有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YI4K (EDINETへの外部リンク)
東洋エンジニアリング株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
(EPC事業)
当連結会計年度において、当社グループは研究開発費2,641百万円を投入し、技術力強化方針として「新たなビジネス・商品開拓」「各事業分野のビジネス戦略強化」「EPC事業の基盤強化」につき、以下の研究開発活動を当社グループ内および産官学連携により実施いたしました。《新たなビジネス・商品開拓》
(デジタル技術の活用)
デジタル基盤を活用したO&M領域のサービス高度化を目的に、DX-PLANT™の開発を進めてまいりました。引き続き、尿素・メタノール等の保有技術に当社が有する知見とAIやITを組み合わせ、高付加価値なサービスの開発・適用を推進しております。更に、カーボンニュートラル分野における新たな課題に対してもデジタル技術で対応し、プラント運営の収益改善に貢献してまいります。
(環境・省エネ)
① クリーン水素・アンモニア分野
水素燃料キャリアとしてのアンモニア利用技術・体制開発の一環として、一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会(CFAA)に理事会員として参画しております。本協会では、CO2排出量の低減を目的とした石炭火力発電所等でのアンモニア燃料の導入や海外でのアンモニアバリューチェーンの事業化について検討を継続しております。また、CFAA企画運営委員会に新設された広報委員会のリーダーとして燃料アンモニアの早期社会実装に向けた活動も推進しております。
大規模な水素利用の可能性を検討する取り組みの一環として「中部圏水素利用協議会」に正会員として2025年2月に加入し、アンモニア製造からその分解による水素製造にわたる幅広い分野で貢献してまいります。
2024年11月にPupuk Indonesia Holding Companyおよび伊藤忠商事株式会社と3社でスマトラ島アチェ地区の既設アンモニアプラントに水電解装置を併設し、再生可能エネルギー由来のグリーン水素を供給してグリーンアンモニアを製造する事業の合弁会社設立に向けた株主間契約書を締結し、2025年11月にFEEDを完了しました。国際海事機関(IMO)のネットゼロ・フレームワーク(NZF)の審議・採択を1年延期するとの決議を受け、事業化の時期は検討中です。本プロジェクトを通じて再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニアの製造および事業化に取り組み、EPC事業のみならず共同出資によって得られる非EPC事業の収益の獲得も追求し、更なる持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
国立大学法人東京科学大学(科学大)、Ammon Fields株式会社、株式会社エフ・シー・シーと連携し、科学大の原亨和教授らが開発した高性能なアンモニア合成触媒である鉄‐ヒドリド触媒の商業化および実証に向けた開発に共同で取り組んでおり、2030年に新規アンモニア製造設備への納入を目指しております。鉄‐ヒドリド触媒を採用することで、低コストで省エネルギーな燃料用アンモニアの製造技術の確立と社会実装に取り組んでまいります。
アンモニア分解による水素製造技術に関してKBR(KELLOGG BROWN & ROOT LLC)と連携し、EPCパートナーとして技術検討を進めております。水素エネルギーキャリアであるアンモニアの利点として、運搬や貯蔵の容易さに加えて、アンモニア火力発電などでの直接利用と共に、アンモニアを分解して水素を取り出し水素発電や燃料電池自動車(FCV)へ適用するなど用途の広さが挙げられます。当該技術による設備を主にアンモニアの受入基地に併設し、アンモニアを分解して水素を取り出すことで、将来の水素エネルギー社会の実現を推進してまいります。
小規模の水素需要にも対応するために、小型アンモニア分解装置の開発に引き続き取り組んでおります。日本精線株式会社、中部電力株式会社、中部電力ミライズ株式会社と共同で、本装置の実用化検討に取り組む覚書を2024年4月に締結いたしました。水素の更なる利活用に向けた課題の解決を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
アンモニア利用による化石燃料代替技術として、三井化学株式会社、丸善石油化学株式会社、双日マシナリー株式会社と共同で、エチレン分解炉におけるアンモニア燃料の実用化に向けた研究開発に取り組んでおります。本開発は、燃料アンモニアの利用促進とエチレン分解炉のカーボンニュートラル化を通じて、石化セクターのCO2排出量の大幅削減を目指すものであり、グリーンイノベーション基金による国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)実証事業として採択されました。当社は小型の分解炉(試験炉)の設計を進め、2026年2月に三井化学株式会社大阪工場で試験炉建設工事を完了いたしました。2026年度よりアンモニア100%燃焼の分解炉の運転を開始する予定です。
FPSOで生産されるガスからアンモニアを製造するブルーアンモニアFPSOについて、MODECと共同で米国船級協会(ABS)よりAiP(Approval in Principle:基本設計承認)を取得しております。このブルーアンモニアFPSOは、随伴ガスからブルーアンモニアを製造し、貯蔵および積出まで行うものです。また、アンモニア製造過程で生じるCO2の大部分を回収し、その排出量を最小化しております。当社が培ってきたKBRのアンモニアプロセスの設計技術やFPSO向け装置設計の知見とMODECのFPSOプロジェクトで培った浮体式ソリューションに関する知見を融合させ、コンセプトの改良・深化により安全で価格競争力のあるエネルギー供給ソリューションの提供を目指しております。
② e-メタノール(自社技術g-MethanolTMプロセス)分野
回収CO2の利活用については、CO2とグリーン水素からe-メタノールを合成する自社技術であるg-MethanolTMを用いて、国内外で具体的な案件に取り組んでおります。2025年6月には、インド国営電力公社NTPC Limitedに納入した初号機がファーストドロップを達成し、技術拡販のステージに入っております。多数の引き合いを受ける中で、再生可能エネルギーによる発電量の変動(再エネ変動)に対応する設備計画最適化ツール「MethaMasterTM」を複数のFSで活用しております。このツールにより、水電解設備や水素ホルダー、蓄電池やガスタービン等のシステム全体について、迅速かつ効果的な計画提案が可能となります。更に、プラント建設後の運用をサポートするシステム「MethaDynamicsTM」も開発しており、発電量の予測や出荷計画に基づいてプラントの運転ロードを検討し、再エネ変動下での運転計画の策定や意思決定を支援いたします。再エネで稼働するプラントの初期計画から、EPC、更にO&Mまでのプラントライフサイクル(PLC)を包括的にサポートするソリューションの提供を目指しております。
③ SAF分野
SAF分野では、当社はこれまで、NEDOの委託・助成を受け、木質バイオマス等を原料としたパイロットスケールにおけるガス化FT合成による連続SAF製造実証や、SAFサプライチェーン全体の構築に向けた検討を実施してきました。
また、2025年8月からは引き続きNEDOの補助を受け、これまで十分に検討されてこなかった都市ごみ等の多様な原料を対象に、ガス化FT合成経由に加え、メタノール合成経由SAFも含めた技術的・経済的可能性に関する調査を開始しています。
④ 地熱エネルギー分野
地熱エネルギーは大きな可能性を秘めており、カーボンニュートラル社会の実現のためベースロードとなり得る再生可能エネルギーとして期待されております。当社は、この地熱エネルギーの可能性を最大限に活用する「カーボンニュートラルパーク」(地下・地上の様々な関連技術を組み合わせた地熱フィールドの全体開発・最適化を進める構想)実現に向けた取り組みを推進しております。グループ会社で地熱発電設備のEPC実績が豊富なインドネシア・IKPTとも連携し、インドネシアにおける地熱分野での技術導入を検討しております。また、2025年10月にJOGMECの「次世代型地熱発電技術」に関する実現可能性調査に採択され、国内におけるクローズドループ技術の検討を進めています。当社は、地熱分野でインドネシアの持続可能な社会の実現と経済発展に貢献し、日本の地熱開発にも技術を展開してまいります。
⑤ 資源循環分野
世界的なプラスチック廃棄物の問題解決と循環型社会の実現に貢献するために、当社は2026年1月にクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)に幹事会員として加入するとともに、廃プラスチックリサイクル技術の開発を複数進めております。熱分解油化では2024年6月にタイのSCGケミカルズが60%出資するCirPlas(Circular Plas Company Limited)との間で、共同開発契約書を締結しました。現在、実証プラントのスケールアップや技術実証を進めるとともに、ライセンス供与に向けた準備など、ビジネス展開にも取り組んでおります。また、熱分解以外のリサイクル技術においても各パートナーと技術面、ビジネス面で検討を進めております。
「都市鉱山」(使用済みの家電製品や携帯電話等から金属材料を回収・再利用すること)や未利用資源の有効活用を実現するため、当社は環境負荷の少ない微生物由来の吸着材を用いた有価金属回収技術の開発を進めております。都市鉱山分野では、自動車廃触媒中に含まれる貴金属の更なる回収、ヒ素等の毒性金属を含むスラッジ等からヒ素等を取り除き有価物に変える技術、更にリチウムイオンバッテリー(LIB)のリサイクル手法の開発を行っております。未利用資源の有効活用としては、地熱水に含まれる金・銀等貴金属の回収プロセスの開発を進めるとともに、今後需要拡大が見込まれる重要鉱物のリサイクルにも注力してまいります。
⑥ SUPERHIDICTM・HERO
環境・省エネ分野では、脱炭素社会に貢献すべく、革新的省エネルギー蒸留システム「SUPERHIDICTM」に加え、プラントを構成するプロセス系・用役系を省エネ・GHG排出削減の観点から数学的に同時最適化するコンサルタントサービス「HERO」を展開しております。「SUPERHIDICTM」は、CO2コストが高い欧州で実施した複数のFSを通じて複数の顧客向けにライセンス契約の受注を目指して協議を進めております。更に、カーボンインテンシティの制約を守るために当該技術導入が効果的なことから、米州域においてライセンス契約を受注いたしました。また、経済産業省「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金制度」における先進設備・システムに認定され、国内での導入環境が整っております。「HERO」はタイ石油化学最大手であるGC(PTT Global Chemical Public Company Limited)社向けには、5.5万t/年のCO2排出量削減案を創出する改造プロジェクトを引き続き実施しております。更に、同社と「主要プラントに対する包括的なHERO検討」および「その結果に基づく脱炭素化戦略策定のロードマップの作成」に関する覚書に調印し、2025年度に包括的検討を実施し、2026年以降のFS案件、基本設計図書案件実施に関するロードマップを議論、既に一部の案件を受注しております。更に、アジア地域へのビジネス拡大に向けて動き出しています。
《各事業分野のビジネス戦略強化》
① 尿素分野
尿素プロセス「ACES21TM」は、当社が開発した保有プロセスであり、大型化と省エネを図るためのプロセス改良に取り組んでおります。2025年度はナイジェリアの化学肥料製造会社が計画する4,000t/日×2系列の尿素プラントに採用されました。当社は尿素ライセンサーとして、2025年11月に日本で「Urea Licensee Meeting 2025」を開催し、プラントオーナーと最新技術や知見を共有しました。
尿素プロセスの開発の観点では、革新的次世代尿素プロセス「ACES21-LPTM」の実用化を進め、インドネシア肥料プラント向け尿素ライセンス供与プロジェクトにおいて、本プロセスの設計を初めて適用しています。今後もプロセス改良を継続するとともに、DX-PLANTTMのソリューション深化と展開を図ることによる設備の運転および保全の最適化やカーボンニュートラルに向けた尿素プロセスの開発も推進してまいります。2026年2月にスペイン・バルセロナで開催された「CRU Nitrogen+Syngas Expoconference 2026」に出展し、カーボンニュートラル尿素製造プロセス「g-Urea™」に関する最新の技術動向と規制対応について講演しました。
② 海洋資源開発分野
当社はこれまでメタンハイドレート開発への取り組みを継続しており、JOGMECが実施した米国アラスカ州ノーススローププルドーベイ鉱区でのメタンハイドレート長期陸上産出試験に対して支援業務を実施しました。今後も日本での海洋産出試験に向けて貢献してまいります。また、内閣府の「自律型海洋無人機・無人潜水機を用いた利用実証事業」を提案し、「洋上風力発電施設の維持管理モデルの構築」カテゴリで採択され、実証試験とロードマップ作成を行いました。今後もデータ利活用も含めた社会実装に取り組むとともに、統合的な海洋資源開発に向けたビジネス強化を継続して進めております。また、日本CCS調査株式会社への出資・派遣などの対外的な活動も引き続き実施いたします。
③ 医薬品分野
医薬品分野では、当社子会社であるテックプロジェクトサービス株式会社が、医薬品製造企業の多様なニーズに応えるエンジニアリングサービスを提供するとともに、革新的な技術開発を推進しております。
低分子医薬品向けの原薬連続生産技術開発においては、NEDO戦略的省エネルギー技術革新プログラムにて開発した「iFactory」の事業化を推進しております。
また、中分子・バイオ医薬品分野では、シングルユース技術を活用した自動化装置の開発を継続し、精製工程の連続化に向けた設備開発に加え、不活化、清澄化、無菌ろ過、充填等の各工程における省力化・高度化を実現する装置の開発・納入を進めております。
これらの取り組みを通じて、知的財産の創出および技術競争力の強化を図っております。
④ O&M
当社は、EPC事業で培った知見と技術を活かし、経年プラントの安全・安定操業に貢献するため、2021年度より「プラントの継続操業支援」サービスを展開しております。本サービスは、総合的なエンジニアリング力と専門技術を組み合わせ、経年プラントが抱える課題に対して最適な解決策を提供するものとなっております。
本取り組みは、PLC全体で顧客課題を解決する企業への進化を示すとともに、製造業の持続的発展にも寄与しております。今後も本サービスを積極的に展開してまいります。
《EPC事業の基盤強化》
① DX/ICT分野
当社では、ドキュメント中心からデータ中心へと業務を変革する取り組みを継続しており、プロジェクト・エンジニアリング・サプライチェーン・工事など各部門が保有する情報を統合的に活用することで、EPCプロジェクト全体のDX化を推進しております。統合基盤の整備を進めるとともに、設計、調達および工事を横断的に管理するAWP(Advanced Work Packaging)を活用したプロジェクトマネジメントの高度化に取り組んでおります。これにより、設計や施工など各フェーズで生じる3Dおよびエンジニアリングデータと、経営・財務・リソース関連のビジネスデータを連携させ、プロジェクト遂行時のリスク可視化やスケジュール・コスト管理の高度化を図っております。
具体的には、地下工事におけるスケジュール遅延リスクを3DCADモデルから検知するシステム(HEROZ株式会社との共同開発)の実案件への適用を進めるとともに、自社開発のスケジュール最適化システム「EffiMateTM」を4Dシミュレーションやリソース評価と組み合わせ、計画精度の向上およびプロジェクトリスクへの対応力強化に取り組んでおります。更に、AWPの実装を通じて、設計、調達および工事の工程可視化と効率化を進めております。
また、コーポレートマネジメントの変革の観点では、重要意思決定機関である各委員会での支援ツールとして「CMC(Corporate Management Cockpit)」を活用し、リソース計画、DX投資およびリスク管理等を相互に関連付けたデータ活用を進めております。これにより、プロジェクトおよび経営資源の状況を総合的に可視化・管理することで、迅速かつ的確な経営判断を実現しております。
今後もデータ統合基盤やCMCを通じた高度なデータ活用を更に深化させ、ビジネス改革と提供価値の向上を継続的に追求し、社会への貢献を拡大してまいります。
② 技術研究所(T-Labo!)
千葉土気緑の森工業団地内(千葉市緑区)に2024年3月に移転・新設開所したT-Labo!は、順調に立ち上がり、各研究プロジェクト単位での利用やリモートオフィスとしての活用が進められています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01661] S100YI4K)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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