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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004FNI

有価証券報告書抜粋 日本電気硝子株式会社 対処すべき課題 (2014年12月期)


生産、受注及び販売の状況メニュー事業等のリスク

(1) 対処すべき課題に対する基本方針
激しい国際企業間競争に加えて、社会構造の変化に伴い求められる製品ニーズの変化や技術の高度化、製品ライフの短命化など、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しています。こうした変化に迅速・的確に対処しつつ強固な経営体質と経営基盤を構築し、将来に亘る事業の存続・発展を期すると同時に、コンプライアンスをはじめ「環境保全」、「障害者雇用の促進」、「地元貢献」を重点テーマに据えて、企業の社会的責任の履行を通じて企業価値の向上を図ることを経営の基本方針に置いています。

また、当社グループの中長期的な経営戦略として、以下のものを掲げています。

①バランスの取れた事業構造の構築と持続的成長の実現
―「ディスプレイを強く、ノンディスプレイを大きく」を旗印に推進 ―

○「ディスプレイを強く」
ディスプレイ用ガラス事業においては、国内事業場は最先端の製造技術開発を担うマザー工場として、また、海外事業場はそれらの技術をベースとした最新鋭設備による高効率の量産工場としての機能に重点を置き、生産性向上とコスト低減による収益力の強化、並びに成長市場における積極的な事業展開を図り、安定して利益を創出できる体制を構築します。同時に、ディスプレイの更なる高精細化・高機能化などに対応した製品や新たな技術の開発、育成にも注力し、様々なディスプレイの進化に迅速・的確に対応します。

○「ノンディスプレイを大きく」
社会や人々の生活の発展に伴い成長が期待される以下の分野を中心に、ノンディスプレイ用ガラス事業を拡大します。これにより、ディスプレイ用ガラス事業とあわせ、バランスの取れた盤石な事業構造を構築し、持続的かつ安定的な成長を実現します。

・モビリティ
自動車、鉄道等、モビリティ産業の進化とともに、快適性能、環境性能の向上に資する様々なガラス製品の需要増加が期待されます。車両の軽量化、低燃費化に貢献する高機能樹脂用ガラスファイバの需要拡大については、グローバルな供給体制で積極的に対応します。また、電気・電子制御系部品、各種センサー、車載表示装置や情報通信機器、車載カメラなどにおいて、次世代車両や次世代運行システムの実現に向けた新たな製品を開発し、市場に投入します。

・情報通信
人々の生活や企業活動、社会インフラなどにおける情報通信技術の発展に伴い、通信量が世界中で飛躍的に増大することが見込まれています。こうした中、通信の更なる高速化を可能とする通信デバイスなど情報通信技術の進化とともに、通信基地局や大容量のデータセンター等、通信インフラの需要が急速に拡大しています。光関連ガラスや電子デバイス用ガラスにおいて、これら最先端の情報通信技術に対応した製品を開発するとともに、通信機器、通信設備関連の需要拡大に的確に応えます。

・医療
優れた耐薬品性を持つ医薬用管ガラスや、コンピューター断層複合画像(PET/CT)と磁気共鳴画像(MRI)の同時診断を可能にする放射線・電磁波同時遮へい用ガラスなど、先端医療に係るガラス製品を提供するとともに、検査器具や検査診断装置の機能向上に役立つ製品の開発にも注力します。これらにより高度医療の進展に貢献するとともに、新興国を中心とした医療需要の拡大に対応します。

・照明
LED照明の普及を機に、省エネ性やデザイン性、機能性を重視した新たな照明のニーズが広がっています。より高出力のLEDや半導体レーザー等の照明に最適な蛍光体ガラスにより、これらの照明デバイスが持つ優位性を引き出し、用途の拡大を図ります。また、有機EL照明については、ガラスの優れた特性を活かし、高輝度・フレキシブル・長寿命などの高機能を実現する製品を開発し、有機EL照明の特長である“面光源”の用途拡大が期待される市場において積極的に事業を展開します。

・エネルギー
低炭素社会の実現など、地球環境保全への意識の高まりを背景に、太陽光や太陽熱などの自然エネルギーの活用が拡大しており、関連技術の開発が進んでいます。次世代の太陽電池や太陽熱発電システム、電池材料などに貢献するガラス製品を開発するとともに、様々な生活分野や産業分野における省エネルギー、省資源等にも資する製品を開発、育成し、エネルギー関連産業の成長や省エネ社会の進展に沿って事業を伸ばします。

・社会インフラ
建築物や交通基盤など、社会インフラにおける耐久性と安全性の更なる向上が求められています。セメント材料を構造材とする建物やトンネルなどでは、経年劣化による剥落等が問題化しており、セメント強化用ガラスファイバは、これらのインフラ整備に貢献できる有望な材料です。耐熱衝撃性・透視性を持つ防火設備用ガラス、安全や軽量化の観点で多様な製品展開が期待される“超薄板ガラス-樹脂 積層体”(ガラスと樹脂を接着・積層した複合材料)などとあわせ、「安全・安心」に対する社会のニーズを取り込み、事業を拡大します。

②次代を担う製品の開発と事業の育成
ガラスはそのユニークな特性や機能に加え、結晶化や精密加工、薄膜・樹脂・金属との複合化などにより新たな機能を付加することができる優れた素材です。当社が持つ広範な基盤技術(材料設計技術・製造プロセス技術・評価技術)をベースに、ガラス本来の特性と複合化等による高機能化を徹底的に追求した研究開発でこれまでにない新たな製品を創出、育成します。同時に、基礎研究や新規材料開発の推進、製品の付加価値向上や開発品の迅速な事業化を図るべく、外部との連携等についても積極的に推進します。

③経営・財務体質の強化
経営全般の一層の効率化を追求するとともにキャッシュ・フロー重視の経営により、事業環境の変化に耐え得る強固な経営・財務体質を目指します。

(2) 対処すべき課題の内容
①業績反転に向けた取り組み
業績の低下に歯止めをかけ、再び成長軌道を取り戻すため、以下の取り組みを実行します。

(ディスプレイ用ガラス)
・海外生産の強化と収益性の改善
液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスについては、順次、生産(溶融・成形)能力の海外移管を進めていきます。最大市場の韓国では、電気硝子(Korea)株式会社へ約25%の能力移管が完了しました。加えて、今後大きな成長が見込まれる中国においては、電気硝子(厦門)有限公司(LCD用では中国初の溶融・成形拠点)を2015年末に、また、電気硝子(南京)有限公司(中国第三の加工拠点)を2016年第2四半期連結会計期間(2016年4月~同年6月)に稼働させる予定です。これらによりコストの低減と販売量の確保、並びに海外拠点において最新鋭設備による高効率な生産を実現し競争力を上げ、収益性を改善します。
・モバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)の拡販
モバイル端末用カバーガラスは、当社ブランド「Dinorex」の浸透を図りつつ、既存顧客への拡販、新たな顧客の獲得、採用機種の拡大に取り組みます。あわせて、より高性能なカバーガラスの開発にも注力します。
・高精細化、薄型軽量化への対応
ディスプレイ市場における高精細化、薄型軽量化の動きに対応するべく、新製品や新技術の開発を推進します。

(ノンディスプレイ用ガラス)
ガラスファイバは、2015年4月にマレーシア子会社において自動車部品向け高機能樹脂用の新たな製造設備を稼働させます。セメント強化用とあわせ、企業基盤の安定化に資するよう事業の拡大に取り組みます。光関連ガラス・電子デバイス用ガラスは、通信、自動車、家電など様々な産業分野の技術的進化と成長を取り込み、事業を拡大します。医薬用管ガラスは、耐薬品性の高い医薬用ガラス容器の需要が高まる中国市場への拡販に注力します。放射線遮へい用ガラスは、国内外の高度医療施設向けの需要開拓を推進します。いずれも、医療の進歩に応じた新製品を開発し、いち早く市場へ投入することにより事業の拡大を図ります。照明用蛍光体ガラスについては、特に自動車分野において利用拡大が見込まれており、これらの需要に的確に対応します。この他、太陽電池用ガラス、耐熱ガラス、建築用ガラスなどについても、市場の動向に的確に対応していきます。
また、超低反射膜付ガラス「見えないガラス」や“超薄板ガラス-樹脂 積層体”「Lamion」、ゼロ膨張ガラス「ZERO」、サンゴバングループとの合弁事業である有機EL照明用IEL(Internal Extraction Layer : 内部光取出層)付ガラス基板など、新製品・新技術の育成にも力を入れ、ノンディスプレイ用ガラスの事業領域を広げます。

②研究開発の強化
持続的成長を期するためにも、既存の事業領域はもとより、中長期的な観点から新たな成長事業を見出し、研究開発を進めていくことが重要です。広範な基盤技術と複合化をベースとした当社独自の取り組みはもちろんのこと、国内外の大学や研究機関との共同研究を推進するとともに、他企業との協業・連携などについても積極的な活動を展開します。これらを通じ、新たなガラス組成の開発や新規開発品の事業化の促進、既存製品の高付加価値化などを加速し、様々な生活・産業分野において高機能なガラス製品を提供していきます。

③有利子負債削減とキャッシュ・フロー重視の事業運営
当社グループは、柔軟な財務・投資戦略の実行、並びに事業環境急変への備えのため、財務体質強化の施策として、有利子負債(長短借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー)について対連結売上高比率を将来的に20%とする事を基本に、継続的にその削減に取り組んできました。当連結会計年度末においては、有利子負債金額は1,091億40百万円(前連結会計年度末は994億92百万円)となりましたが、当社グループとしては、今後も有利子負債の管理・削減に努めると同時に、資金の効率的運用を徹底し、キャッシュ・フロー重視の事業運営を推進していきます。

生産、受注及び販売の状況事業等のリスク


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01190] S1004FNI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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