。本基準は、財務諸表の公表日から1年以内に、企業が継続する能力について重大な疑義をもたらす状況または事象が全体として生じるか否かについて、企業の経営者に評価することを求めています。企業が継続企業として存続する能力について重大な疑義をもたらす状況または事象が生じた場合、企業は追加の開示を行うことが要求されます。本基準は、2016年12月16日以降に終了する最初の連結会計年度、及び、その後の連結会計年度の期中期間において適用されます。本基準は開示に係る規定であるため、本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はないと考えています。
2014年11月、米国財務会計基準審議会は、会計基準編纂書更新2014-16号「株式の形態で発行された複合金融商品における主契約が負債または純資産のどちらに類似しているかの判断」を発行しました。本基準は、株式の形態で発行された複合金融商品の主契約の性質が、負債または純資産のどちらに類似しているかを評価する際の異なる処理方法を排除し、米国会計基準における実務の多様性を削減するものです。株式の形態で発行された複合金融商品について、企業は関連する事実及び環境に基づき、すべての明示的または黙示的である重要な条件及び特性を考慮し、主契約の性質を判断することが求められます。本基準は、2015年12月16日以降に開始する連結会計年度及びその期中期間において適用されます。当社は、本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はないと考えています。
2015年1月、米国財務会計基準審議会は、会計基準編纂書更新2015-01号「異常損益項目の概念の廃止による損益計算書の表示の簡素化」を発行しました。本基準は、米国会計基準から異常損益項目の概念を廃止するものです。本基準は、2015年12月16日以降に開始する連結会計年度及びその期中期間において適用されます。本基準は開示に係る規定であるため、本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はないと考えています。
2015年2月、米国財務会計基準審議会は、会計基準編纂書更新2015-02号「連結分析の修正」を発行しました。本基準は、特定の法的事業体を連結するか否かを決定するにあたって、報告企業が行うべき分析を変更するものです。すべての法的事業体は、改訂された連結モデルに基づき再評価することが求められます。本基準は、特定の法的事業体を連結すべきか否かの評価が求められる報告企業において影響します。本基準は、2015年12月16日以降に開始する連結会計年度及びその期中期間において適用されます。当社は、本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はないと考えています。
2015年4月、米国財務会計基準審議会は、会計基準編纂書更新2015-05号「クラウドコンピューティング契約における支払手数料の顧客側の会計処理」を発行しました。本基準は、クラウドコンピューティング契約がソフトウェアライセンスを含むか否かについて、顧客側に対して指針を提示するものです。クラウドコンピューティング契約がソフトウェアライセンスを含む場合、顧客は当該契約におけるソフトウェアライセンスの要素について、他のソフトウェアライセンスの取得と整合した会計処理を行うことが求められます。クラウドコンピューティング契約がソフトウェアライセンスを含まない場合、顧客はサービス契約としての会計処理を行うことが求められます。本基準は、2015年12月16日以降に開始する連結会計年度及びその期中期間において適用されます。当社は、本基準の適用に伴う当社の経営成績、財政状態並びにキャッシュ・フローへの重要な影響はないと考えています。

研究開発活動株式の総数等


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