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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10053G6

有価証券報告書抜粋 株式会社 神戸製鋼所 研究開発活動 (2015年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループ(当社及び連結子会社)は、幅広い技術分野での高度な技術力を原動力として、「オンリーワン製品」の創出と、それに必要な「ものづくり力」の強化を中心に取り組み、また、拡販における技術支援、ソリューション提案など多くの成果をあげております。
当社技術開発本部では、各事業の基盤と競争力強化に向けた研究開発に加え、将来に向けた新製品・プロセスを具現化する高度で先端的な技術の開発も先導して行なっており、自動車分野、資源分野、エネルギー分野などでの新たなメニュー創出とそれらを支えるものづくり力を強化していきます。
また、当社各部門及び連結子会社の技術開発部門では、事業の競争力強化に直結する製品及び生産技術の開発を行なっております。今後とも、グループ全体にわたる研究開発への経営資源の投入を効果的に行なってまいります。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、299億円であります。なお、本費用には、当社技術開発本部で行なっている事業部門横断的又は基礎的研究開発などで、各事業区分に配分できない費用として計上する費用48億円が含まれております。
主な事業の種類別セグメント毎の研究開発活動の状況は、以下のとおりであります。

[鉄鋼事業部門]
鉄鋼事業部門では、特に自動車分野、造船分野で使用される特殊鋼や高強度鋼等の「オンリーワン製品」の開発と「ものづくり力」の強化に向けた生産技術の開発に引き続き注力して取り組んでおります。
鋳鍛鋼分野では、船舶ディーゼルエンジン用組立型クランクシャフトの「型入れ鍛造法」に関して、一般財団法人日本海事協会より「設計疲労強度向上」の認証を世界で初めて取得しました。これにより、「当社の型入れ鍛造法を採用することでクランクスローの疲労強度が向上する」ことが、公的機関から承認されたことになります。本製造法により、クランクスロー素材の疲労強度が実質20%程度向上し、ロングストローク化したクランクスローの信頼性向上と軽量化が可能となります。
チタン分野では、燃料電池のセパレーター用特殊チタン圧延材が2014年12月に発売されたトヨタ自動車(株)の燃料電池車「MIRAI」に採用されました。セパレーターは燃料電池車のパワートレーンである燃料電池の基幹部品であり、耐食性・表面導電性・成形性といった性能が求められています。今回、当社が有するチタン材の材質・表面制御技術及び圧延材製造技術により、セパレーターに最適な材料の商品化に成功しました。今回の「MIRAI」への採用は、チタン材の新たな需要につながるものです。今後ともチタン需要の創出に努めるとともに、燃料電池車への更なる採用拡大を図り、低炭素社会の実現に貢献してまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、61億円であります。

[溶接事業部門]
溶接事業部門では、一般財団法人日本海事協会、(株)新来島どっくとの共同研究により、造船分野における水平すみ肉溶接向けの軟鋼フラックス入りワイヤ「FAMILIARCTM MX-200F」を開発し、2014年4月より販売を開始しました。この商品は、IACS共通構造規則やIMO塗装性能基準の厳格化傾向に対応し、1回の溶接操作(1パス)で8mm程度の脚長が得られ、かつ、良好な溶接ビード形状を実現し、溶接作業効率と塗装性の向上が期待できます。
また、海外の造船・海構市場ニーズに対応し、高温焼結タイプのサブマージアーク溶接用フラックス「FAMILIARCTM AF-490E」「FAMILIARCTM AF-490S」を開発し、2014年7月より販売を開始しました。この商品は、海外市場で一般的な直流電源に適した設計となっており、溶接作業性・機械的性質が優れています。アセアン市場を中心に、海構や造船分野顧客への拡販を推進しています。
さらに、LNGタンクに使用される9%Ni鋼用Ni基フラックス入りワイヤ「PREMIARCTM DW-N625」を開発しました。設計の最適化により、耐高温割れ性、低温靭性、溶接作業性の向上を実現しており、特にタンク立向溶接の効率化が期待されます。
加えて、アセアン各国の市場ニーズに対応し、チタニヤ系被覆アーク溶接棒「KOBE-45M」「KOBE-6013」を開発しました。「KOBE-45M」は、ミャンマー市場で好まれる「低電流域での作業性」を改善しました。「KOBE-6013」は、マレーシア市場で要望のあった、狭隘な箇所へ溶接棒を曲げて溶接する上で必要な「可とう性」を改善しました。引き続き各国の市場ニーズを捉え、顧客満足度の向上に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、27億円であります。

[アルミ・銅事業部門]
アルミ・銅事業部門では、短期収益力と中長期事業競争力の強化に向け「選択と集中」「グローバル対応」をキーワードに自動車関連部材等の「成長分野」への効率的な技術開発に注力しています。あわせて缶用材料、電子機器材料等の「ボリュームゾーン分野」での更なる品質向上と生産技術の開発を継続的に推進しています。
事業分野別で、アルミ板分野では、欧州や北米の自動車メーカー要求仕様に適合させた独自開発の自動車パネル材の採用が順調に拡大しており、さらに競争力のある材料の開発を進めています。また、合金設計技術と圧延技術を組み合わせて高強度化ニーズに対応した缶用材料を開発し、採用が拡大しています。
押出分野では、自動車軽量化と車体安全設計基準の強化に伴い、当社のアルミ製バンパーシステムの採用が順調に拡大しています。また、側面衝突対応のドアビーム加工品も採用が増加しています。これらの製品は、北米市場を中心に世界で拡大しており、グローバル市場を睨んだ研究開発を推進中です。
鋳鍛分野では、自動車サスペンション用アルミ鍛造部品でグローバル3極供給体制を確立し、軽量化設計技術の開発と生産性向上を図りました。このサスペンション用アルミ部品は北米市場、中国市場を中心に順調に拡大しています。また、航空機エンジン用部品分野では、高品質の大型マグネシウム鋳造品の砂型鋳造技術を開発し、ユーザーから高い評価を得ています。
銅板分野では、低摩擦係数と耐熱性に優れるスズめっき製品が、自動車用小型コネクタ材料として高く評価され、採用が拡大しています。さらに、顧客のグローバル供給ニーズに応えるため、欧州伸銅メーカーへのライセンス供与を決定しました。また、導電率と耐熱性を兼備した高性能合金を、HEV、EVなど次世代自動車用の電子部品向けに開発しました。これからも電子機器類の小型化、軽量化の進展に貢献します。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、25億円であります。
[機械事業部門]
機械事業部門では、環境、省エネ(CO2削減)をキーワードに、オンリーワン・ナンバーワン技術/商品を創出することで独自性を徹底追求するとともに、マーケット及び生産の両面から更なるグローバル化を推進し、世界トップレベルの「ものづくり力」の実現を目指しています。
当連結会計年度では、非汎用圧縮機分野において、世界シェアの高いスクリュ圧縮機に加え、ターボ圧縮機も主力に育てるべく、特にギア内蔵型としては世界最大級のターボ圧縮機の開発に経営資源を投入しております。並びに、水素ステーション向け大容量高圧水素圧縮機(HyAC)、マイクロチャネル熱交換器(DCHE)、パッケージ型水素ステーションユニット「HyAC mini」については、海外展開も含め需要家ニーズに即した開発を続けています。
また、旭海運(株)及び三浦工業(株)と共同で「舶用バイナリー発電システム」の開発に着手しました。2015年度中に開発を完了し、2016年度中の実船搭載を目指します。なお、本研究開発は、国土交通省の「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」及び一般財団法人日本海事協会の共同研究テーマとして実施しています。
さらに、(株)東芝と共同で、環境省の補助事業として兵庫県南あわじ市に建設を進めていた風力・太陽熱・バイオマスを熱源とするバイナリー発電システムの実験設備を完成させ、実証試験を開始しました。このシステムは、自然条件の変化にかかわらず、安定した電力に加え、温水の供給を可能にするものです。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、40億円であります。

[エンジニアリング事業部門]
エンジニアリング事業部門では、天然ガスや一般炭を還元剤とした製鉄法の開発を継続するとともに、放射性廃棄物の処理技術や処分容器の開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、8億円であります。

[神鋼環境ソリューション]
(株)神鋼環境ソリューションでは、技術開発センターを核として、各事業部門との緊密な連携を保ちながら、新製品、新技術並びに全社共通の基盤技術についての研究開発を行なっております。
水処理関連事業では、同社技術研究所内に閉鎖型の1㎥培養槽を設置し、従属栄養培養(生育に必要な炭素を有機化合物の形で生物に与える培養方法)方式によるユーグレナ(光合成を行なう植物的性質と“すじりもじり”運動をする動物的性質を兼ね備えた生物)の培養を本格的に開始しました。これにより、ユーグレナ由来のバイオマス等のサンプルをキログラム単位で提供する体制が整ったため、食品・化粧品・化成品等の商品化検討を開始しております。
廃棄物処理関連事業では、(独)国立環境研究所と共同で、放射能汚染土壌にセシウム除去剤を添加し、加熱化学処理を行なうことで放射性セシウムを除去し、汚染土壌を最大98%減容化する技術を開発しました。放射能汚染焼却灰(主灰)に対しても、前処理を施すことにより、汚染土壌と同様に除染・減容化できる目途を得ております。
化学・食品機械関連事業では、ファインケミカル、医薬品製造用グラスライニング製機器の高機能化に取り組み、「低溶出性グラス」、「高伝熱性グラス」を開発し商品競争力を強化しました。高伝熱性グラスは「生産性向上設備投資促進税制」対象商品として販売を開始しました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、13億円であります。

[コベルコ建機]
コベルコ建機(株)では、技術開発部門において、主力製品である油圧ショベルなどの安全性向上、省エネ性向上、排ガス対応・騒音低減などの環境対応に加え、建設リサイクル機械・金属リサイクル機械の開発に取り組んでいます。
当連結会計年度では、独自の低騒音技術「iNDR(エンジン冷却システム)」を搭載し、低騒音性能とメンテナンス性を向上させるとともに、燃費をさらに向上させた2.8~4.5トンクラスの油圧ショベルACERA GEOSPEC「SK28SR」「SK30SR」「SK35SR」「SK45SR」を開発し、2014年7月より販売開始しました。また、強化された排ガス規制に対応した7~8トン級油圧ショベルACERA GEOSPEC「SK75SR」「SK80SR+」「SK80UR」を開発し、2014年11月より販売開始しました。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、45億円であります。

[コベルコクレーン]
コベルコクレーン(株)では、技術開発部門において、主力製品であるクローラクレーンなどの安全性向上、排ガス対応・騒音低減・燃費向上などの環境対応の開発に取り組んでいます。
当連結会計年度では、港湾向けラチスブームホイールクレーン「MK650」(最大つり上げ荷重65トン)を開発し、2014年5月より国内向けに販売を開始しました。当機は、港湾荷役作業のための能力と機能を向上させ、さらに走行性能として、最高速度40㎞/h(従来機15km/h)を達成しました。また、国土交通省基本通行条件はD条件に適合した国土交通省指定低騒音型建設機械であり、エンジンは2011年排出ガス規制に対応しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、19億円であります。

[その他]
(株)コベルコ科研では、エネルギー、自動車、エレクトロニクス、土木・建築、環境など広範囲にわたる分析・試験技術を蓄積するとともに、高度で先端的な評価・解析技術の開発を進めています。さらに、液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用の配線に用いられる薄膜用のターゲット材料や半導体等の検査装置の開発に取り組んでいます。
当連結会計年度では、有機デバイスや次世代半導体などの解析・評価技術の高度化に取り組みました。また、ターゲット材料では顧客での製造工程短縮が可能な酸化物半導体材料や高精細(高移動度)を実現できる独自酸化物半導体材料の顧客評価を開始しました。さらに、検査装置ではFPD向け酸化物半導体評価用差動マイクロPCD装置の機能強化に取り組み、顧客での評価を開始しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、9億円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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