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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VYQ9 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社ダイセル 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、25,931百万円であります。
なお、当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

セグメント別の活動状況は以下の通りです。

(1) メディカル・ヘルスケア事業

当事業に係る研究開発費は2,654百万円であります。
[ヘルスケアSBU]
ヘルスケアSBUは、ヘルスケア分野において特徴ある素材や技術の開発を進めております。
コスメ事業領域では、サステナブルな素材を化粧品市場へ提供するため、天然原料を使用した酢酸セルロースの真球状微粒子「BELLOCEAⓇ」を開発、販売しております。2024年度、ECHA(欧州化学物質庁)の提案するマイクロプラスチック規制に対応可能な高い生分解性と感触を両立する微粒子「BELLOCEAⓇBS7」を上市いたしました。また、独自の製造技術を用いた高純度なクレンジング製剤向け界面活性剤(2品番)「P-PGLE MO04/MO06」(オレイン酸ポリグリセリル)を上市いたしました。
健康食品事業領域では、腸内細菌によって体内で生成される成分(腸内細菌代謝物)に着目した研究開発を行っております。2024年度は、ホップに含まれるポリフェノールの代謝物(8-プレニルナリンゲニン)含有素材を「アストロホップⓇ」という商品名で上市いたしました。

[ライフサイエンスSBU]
ファーマテックBUは、キラル事業がターゲットとする低分子合成医薬に加え、成長市場の中・高分子/バイオ医薬市場においてソリューションを提供いたします。光学分割用カラム事業は、新規製品の継続的開発・上市とテクニカルサービスの充実により世界トップシェアを維持しております。2024年度は、新規耐溶剤型キラルカラム製品第12弾CHIRALPAKⓇIN-3を上市いたしました。また、既存汎用カラムと差別化した当社独自の当社独自の一般分析用(アキラル)カラムについて、これらを用いたペプチド、核酸医薬などの中分子医薬、糖などの食品分野のアプリケーション開発、及び新規製品開発を進めております。バイオ事業では、再生医療分野におけるエクソソーム単離・精製装置の開発を行っております。社外協業先との検証結果を反映した試作機を製作し、上市へ向けた準備を進めております。
メディカル事業開発部は、「One Time EnergyⓇ」というエネルギー制御を基盤とした新規投与デバイス開発では、日米欧において医薬品の臨床試験への移行を目指すプロジェクト、および、複数の国内外の新薬大手メーカーや、ベンチャー企業との弊社デバイスを用いた評価実験、共同実験が進んでおります。また、並行して既存薬剤の投与に付加価値をつけた新しい治療用途の開拓も国内外の研究機関と進めております。

(2) スマート事業

当事業に係る研究開発費は5,016百万円であります。
スマートSBUは、快適なスマート社会に必要な技術・製品で、ソリューションを提供いたします。半導体、液晶パネル、エレクトロニクス、モビリティ向け材料市場及び、車載/モバイル端末を中心とした光学フィルム市場をターゲットにした研究開発を進めております。
ファンクショナルプロダクツBUでは、脂環式エポキシ樹脂、ポリカプロラクトン、ウエハーレベルレンズにおいて、市場が拡大する有望アプリを選定し、シェア向上の活動を継続しております。
アドバンストテクノロジーBUでは、車載ディスプレイ向け表面フィルムの新規上市、EUV向けフォトレジスト材料のユーザー展開及び後工程向けの樹脂の検討、溶剤の電子材料製造プロセスへのソリューション提案に関する技術開発を進めております。

(3) セイフティ事業

当事業に係る研究開発費は7,201百万円であります。
セイフティSBUは、一度だけ瞬時に、安全に、確実に、エネルギーを生み出す自社技術ならびにその技術を活用した製品群「One Time EnergyⓇ DAISIⓇ」と自動車安全領域で培ったノウハウを土台に、新たな安全安心を社会に提供いたします。自動車エアバッグ用インフレータ、それに使用するガス発生剤、イニシエータだけでなく、EV化に対応した車載用の電流遮断装置の量産開始(2025年8月)に向けて研究開発を継続しております。また、eVTOLや定置型蓄電池向けなどの自動車用途以外へのサンプルワークも実施しております。

(4) マテリアル事業
当事業に係る研究開発費は3,460百万円であります。
マテリアルSBUは、ダイセルの原点である素材事業で培った技術で地球規模のニーズに多様なソリューションを提供いたします。
アセチルBUでは、アセテート・トウなど、セルロース誘導体の品質、生産性の向上に取り組んでおります。また、海洋生分解性を有した酢酸セルロース樹脂CAFBLOⓇ(キャフブロ、Cellulose Acetate for Blue Ocean)を開発し、汎用プラスチック代替を目指した各用途に応じたグレード開発を進めております。

(5) エンジニアリングプラスチック事業

当事業に係る研究開発費は7,308百万円であります。
[ポリプラスチックス㈱]
世界に認められるエンジニアリングプラスチックNo.1のソリューションプロバイダーに向け、次世代自動車システム、Post 5G/6Gの最先端通信など、将来的なエンジニアリングプラスチックの成長が期待される市場をターゲットに、当社の価値提供型ビジネスの更なる高度化を推進いたします。また医療分野、ファインパウダー、3Dプリンター用途での市場開拓、長繊維強化材料、PEK等新事業での市場展開など新たな機能を提案すべく、ダイセルグループ内技術とのシナジー創出による新技術開発を行います。急速に高まるカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーに関するニーズに応えるべく、バイオ原料の活用やエンプラリサイクルチェーンの実現、低エネルギープロセスの創出など、環境負荷低減技術開発に注力いたします。グローバル市場展開の促進に向け、5拠点の海外テクニカルソリューションセンターとのネットワーク体制を強化し、引き続き中国市場を中心に新規市場開発案件の創出、ならびにコンセプト提案を進めます。
<2024年度上市グレード>
(PBT) ・GHB336:PBT/リサイクルPETアロイグレード
(LCP) ・LH135:コネクタ向け高流動GF強化グレード
・LH463M:コネクタ向け高流動低そりグレード
(LFT) ・RA627P:環境配慮型長繊維セルロース強化PPグレード

[ダイセルミライズ㈱]
社会や顧客の課題を解決する製品開発を進めております。顧客ニーズに即したリチウムイオン電池向けカルボキシメチルセルロース製品の開発、改良、モノマテリアルを訴求できる食品包装用新規バリアフィルムの開発、金属/異種材料接合技術「DLAMPⓇ」の用途開拓を進めております。

(6) その他事業

当事業に係る研究開発費は289百万円であります。
[ダイセン・メンブレン・システムズ㈱]
分離膜および膜装置システムの開発などを行っております。水処理および医薬分野における新規分離膜の開発に注力しており、特に排水再利用、有価物回収、食品濃縮に適した新規チューブラー膜の開発を進めております。

(7) コーポレート

当社では、新規事業創出のための研究開発や基盤研究をコーポレート部門が行っております。なお、コーポレート部門に係る研究開発費は、全報告セグメントに配賦しております。
[事業創出センター]
お客様に密着したカスタマーインの取り組みを通じて顕在化したニーズに対し、ダイセルグループが保有するコア技術や製品を応用することで、新事業の創出に繋げる企画立案および研究開発に取り組んでおります。爆轟技術で得られるナノダイヤモンドはCO2をCOに還元し再資源化を可能とするカーボンネガティブの実現に寄与する物質で、大学や外部研究機関と共同研究体制を構築し、社会実装に向けて歩みを進めています。また新規セルロース誘導体の開発では、グループ内から選抜した技術者で構成されるタスクフォースチームを設置し、これまでにない機能を有する素材の早期開発を目指します。

[リサーチセンター]
大学や公的研究機関との産学連携を積極的に進め、有識者との共同研究等により、中長期で求める新しい技術、機能、素材の基礎研究を進めております。ワンタイムエナジー利用に関する研究では、共同研究講座を開設していた熊本大学と2023年5月に包括連携協定を締結して、研究対象を「安全・安心」分野に加えて、「健康」、「便利・快適」、「環境」の分野へも拡充し、社内他部門も参画して共同研究に取り組んでおります。モノづくりにおける五感点検の強化に関する研究では、民間企業と共同で、遠隔制御システムと五感認識機能の機械化・判断技術を用いて、製造設備の日常点検・メンテナンス作業の在宅化に向けた検討を継続し、ステージアップのため2024年6月度にモノづくり革新センターに移管して、実装を進めています。

[バイオマスイノベーションセンター]
2050年のカーボンニュートラル達成にむけ、地球環境に優しいプロセスで、日本の豊富な森林資源、農業廃棄物などの余剰バイオマスから高機能・高付加価値な製品を創出する技術群の確立と、その技術を基に地域での地産地消のモノづくりによる地域創成、一次産業の活性化の実現に向けた具体的な連携を継続検討しております。

[無機複合実装研究所]
スマート社会実現に貢献する新たな素材開発を目的に、今後大きな成長が見込まれる次世代パワーデバイスや次世代通信規格6Gに求められる素材として無機有機複合材料に着目し、探索・基礎研究から顧客ニーズに基づく応用研究・開発まで幅広く取り組みました。

[評価解析センター]
評価解析技術では、微量有機成分の絶対構造解析技術として「結晶スポンジ法」の獲得、ミクロ・ナノ構造解析技術の強化(電子顕微鏡、X線CT、放射光施設の利活用)を進めております。

[生産本部生産技術センター]
当社グループ横断的な体制で新事業の工業化、既存製品の品質改善、プロセス改善、増産検討、プロセス革新による新規プロセス・技術構築の推進を加速し、地球環境と共生する循環型プロセス構築を図っております。特に酢酸セルロースおよび有機主力製品のプロセス革新による大幅なコストダウンおよび省エネルギー化のための技術の開発を進めております。さらに、カーボンニュートラルへの寄与を目指し、マイクロ流体デバイス技術、新規分離膜の開発を大学・外部研究機関と共同で取り組んでおります。

[デジタル戦略推進センター]
企画から事業化まで一貫した技術開発を実現し、マーケティング業務、エンジニアリング業務でのデジタルトランスフォーメーションを強化する取り組みを行っております。具体的には、IPランドスケープ活用のためのツール開発、プロセスシミュレーション、流体解析、計算科学、マテリアルズ・インフォマティクス等AI技術の充足を進めております。


BELLOCEAⓇ、ウロリッチⓇ、アストロホップⓇ、CHIRALPAKⓇ、One Time EnergyⓇ、DAISIⓇ、CAFBLOⓇ、DLAMPⓇは、株式会社ダイセルの日本およびその他の国における商標または登録商標です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00818] S100VYQ9)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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