有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100T3XS (EDINETへの外部リンク)
ライオン株式会社 研究開発活動 (2023年12月期)
当社グループは、経営ビジョン『次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ』の実現に向け、「健康」、「快適」、「清潔・衛生」を通じた新たな顧客体験価値を創造し、お客様一人ひとりの「心と身体のヘルスケア」を実現する製品の開発や、未来の生活を提案する研究開発に取り組んでいます。健やかで自立した人生や、清潔で快適な生活の実現、さらに、未来にわたり安心して暮らせる社会を目指し、確かな科学的根拠に基づく研究を進めています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、11,217百万円であります。
各セグメントの研究開発活動は下記のとおりです。
(1) 一般用消費財事業
一般用消費財事業では、オーラルケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア、薬品、その他の6つの事業分野に分け、研究開発を行っています。① オーラルケア事業分野では、口腔科学を中心とする研究成果を活かして、ハミガキ、ハブラシ、デンタルリンスなどの開発をしています。
今ある歯を1本でも多く守る「デントヘルス」ブランドから、歯を失う2大リスク歯槽膿漏およびムシ歯を予防し、弱ってきた歯ぐきと、歯を守る高密着処方の薬用ハミガキ『デントヘルス薬用ハミガキDX』を新発売しました。歯周病セルフケアをリードする「システマ」ブランドからは、歯ぐき細胞を活性化し、歯ぐきのコラーゲンを守り、組織を修復して歯周病を防ぐ「システマハグキプラス」シリーズとして、『システマハグキプラスハミガキ』、『システマハグキプラスデンタルリンス』を改良新発売しました。また、「システマ」ブランドに加え、予防歯科から生まれた「クリニカ」、口臭科学から生まれた「NONIO」を含めた各ブランドから、お口に合わせて付替ブラシを選ぶことができる『LION電動アシストブラシ』を新発売しました。すべての付替ブラシはお口の奥まで届きやすい薄型ヘッドで、手みがきによる汚れ除去を音波振動がアシストします。また、質の高い予防歯科の実践をサポートする「クリニカPRO」シリーズから、弾力のあるラバー毛が、しなりながら歯面に密着して歯垢をぬぐい取り、ツルツルの仕上がりになるハブラシとして『クリニカPROハブラシラバーヘッド』を新発売しました。さらに、2023年に始動した、子どもの成長段階に合わせたきちんとした歯みがき習慣づくりや、良い歯ならびの土台づくりを支援するオーラルケアプログラム「おくち育」から、歯ならびの土台づくりが重要な6~12歳の生え変わり期の子ども向けに、噛む力を育む『噛もっと!グミ』、噛む力をチェックする『噛もっと!ガム』、おくち育会員サイトでの『歯ならびチェック』の3点がセットになった『おくち育噛もっと!』を専用ECサイトより新発売しました。
歯科医院向け製品では、ラウンド毛とスーパーテーパード毛のダブル植毛が歯間部・咬合面、さらに臼歯部まで届き、高いプラーク除去効果を発揮する歯ブラシ『Check-Up歯ブラシstandardタイプ』を発売しました。
② ビューティケア事業分野では、皮膚科学、界面科学を中心とする研究成果を活かして、ハンドソープ、ボディソープ、制汗デオドラントなどを開発しています。
「キレイキレイ」ブランドからは、より抗菌成分の滞留性を高めた『キレイキレイ薬用泡ハンドソープ』を改良新発売しました。また、吸着保湿処方で肌にうるおいを与えるボディソープ「hadakara」ブランドからは、肌にうるおいを与えつつ、透明感のある肌に導く『hadakaraボディソープ 泡で出てくるタイプ ヒーリングフルーティの香り』、夏に向けて濃密泡がもこもこ増え続けて全身が気持ちよく洗え、保湿しながらもひんやり洗い上がる『hadakaraボディソープ 泡で出てくるひんやりタイプ クールアクアミントの香り』を数量限定発売しました。
③ ファブリックケア事業分野では、界面科学を中心とする研究成果を活かして、衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤などの製品開発をしています。
洗濯用洗剤ブランド「NANOX」から、ニオイ、汚れ、衣類の色変化(黄ばみ、黒ずみ、色あせ)を1本で全部断つ高濃度コンプリートジェル『NANOX one』を新発売しました。また「アクロン」ブランドから、すすぎゼロ洗浄で「キレイ」と「時短」、「ECO」を実現した柔軟成分入り洗濯用洗剤(おしゃれ着用)『アクロン スマートケア』を新発売しました。柔軟剤ブランド「ソフラン」から、透明が生み出す新感覚の柔軟剤『ソフラン エアリス』を新発売しました。また、『ソフラン アロマリッチ』の本体ボトルが、再生プラスチックの活用とキャップの軽量化による石油由来プラスチック使用量削減により、環境負荷を低減した点が評価され日本包装技術協会 木下賞・研究開発部門を受賞しました。さらに、花王株式会社と協働で実施しているリサイクリエーションにおいて、『トップ スーパーNANOX ニオイ専用 つめかえ用超特大』で採用した『おかえりつめかえパック』が、公益社団法人日本包装技術協会 会長賞(ジャパンスター賞)、およびアジア包装連盟アジアスター賞を受賞しました。
④ リビングケア事業分野は、界面科学を中心とする研究成果を活かして、台所用洗剤、住居用洗剤などの製品開発をしています。
台所用洗剤分野では、「CHARMY」ブランドから、除菌性能と圧倒的な水切れによる速乾性能はそのままに、グラスが乾いた後の白い水あかがつきにくい手洗い用食器用洗剤『CHARMY Magica 速乾+(プラス) カラッと除菌』を改良新発売しました。また、住居用洗剤分野ではトイレ用液体洗浄剤『ルックプラス泡ピタ洗浄スプレー』に活用された特許が2023年度関東地方発明表彰「発明奨励賞」を受賞し、便器のフチ裏掃除に対して“こすらず洗い”を謳える洗浄力を高く評価されました。
⑤ 薬品事業分野では、製剤技術や薬効・薬理技術を中心とする研究成果を活かして、人々のセルフメディケーション意識を支える一般用医薬品などの開発をしています。
乾燥肌治療薬「フェルゼア」ブランドでは、年齢とともに乾燥など様々な肌悩みを感じるようになった女性に向けて、肌の表面だけでなく、乾燥肌を土台から治す濃密泡タイプの乾燥肌治療薬『フェルゼアプレミアム HPブーストフォーム』を新発売しました。また、解熱鎮痛ブランド「バファリン」に配合されている解熱鎮痛成分アセトアミノフェンによる消化管傷害に対する抑制作用を見出し、第50回日本潰瘍学会にて準学術奨励賞を受賞しました。
⑥ その他の事業分野では、ペット事業において、当社獣医師、社外獣医師との協働による動物行動学、口腔科学の研究とライオングループ内の技術を活かしてペットサニタリー用品、オーラルケア用品、ボディケア用品などの開発を行っています。
サニタリー分野では、動物行動学に基づくサイズ設計の「獣医師開発 ニオイをとる砂専用 猫トイレ」から、新色「ナチュラルブラウン」/「ナチュラルグレー」2品を発売しました。
オーラルケア分野では、ペットの好きな香りで歯みがき実施をサポートする「ペットキス 歯みがきジェル アップルの香り」を発売しました。
ボディケア分野では、やさしい泡でしっかり洗える「泡シャンプーシリーズ」3品、独自のフラワー型クッション構造を持つ「イヌハピブラシ」、ボディに広げてふき取るだけの「水のいらない泡リンスインシャンプー」2品を発売しました。
空間分野では、おそうじシリーズをリニューアル、パッケージも一新し「おそうじシリーズ(犬用、猫用)」6品を発売しました。
獣医品では、動物病院向け製品「ペットキッス・ベッツドクタースペック・オーラルケアサプリメント・お口の健康サポート」を発売しました。
一般用消費財事業に関わる研究開発費は、9,240百万円であります。
(2) 産業用品事業
① ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ㈱は、界面科学、合成技術を中心とする固有技術を生かし、導電性材料、ゴム用添加剤、機能性ポリマー、繊維加工薬剤、脂肪酸窒素誘導体、土木建築用途を含むインフラ薬剤などについて、お客様に密着した開発を行っております。当連結会計年度の主な研究成果は次のとおりです。
導電性材料では、主力商品である「ケッチェンブラック(カーボンブラック)」の応用研究、新規導電性炭素材料およびこれらの複合材料の開発を行っています。特に「電気自動車用二次電池向けカーボン」の開発に注力し、その普及を通じてCO2排出削減へ貢献するため供給量拡大に取り組んでおります。
ゴム用添加剤では、タイヤへ直接機能性を付与する内部添加剤やタイヤ製造現場で使われる防着剤の開発を行っています。なかでもSDGsに繋がるエコタイヤの製造に必要なシリカ分散剤や製造環境美化に繋がる液状防着剤につきましては、国内外のお客様からご好評を頂いており採用が拡大しております。
機能性ポリマーでは、スマートフォン用の保護フィルムやポップラベル用の粘着剤、また繊維用の耐久帯電防止剤、耐久撥水剤の開発を行っています。同分野におきましても、「環境対応型製品」の開発に向け、フッ素化合物の不使用、バイオマス由来基剤の採用など、原料面からのアプローチにも注力しております。
脂肪酸窒素誘導体では、アミン化合物やその誘導体を中心に植物系原料への転換を進めると共に、特徴ある除菌・除ウイルス効果を持つ基剤の提供により、お客様の事業を通じた循環型社会の構築と安心・安全なより良い生活習慣づくりへの貢献を進めております。
インフラ薬剤では、地盤改良薬剤やアスファルト舗装用薬剤など、工事現場の施工性向上ならびに施工時の使用エネルギーや廃棄物の低減に貢献する薬剤を開発し、市場展開を進めております。
② 飲食店や集団給食などの外食産業、医療・介護施設、クリーニングや食品工場など、業務用の様々な場面で使用される洗浄剤等の製品開発と製造販売、ならびにこれらのお客様の食の安全・安心をサポートする衛生診断をはじめとする総合衛生ビジネスをライオンハイジーン㈱が行っております。
当連結会計年度の主な成果といたしましては、食品工場分野では、次世代のカット野菜殺菌システム「野菜キレイSaOシステム」を新発売いたしました。「野菜キレイSaOシステム」は、野菜をカットしながら殺菌する新しいシステムで、カット野菜の品位の保持や製造工程の短縮化に貢献いたします。実際にシステムを導入したカット野菜製造業者の方から、ご好評をいただいております。
また、頑固な油汚れを発泡洗浄で簡単に落とす「リッチフォームGB」を新発売いたしました。発泡洗浄による洗浄作業の平準化や時間短縮にお役立ていただいております。
衣料用の分野では、3つの当社最新技術を備え「コンプリート洗浄」を実現する「NANOX one PRO 4L」。新配合成分により「すすぎ0回の洗浄」ができる柔軟成分入り洗濯用洗剤「アクロン スマートケア4L」。さらに、咲きたてアロマ製法で香りが持続するだけでなく、防臭・抗菌効果で衣類につく嫌なニオイを抑える「ソフランアロマリッチ キャサリン4L」を新発売いたしました。介護施設やサービス業などの幅広いビジネスユーザーで使用する衣料の洗濯にお役立ていただいております。
サニテーションの分野では、手指衛生の新製品として「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ フローラル10L」と手指消毒剤の「サニテートAハンドミスト10L」を新発売し、大容量のニーズにお応えいたしました。さらに「サニテートAハンドミスト」は、商品やサービスが日常時および非常時の価値を共に有していることを審査し、証明する制度の「フェーズフリー認証」を取得いたしました。
今後ともお客様のニーズや社会的要請に対応したソリューションを提供し、ビジネスユースを通じて、衛生的な環境作りと食の安全に貢献して参ります。
産業用品事業に関わる研究開発費は、1,190百万円であります。
(3) 海外事業
海外事業では、コロナによる市場縮小からの回復傾向や、円安、原材料の高騰による影響などの変動要素が多いアジアの消費財市場に対して、変化に対応しながら成長加速を目的として積極的に新製品の発売や製品開発体制の強化を行いました。地域別・事業別の主要な新製品・改良品は以下の通りです。
北東アジア地域では、中国の主力分野であるオーラルケア分野で「クリニカ」ブランドの製品群を積極的に拡大しました。同ブランドの基本機能である「ムシ歯予防」機能を維持したうえで、中国市場専売品として「酵素+酵母入りハミガキ」および「酵素+知覚過敏ハミガキ」を日本の当社工場生産品として発売した他、当社中国現地法人の青島工場生産品で「酵素+美白ハミガキ」も発売しました。今後も2つの生産拠点を効果的に活用して事業成長を支えていきます。また口臭予防ブランドのNONIO洗口液では、中国で、刺激の少ない「フルーティ洗口液」を、香港では「ガム・トータル洗口液」を追加し拡大する洗口液市場での地位を強化しています。衣料用洗剤分野では、中国、香港で「NANOX」ブランドより、アジアで市場拡大中のカプセル型洗剤を発売しました。この他、韓国では、点眼剤事業で「スマイル(韓国名アイミル)40EXゴールドコンタクト」を発売しました。韓国初のビタミンA配合コンタクト用点眼剤としてお客様に好評を頂いています。
なお中国では、上海にて当社の100%子会社「獅王(上海)創新科技有限公司」を2023年5月に設立しました。2024年1月より本格稼働し、製品開発スピード向上、付加価値製品を生み出す技術開発を進め、中国での更なる事業拡大を目指します。
東南・南アジア地域では、マレーシアの主力分野であるホームケア分野で、衣料用粉末洗剤「トップ・マジカルインフュージョン」を発売しました。残香性が高い機能性香料を活用し、発売当初より好評を頂いています。また「トップ・スーパーハイジニック(粉末洗剤)/ トップ・オドーバスター(悪臭除去機能の液体洗剤)」を改良発売、銀イオンを活用し、汗臭や頑固な汚れ落ちを強化しました。今後もマレーシアで最も支持をいただいているブランド「トップ」の市場地位強化に取り組みます。この他、バングラデシュにおいて、衣料用洗剤ブランド「JET」を新酵素配合により洗浄力を高め改良新発売、シンガポールでは5つの衛生機能を1つにしたカプセル洗剤「NANOX 凄ワザ」を新発売しました。オーラルケア分野では、日本で先行した薄型・大き目ヘッドの「システマ」極細毛ハブラシの展開を拡大、タイで「スリムテック XL」を、マレーシアで「超濃密植毛ガムプロテクト」を発売しました。またインドネシアでは、ハミガキにもハラル製品を求めるお客様が多いことに着目し、伝統的な清掃具のひとつである歯木(シワック)と緑茶の香味が続く「バラカット」ハミガキを発売、現地特有のお客様ニーズに応えています。
海外事業では、今後も日本の先進技術を応用して、海外のお客様に向けた利便性と嗜好性の高い製品を展開して参ります。
海外事業に関わる研究開発費は、786百万円であります。
なお、海外事業に関連する日本国内での研究開発費は、一般用消費財事業に含まれております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00991] S100T3XS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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