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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VYOV (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 長瀬産業株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、グループの総合力を結集し、新規事業創出のため、マーケティング活動に基づく新技術・新製品の開発と技術情報の発信を目的に研究開発活動を行っております。
研究開発を専門とする組織としては未来共創室、ナガセバイオイノベーションセンター、ナガセアプリケーションワークショップがあり、それに加えて各製造会社を中心とした研究開発活動を行っております。
未来共創室では、本社事業部・グループ会社で活用できるブロックチェーン、センサー、システムの開発、これから伸長が期待される医療分野、エネルギー分野の新規開発を行っております。具体的にはSaaS型マテリアルズ・インフォマティクス支援サービス、ブロックチェーン技術によるトレーサビリティ支援等の開発を推進しております。また100%子会社であるNagase Future Investments㈱を2025年4月に設立し、CVCファンドによるスタートアップ投資を開始し、次の開発領域の下地づくりのための情報収集を行っております。
ナガセバイオイノベーションセンターでは、サステナブル社会の実現に向けて、独自技術の放線菌の育種・発酵技術:N-STePP®(注1)と大腸菌の育種・発酵技術:NAGASE U-E’s Technology®(注2)を活用して、現在は化学合成困難とされる自然界に存在する希少有用物質を持続性のある微生物発酵法で高効率生産できるように「プロセスイノベーション」(=Unavailable Made Available&Sustainable)を目指して取り組んでおります。発酵法は従来の抽出法や化学合成法に比べ、「安全・安心、高効率、環境にやさしい」という特徴があります。現在は、キノコや麹菌に含有される希少抗酸化アミノ酸(エルゴチオネイン)、新規酵素、バイオ色素等の機能性物質の発酵生産を検討しております。特に「放線菌を利用した物質生産技術」を競争優位性のある技術に育てるために、オミクス解析やデータ解析を活かした基盤技術を深耕しています。これらバイオ技術を駆使して生産した有用物質が、機能性食品、化粧品、及び工業用品として広く展開されるよう開発を進めると同時に将来の事業化を見据えて、戦略的に特許や商標並びに意匠を出願・登録しております。また、グループのバイオ技術の総力を活かし、イノベーション創出に向けたテーマ創生を推進しております。このように当センターは、グループ独自の技術を活用して、グループの将来の事業を先導する新規事業の芽の創出をミッションとして、当社のサステナブル事業へ貢献すべく活動し続けております。
(注1)弊社の国内登録商標。NAGASE’s Streptomyces Technology for Precious Productsの略称。
(注2)弊社の国内登録商標。NAGASE Ultra-E. coli’s Technologyの略称。
ナガセアプリケーションワークショップでは、プラスチック、コーティング材料の分野で素材の評価分析、用途開発から、それら素材を使った処方開発を行うことができる設備と専門性の高い技術スタッフを有しております。取引先やグループ製造会社が持つ素材や加工技術を組み合わせ、グループネットワークを活かしたマーケティング機能で得た市場ニーズに応えるソリューション提案を行っております。新規材料や技術の目利きを行い、各種アプリケーションで求められる性能を満たす処方開発を行うことで、カラー提案、機能性UP、Green材料開発等におけるお客様の課題解決をサポートします。現在、PFAS代替材料や、3Dプリンティング分野での知見を活かしたユニークな材料の提案にも取り組んでおります。これらの活動により当社グループ独自の商社業の差別化戦略を支えるとともに、商社が運営するソリューションラボならではの自由な発想でサステナブルな新規事業開発に貢献することを目指して活動しております。
ナガセケムテックス㈱では、医療材料、医療機器分野における低エンドトキシン化ニーズに応えるべく、弊社独自のエンドトキシン除去・低減化技術を活用したビジネス展開を鋭意進めております。これまで、低エンドトキシンプルラン・ゼラチン・アルギン酸ナトリウムなどの素材をアルコフェリスシリーズとして順次リリースしておりますが、更なるラインナップの拡充へ向け開発を継続中です。また、エンドトキシン除去技術の応用展開として、大阪大学と3Dバイオプリンター用のインクの共同開発を開始するなど、産学連携による技術力の強化や応用展開を積極的に推進しております。
また、長瀬産業㈱、ナガセヴィータ㈱と協業して、当社ナガセバイオイノベーションセンターおよびナガセヴィータ㈱の有する酵素技術とナガセケムテックス㈱の樹脂製造技術を組み合わせ、澱粉を主原料とした高バイオマス度の高吸水性ポリマー(SAP)の開発を行っております。現在主流であるポリアクリル酸系SAPが、石油由来かつ非生分解性であるため、環境負荷が大きいという課題を抱えているのに対し、本開発品は、バイオ由来原料を使用し、さらに生分解性も有することから、環境負荷低減に大きく貢献することが期待されます。本製品は、農業・緑化、化粧品、衛生材料など、幅広い分野への適用が期待されており、今後、各用途に向けたプロトタイプの完成および、量産に向けた検討を鋭意進めてまいります。
ナガセヴィータ㈱では、微生物が生み出す独自酵素とそれを用いた素材および微生物発酵による素材の研究開発を進めております。新素材を次世代の主力製品とするため、食品、パーソナルケア、医薬品の3つの事業領域と連携し、社会課題の解決に向き合った価値づくりを行っております。新規素材については、NAGASEグループテーマであるエルゴチオネイン上市に向けた研究開発に努めております。医薬品素材開発へも注力し、「SOLBIOTE®」ブランドの「スクロースSG」上市に向けた取り組みを行ってまいりました。既存素材につきましても、2021年度上市の水溶性食物繊維水あめ「テトラリング®」の「日本農芸化学会中四国支部技術賞」受賞など各種学会での学術活動、「食品開発展2024」など各種展示会への出展を通じて、製品の提供価値の認知度を上げるとともに、新規用途開発を目指した価値づくりを強化しております。引き続き、モノづくり基盤技術の深化と新規事業の探索を両立させ、収益の柱となる高付加価値な素材を生み出す仕組みの構築に努めてまいります。


なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)
機能素材779
加工材料620
電子・エネルギー2,242
モビリティ165
生活関連1,881
全社(共通)(注)34
合計5,723
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02552] S100VYOV)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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