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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YCK1 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 Umios株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループでは、「持続可能なタンパク質の提供」と「健康価値の創造」に向けて取り組んでおり、人や地球に優しく消費者志向のサステナブルな食の創出に必要な科学的なエビデンスを得るため、食品・水産素材に関する基礎研究から、事業化に向けた応用研究・技術開発まで、幅広い領域での研究開発に取り組んでおります。
特に、当中期経営計画で掲げている、消費者起点のバリューサイクルを最大化させて事業と商品の付加価値を高めるために、①フードテック領域、②マリンテック領域、③バイオテック領域、④デジタル領域の4つの研究領域に注力いたしました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は2,064百万円であり、特定のセグメントに区分できない研究開発費の各セグメントへの配賦額を含めたセグメント別の内訳は、水産資源事業465百万円、食材流通事業1,274百万円、加工食品事業605百万円、全社費用配賦差額△279百万円であります。

主なセグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果は次のとおりであります。

水産資源事業
世界的な人口増加と新興国の経済成長により、良質なたんぱく源である魚への需要が世界規模で急増し、水産、養殖分野の取組みの重要性が高まっております。特に、SDGs目標14「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」ことへの貢献を目指して、養殖魚の餌となる天然魚や魚粉原料をできる限り使用しない飼料開発に着目した研究や、魚類の生理機能を活用した飼育方法による生産性の向上等に取り組んでおります。おいしさの部分においても、呈味成分等を詳細に分析することで客観的な指標を見出し、更に高いレベルの品位を目指して改良を進めております。
沿岸域での海面養殖だけではなく、台風や赤潮等の自然環境に影響されにくく、残餌や糞により海洋環境を汚さない閉鎖循環型陸上養殖については、山形県遊佐町においてサクラマス陸上養殖実証試験に係る研究開発を進めております。現在、三菱商事株式会社との合弁による「アトランド株式会社」において取組みを進めているアトランティックサーモン陸上養殖の事業化に向けて、予備飼育検証試験も合わせて行っております。
物流メリットのある都市部近郊の港湾における養殖の可能性を検討し、魚病等の外乱に影響の少ない、閉鎖式海面養殖システムの確立に向けて、川崎重工業株式会社と技術的検証を進めております。実際に2025年度、神戸港においてこのシステムを用いたトラウトサーモンの飼育試験を行い、4月には水揚げとその魚の品質を確認しました。
海面養殖においても遺伝子情報を活用した高成長種苗の育種や魚類の生理機能を利用した高成長を目指した取組みを進めております。人工種苗率向上を目指し、国立研究開発法人 水産研究・教育機構との完全養殖マグロ育成に関する共同研究を推進し、クロマグロの人工種苗比率100%に向けて研究を進めております。また、各魚種の種苗生産技術向上を目指し、初期餌料に関する研究も社外関係先と協力して進めていく予定です。
このように、陸上海面各養殖業において、新しい形態の養殖システムの構築と既存養殖業態の効率化、生産性向上について取組みを進め、持続可能な養殖業の推進を目指して研究開発を進めていきます。
種苗生産研究では、「Umios Fish Lab株式会社」にて、2025年度は更なる技術の革新に取り組み、陸上施設内でブリ類の稚魚に大きな被害を与える特定の魚病に罹患していないSPF種苗の作出を行い、継続的に種苗導入先への魚病拡散防止と環境保全に取り組んでおります。主力研究対象魚のブリでは、完全養殖を達成しており、人工授精技術の確立と高成長系統の選抜育種・継代を進め、養殖の生産性を更に上げていきます。また、サンマを含む新魚種の研究開発も行っていく計画です。
水産・養殖現場では、AI(人工知能)、IоT(Internet of things)、ICT(情報通信技術)を活用して、生産性向上や省力化を目指した取組みを進めております。それら技術と水産・養殖現場の課題を適切にマッチングさせ、費用対効果がでるような技術開発を行い、これまでにAI画像認識技術を活用した魚の尾数をカウントするシステム「かうんとと」、更にその技術を発展させ、サイトグラスを利用して大量の稚魚を正確かつ高速に計数する装置及びIоTを利用した養殖向け環境モニタリングシステムを実用化しました。現在は、画像処理技術を応用した魚体計測システムやデータドリブンで養殖における意思決定をサポートするシステムの開発に取り組んでおります。なお、東京海洋大学が主催する「海洋AIコンソーシアム」に参加し、東京海洋大学の行う海洋AI・データサイエンス学位プログラムに関する支援を行い、インターンシップの学生の受け入れ等を通じて、海洋分野におけるAI・データサイエンスを先導する人材育成にも貢献しております。

食材流通事業
自然解凍冷凍食品、フローズンチルド商品等、多様な流通カテゴリーからなる当社商品に関して、商品の安全性担保のための基盤となる微生物制御技術の研究を進めております。独立行政法人製品評価技術基盤機構との共同研究では、近年注目を浴びているマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF MS)を用いた、食中毒原因菌であるセレウス菌(Bacillus cereus)の迅速かつ精密な識別・同定(菌種特定)法を2018年に確立いたしました。また、食品の賞味期限の設定及び微生物のリスクの評価においては、製品中の微生物の増殖速度が指標の1つとなりますが、さまざまな条件下でデータを取得するには、複数検体の準備やデータ測定に多大な作業時間と労力を要します。そこで、微生物の増殖に伴い発生する熱量を直接計測する「カロリメトリー法」を用い、セレウス菌の増殖速度を簡便に算出することで、食品中の微生物リスクを短時間で把握することに成功しました。本研究の発表論文は、2024年公益社団法人日本食品衛生学会より「食品衛生学雑誌第64巻論文賞」を受賞しました。これらの技術は、適切な賞味期限の設定につながり、安全・安心な食の提供、食品ロスの削減や経済的・環境的負荷の軽減に資するものと期待しております。今後も安全、安心な商品の提供に貢献するため、当社グループにおける高度な微生物管理を要する新商品の開発や生産等に活用してまいります。
生鮮魚の風味、物性の特徴を的確に捉え、重要な品質因子を特定することにより、生鮮魚の品質を高度に制御していく取組みを進めております。また、保水エビ、定塩鮭等の水産物原料の品質を維持・向上させるため、添加剤の検討や加工処理方法の技術改良を行い、製品品位の向上に取り組んでおります。更に、水産加工現場から排出される未利用資源の有効利用に関する技術開発を行い、環境負荷低減の取組みを進めております。
地球温暖化や海洋環境変化等に起因する水産物の供給量・価格の不安定化を背景に、将来的な水産資源の枯渇に備えた代替食品の技術開発を進めております。水産物代替食品の取組みとしては、イカを用いた水産物代替食品の開発に社内関連部署と連携しながら商品化を目指して取り組んでおります。また、水産物代替食品にとどまらず、畜産物代替食品の技術開発についても、今後更に本格的な展開を図り、代替食品の可能性を広げることを目指しております。

加工食品事業
食品の見た目、香り、味や食感等の特徴を理化学分析及び官能評価で数値化してプロファイリングを行い、栄養成分や物性等の美味しさに関わる科学的な要素を分析・比較することで、食品の特性を理論的にコントロールする取組みを進めております。
減塩しても美味しさが変わらない技術や噛みやすく飲み込みやすい食感(物性)を安定的に実現する介護食を製造するための技術の開発に取り組み、当社商品への応用展開を推進しております。また、当社が取り扱う加工原料の品質を可視化し、良質な素材の提供に向けた取組みを継続しております。
特定保健用食品は、身体の生理学的機能等に影響を与える保健機能成分(関与成分)を含み、特定の保健目的が期待できる旨の表示(保健の用途の表示)が認められた食品であり、その販売には、食品の有効性や安全性について国の審査を経て、許可を取得することが義務付けられております。当社では、長年にわたり研究を続けてきた魚油由来の健康成分であるDHAとEPAに関する研究成果をもとに、2004年に中性脂肪が高めの方を対象にした特定保健用食品「リサーラ」の販売を開始しました。また、日本人の死因で2番目に多い疾患である心血管疾患に着目し、2024年にはDHAとEPAを関与成分とし、心血管疾患に対するリスク低減効果の可能性を訴求する「疾病リスク低減表示特保」として国内で初めて許可を取得したフィッシュソーセージ「DHA入りリサーラソーセージω(オメガ)」を発売いたしました。疾病リスク低減表示特保とは、関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合に限り、「特定保健用食品(疾病リスク低減表示)」として消費者庁から許可されている食品であり、本製品は、疾病リスク低減表示の個別評価第一号に該当します。更に、2025年には動脈硬化性疾患のリスク低減効果を訴求したフィッシュソーセージ「DHA入りリサーラソーセージACE(エース)」についても、疾病リスク低減表示特保としての許可を取得いたしました。
また、機能性表示食品では、脂質研究を基盤として多くの医薬品を創製してきた小野薬品工業株式会社と協業し、エビデンスに基づく機能性脂質製品の商品開発に共同で取り組んでおります。具体的には、当社の水産加工現場から排出される未利用資源よりDHA結合型リン脂質を含むイクラ油を活用したサプリメントを共同で開発し、まず、睡眠の質を向上させ、あるいは一時的な活気・活力の向上と日中の眠気の軽減に役立つ機能があることを臨床試験で確認し、2022年3月機能性表示食品「レムウェル」(小野薬品ヘルスケア株式会社)が販売されております。更に、2025年3月には、認知機能の一部である記憶力、注意力、認知柔軟性、実行機能を組み合わせた機能性表示食品「サエフル」の届出が受理されました(現在発売準備中)。両社は、引き続きお互いの知見や事業ノウハウを有効活用し、食品と医薬品の間に位置する予防・未病の分野を開拓し、より多くの方の生涯にわたる健康の実現に貢献してまいります。
DHAに加え、当社が原料調達等での優位性を有する他の素材についても研究開発を推進しており、サケ白子に含まれるプロタミンの抗菌性を活用した口腔ケア等への応用研究、スケソウダラ由来魚肉タンパク質の機能性研究等、水産物由来の機能性成分に関する研究を推進しております。
また、新たな取組みとして、持続可能な“次世代の魚タンパク”の商業化生産を目指し、2021年8月に細胞培養スタートアップのインテグリカルチャー株式会社と「魚類」の細胞培養技術の確立に向けた共同研究を開始しました。同社は、細胞農業(細胞培養)が普及する世界の実現に向けて、培養コストの低減及び細胞培養の大規模化技術の開発を行う革新的な企業です。同社が独自に展開する食品グレード培養液と汎用大規模細胞培養システム “CulNet System™”は、これまで牛と家禽の細胞で有効性が確認されており、本研究ではこれらを新たに魚類の細胞にも拡張します。当社は、検証に必要な生きた魚(細胞)の提供を、加工は、一正蒲鉾株式会社が担い、3社での共同研究を推進しております。
更に技術面及び法整備を含めた世界的な事業環境の変化を見据え、2023年8月 UMAMI Bioworks Pte. Ltd.(本社:シンガポール)と協業契約を締結し、魚類の細胞培養技術の確立に向けた取組みを推進いたします。同社は、培養魚肉の自動生産プラットフォームの構築を進めるバイオテクノロジー企業であり、培養魚肉研究開発は、すでに実用化に近い段階にあり、試食可能な細胞性水産物の開発に成功しております。2025年には当社で、官能評価会を実施いたしました。シンガポールは細胞性食品における法整備の可能性や市場形成の展望が世界的にも有望視されており、当社は同社との協業を通じて、UMAMI Bioworksの細胞培養プラットフォームと当社の水産サプライチェーンを活用して、細胞性水産物の普及に向けた取組みを推進してまいります。
2023年1月からは、細胞性食品(いわゆる「培養肉」)のルール形成を担う一般社団法人日本細胞農業研究機構に参画して活動を進めております。当社は創業以来、良質な魚タンパクの供給を通じて人々の食と健康に貢献してまいりました。魚類細胞性食品の生産技術が実現できれば、世界中で高まる魚需要に対して、持続可能な次世代の魚タンパク質の提供が可能になると考えており、引き続きその実現に向けた研究開発を推進してまいります。
発売30周年を迎えたロングセラー商品「横浜あんかけラーメン」においては、調理手順の記載が複雑であり、特に高齢者を含む幅広い消費者にとって読みにくい表示があることが、使いやすさの観点から改善すべき課題となっておりました。当社は、筑波大学人間系「みんなの使いやすさラボ」の指導のもと、実際の消費者の参加を得た検証を実施いたしました。得られた結果と認知心理学の知見を活用し、重大な調理ミスを防ぐとともに直感的に理解しやすい表記を実現したパッケージ裏面デザインで、2025年秋にリニューアルいたしました。本取組みを通じて、世代間の認識差や情報設計の工夫が商品理解に与える影響を改めて確認することができました。今後も消費者起点の研究を積極的に推進し、お客さまにとって使いやすく、かつ新たな価値を提供できる商品開発を目指してまいります。

更に、水産・食品分野のソリューションカンパニーとして、関連学会での発表はもとより、関連セミナーにおける講師、理科授業の実施等、成果や技術力の情報発信に加え、社会に対する貢献活動に継続して取り組んでまいりました。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00015] S100YCK1)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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