有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1009SUE
株式会社ラクト・ジャパン 業績等の概要 (2016年11月期)
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の利上げ観測の後退、中国景気の低迷、さらには英国国民投票に
おけるEU離脱決定による金融市場の混乱などにより、ようやく上向きかけた景気回復の動きが鈍ることとなり
ました。
当社グループを取り巻く環境においても、前期に続き下落を続けていた国際乳製品価格も当連結会計年度
後半には反発に転じたものの、実績ベースでは年間を通じて価格は低迷することとなりました。このような経営
環境の中、当社グループは、「既存取引の深掘り」及び「新規取引先の開拓」に取り組んでまいりました。
乳原料・チーズでは、原料価格安や円高の影響により仕入価格が大幅に下がる中、輸入原料への需要が強まり、
当社の強みであるグローバルに展開している原料調達ネットワークから常に価格競争力のある商品を提供する
ことができたことで販売数量は増加し、利益も前期を上回ることができました。一方で販売単価下落の影響は
大きく、売上は前期を下回ることとなりました。
食肉加工品では、前期に発生した豚の疾病(PED)や米国西海岸での港湾労働争議の影響が当連結会計年度に
入りようやく収まり、通常通りの物量の取扱いとなり、販売数量、売上ともに前期を上回りました。しかしながら
国内の豚肉相場は、物量が戻った米国産をはじめとする安価な外国産豚肉の輸入量が増加したことに加え、国産
豚の発育も順調に進むなど豚肉の供給が増加したことで市況は低迷し、競争が激化したことから利益は前期を
下回ることとなりました。
アジア事業・その他では、乳原料販売部門において当社の原料調達ネットワークを活用した価格競争力のある
商品の販売を行ったことから販売数量は増加し、外貨ベースでの利益は増加することとなりました。しかしながら
国際乳製品価格の下落に伴う販売単価の下落や円高の影響は大きく、円換算した売上、利益は前期を下回り
ました。また、チーズ製造販売部門では、シンガポール工場におけるリノベーションによる一時的な生産量の
減少や前期好調であった中国向け販売が需要低迷であったことから当連結会計年度は販売が振るわず、販売数量は
減少し、売上、利益ともに前期を下回ることとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は886億79百万円(前期比9.5%減)、営業利益は33億49百万円
(同365.1%増)、経常利益は14億34百万円(同6.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億46百万円
(同13.8%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ)
2014年に暴落した国際乳製品価格は、2016年に入っても引き続き安値で推移しておりましたが、5月より上昇
基調に転じました。背景としては、価格低迷が長期化したことで廃業する酪農家がでてきたことなどにより欧州に
おいて生乳生産量が急激に減少したこと、さらにオセアニアでは多雨の影響も加わり、欧州同様に生乳生産量が
減少するなど、世界的に供給調整が進んだことによるものです。
一方、日本国内においては、2014年以降の深刻な脱脂粉乳やバターの供給不足により、農畜産業振興機構(以下
ALIC)が追加輸入(生乳換算で2014年が18.8万トン、2015年が15.6万トン)を頻繁に行い、2016年においても
17.2万トンの輸入入札が実施されました。そのうち、バター輸入は14.6万トンを占め、今年度は国内の生乳生産量
が比較的好調に推移したこととも重なり、一昨年来のバター不足は解消されることとなりました。しかしながら、
2016年前半に増加傾向を示していた北海道の生乳生産量も、8月の度重なる台風の直撃により乳牛の飼料となる
デントコーンや牧草の育成に大きなダメージを与え、その後の生乳生産量にも影響を及ぼしています。一方で、
好調な国内畜肉市場の影響から牛の交雑種への種付けが進むこととなり、後継乳牛の減少も懸念されています。
このような状況のもと、当社はグローバルに展開している原料調達ネットワークを有効に活用することで、
高品質かつ価格競争力のある原料の供給を行った結果、上述のALICの追加輸入入札において高いシェアを
確保することができました。輸入原料の割合が大きいチーズ市場においても価格競争力のある当社商品の販売は
好調に推移しました。さらには、日本国内においてヨーグルト、アイスクリーム、チョコレートといった乳製品
関連の最終製品の売れ行きが好調であったことから、原料となる粉乳調製品等の販売も順調に推移するとともに、
近年注力している飲料向け調製品や飼料用乳原料の販売も拡充することができました。
この結果、乳原料・チーズの売上高は605億43百万円(前期比12.3%減)、販売数量は148,091トン(同4.6%増)と
なりました。
(食肉加工品)
輸入ポーク事業については、2014年後半に発生した米国西海岸での港湾労働争議や豚の疾病(PED)の影響が
当連結会計年度は解消し、通常通りの物量の取扱いとなりました。しかしながら、前期調達が難しかった米国産の
代替としてカナダ、ヨーロッパといった他の産地の豚肉の供給が当連結会計年度も物量は落ちず、結果として
外国産豚肉が大量に流通することとなりました。さらに国産豚の成育も好調であったことから、国内の豚肉市場は
供給過多が常態化するなど価格が低迷することとなりました。こうした状況のもと当社では物量面では前期を
上回ることができましたが利益面では苦戦を強いられることとなりました。
この結果、食肉加工品の売上高は163億38百万円(前期比5.8%増)、販売数量は28,029トン(同12.1%増)と
なりました。
(アジア事業・その他)
乳原料販売部門においては、アジア市場には価格訴求の強い現地企業や高品質を求める日系企業など様々な
ニーズを持った取引先が存在しており、当社グループが長年培ってきたグローバルな原料調達ネットワークを
効率的に活用することで、多様なニーズに対応した商品の供給を行った結果、販売数量は前期比9.5%増となる
37,472トンとなりました。しかしながら国際乳製品価格の下落による販売単価の下落や円高の進行により円換算
した売上高は前期を下回ることとなりました。
チーズ製造販売部門では、シンガポール工場に加え、当連結会計年度よりタイ工場も稼働を開始いたしました。
同部門では従前より業務用チーズを生産しておりましたが、当連結会計年度よりオーストラリアの乳業メーカーと
協同し、小売用商品の製造・販売も開始しております。小売用商品は、かねてより当社で「美味しいチーズを
アジアの消費者にも食べていただきたい」というコンセプトのもと開発を続けてまいりましたが、オーストラリア
の乳業メーカーがこれに興味を示し、2016年下期よりタイ及びシンガポールのスーパーマーケットで販売が開始
されております。
以上のとおり当連結会計年度は取扱製品の拡充もあったものの、シンガポール工場におけるリノベーションに
よる一時的な生産減や中国向け販売の減少などの影響により、ナチュラルチーズを合わせた販売数量は前期比2.4%
減少し、1,912トンとなりました。さらに円高の影響もあり円換算した売上高は前期を下回ることとなりました。
この結果、アジア事業・その他の売上高は117億97百万円(前期比12.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ17億36百万円増加し、57億67百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、35億60百万円となりました。これは主にたな卸資産の減少53億76百万円による
資金の増加と、売上債権の増加17億31百万円および仕入債務が16億33百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により増加した資金は、4百万円となりました。これは主に定期預金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、16億55百万円となりました。これは主に短期借入金の減少12億72百万円と、
長期借入金の返済による支出が39億95百万円あったためであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の利上げ観測の後退、中国景気の低迷、さらには英国国民投票に
おけるEU離脱決定による金融市場の混乱などにより、ようやく上向きかけた景気回復の動きが鈍ることとなり
ました。
当社グループを取り巻く環境においても、前期に続き下落を続けていた国際乳製品価格も当連結会計年度
後半には反発に転じたものの、実績ベースでは年間を通じて価格は低迷することとなりました。このような経営
環境の中、当社グループは、「既存取引の深掘り」及び「新規取引先の開拓」に取り組んでまいりました。
乳原料・チーズでは、原料価格安や円高の影響により仕入価格が大幅に下がる中、輸入原料への需要が強まり、
当社の強みであるグローバルに展開している原料調達ネットワークから常に価格競争力のある商品を提供する
ことができたことで販売数量は増加し、利益も前期を上回ることができました。一方で販売単価下落の影響は
大きく、売上は前期を下回ることとなりました。
食肉加工品では、前期に発生した豚の疾病(PED)や米国西海岸での港湾労働争議の影響が当連結会計年度に
入りようやく収まり、通常通りの物量の取扱いとなり、販売数量、売上ともに前期を上回りました。しかしながら
国内の豚肉相場は、物量が戻った米国産をはじめとする安価な外国産豚肉の輸入量が増加したことに加え、国産
豚の発育も順調に進むなど豚肉の供給が増加したことで市況は低迷し、競争が激化したことから利益は前期を
下回ることとなりました。
アジア事業・その他では、乳原料販売部門において当社の原料調達ネットワークを活用した価格競争力のある
商品の販売を行ったことから販売数量は増加し、外貨ベースでの利益は増加することとなりました。しかしながら
国際乳製品価格の下落に伴う販売単価の下落や円高の影響は大きく、円換算した売上、利益は前期を下回り
ました。また、チーズ製造販売部門では、シンガポール工場におけるリノベーションによる一時的な生産量の
減少や前期好調であった中国向け販売が需要低迷であったことから当連結会計年度は販売が振るわず、販売数量は
減少し、売上、利益ともに前期を下回ることとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は886億79百万円(前期比9.5%減)、営業利益は33億49百万円
(同365.1%増)、経常利益は14億34百万円(同6.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億46百万円
(同13.8%増)となりました。
各事業別の状況は、次のとおりであります。
(乳原料・チーズ)
2014年に暴落した国際乳製品価格は、2016年に入っても引き続き安値で推移しておりましたが、5月より上昇
基調に転じました。背景としては、価格低迷が長期化したことで廃業する酪農家がでてきたことなどにより欧州に
おいて生乳生産量が急激に減少したこと、さらにオセアニアでは多雨の影響も加わり、欧州同様に生乳生産量が
減少するなど、世界的に供給調整が進んだことによるものです。
一方、日本国内においては、2014年以降の深刻な脱脂粉乳やバターの供給不足により、農畜産業振興機構(以下
ALIC)が追加輸入(生乳換算で2014年が18.8万トン、2015年が15.6万トン)を頻繁に行い、2016年においても
17.2万トンの輸入入札が実施されました。そのうち、バター輸入は14.6万トンを占め、今年度は国内の生乳生産量
が比較的好調に推移したこととも重なり、一昨年来のバター不足は解消されることとなりました。しかしながら、
2016年前半に増加傾向を示していた北海道の生乳生産量も、8月の度重なる台風の直撃により乳牛の飼料となる
デントコーンや牧草の育成に大きなダメージを与え、その後の生乳生産量にも影響を及ぼしています。一方で、
好調な国内畜肉市場の影響から牛の交雑種への種付けが進むこととなり、後継乳牛の減少も懸念されています。
このような状況のもと、当社はグローバルに展開している原料調達ネットワークを有効に活用することで、
高品質かつ価格競争力のある原料の供給を行った結果、上述のALICの追加輸入入札において高いシェアを
確保することができました。輸入原料の割合が大きいチーズ市場においても価格競争力のある当社商品の販売は
好調に推移しました。さらには、日本国内においてヨーグルト、アイスクリーム、チョコレートといった乳製品
関連の最終製品の売れ行きが好調であったことから、原料となる粉乳調製品等の販売も順調に推移するとともに、
近年注力している飲料向け調製品や飼料用乳原料の販売も拡充することができました。
この結果、乳原料・チーズの売上高は605億43百万円(前期比12.3%減)、販売数量は148,091トン(同4.6%増)と
なりました。
(食肉加工品)
輸入ポーク事業については、2014年後半に発生した米国西海岸での港湾労働争議や豚の疾病(PED)の影響が
当連結会計年度は解消し、通常通りの物量の取扱いとなりました。しかしながら、前期調達が難しかった米国産の
代替としてカナダ、ヨーロッパといった他の産地の豚肉の供給が当連結会計年度も物量は落ちず、結果として
外国産豚肉が大量に流通することとなりました。さらに国産豚の成育も好調であったことから、国内の豚肉市場は
供給過多が常態化するなど価格が低迷することとなりました。こうした状況のもと当社では物量面では前期を
上回ることができましたが利益面では苦戦を強いられることとなりました。
この結果、食肉加工品の売上高は163億38百万円(前期比5.8%増)、販売数量は28,029トン(同12.1%増)と
なりました。
(アジア事業・その他)
乳原料販売部門においては、アジア市場には価格訴求の強い現地企業や高品質を求める日系企業など様々な
ニーズを持った取引先が存在しており、当社グループが長年培ってきたグローバルな原料調達ネットワークを
効率的に活用することで、多様なニーズに対応した商品の供給を行った結果、販売数量は前期比9.5%増となる
37,472トンとなりました。しかしながら国際乳製品価格の下落による販売単価の下落や円高の進行により円換算
した売上高は前期を下回ることとなりました。
チーズ製造販売部門では、シンガポール工場に加え、当連結会計年度よりタイ工場も稼働を開始いたしました。
同部門では従前より業務用チーズを生産しておりましたが、当連結会計年度よりオーストラリアの乳業メーカーと
協同し、小売用商品の製造・販売も開始しております。小売用商品は、かねてより当社で「美味しいチーズを
アジアの消費者にも食べていただきたい」というコンセプトのもと開発を続けてまいりましたが、オーストラリア
の乳業メーカーがこれに興味を示し、2016年下期よりタイ及びシンガポールのスーパーマーケットで販売が開始
されております。
以上のとおり当連結会計年度は取扱製品の拡充もあったものの、シンガポール工場におけるリノベーションに
よる一時的な生産減や中国向け販売の減少などの影響により、ナチュラルチーズを合わせた販売数量は前期比2.4%
減少し、1,912トンとなりました。さらに円高の影響もあり円換算した売上高は前期を下回ることとなりました。
この結果、アジア事業・その他の売上高は117億97百万円(前期比12.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ17億36百万円増加し、57億67百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、35億60百万円となりました。これは主にたな卸資産の減少53億76百万円による
資金の増加と、売上債権の増加17億31百万円および仕入債務が16億33百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により増加した資金は、4百万円となりました。これは主に定期預金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、16億55百万円となりました。これは主に短期借入金の減少12億72百万円と、
長期借入金の返済による支出が39億95百万円あったためであります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E31729] S1009SUE)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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