有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YFE3 (EDINETへの外部リンク)
日本精工株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
(1)基本方針
当社グループは、企業理念で掲げている「円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざす」を実現するため、社会の変化やお客様のニーズを的確にとらえ、コアテクノロジー(トライボロジー(摩擦・潤滑)技術、材料技術、解析技術、メカトロ技術、生産技術)を駆使した製品の研究開発を進めています。高機能・新機能製品をタイムリーに市場へ供給することで、より豊かな社会の実現と省エネルギーやCO2排出量削減など地球環境の保全を図り、持続可能な社会の実現に貢献します。特に研究開発では、『中期経営計画2026』において既存製品の商品力強化と新商品の創出・新事業の拡大に取り組んできました。次期『中期経営計画2028』では、既存事業において安定した収益を生み出し続けながら、新事業・新領域において更なる成長を続けることを意味する“Bearings & Beyond”のもと、トライボロジー理論の追求と実装を通して、既存事業における小型・軽量化、特殊環境への対応や低摩擦など当社の技術の強みを活かした差別化製品を拡大していくとともに、ロボット向けアクチュエータなどのユニット製品の開発や技術サービスの提供に挑戦することでより多くの顧客に価値を提供していきます。
(2)研究開発の状況
①コアテクノロジーカーボンニュートラル社会の実現に向けた低摩擦や小型・軽量化、電動化に伴う高速性・静音性の向上、水素などの特殊環境下も含めた耐久性など、高度化する要求にスピーディに応えていくために、リアルデジタルツイン(注)やオープンイノベーションを活用してコアテクノロジーの強化に取り組んでいます。
これらの成果の一例として、軸受開発で培った潤滑剤の劣化抑制技術を応用した、食用油の酸化劣化を抑制する技術の量産開発を完了し、実用化しました。本技術は革新性が高く評価され、「2025年“超”モノづくり部品大賞」において「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞しました。
また、東京科学大学と2023年に設立した「NSKトライボロジー協働研究拠点」では、軸受に求められる更なる低摩擦と長寿命に対して最適な軸受設計を可能とするために、軸受内の接触域において油膜が破断するまでの時間を潤滑寿命と定義した理論的な潤滑寿命式の導出に取り組んでいます。2025年は本研究に関して7件の成果を学会発表しました。
(注) リアルな現象を再現して詳細に把握し、そのカラクリを推理してデジタル上にモデル化することにより、リアルとデジタルの両面から目に見えない本質を理解し、エンジニアの創造性を高め、既成概念を打ち破るようなソリューションを生み出すことを目指す当社独自の取り組み。
事業別の研究開発の状況は以下のとおりです。
②産業機械事業
電動化・自動化・デジタル化の進展により高度化する産業構造に対し、工作機械、半導体製造装置、ロボティクス、エネルギー、ライフサイエンスなど多岐にわたる領域で、コアテクノロジーを融合させた総合技術力を基盤に、高信頼性・高精度・省エネルギーを支える高付加価値製品および再生可能軸受や状態監視ソリューションを組み合わせたPLM(Product Lifecycle Management)の拡充に取り組んでいます。
ロボティクス領域では、電源ソリューションに強みを持つデルタ電子と協業し、ヒューマノイドロボット向けに適用可能な「ロータリーアクチュエータ」及び「リニアアクチュエータ」を開発しました。ロータリーアクチュエータは、超薄肉軸受の最適配置によりロボットの関節部用として他社比30%増のトルク密度となる小型・軽量化を実現しました。リニアアクチュエータには逆作動性に優れるボールねじを採用しロボットの腕・脚部用として高いバックドライバビリティを実現するとともに、高密度・高放熱レイアウトにより他社比30%増の推力密度となる小型・軽量化を実現しました。また、整備されていない屋外路面でもサービスロボットの安定した走行性能を確保する「リンク式サスペンション」の技術検証を完了しました。今後は教育機関や飲食店などさまざまなユースケースで実証実験を行い2027年内の市場投入を目指します。そのほか、横浜国立大学と協創して、ロボットハンドなどでの繊細な触覚伝達を可能にする「バイラテラルギア」を開発しました。独自の軸受最適化技術により摩擦を大幅に低減させることで小型でありながら広範囲のトルク制御機能を可能とする高効率な伝達機構を実現しました。「2025年国際ロボット展」ではこれらの新製品に加え、高精度直動製品、精密減速機、デジタルツイン/予知保全ソリューションなど幅広い最新技術を公開し、高い評価を得ました。
半導体製造装置領域では、機械要素部品の使用時に発生する微粒子の量を著しく低減することで2nm以細を狙う次世代半導体の製造プロセスにおける高い清浄度要求に対応した「超低発塵ボールねじ・NSKリニアガイド」と、サブミクロン精度の位置決めを実現するとともに生産工程の高スループットに貢献する「高精度アライメントテーブル」を「SEMICON Japan 2025」に出展し、高い評価を得ました。
今後も、市場のニーズと新たな技術革新に応えるべく、コアテクノロジーとデジタルを融合させて産業の可能性を拡げるとともに、ステークホルダーとの共創を通じて成長分野・先端技術市場である宇宙領域、エアモビリティ領域、AI/自動化領域にも注力し、産業機械の未来を支える高付加価値製品・サービスの創出に取り組んでいきます。
③自動車事業
自動車の電動化や自動化の進展、モビリティとしての多様化も進む中で、自動車の環境性能、安全性、快適性の向上に貢献する製品・技術の開発に全方位で取り組んでいます。
環境性能に関しては、eAxleやハイブリッドシステムなどの電動駆動ユニットの電食やEMC(電磁両立性)への対策に貢献する「導電バイパスプレート」を開発しました。独自開発の導電ペーパとスプリング構造により、世界最高水準の導電性と省スペースを実現しました。また、大型ピックアップトラックなどの高重量車両の燃費・電費改善に貢献する「超低フリクション円すいころハブユニット軸受」を開発しました。トライボロジー技術や解析技術を駆使してシールとシールグリースを新たに開発するとともに、軸受内部の最適化により従来比で約52%のフリクション低減を実現しました。
安全性に関しては、電動油圧ブレーキシステム向けに、当社独自の循環溝一体技術や軸回転方式、高耐久素材を採用したボールねじを新開発し量産を開始しました。今後もブレーキシステムの小型・軽量化と高信頼性に貢献します。また油圧機構が不要となる電動メカニカルブレーキ向けのボールねじの開発にも取り組んでいます。
快適性に関しては、長年培ったボールねじ技術を応用した次世代電動サスペンションの開発を進めています。高効率なボールねじとモータ技術の融合により、高度な車両姿勢制御やエネルギー回生などの新たな価値を提供していきます。
今後も、自動車の電動化や自動運転に貢献する要素部品やメカユニットの開発を進めるとともに、センサやモータを組み合わせたアクチュエータの開発を加速させていきます。
④ステアリング事業
ステアリング事業は、電動車両の普及に伴う車両重量の増加および操舵負荷の増大などの市場環境変化に対応するため、高出力・軽量コラムEPS(電動パワーステアリング)、シングルピニオンEPS及びデュアルピニオンEPSを中心に、高出力化と軽量化を両立したEPSシステムの開発・改良を進めています。また、次世代操舵技術として、ADAS(先進運転支援システム)及び自動運転の高度化に求められる高信頼性・冗長性を備えたステアバイワイヤシステムの開発にも取り組んでいます。
当連結会計年度の当社グループにおける研究開発費は17,231百万円であり、その内訳は、産業機械事業8,558百万円、自動車事業6,280百万円、ステアリング事業2,077百万円、その他313百万円です。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01600] S100YFE3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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