弁護士ドットコム株式会社 業績等の概要 (2016年3月期)

(1) 業績

当事業年度におけるわが国の経済は、政府の経済対策や金融政策の効果などによる、企業収益の改善や個人消費の増加がみられる等、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、中国を中心とした新興国の景気減速および円高や株安の進行等により、国内景気の先行きは不透明な状況にあります。
当社を取り巻くインターネット関連市場につきましては、スマートフォンやタブレット端末の需要が好調に推移していることに後押しされ、インターネット利用人口は2014年末時点で10,018万人(前年比0.3%減)、人口普及率は82.8%(前年比増減なし)、と高い水準を維持しております。2015年12月末時点の移動系通信の契約数は、1億6,078万回線(前期比0.8%増)と増加が続いております。(出所:総務省「2014年通信利用動向調査」「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(2015年度第3四半期(12月末))」)。
このような事業環境のもと、当社は、“専門家をもっと身近に”を経営理念として、法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」および税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」を通じた、インターネットメディア事業を運営してまいりました。
「弁護士ドットコム」では、ユーザーに向けた有益なコンテンツの提供やユーザビリティの向上に注力するとともに、身近な話題を弁護士が法的観点から解説するオウンドメディア「弁護士ドットコムニュース」の記事配信による認知度向上に努めた結果、2016年3月における月間サイト訪問者数は923万人(前年同月比38.7%増)となりました。これにより、当事業年度末時点の会員登録弁護士数が10,780人(前年同月比33.9%増)、そのうち、弁護士マーケティング支援サービスの有料会員登録弁護士数が2,292人(前年同月比46.5%増)となりました。また、「弁護士ドットコム」の有料会員サービスの有料会員数が75,998人(前年同月比63.2%増)となり、各サービスの会員数の増加が順調に推移しております。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は1,114百万円(前事業年度比61.5%増)、営業利益295百万円(前事業年度比87.7%増)、経常利益294百万円(前事業年度比87.6%増)、当期純利益179百万円(前事業年度比59.0%増)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ78百万円増加し、当事業年度末には、885百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は267百万円(前事業年度は142百万円の収入)となりました。主な要因は、売上債権の増加額が27百万円、法人税等の支払額が71百万円等があったものの、税引前当期純利益283百万円の計上、未払消費税等の増加額が8百万円、未払費用の増加額が20百万円、未払金の増加額が18百万円、本社移転費用10百万円の計上および減価償却費24百万円の計上があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は109百万円(前事業年度は64百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出16百万円、無形固定資産の取得による支出47百万円および敷金の差入による支出45百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は79百万円(前事業年度は603百万円の収入)となりました。主な要因は、自己株式の取得による支出80百万円があったこと等によるものであります。