有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W463 (EDINETへの外部リンク)
王子ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)
当社のイノベーション推進本部を中心に、創業当時より森づくりや紙づくりで培ってきた多様な技術と国内外に保有する豊富な森林資源を余すことなく活用し、資源の循環的利用、環境負荷の低減といった社会課題解決へ資する新しい価値創造に取組んでいます。また、既存事業の競争力強化として、国内外のグループ会社や各工場の研究開発部門は当社のグループ技術本部と連携し、新製品開発及び既存製品の品質向上、先端技術の導入等による操業の安定化やコストダウンの推進を図っています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は13,473百万円となっています。なお、セグメント毎の研究開発費は、イノベーション推進本部が属するその他セグメントが9,546百万円、生活産業資材セグメントが351百万円、機能材セグメントが2,537百万円、資源環境ビジネスセグメントが459百万円、印刷情報メディアセグメントが577百万円です。
当連結会計年度の各セグメントの主な研究開発活動は次のとおりです。
(1)その他セグメント
[イノベーション推進本部]
「①木質由来新素材の開発」、「②未利用バイオマス資源の有価物化」、「③医薬・ヘルスケア分野への本格参入」、「④サステナブルパッケージの展開」の4つの軸で研究開発を進め、持続可能な社会への貢献を目指します。
①木質由来新素材の開発
化石資源に依存した燃料やプラスチック原料を、バイオマス由来原料に置き換えるべく、木質由来の「糖液」、「エタノール」、「ポリ乳酸」の技術開発を進めています。「糖液」はバイオものづくりの基幹原料として、「エタノール」はバイオ燃料(SAF、バイオ混合ガソリン)やバイオマスプラスチックをはじめ基礎化学品の製造原料としての需要拡大が見込まれます。「ポリ乳酸」は代表的なバイオマスプラスチックの一つであり、食品用容器・フィルムなどの包装材をはじめとする幅広い用途に利用拡大が期待されています。2024年12月には王子製紙米子工場内に工場のインフラを活用した国内最大級の木質由来糖液のパイロット製造設備を立ち上げ、2025年3月より稼働を開始しました。また、2025年3月には木質由来エタノールのパイロット製造設備を立ち上げました。製造条件の最適化等を行なうとともにサンプルワークを進め、事業化を推進します。また、2024年7月に(株)バッカス・バイオイノベーション、日揮ホールディングス(株)、(株)ENEOSマテリアル、大阪ガス(株)、東レ(株)と弊社で共同提案した「木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業」が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「バイオものづくり革命推進事業」に採択されました。本事業では、バイオものづくり製品の社会実装及びその社会受容性の醸成を促す仕組みづくりを通じて、既存の製紙工場をバイオものづくり工場へと転換し、競争力のあるバイオものづくりのハブの実現を目指します。
木質由来素材のセルロースナノファイバー(CNF)は、透明で軽くて丈夫、変形にも強く、高い増粘効果を有する優れた材料として多種多様な分野での活躍が期待されています。2024年5月には天然ゴムとの複合材の量産試作設備を導入し、タイヤ市場への本格参入を目指して開発体制を強化しています。また、CNFを用いた全熱交換型換気システムの部材である全熱交換エレメントの開発のほか、燃料電池用高分子電解質膜の開発やポリカーボネート樹脂との複合材のロボット部材等への展開にも取組んでおり、今後も様々な用途で社会実装を進めます。
最先端半導体向けの木質由来バイオマスレジストの開発を進めています。今後さらなる成長が見込まれる半導体市場では高性能化に伴い微細加工技術の進化が求められているなか、独自技術によりPFAS不使用(有機フッ素化合物を含まない)かつ次世代EUV(極端紫外線)露光装置にも対応可能なレジストを実現しました。環境配慮と高性能を両立したレジストで顧客ニーズに沿った開発に取り組み、事業化を目指します。
抄紙パルプよりもセルロース純度の高い溶解パルプを製造しており、当社グループのコア技術を医薬品や食品添加剤などの高付加価値製品の原料への展開を目指した研究開発にも取り組んでいます。
②未利用バイオマス資源の有価物化
当社グループは豊富な森林資源、紙、エネルギー、水をうまく循環させ、資源を有効活用してきたノウハウを活かし、未利用バイオマス資源の有価物化に取組んでいます。その一つがバイオ炭による二酸化炭素削減と土壌改良です。植物をバイオ炭として炭化させることで、炭素を長期間固定し、大気中の二酸化炭素を削減することにより地球温暖化の緩和に寄与します。また土壌改良剤として、土壌の保水性や通気性を向上させ、植物の生育を促進する効果も期待されています。2025年度には植林木の未利用樹皮を原料としたバイオ炭をベトナム社有林で施用する実証試験を開始予定です。また、水環境関連の分野では、水処理に関する新規プロセスの検討や排水処理における廃棄物や副産物の有効利用などを検討しており、環境に配慮した事業展開に繋げていきます。環境負荷ゼロへ挑戦するとともに、副産物・未利用バイオマス資源から新たな価値を見出し、新たな事業へと繋げていきます。
③医薬・ヘルスケア分野への本格参入
医薬・ヘルスケア分野への本格参入のため、大きく3つのテーマを推進しています。そのうち2つのテーマは事業化を加速するため、イノベーション推進本部から立ち上げた2社において研究開発を行っています。
王子ファーマ㈱は、木材中の未活用成分でパルプ製造時の副産物であるヘミセルロースから得られる「硫酸化ヘミセルロース」を原薬とした医薬品の事業化を推進しています。木質由来の原料を使用することで、人畜共通感染症のリスク低減、環境負荷の低減、トレーサビリティ向上といった動物原料依存の課題を回避することが可能となります。動物用関節炎治療薬の承認取得とヒト用医薬品の研究開発を進め、併せて医薬品販売に必要な各種業許可の取得も進めており、2025年2月にはホモシスチン尿症治療薬の製造販売承認申請を実施しました。
王子薬用植物研究所㈱は、植林事業で培った植物育成の知見から薬用植物「甘草(カンゾウ)」の国内大規模栽培技術を確立しました。野生品の採取に伴う資源枯渇や輸出規制等のリスクのため、国産化が求められている背景がありました。社内シナジー創出により、2024年12月には王子ファーマ㈱より国産甘草を配合した漢方薬を商品化、テスト販売を実施しました。今後医薬・化粧品、食品分野へのさらなる展開を進めていきます。
また、独自の微細加工技術を用いた、細胞培養基材の開発にも取組んでいます。生体内により近い形態を再現することで細胞成熟化を促進することが可能となり、再生医療や創薬への活用が期待されます。技術改良を進め、製品価値の向上を目指します。
④サステナブルパッケージの展開
当社グループは、抄紙・塗工技術とフィルム製膜技術を基盤に、環境課題に対応するパッケージソリューションを提供しています。独自の材料設計技術と延伸加工生産技術で開発した100%植物由来のポリ乳酸フィルムは、2024年度に㈱伊藤園のティーバッグフィルターに採用されました。このフィルムは日本バイオプラスチック協会から生分解性バイオマスプラスチックとして認定され、高い透明性と厚みの均一性、強度を持つことが特徴です。
また、企業・業界の枠を超えた資源循環型社会への取り組みも進めています。2024年度には外食企業と協同し、紙コップを再び紙製品の原材料として活用する持続的なマテリアルリサイクルシステムを構築しました。回収規模の拡大や本取り組みに賛同・参画する企業・団体を積極的に募り、より効果的・効率的なリサイクルを推進します。
イノベーション推進本部は、日々変化する市場のニーズに対応するため、オープンイノベーションを通じて新しい価値の共創を進めるとともにDX推進にも取り組んでいます。今後も新たな企業価値を構築するため多方面からの研究・技術開発を進めていきます。
[液体紙容器事業]
アセプティック(無菌)紙容器事業では、アセプティック紙容器及び無菌充填機を取り揃え、主に牛乳やジュースをお取り扱いのお客様にソリューションを提供しています。現行製品よりもさらに環境に配慮したパッケージや充填機の開発や、東南アジア向けに特化した充填機の開発も進めています。また、充填機の安定性向上にも注力しています。
[サステナブルパッケージ事業]
Walki社では、これまで培ってきたコア技術を活用し、欧州の包装材規制に基づき、2030年までにEU内で流通するすべての包装材を100%リサイクル可能にする目標に対応するため、高いリサイクル性にフォーカスしたバリア紙包材、リサイクル可能なモノマテリアルプラスチックフィルム、環境に優しいラミネート材料等の開発に注力しています。これにより、環境に配慮し、持続可能で競争力のある製品を提供し、循環型社会の実現に貢献することを目指しています。
(2)生活産業資材セグメント
古紙利用拡大、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、品質・操業性改善を推進してきました。パッケージング関係では、お菓子用包装やボールペンパッケージ、自動車部品パッケージなど、従来はプラスチックが採用されていた用途において紙製品の採用が進み、「環境価値」と「生活・感性価値」を高める商品開発を行い、脱プラスチック社会への移行に貢献しています。
(3)機能材セグメント
温室効果ガスの排出量削減や循環型社会の実現に貢献するサステナブル素材及び製品を積極的に開発しています。
特殊紙事業では、環境と健康に配慮した非フッ素耐油紙「O-hajiki(オハジキ)」や、セルロースを主体原料とした作業負荷軽減型及び環境配慮型の農業用紙製マルチシート「OJIサステナマルチ」、成形性が良く深絞りや打抜きなどの成形加工に適したプレス成形用紙「ファインプレスW(ホワイト)」等のプラスチック代替素材の開発・販売をしています。不織布事業は、既存商品価値の向上や、土木・準医療関係を中心に、新製品開発、新分野の顧客への展開等を実施しました。
感熱事業では、米国の化学物質規制に対応する切替や顧客需要に応じた新技術・新製品の開発、市中回収古紙100%配合の環境対応製品の開発等を実施しました。
粘着事業では、タッチパネルの機能進化に追随し、高機能粘着フィルム等の開発に注力しており、ノートPC、ゲーム機、車載ディスプレイ等への採用が進んでいます。自動車用遮熱ウィンドフィルムを開発し、建材用途への展開も進めています。
フィルム事業では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムで培った延伸製膜技術による電動車用の薄物コンデンサ用フィルムの開発やバイオマスプラスチックを配合したポリプロピレンフィルム「アルファンGPP」等の開発・販売を進めています。
(4)資源環境ビジネスセグメント
持続可能な森林経営と競争力向上のため、各林地の生育条件に最適なクローン開発などの品種改良や、広大な植林地において最新技術を活用した肥料散布や林地データ取得など林地の生産性向上のための研究開発を実施しています。
(5)印刷情報メディアセグメント
パルプ製造工程から紙製造工程までの製紙工程全般に関する技術開発に取組んでいます。需要が減少する中、生産体制の最適化や他の用途開発に取組んでおり、さらに、使用薬品や操業条件の最適化によるコストダウン、欠点・断紙削減等の操業性改善を推進し、収益向上に繋げています。また、製品の安定供給を図るため、BCP(事業継続計画)対応強化も進めています。
当社グループは、知的財産を重要な経営資源として位置付け、事業競争力及び持続可能な価値創造の源泉として戦略的に活用しています。また、当社グループの知的財産権は当社が集中的に保有・管理し、グループ方針に基づき権利の取得及び行使を行うとともに、当社グループ内での有効活用を図るため、グループ各社に対してライセンスを供与しています。今後も、将来の事業基盤となる知的財産権をグローバルに強化していきます。
当連結会計年度末における当社グループの保有特許権・実用新案権・意匠権の総数は国内2,784件、海外944件です。また、保有商標権の総数は国内1,039件、海外1,160件です。
当連結会計年度の研究開発費の総額は13,473百万円となっています。なお、セグメント毎の研究開発費は、イノベーション推進本部が属するその他セグメントが9,546百万円、生活産業資材セグメントが351百万円、機能材セグメントが2,537百万円、資源環境ビジネスセグメントが459百万円、印刷情報メディアセグメントが577百万円です。
当連結会計年度の各セグメントの主な研究開発活動は次のとおりです。
(1)その他セグメント
[イノベーション推進本部]
「①木質由来新素材の開発」、「②未利用バイオマス資源の有価物化」、「③医薬・ヘルスケア分野への本格参入」、「④サステナブルパッケージの展開」の4つの軸で研究開発を進め、持続可能な社会への貢献を目指します。
①木質由来新素材の開発
化石資源に依存した燃料やプラスチック原料を、バイオマス由来原料に置き換えるべく、木質由来の「糖液」、「エタノール」、「ポリ乳酸」の技術開発を進めています。「糖液」はバイオものづくりの基幹原料として、「エタノール」はバイオ燃料(SAF、バイオ混合ガソリン)やバイオマスプラスチックをはじめ基礎化学品の製造原料としての需要拡大が見込まれます。「ポリ乳酸」は代表的なバイオマスプラスチックの一つであり、食品用容器・フィルムなどの包装材をはじめとする幅広い用途に利用拡大が期待されています。2024年12月には王子製紙米子工場内に工場のインフラを活用した国内最大級の木質由来糖液のパイロット製造設備を立ち上げ、2025年3月より稼働を開始しました。また、2025年3月には木質由来エタノールのパイロット製造設備を立ち上げました。製造条件の最適化等を行なうとともにサンプルワークを進め、事業化を推進します。また、2024年7月に(株)バッカス・バイオイノベーション、日揮ホールディングス(株)、(株)ENEOSマテリアル、大阪ガス(株)、東レ(株)と弊社で共同提案した「木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業」が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「バイオものづくり革命推進事業」に採択されました。本事業では、バイオものづくり製品の社会実装及びその社会受容性の醸成を促す仕組みづくりを通じて、既存の製紙工場をバイオものづくり工場へと転換し、競争力のあるバイオものづくりのハブの実現を目指します。
木質由来素材のセルロースナノファイバー(CNF)は、透明で軽くて丈夫、変形にも強く、高い増粘効果を有する優れた材料として多種多様な分野での活躍が期待されています。2024年5月には天然ゴムとの複合材の量産試作設備を導入し、タイヤ市場への本格参入を目指して開発体制を強化しています。また、CNFを用いた全熱交換型換気システムの部材である全熱交換エレメントの開発のほか、燃料電池用高分子電解質膜の開発やポリカーボネート樹脂との複合材のロボット部材等への展開にも取組んでおり、今後も様々な用途で社会実装を進めます。
最先端半導体向けの木質由来バイオマスレジストの開発を進めています。今後さらなる成長が見込まれる半導体市場では高性能化に伴い微細加工技術の進化が求められているなか、独自技術によりPFAS不使用(有機フッ素化合物を含まない)かつ次世代EUV(極端紫外線)露光装置にも対応可能なレジストを実現しました。環境配慮と高性能を両立したレジストで顧客ニーズに沿った開発に取り組み、事業化を目指します。
抄紙パルプよりもセルロース純度の高い溶解パルプを製造しており、当社グループのコア技術を医薬品や食品添加剤などの高付加価値製品の原料への展開を目指した研究開発にも取り組んでいます。
②未利用バイオマス資源の有価物化
当社グループは豊富な森林資源、紙、エネルギー、水をうまく循環させ、資源を有効活用してきたノウハウを活かし、未利用バイオマス資源の有価物化に取組んでいます。その一つがバイオ炭による二酸化炭素削減と土壌改良です。植物をバイオ炭として炭化させることで、炭素を長期間固定し、大気中の二酸化炭素を削減することにより地球温暖化の緩和に寄与します。また土壌改良剤として、土壌の保水性や通気性を向上させ、植物の生育を促進する効果も期待されています。2025年度には植林木の未利用樹皮を原料としたバイオ炭をベトナム社有林で施用する実証試験を開始予定です。また、水環境関連の分野では、水処理に関する新規プロセスの検討や排水処理における廃棄物や副産物の有効利用などを検討しており、環境に配慮した事業展開に繋げていきます。環境負荷ゼロへ挑戦するとともに、副産物・未利用バイオマス資源から新たな価値を見出し、新たな事業へと繋げていきます。
③医薬・ヘルスケア分野への本格参入
医薬・ヘルスケア分野への本格参入のため、大きく3つのテーマを推進しています。そのうち2つのテーマは事業化を加速するため、イノベーション推進本部から立ち上げた2社において研究開発を行っています。
王子ファーマ㈱は、木材中の未活用成分でパルプ製造時の副産物であるヘミセルロースから得られる「硫酸化ヘミセルロース」を原薬とした医薬品の事業化を推進しています。木質由来の原料を使用することで、人畜共通感染症のリスク低減、環境負荷の低減、トレーサビリティ向上といった動物原料依存の課題を回避することが可能となります。動物用関節炎治療薬の承認取得とヒト用医薬品の研究開発を進め、併せて医薬品販売に必要な各種業許可の取得も進めており、2025年2月にはホモシスチン尿症治療薬の製造販売承認申請を実施しました。
王子薬用植物研究所㈱は、植林事業で培った植物育成の知見から薬用植物「甘草(カンゾウ)」の国内大規模栽培技術を確立しました。野生品の採取に伴う資源枯渇や輸出規制等のリスクのため、国産化が求められている背景がありました。社内シナジー創出により、2024年12月には王子ファーマ㈱より国産甘草を配合した漢方薬を商品化、テスト販売を実施しました。今後医薬・化粧品、食品分野へのさらなる展開を進めていきます。
また、独自の微細加工技術を用いた、細胞培養基材の開発にも取組んでいます。生体内により近い形態を再現することで細胞成熟化を促進することが可能となり、再生医療や創薬への活用が期待されます。技術改良を進め、製品価値の向上を目指します。
④サステナブルパッケージの展開
当社グループは、抄紙・塗工技術とフィルム製膜技術を基盤に、環境課題に対応するパッケージソリューションを提供しています。独自の材料設計技術と延伸加工生産技術で開発した100%植物由来のポリ乳酸フィルムは、2024年度に㈱伊藤園のティーバッグフィルターに採用されました。このフィルムは日本バイオプラスチック協会から生分解性バイオマスプラスチックとして認定され、高い透明性と厚みの均一性、強度を持つことが特徴です。
また、企業・業界の枠を超えた資源循環型社会への取り組みも進めています。2024年度には外食企業と協同し、紙コップを再び紙製品の原材料として活用する持続的なマテリアルリサイクルシステムを構築しました。回収規模の拡大や本取り組みに賛同・参画する企業・団体を積極的に募り、より効果的・効率的なリサイクルを推進します。
イノベーション推進本部は、日々変化する市場のニーズに対応するため、オープンイノベーションを通じて新しい価値の共創を進めるとともにDX推進にも取り組んでいます。今後も新たな企業価値を構築するため多方面からの研究・技術開発を進めていきます。
[液体紙容器事業]
アセプティック(無菌)紙容器事業では、アセプティック紙容器及び無菌充填機を取り揃え、主に牛乳やジュースをお取り扱いのお客様にソリューションを提供しています。現行製品よりもさらに環境に配慮したパッケージや充填機の開発や、東南アジア向けに特化した充填機の開発も進めています。また、充填機の安定性向上にも注力しています。
[サステナブルパッケージ事業]
Walki社では、これまで培ってきたコア技術を活用し、欧州の包装材規制に基づき、2030年までにEU内で流通するすべての包装材を100%リサイクル可能にする目標に対応するため、高いリサイクル性にフォーカスしたバリア紙包材、リサイクル可能なモノマテリアルプラスチックフィルム、環境に優しいラミネート材料等の開発に注力しています。これにより、環境に配慮し、持続可能で競争力のある製品を提供し、循環型社会の実現に貢献することを目指しています。
(2)生活産業資材セグメント
古紙利用拡大、抄紙条件、薬品の最適化によるコストダウン、品質・操業性改善を推進してきました。パッケージング関係では、お菓子用包装やボールペンパッケージ、自動車部品パッケージなど、従来はプラスチックが採用されていた用途において紙製品の採用が進み、「環境価値」と「生活・感性価値」を高める商品開発を行い、脱プラスチック社会への移行に貢献しています。
(3)機能材セグメント
温室効果ガスの排出量削減や循環型社会の実現に貢献するサステナブル素材及び製品を積極的に開発しています。
特殊紙事業では、環境と健康に配慮した非フッ素耐油紙「O-hajiki(オハジキ)」や、セルロースを主体原料とした作業負荷軽減型及び環境配慮型の農業用紙製マルチシート「OJIサステナマルチ」、成形性が良く深絞りや打抜きなどの成形加工に適したプレス成形用紙「ファインプレスW(ホワイト)」等のプラスチック代替素材の開発・販売をしています。不織布事業は、既存商品価値の向上や、土木・準医療関係を中心に、新製品開発、新分野の顧客への展開等を実施しました。
感熱事業では、米国の化学物質規制に対応する切替や顧客需要に応じた新技術・新製品の開発、市中回収古紙100%配合の環境対応製品の開発等を実施しました。
粘着事業では、タッチパネルの機能進化に追随し、高機能粘着フィルム等の開発に注力しており、ノートPC、ゲーム機、車載ディスプレイ等への採用が進んでいます。自動車用遮熱ウィンドフィルムを開発し、建材用途への展開も進めています。
フィルム事業では、二軸延伸ポリプロピレンフィルムで培った延伸製膜技術による電動車用の薄物コンデンサ用フィルムの開発やバイオマスプラスチックを配合したポリプロピレンフィルム「アルファンGPP」等の開発・販売を進めています。
(4)資源環境ビジネスセグメント
持続可能な森林経営と競争力向上のため、各林地の生育条件に最適なクローン開発などの品種改良や、広大な植林地において最新技術を活用した肥料散布や林地データ取得など林地の生産性向上のための研究開発を実施しています。
(5)印刷情報メディアセグメント
パルプ製造工程から紙製造工程までの製紙工程全般に関する技術開発に取組んでいます。需要が減少する中、生産体制の最適化や他の用途開発に取組んでおり、さらに、使用薬品や操業条件の最適化によるコストダウン、欠点・断紙削減等の操業性改善を推進し、収益向上に繋げています。また、製品の安定供給を図るため、BCP(事業継続計画)対応強化も進めています。
当社グループは、知的財産を重要な経営資源として位置付け、事業競争力及び持続可能な価値創造の源泉として戦略的に活用しています。また、当社グループの知的財産権は当社が集中的に保有・管理し、グループ方針に基づき権利の取得及び行使を行うとともに、当社グループ内での有効活用を図るため、グループ各社に対してライセンスを供与しています。今後も、将来の事業基盤となる知的財産権をグローバルに強化していきます。
当連結会計年度末における当社グループの保有特許権・実用新案権・意匠権の総数は国内2,784件、海外944件です。また、保有商標権の総数は国内1,039件、海外1,160件です。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00642] S100W463)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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