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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W3K7 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 チッソ株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

「事業部門の開発支援により事業拡大に貢献するとともに、当社グループでの成長戦略に貢献する新規ビジネスを、情報・通信、環境・エネルギー市場領域に立ち上げる。」を研究開発方針に掲げ、各施策に取り組んでいます。
①事業拡大に貢献
ライフケミカル事業部、情報材料事業部周辺領域を中心に保有技術を活かした横展開テーマを設定し、
開発を推進する。
②成長戦略に貢献
成長領域である情報・通信、環境・エネルギー分野にテーマを設定し、開発を推進して新規ビジネスを
立ち上げる。
③競争力強化
差別化につながる基盤技術開発の促進、シリコン、ライフケミカル事業を拡大するための基盤技術開発を
推進する。
当連結会計期間末における研究開発要員はグループ全体で178名、研究開発費は3,451百万円でした。
セグメントごとの研究開発の概要は以下のとおりです。

(1)高機能材料事業
高機能材料事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)ディスプレイ材料及び周辺材料の研究開発
b)ディスプレイ以外の用途に向けた液晶材料の研究開発
c)プリンテッド・エレクトロニクス材料の研究開発
d) シリコン化合物の研究開発及び生産技術開発
当社グループの液晶材料は、TV用ディスプレイやPCモニター、ノートPC及びタブレット端末などのIT用ディスプレイ、車載用ディスプレイ製品といった様々な製品に採用されています。液晶材料市場において中国メーカーとの競争が一段と激化する中、IT用途や車載用途などの高いコントラスト、透過率、高速応答性、高耐久性が求められるハイエンド製品を対象とした研究開発を進めており、今後の市場展開を見据えて、コスト・性能・プロセスの各側面で更なる顧客利便性を実現する製品の開発を進めています。
有機EL材料では、韓国SK Materials社との合弁会社であるSK Materials JNC社において、更なる事業成長に向け、競争力のある新規化合物の研究開発に注力しております。今後、発光材料に加え、他の共通材料の開発及び事業化を加速、推進させることで、事業価値の向上に努めてまいります。
光配向膜材料では、新規材料の開発を通じ、高透過率、高コントラスト、高信頼性等の高機能特性を有する材料の供給体制の構築を進めています。
液晶ディスプレイ材料の研究開発活動と並行して、光学的異方性に特徴を持つ液晶をディスプレイ以外の用途に展開することを目的とした研究開発を進めています。具体的には、液晶の光遮断機能を活用したスマート・ウィンドウが車載用途で製品化されているほか、光変調素子、AR/VRデバイスといった用途での実用化の検討を始めています。また、重合性液晶材料は、重合性モノマーと液晶の性質を併せ持つことから、液晶配向の固定化が可能であり、光学素子デバイスへの適用検討がなされています。
プリンテッド・エレクトロニクス材料では、既に採用されているフィルムセンサー、コンデンサー用途での拡大と、半導体及び電子部品向け絶縁膜の開発に注力しており、顧客評価が進んでいます。
シリコン化合物では、反応性シリコーン材料の放熱材用途での採用拡大に加え、PFASフリー品(フッ素代替)への適用など、環境に配慮した材料としても採用が始まりました。この他新たな化合物の顧客評価も進んでおり、安定供給体制の構築も含め、グローバル市場への積極的展開に向けて開発体制を強化しています。

(2)アグリ・ライフイノベーション事業
アグリ・ライフイノベーション事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)高機能複合繊維の開発及び不織布の開発
b)肥効調節型肥料の開発
c)ライフケミカル製品の開発
繊維・不織布関連では、高機能複合繊維の開発と、エアスルー不織布・エレクトロスピニング法を用いたナノ繊維不織布や、これらの不織布を用いた複合製品の開発及び生産技術開発を推進し、衛生材料分野、産業資材分野等において新製品の提案に取り組んでいます。

エアスルー不織布では、孔開け不織布や格子状などの模様を付けた賦形不織布、機能性材料を塗布した不織布などを試作し、肌触りや通気性の良い不織布の開発を行っています。また、環境負荷の低減を目指し、バイオプラスチックを使用して開発した高機能複合繊維は、一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク商品認定を得ています。
肥効調節型肥料では、被膜の崩壊性を向上させた製品の拡販を進めています。
ライフケミカル製品では、バイオ医薬品やワクチンを精製するための液体クロマトグラフィー用充填剤(商品名:セルファイン)を展開しており、精製工程で使用される液体クロマトグラフィー用充填剤の全てを自社製品として販売しております。本製品については、経済産業省の「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されており、設備増強工事を進めています。また、新たな抗体医薬への適用拡大へ向けた開発を進め、新製品を市場に随時投入しています。更には、近年の遺伝子治療の需要の高まりを受け、ウイルスベクター精製用途へのアプリケーション拡充を図っています。
微生物検査用のシート培地では、新たに腸内細菌用グレードを市場投入し、採用の拡大を図っています。
天然系食品保存料であるポリリジンでは、コロナ禍に伴う公衆衛生、更には天然系素材への市場要望の高まりが継続しており、食品保存料としての用途と共に、非食品用途においても安全性の高い天然系抗菌剤や天然系カチオンポリマーとしての用途開発を進めています。

(3)ケミカルマテリアル事業
ケミカルマテリアル事業では主に以下の研究開発に取り組んでいます。
a)受託案件を契機とする、JNCオリジナルの高機能化学品の提案及び生産技術開発
b)最新の触媒技術を活用した老朽化設備への対応
c)カーボンニュートラルを目指したオキソ反応技術の開発
化学品事業部では、新たな事業の柱として受託合成を軸とした高機能有機化学品の生産技術開発を行っています。
この生産技術を基盤とした研究開発に加え、受託事業を活用して当社独自の化合物を顧客に提案し、高い評価をいただいております。また、老朽化した設備の更新に際しては、最新の触媒技術を駆使することで、より低コストでの対応を目指し検討を進めています。
更に、カーボンニュートラルへの貢献が今後ますます求められる中、化学品事業部ではこれらの課題に対応すべく、原料ガスからカーボンニュートラルを実現するオキソ反応技術の開発に積極的に取り組んでいます。

(4)コーポレートテーマ
高機能材料事業、アグリ・ライフイノベーション事業、ケミカルマテリアル事業、情報・通信、環境・エネルギー市場領域をターゲットとした新規用途、新商品の開発を推進しています。保有技術を活かした新たな市場開拓テーマとして、人工・合成皮革向けのコート液、セパレータ用耐熱塗工液の市場開発を行っています。既存製品に比べ高い性能が期待される次世代液体クロマトグラフィー用微粒子の開発を進め、学会・展示会での発表を開始しました。また、磁性ナノ粒子を利用した環境水中のウイルス分離技術を開発し、コロナウイルスだけでなく、他ウイルスへの適用を広げています。
成長分野である自動車・二次電池、半導体・情報通信、ライフケミカル関連で保有技術を活用した新商品・事業創出テーマを設定しています。高速通信分野では開発中の高周波基板用低誘電材料、アンテナ用液晶材料で多数ユーザーによる評価が進んでいます。PSQのシロキサン結合部に別セグメントを繋ぎ柔軟性と熱可塑性を持たせた独自の分子ネックレスポリマーは、半導体やLED周辺材料向けに展開を図っています。また、リチウム電池バッテリーの安全性向上に寄与する材料開発に取り組んでいます。

(5)研究開発支援部門
知的財産部、高機能材料開発研究所・未来技術研究所及び水俣製造所品質保証部の分析・基盤部門と共に以下の研究開発支援を推進しています。
a)知的財産支援
b)全社への研究開発支援としての分析・基盤研究
知的財産支援では、2024年度に43件の国内新規特許を出願しました。
研究開発支援では、新規開発テーマ及びライフケミカル関連材料について、高度な分析・解析技術により研究開発の推進に貢献しています。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00753] S100W3K7)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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