有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100XT1R (EDINETへの外部リンク)
住友重機械工業株式会社 研究開発活動 (2025年12月期)
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「コア技術で豊かな社会を支え、CSVを実現する企業」をめざし、強靭な事業体の構築を進めております。この目標の達成に向け、成長分野への積極的な開発投資を実施しており、「ロボティクス・自動化」「半導体」「先端医療機器」「環境・エネルギー」を重点領域とし、「既存商品の深化」及び「新規商品の探索」を強力に推進しています。また、「機種技術」「基盤技術」「未来商品技術」「生産技術」の強化にも継続して取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発投資総額は311億円であり、セグメントごとの主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1) メカトロニクス
減・変速機事業につきましては、位置決め/モーション制御機能を搭載した「ACサーボドライブ GS-300シリーズ」を発売しました。近年、一般産業分野でもサーボ化が進み、減速機と組み合わせた用途での需要が増加しています。本製品は、単軸用途などのシンプルな制御や、駆動部の高応答性や小型化を目的としたインバータからの置換え等に最適です。サーボドライバにはモーション制御機能(PRモード)を搭載し、99個のプログラム運転を実現します。デジタル入力、RS-485通信入力に対応したプログラム実行により、PLC/モーションコントローラ(MC)の削減が可能です。また、組み付けが簡単なゼロバックラッシギヤヘッドの精密制御用サイクロ減速機「DAシリーズサーボモータ用ギヤヘッド」を発売しました。本製品は、高精度位置決めに適しており、工作機械や半導体製造装置など様々な機械に活用できるよう、コンパクト性を重視しました。1段形減速機構にサーボモータ軸をダイレクト連結させ、全長・外径寸法を大幅に短縮しました。これにより従来難しかった装置への取り付けが可能となりました。
環境面につきましては、環境にやさしい「ウルトラプレミアム効率(IE5)ギヤモータ(永久磁石形同期モータ)」を発売しました。IE5(ウルトラプレミアム効率)とは、モータの国際規格(IEC60034-30-2)で設定されている効率区分 IE1~IE5のうち、最も効率の高いクラスです。IE5モータを使用した対象製品を使用することで、消費電力やCO2排出力を大幅に抑えることが可能になります。
極低温・真空機器につきましては、超電導型量子コンピュータの冷却装置である希釈冷凍機の予冷用途で使用されるパルスチューブ冷凍機において、1.5WクラスRP-182シリーズの「空冷オプション」をリリースしました。量子コンピュータが設置されるデータセンター、特に既存施設では冷却水ユーティリティを有していない場合が多いため、チラー増設や漏水対策などが必須でしたが、本オプションによりユーザビリティを向上し導入時の大幅な負担軽減が期待されます。
また、量子暗号通信技術における重要なコンポーネントであるSSPD(超電導単一光子検出器)に使用される小型圧縮機CNA-11の19インチラック搭載可能モデルをリリースしました。量子ネットワークの普及にはシステムの小型化が必要とされており、本モデルのリリースによってラック収容性の向上、出荷及び設置工数の削減などの効果が期待されます。
マスク描画装置向けXYステージにつきましては、「CA-350L0」を市場投入しました。従来のCA-230シリーズからストロークを拡大することで、マスクの大型化への対応が可能となり、高精度位置決め性能と大型化の両立により、次世代半導体製造プロセスにおける生産性向上と微細化技術の進展に貢献いたします。
基板露光装置向けステージにつきましては、「SA-GⅡ-1450G0-RZCT」を市場投入しました。ステージ可動部に高重量ユニットを搭載した状態での高精度化を達成し、露光装置の生産性・解像度向上に貢献いたします。
制御コンポーネントにつきましては、印刷・塗工などのロールトゥロール向け電源ユニット「MD-200-PS」を市場投入しました。小型化要望に応え、DBU(Dynamic Blake Unit)と周辺回路を内蔵して多機能化と小型化を実現し、配線作業時間の短縮と制御盤の省スペース化で設置体積を最大約60%削減することが可能となり、作業効率化と生産性向上に貢献いたします。
当該部門に係る研究開発費は87億円であります。
(2) インダストリアル マシナリー
プラスチック加工機械につきましては、労働力不足の解消、生産性及び歩留まりの向上を目的として「量産中成形条件AI調整」を開発しました。本技術は、成形条件の調整が可能な人員が限られている状況や、無人運転中に外気温や樹脂ロット等の外乱により成形機が停止、不良が発生する課題に対応するものであります。成形条件を自動で調整し、規格範囲内に収まるよう制御することで、安定した生産を実現します。また、株式会社精工技研とは「SSIMC(SEIKOH GIKEN Co., Ltd. and Sumitomo Heavy Industries, Ltd. In-Mold Coating)」、株式会社岐阜多田精機及び丸加化工機株式会社とは「IMPe (In-Mold-Plus eco)」と呼ばれる型内塗装システムを共同開発しました。型内塗装システムは、従来の塗装・乾燥工程を金型内で完結させることで、CO2排出量や揮発性有機化合物VOCの削減に寄与し、環境負荷低減に貢献するとともに、高意匠性を兼ね備えた技術です。今後も、成形環境におけるサステナビリティ対応をさらに推進してまいります。
半導体製造用イオン注入装置につきましては、レーザアニール事業との統合を契機に顧客基盤の拡大を見据え、新規顧客への訴求性が高い製品の開発を進めています。2025年に高い生産性と注入精度を備えている次世代中電流装置を開発しました。現在、特定顧客による性能評価を実施して頂いています。
レーザ装置につきましては、主力商品の光源にエキシマレーザを採用した「LT-3100」は、他のエキシマレーザでは達成できない高パルスエネルギーと独自の光学設計を組み合わせ、チップ単位で均一性の高いアニール処理が可能となり先端半導体での適用が広がっています。現在、DRAMやNANDなどのメモリ市場はAI半導体の旺盛な需要にありますが、次世代メモリの製造工程で採用が決まっている「LT-3100」も増産の要求を受けています。
医療分野につきましては、藤田医科大学と深部がん治療の研究開発を目的としたBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)治療システム及びBNCT線量計算プログラムの導入に関する契約を締結いたしました。
今回の研究開発対象である次世代BNCTシステムは、当社が既に販売しているBNCTシステムの技術的知見を活かしつつ、一部仕様を改良することにより適応拡大を目的に性能向上を目指すものであります。次世代BNCTシステムの開発にあたっては、藤田医科大学及び協力企業とともに、これまでBNCTが抱えていた、安全かつ有効に中性子を到達させることが可能な深さの制限(体表面から6~8cmまで)を緩和し、より深部のがんへの適応が可能になるよう研究開発を進めていきます。当社は、BNCTのさらなる発展を目指す取り組みを通じ、がん治療の未来に貢献します。
金属加工分野につきましては、自動車ボディ骨格構造を革新する新たな成形プロセス「STAF(Steel Tube Air Forming)」を株式会社エイチワンへ導入することが決定しました。既に日系OEMでの量産向け採用が決定されたことで、欧米系OEMも採用が予定されており、株式会社エイチワンの今後の成長を牽引することが期待されています。今後さらに自動車パーツへの適用を加速させ、当社事業の柱の一つにしてまいります。
イオンビーム照射技術サービスにつきましては、SiCへの軽イオン照射による欠陥拡張抑制「SF-KHII(Stacking Fault Knocking-down by High-energy Ion Implantation)」の有効性を実証しSiCパワー半導体製造プロセスへの実装を実現しました。今回開発された「SF-KHII」は次世代パワーデバイスの信頼性向上や製造コスト削減に寄与することが期待されています。また、第86回応用物理学会より応用物理学会優秀論文賞を受賞しました。
精密空調機器につきましては、2次電池製造工程において低露点環境を実現する「ドライサーマル」で従来機から消費電力を約28%削減した省エネ型「TCL-203WUB」を市場投入しました。
当該部門に係る研究開発費は99億円であります。
(3) ロジスティックス&コンストラクション
物流/運搬荷役機械や建設機械に対する社会課題解決(環境負荷軽減、働き方改革、オペレータ不足等)への要請は高まっており、省エネ、電動化、遠隔・自動化、高効率化を技術革新により人と環境に優しい新商品開発を推進し、ライフサイクルでのソリューション力を継続的に進化させることで社会インフラを支えてまいります。運搬荷役機械につきましては、クレーン稼働データの可視化によって生産性向上を支援するDXツールである「SIRMS」を造船向けに販売し、昨年は拡張した機能をリリースし、より使いやすいシステムへと進化しました。
また、コンテナ港湾荷役に使用されるタイヤ式門形クレーン(RTG)において、労働環境を改善するため遠隔自動化を実現する商品(ARTG)を提供し、実績を多数積み重ね、改善を進めてきました。昨年は搭載するエンジン発電機をFC(燃料電池)へ換装可能なFC換装型のRTGを発売し、将来的にCO2排出量ゼロを目標とした開発も推進しています。
物流機械につきましては、物流倉庫のシステムの高度化を進めています。既に好評を頂いている「マジックラック」とAGF(Automated Guided Forklift)を連携させたシステムを市場投入しました。
機械式駐車場につきましては、2025年4月に改訂された安全機能に関する認証基準について、業界で初めて認証を取得し、従来以上に安全性を高めたシステムを市場投入しています。物流パーキング部門は、今後も自律・自動化商品の開発を進め、市場の要請に応えてまいります。
油圧ショベルにつきましては、フルモデルチェンジ機となる8型シリーズ(標準機7機種、ICT機1機種)を国内市場へ投入しました。周囲安全機能として衝突軽減システム「FVM3」を全機種の標準装備として採用、また、一部機種のオプション仕様としてダンプトラックへの積込み作業の効率向上と過積載の防止を実現できるペイロード機能を設定、ICT機においては作業効率を上げる旋回正対機能等の独自機能を採用、とお客様の施工効率と安全性の向上を実現しています。
自動化、無人化に向けた取り組みとしては、遠隔操作・自律運転ショベルの研究開発、カーボンニュートラルへ向けた取り組みとしては、電動ショベルにおける高効率化(低電費化)と操作性向上に関する研究開発を進めております。CSPI-EXPO(建設・測量生産性向上展)にて電動機135e、音声指示によるショベル操作・マニュアル検索機能等を出展し、来場者様から多くの質問、関心を頂き、当社の取り組みをアピールすることができました。
道路機械につきましては、舗装工事の自動化へ向けた取り組みとして自動ステアリング・自動スクリード伸縮装置ASTRA(アストラ)1.0 をオプション装着したアスファルトフィニッシャを発売開始しました。
当該部門に係る研究開発費は88億円であります。
(4) エネルギー&ライフライン
液化空気エネルギー貯蔵(Liquid Air Energy Storage)システムにつきましては、オフピーク時の電力や余剰電力の利用により空気を圧縮・冷却して液化空気としてタンクに貯蔵し、電力が必要になったときに、この液化空気を再気化させ発電タービンを駆動して電力供給を行う設備であります。揚水発電と同様に、比較的大容量・長時間の電力貯蔵に適しており、充放電時の電力需給調整に加え慣性力や調相機能を常時供給することで系統安定化にも寄与します。これにより、不安定電源である太陽光発電など再生可能エネルギー発電と組み合せることで、現在調整力として利用される化石燃料が使われる火力発電に代替できるものであります。広島ガス株式会社の廿日市工場敷地内に建設した実証プラントが完成し、2025年12月から同工場のLNG(液化天然ガス)の冷熱を空気の液化プロセスに利用した商用実証運転を開始しました。26年度は実証運転試験をさらに本格化させていきます。排水処理設備につきましては、独自の技術開発により高効率な処理能力を実現し、産業活動から排出される有機排水を資源(バイオガス)へと転換する嫌気処理システム「BIOIMPACT-AC」を2025年8月1日より販売を開始しました。特殊な構造の担体を用いることにより菌の付着量を大きく維持できることから、反応槽の容積当たりに処理できる有機物量が飛躍的にアップしました。これにより、従来の嫌気処理システムと比較して、設備費の削減、省スペースといった課題を実現し、効率的なバイオマス原料のエネルギー変換が可能となりました。今後は1号機の受注を目指すとともに、更なる市場拡大への実証試験を進めていく計画であります。
蒸気タービンにつきましては、国内ごみ発電用として、既に上市している小型高効率反動タービンと高効率長翼機を組み合わせた「小型反動翼搭載長翼機」を受注しました。受注に向けて、タービンブレード(高効率反動翼/長翼)の生産性向上に取り組み、改善を完了したことで受注につなげることができました。国内ごみ焼却発電市場では、近年高効率化ニーズが一段と高まっており、競争力強化による受注確率の向上が期待されます。
化工機につきましては、撹拌装置「MAXBLEND」を微生物培養・発酵用途向けに最適化したバイオリアクターにて、酵母培養において一般的なディスクタービン翼の装置と比較して8倍以上の生産性向上を達成しました。また、糸状菌や水素酸化細菌においても生産性向上を達成しました。カーボンニュートラル社会の実現へ向けて、バイオプラスチックやバイオエネルギー分野の発展に貢献いたします。
船舶・海洋構造物関連につきましては、事業構成の見直しを図っており、脱炭素エネルギー領域として洋上風力発電浮体及び風力推進システムの開発を進めています。サービス領域では船舶監視システム「AVEDAS」の機能拡張を行い、顧客や他造船所から多くの関心を頂いています。
また、引き続き厳しい新環境規則に適合した顧客にとって収益性の高い中型タンカーの建造及び、官・民各種船舶の修理事業を行っており、塗装技術や溶接技術の高度化のほか、DXを加味した生産管理の高度化にも取り組み、更なる品質と生産性の向上を実現しました。
当該部門に係る研究開発費は38億円であります。
(サイクロ及びサイクロ減速機は、住友重機械工業㈱の登録商標であります)
(STAFは、住友重機械工業㈱の登録商標であります)
(SF-KHIIは、住重アテックス㈱の登録商標であります)
(ドライサーマルは、日本スピンドル製造㈱の登録商標であります)
(SIRMSは、住友重機械搬送システム㈱の登録商標であります)
(マジックラックは、住友重機械搬送システム㈱の登録商標であります)
(FVMは、住友重機械工業㈱の登録商標であります)
(ASTRA及びアストラは、住友建機㈱の登録商標であります)
(BIOIMPACTは、住友重機械エンバイロメント㈱の登録商標であります)
(MAXBLENDは、住友重機械プロセス機器㈱の登録商標であります)
(AVEDASは、住友重機械マリンエンジニアリング㈱の登録商標であります)
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01533] S100XT1R)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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