有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W51U (EDINETへの外部リンク)
サンケン電気株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)
経営理念の一つである「パワーエレクトロニクスとその周辺領域を含めた最適なソリューション提供」に基づき、当連結会計年度における研究開発活動を進めてまいりました。パワーモジュール、パワーデバイスの領域での成長戦略の実現及び技術マーケティングの確立と効率的な開発マネジメントによる新製品開発の促進を進めるとともに、連結子会社にも研究開発部門を置き、グループを挙げて研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発費の総額は売上高の10.26%に当たる12,484百万円であります。
製品開発における技術マーケティングの導入により成長市場へのシフトを担う製品開発に注力するとともに、前工程となる半導体素子プロセスから、後工程となる実装、パッケージ技術のプラットフォーム化(SPP: Sanken Power-electronics Platform)を進めることにより、設計改革、業務改革を推進し開発スピードのアップを図っております。当連結会計年度における研究開発の主な成果は次のものがあります。
・次世代MICプロセスの採用によりリードタイムを短縮化するとともに、H side OCP(過電流保護機能)追加による二次的な破壊拡大の防止、及びLS(ローサイドパワーIGBTエミッタ)–COM(コモン)間ESD保護素子追加によるセット組立時の静電気破壊リスクの回避を行った白物家電用モータドライバIC SIM1シリーズを開発した。
・新構造により低ノイズでVFスイッチングオフ特性の優れる新しいプラットフォームの高速リカバリダイオード(FRD)であるBlueFRD1を開発した。
・高耐圧電源ICの起動回路用LDMOS(Lateral Double-diffused MOSFET)において、ESD保護素子機能を素子内に統合することでチップ面積の増加を最小限に抑えながら、高いESD耐量を有する新たなLDMOSを開発。このLDMOSは、製品端子であるStart-up端子に接続されるため、製品のESD耐性強化につながり、より安全で信頼性の高い高耐圧電源IC製品の実現に大きく寄与する。
・近赤外光は人間の眼に見えにくく、照明やディスプレイでは不要とされてきたが、植物育成や分光分析の分野では重要な光であり、LEDを用いた検討がなされている。この近赤外発光する蛍光体を用いた様々なLEDを開発した。
・電動化や自動運転化、コネクテッド化など自動車は大きな変革期に入っており、これに伴い自動車のE/Eアーキテクチャは、機能分散型からドメイン型、ゾーン型へと急激な変化が起こっている。ゾーン型のE/Eアーキテクチャでは、従来のメカリレーやヒューズを用いた配電システムからIPD等の半導体を用いた配電システムへの切り替えが見込まれることから、次世代ゾーン型配電システムに必要となる機能を盛り込んだ次世代車載用IPD“SIP1シリーズ”を開発した。
・大型TVやEV車用途の高圧バッテリ充電器向けのLLC電源では、電源スリム化のためトランスの小型化及びパワー素子のヒートシンクのレス化・小型軽量化が求められている。この要求に応えるためのソリューションとして、電源二次側をフルブリッジ構成とし、高出力電圧・低電流化を行い、さらにパワー素子の温度を下げるため同期整流化を行い、効率の良いスイッチング制御を行うための新しい同期整流コントローラICを開発した。
・スイッチング電源の設計計算は、使用ICへの理解やトランス設計・回路設計等の知識が必要であり、電源設計を容易にすることは、その電源ICの採用機会を拡大する効果が期待できるため、当社ICを使用した電源設計支援ツール「Sanken STR Pro」を開発した。
・スマートファクトリー化の取り組みである目視検査の画像化拡大に伴い、さらなる生産性向上、画像検査精度向上、品質管理強化、コスト削減など、画像検査システムに求められる要求が高まる中、これらの要求に柔軟に対応することをコンセプトとし、当社独自の内製画像検査システム「AI-fact」を開発した。
・スマートファクトリー推進における自動流動を実現するに当たり、設備のパラメータデータや稼働データ及び品質データなどを吸い上げ、チェックシートへの自動転記やその結果から稼働可否を判断することが必須となる。しかし、データ収集 (IoT) 非対応の設備や一部データについては設備仕様上、データの吸い上げができない状態であるが、こうした状態への対応を可能とする自動流動可能な生産システム基盤を構築した。
なお、SiCデバイスに関しては、2023年度に採択されたNEDO先導研究プログラム『SiCスマートパワーIC技術の研究開発』を産業技術研究所と共同で遂行中であり、SiCの特性を最大限引き出すSiC-IC技術の開発を行っております。
GaNデバイスに関しては、NEDO基盤技術研究促進事業で得られたGaN on Si技術を活かし、新たに買収したパウデック社所有のPSJ技術と融合させることで、独自のデバイス構造を開発し、早期に市場投入できるよう対応中です。また、並行してGaN基板を用いた縦型デバイスの検討を、名古屋大学中心に進められているGaNコンソーシアムに参画し行っております。
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