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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10056GP

有価証券報告書抜粋 株式会社フジクラ 研究開発活動 (2015年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、①エネルギー・情報通信カンパニー、②エレクトロニクスカンパニー、③自動車電装カンパニーの新商品並びに新技術の開発を積極的に行っております。当社グループの研究開発活動は、環境・エネルギー研究所、光電子技術研究所の2研究所が全社研究開発を、ケーブル・機器開発センター、自動車先端技術開発センター及び、その他の事業部開発部が部門別開発活動を進めております。
環境対応型製品開発の一環として、高温超電導線材及び色素増感太陽電池の商品化に向けた開発を進めております。高温超電導線材では、事業化に向けた長尺量産技術の開発に取り組んでおります。液体ヘリウムが不要で強磁場中でも高い特性を有するイットリウム系高温超電導線材は、分析用NMRや医療用MRIなどへの応用も期待されております。2013年度からは国家プロジェクト「高温超電導コイル基盤技術開発」なども進捗しており、コイル用線材として高い評価を受けております。また、色素増感太陽電池においては、エネルギーハーベスティング(環境発電)分野に最適な太陽電池の商品化を進めております。
また、光通信ネットワークの100Gb/sを超える高速化、大容量化に向けて、シリコンフォトニクスの研究開発を進めております。この技術は光変調器などの高速光デバイスの小型化・低消費電力化を実現するものであります。
さらに、車載レーダー、並びに次世代高速無線通信の使用周波数帯として注目されるミリ波帯を利用する導波路、アンテナなどのデバイスについて、低損失部品の開発を進めております。
そして、これまでFPCで培ってきたダイレクト印刷技術を用いて、透明電極フィルムの開発を進めております。このフィルムは高精細配線による高透過率を達成しております。

セグメント別の研究開発活動及びその成果は次のとおりで、当連結会計年度の連結研究開発費は152億円であります。

①エネルギー・情報通信カンパニー
光通信分野では、次世代の伝送用光ファイバの候補であるマルチコアファイバの取り組みを進めております。本年度は長距離伝送可能なフューモード・マルチコアファイバの開発に取り組み、クラッド内に36個もの伝送路を有するファイバで従来の10倍以上となる527km伝送を実現いたしました。また大MFD(モードフィールド径)と低曲げ損失、かつ低損失といった市場要求を同時に満たす新製品FutureGuide®-Aceをリリースし販売を開始しております。
PANDA(Polarization-maintaining AND Absorption-reducing)ファイバは通信用偏波面保持光ファイバの代表的な構造であり、当社のPANDAファイバは世界でトップシェアを誇る製品であります。曲げ半径7.5mmというとても小さな曲げ径でも使用可能なBISM15-PXシリーズを開発し、PANDAファイバの製品群に加えました。小型化が進むお客様の製品への搭載が可能となり、好評を得ております。
また、光ファイバ通信網の拡大に伴う経済的なFTTH網構築のため、地下管路などの既設設備の有効活用の要求が高まっております。これに応えるべく、Spider Web Ribbon技術を導入した世界最高レベルの超高密度細径軽量光ケーブルを実用化しております。またデータセンター内やスーパーコンピュータ内光配線の構築に必要な多心光コネクタや光コネクタクリーナ等の製品開発にも注力しております。
光ファイバ融着接続機では、直径0.08~1.25mmまでの光ファイバの切断を高精度に行える特殊光ファイバカッタや、光ファイバの被覆を高精度に再コーティングするリコータ装置を新規に開発いたしました。さらに、光ファイバを調心する装置としては超小型である単心調心型融着接続機21Sをラインナップに追加し、商品群を拡充いたしました。
光測定器においては、光ファイバ心線対照器FID-30Rを開発いたしました。これにより、世界最高性能の検知感度を達成し、曲げでも光が漏れにくい種類の光ファイバの測定を可能といたしました。さらに、様々なONUの検知機能、活線判別機能、方向判別機能、パワーメータ機能を一つのパッケージに納めることで好評を得ております。
また、国際廃炉研究開発機構(IRID)に耐放射線ファイバの設計、製造技術を活かした耐放射線ファイバに関する技術提案を行い、開発テーマとして採択されました。画像での観察、確認に有用な石英ガラス系イメージファイバを用いたファイバスコープは、高い耐放射線性能を実証できれば、放射線環境下の視覚的調査に活躍が期待されます。現在ファイバスコープ試作品の評価が進められております。
通信、記録と並びレーザの大きな応用分野であるレーザ加工においては、長らく炭酸ガスレーザなどの気体レーザ、YAGなどの固体レーザが主役の座にありました。しかし半導体レーザ(LD)の高出力化の実現により高出力LDと増幅用Yb添加ファイバを組み合わせた高出力ファイバレーザが実用化され、レーザ加工の分野で主役となりつつあります。当社では光ファイバ関連技術をベースに10年以上にわたり高出力ファイバレーザの研究に取り組んでおり、4kW出力の連続波ファイバレーザを製品化いたしました。独自構造を採用したファイバレーザは加工時に問題となる反射光に対する耐性を高めており、安定した材料加工の提供を可能としております。
また、エネルギー問題がますます重要性を増す中で、省エネルギーの推進、環境負荷の低減、資源の有効活用につながるケーブル・機器の開発を積極的に進めております。
さらに、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーに不可欠な電力系統連系機材を開発し製品ラインナップを拡充いたしました。また、世界的なエネルギー需要増大による海洋資源開発や今後進められる海洋発電の導入により、海洋構造物市場の成長が見込まれており、洋上浮体構造物用ケーブルシステムの開発を進めております。
そして、電気自動車、プラグインハイブリット車の普及に伴い、直流充放電器(V2H)の需要が拡大しております。小型・軽量で取り扱い性に優れるV2H用コネクタを製品化いたしました。また、軽量化、省エネに効果的なCA(Copper Clad Aluminum)線を利用したソリューションを非接触給電用コイルをはじめとする様々な分野のお客様に提案させて頂き、応用製品の開発を進めております。
なお、当セグメントに係る研究開発費は94億円であります。

②エレクトロニクスカンパニー
民生及び産業用の電子機器に使われるFPC・タッチキー・コネクタ・電子ワイヤ・センサ・サーマル製品の開発を行なっております。スマートフォンやウエアラブル端末等の携帯情報端末機器は、ますます軽薄短小化、高速化、多機能化が進み、多種多様な機器とのつながりやすさが強く要求されております。
FPCでは高密度化や高速伝送化に対応し、部品内蔵基板・狭ピッチ表面実装・高精細FPCをベースとした高密度実装のトータルソリューションの提供を目的として開発を進めております。また、新規技術分野の製品として、イオンフィルターと呼ばれる高密度貫通孔あき電極フォイルを開発いたしました。これは大型加速器の素粒子観測用測定器や医療機器に使用が見込まれており、今後も当社独自の技術を活かして社会に貢献してまいります。
また、世界で初めてポリイミドフィルムを絶縁材料に用いた部品内蔵基板WABE PackageTMの量産を開始いたしました。WABE PackageTMは当社が独自に開発したポリイミド基板一括積層技術を採用しております。実用化されている部品内蔵基板として世界最薄の構造を持つことに加え、高い信頼性や電磁ノイズに強いことが高く評価さている医療機器分野を中心として製品化を拡大してまいります。
プリンテッド・エレクトロニクス分野では、メンブレンの印刷技術を進化させ、グラビアオフセット印刷法による線幅10μmレベルのAg印刷配線基板を開発し、タッチキー(静電容量型スイッチ)の量産を開始しております。また、従来のスクリーン印刷法では、L(ライン)/S(スペース)=0.1mm/0.1mmの印刷回路の量産目処がたち、更なる印刷技術の革新を進めてまいります。
コネクタ分野では、顧客のはんだレス化と実装工程削減のため、車載・FA用向けのプレスフィット端子を開発いたしました。
電子ワイヤでは、ウェアラブル機器用途に、柔軟な高速伝送インターフェイスケーブルやアクティブケーブルを開発いたしました。更により高速なUSB3.1 typeCや医療分野、車輌分野のエレクトロニクス化に応じた各種電子ワイヤを開発中であります。
センサ製品では、医療機器向け微圧センサや、高精度なデジタル出力圧力センサを開発中であります。
サーマル製品では、細径、薄型ヒートパイプを開発し、スマートフォン等の小型携帯機器への搭載を実現いたしました。また、スーパーコンピュータ「京」に採用されたクーリングユニット技術をベースに、ハイエンドサーバや各種産業機器の冷却に適用する開発を進めております。
なお、当セグメントに係る研究開発費は37億円であります。

③自動車電装カンパニー
自動車電装においては、環境、安全、快適をキーワードとして、ワイヤハーネスを中心としたEDS(Electric Distribution System)の領域と、エレクトロニクス事業で培ったメンブレン技術等を応用した機能モジュールの領域で、技術・製品の開発を推進しております。
EDSでは、電源分配用ジョイントボックスにボディー系ECUをアセンブリしたスマート・ジョイントボックスの量産化を14年度から開始いたしました。
アルミ電線及びアルミハーネスの開発については、15年度中に開発を完了し、量産ラインを構築する計画であります。また、HEV/EV向けの配線材においても、アルミ導体を採用した次世代高電圧ハーネスの開発を継続しております。
車載モジュール製品では、「次世代型シートベルト警告用乗員検知センサー(SBRセンサー)」の開発に力を入れております。
次世代型SBRセンサーは従来の方式よりも小型で、シートの形状に左右されない共通のセンサーとして使用可能なものを目指しております。
オール・フジクラの技術を結集して、車両電動化、自動運転、コネクテッドカーなどのトレンドに沿った新技術・新製品の創出を進めてまいります。
なお、当セグメントに係る研究開発費は20億円であります。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01334] S10056GP)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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