有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YJ6A (EDINETへの外部リンク)
セイコーエプソン株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
(1)研究開発の考え方と体制
エプソンは創業以来、「省・小・精」の技術を核とした独自の技術力を強みに、社会に価値を提供してきました。これまで長期ビジョン「Epson 25 Renewed」のもと、社会課題の解決を起点とした技術開発へとシフトし、持続可能な社会の実現に貢献することを目指してきました。
技術開発においては、顧客価値や事業性を踏まえ、当社の技術的実力と現場で培った知見を掛け合わせながら、複数の選択肢を比較検討し、開発シナリオを設計する取り組みを継続してきました。これにより、研究開発成果の事業への接続と社会実装を加速し、開発の確度とスピードの両立を図ってきました。
エプソンは、新たに策定した長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」のもと、「省・小・精」の技術・思想を基盤として、精密技術と現場で培った知見を掛け合わせ、最適解を産業と社会に実装していく考え方を明確にしています。また、成長を牽引する領域に経営資源を集中し、その成果を確実に企業価値へつなげていく方針です。
研究開発体制は、2026年4月1日付の組織変更により、従来の技術開発本部体制を見直し、三つの開発センターへ再編しました。三つの開発センター(材料・加工プロセス開発センター、MEMS・デバイス開発センター、AI開発・分析技術センター)を中核に、技術の出口にあたる事業責任者が各センターの責任者を兼任することで、事業戦略と開発の方向性を一致させ、技術の強みの最大化と成長を加速させます。
材料・加工プロセス開発センターおよびMEMS・デバイス開発センターは、事業戦略と連動した中長期技術開発を担当し、AI開発・分析技術センターは全社共通基盤として、AI技術と分析・CAE技術を最大活用し全事業に対する技術開発を支援します。
各事業の製品開発および事業化に直結した技術開発と、全社に共通した技術基盤の高度化を両輪で推進し、全社一体となって技術革新と社会実装による価値創出に取り組んでまいります。
(2)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費総額は468億円であり、売上収益の3.3%にあたります。各セグメントの内訳は、プリンティングソリューションズ事業が227億円、ビジュアルコミュニケーション事業が73億円、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業が47億円、その他および全社が122億円です。なお、その他および全社の研究開発費には、事業強化や新規事業創出のための技術基盤の構築に必要な研究開発などを含みます。
■セグメント別研究開発費(2025年度)
(3)セグメント別の研究開発の目的および成果
以下では、当連結会計年度における各事業セグメントの研究開発について、価値創出と技術の社会実装につながる取り組みとして、その目的および成果を記載しています。
①プリンティングソリューションズ事業セグメント
当領域は、インクジェット技術・紙再生技術と「省・小・精」をベースとするイノベーションにより、印刷のデジタル化・生産性と利便性の向上・環境負荷低減を主導することを目指しています。
エプソン独自のインクジェット技術「Heat-Free Technology」による商品ラインアップの拡大、ソリューションの提供を進め、新興国での需要創出、環境負荷低減に資するレーザープリンターからインクジェットプリンターへのテクノロジーシフトの実現に取り組んでいます。
この方針に基づき、エコタンク搭載モデル「EW-M678FT」「EW-M638T」を発売しました。これまでの大容量インクタンク搭載による低印刷コストやコンパクトな設計を維持しつつ、印刷スピードと耐久性が向上しました。あわせて、本体前面に独立配置したインクタンクによるインク補充の簡易化、お知らせLED、排紙トレイ自動オープン機能および用紙残量を確認できる確認窓の採用等により、利便性を高めました。テレワークや家庭内での学習用途のほか、飲食店のバックヤード等におけるビジネス用途での利用をサポートします。
加えて、プリントやコピーの使用状況に応じたプランや機器を選べる「エプソンのスマートチャージ」の新商品として、A3カラーラインインクジェット複合機/プリンター「LX-C10060」を発売しました。100枚/分(※1)の高速印刷により大量出力業務においても高い生産性を確保するとともに、既存のシリーズの操作パネルを踏襲したことで操作性を向上させています。さらに、大容量インクカートリッジの搭載によりインク切れによるダウンタイムを軽減するほか、新たにSRA3サイズ(※2)対応の大容量給紙ユニットなどの拡張オプションに対応することで、業務効率化から大量出力まで幅広いニーズに応える柔軟な運用が可能です。あわせて、従来のスマートチャージ対応モデルと同様に低消費電力設計を実現し、CO2排出量を抑制することで、お客様の環境負荷低減に貢献します。
※1 A4横片面。印刷スピード算出条件は下記参照
https://www.epson.jp/products/printer/sokutei.htm#bizprinter09
※2 A3サイズより一回り大きい用紙サイズ(320mm×450mm)
当領域は、エプソンのコア技術であるインクジェットヘッド・インク・インクシステム・画像処理・メカ・エレキ・ソフトウエアを最大限活用し、印刷のデジタル化・生産性と利便性の向上・環境負荷低減を主導することを目指しています。印刷現場の業務効率化を支援し、アナログ印刷からデジタル印刷へのテクノロジーシフトの実現に取り組んでいます。
この方針に基づき、ラベル印刷業において高まっている「短納期」「多品種」「高付加価値」への対応ニーズに応えるため、高品質と高生産性を両立するSurePressシリーズのフラッグシップモデル「L-5034」の受注を開始しました。現行機種(※3)比での印刷スピード向上と高画質化によって短納期対応と高付加価値印刷を両立したほか、自動ノズル補完システムと自動ヘッドメンテナンス機能による長時間安定稼働、新開発の「SurePress AQインク T5」(※4)と「SurePress AQオプティマイザー」(※5)の搭載による鮮やかな色再現および紙・フィルム等への幅広い基材対応を実現しました。
加えて、エコソルベントインク搭載プリンター「SC-S8150」を発売しました。新プリントヘッドの採用により、従来機(※6)比で印刷スピードを約33%向上させるとともに、ホットスワップ対応によって印刷を停止することなくインク交換が可能となったことで、長時間稼働時における生産性維持と業務効率化に貢献します。さらに、800mlおよび1,500mlの2種類のインク容量に対応することで、使用環境や出力条件に応じた柔軟なコスト管理を可能としました。印刷品質の面では、ライトシアンとライトマゼンタインクの追加によりグラデーションの表現力を高めるとともに、「テキストシャープネス」機能により文字の輪郭をより鮮明に印刷できるようにしました。また、「ノズルインク温度センサー」を搭載し、長時間連続印刷時においても安定した色再現性を保ちます。
※3 「L-4733A/AW」
※4 広色域と高い耐候性を兼ね備えた新開発の水性顔料インク
※5 印刷素材に応じて最適な仕上がりを実現する補助液(紙用・フィルム用)。乾燥炉と組み合わせることで、
従来の水性インクでは難しかった高速印刷と高画質を両立
※6 「SC-S60650」「SC-S60650L」
②ビジュアルコミュニケーション事業セグメント
当領域は、感動の映像体験と快適なビジュアルコミュニケーションで人・モノ・情報・サービスをつなぎ、「学び・働き・暮らし」を支援することを目指しています。そのために、高画質な大画面を実現するレーザー光源採用の高輝度プロジェクターの開発や、スマート化により使用環境・用途・シーンを拡大する設置性の高いホームプロジェクターの開発に取り組んでいます。
この方針に基づき、ビジネスプロジェクターでは、レーザー光源プロジェクター「EB-L800シリーズ」を開発し、従来機の7,000lm/WUXGAに対し、8,000lm/4K(※7)への高輝度・高精細化を実現しました。特に、短投写距離レンズの追加と全レンズでのレンズシフト/ズーム対応により、設置自由度を大幅に向上させました。これにより、会議室や講義室に加え、体育館等の大空間でも柔軟な設置が可能となりました。また、AirPlayおよびスクリーンミラーリングに対応し、ワイヤレス接続機能を強化することで、設置性と運用利便性の両面から幅広い用途への対応力を強化しました。
家庭用プロジェクターでは、デザイン性や設置性に優れた「EF-72」を発売しました。Google TVTM(※8)内蔵で、Sound by Boseテクノロジー搭載スピーカーの高音質サウンドとともにストリーミングを楽しめます。また、フット付きのため投写角度を自由自在に調整可能で壁や天井への投写に対応しているほか、プロジェクターとして利用しない時も間接照明としての利用が可能です。
※7 シフト技術を採用した4K相当の解像度
※8 他者商標の帰属先は下記参照
www.epson.jp/trademark/
③マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント
当領域は、環境負荷に配慮した「生産性・柔軟性が高い生産システム」を共創し、ものづくりを革新することを目指しています。
この方針に基づき、製造業に加え、ライフサイエンス分野や製薬業界での活用を見据えた人協働ロボットを開発しました。製造業では熟練労働者減少に対する課題意識や生産性向上のニーズが高まり、ライフサイエンス分野では高精度かつ再現性の高い作業に加えてコンタミネーション(汚染)を防ぐための厳格な衛生管理が求められています。また、製薬業界や研究所では、繊細な作業を安全かつ清潔に行う必要があります。これらのニーズに対応するため、クリーンルーム対応・高精度制御・直感的な操作性を備えた人協働ロボットを通じて、製造業の多様なニーズに応えるだけでなく、ライフサイエンス分野などの需要にも対応し、より多くの業界における生産性向上と作業の自動化を支援します。
加えて、エプソンロボット総合ソフトウエアEpson RC+8.0の最新バージョン「Ver.8.1.0.×」をリリースしました。Epson RC+ソフトウエアを使用することで、セットアップ、操作および定期的なメンテナンスのための制御プログラムを簡単に開発することができます。最新バージョンでは、お客様の開発スタイルや課題に応じて4つのエディションのなかからの選択が可能となりました。お客様の自動化アプリケーション開発に新たな価値を提供し、未来のものづくりをともに切り拓いてまいります。
当領域は、匠の技能、センシング技術を活用したソリューションを共創し、お客様の多様なライフスタイルを彩ることを目指しています。ウオッチ分野では、感性に訴えるデザイン・高品質な商品を、お客様に共感いただけるブランド価値として提供すること、センシング分野では、センシング技術や分析アルゴリズムを活用した新たなソリューションの共創に取り組んでいます。
ウオッチ分野では、「Orient Star」のコンテンポラリーコレクションM34から、オリエントスター75周年を記念するモデル「M34 F8 スケルトン ハンドワインディング」を発売しました。ペルセウス座流星群をデザインテーマとした独創的なスタイリングに加え、先進のスケルトンムーブメントに施されたメテオライト(隕石)調の新しい仕上げが、宇宙へのロマンや知的探求心を呼び覚まします。暗い宇宙空間を思わせる黒メッキ仕上げのケースやバンドが明るいスチール色のベゼルや裏ぶた、りゅうずとコントラストを成して、デザインをさらに引き立てます。MEMS加工技術によるシリコン製がんぎ車を搭載した高精度な自社製手巻きF8B61ムーブメントをベースに、特別仕様のF8B65ムーブメントを搭載しました。
加えて、「Orient」のコンテンポラリーコレクションを代表する新シリーズ「オリエントストレット」から75周年記念の数量限定3モデルを発売しました。グレーのニュアンスカラー文字板は、円弧を描いた特長的な放射仕上げや立体的な楔型インデックスと調和して、「オリエントストレット」シリーズの都会的なデザインが一段と際立ちます。短時間でフル巻き上げが可能な両方向巻き上げ式の自動巻きで、日差+25~-15秒の精度と40時間以上の安定した持続時間を実現する自社製ムーブメントを搭載し、5気圧防水が備わるケースと合わせて、オン・オフを問わず日常のさまざまな場面で快適に使用できます。
当領域は、AI時代のデータインフラを支える中核技術として、社会課題の解決と技術革新の実装に取り組みます。AIの発展により価値は「モノ」から「コト」へ、資源は「資材」から「データ」へとシフトしています。これに伴い、AIサーバーを頂点とするデータインフラでは、電力供給の逼迫が大きな制約となりつつあります。
エプソンは、高精度タイミングデバイスによりデータ転送の効率を高め、消費電力あたりの処理・通信効率向上に貢献します。加えて、現実世界の膨大なデータを小型・低コストのセンシングデバイスで収集し、AI活用の裾野を拡大します。
水晶技術と半導体技術の融合による「省・小・精」のデバイス進化を通じて、タイミングとセンシングの両面からデータインフラの持続的な発展を支えます。
タイミングデバイス分野では、高精度で小型の温度補償型水晶発振器(TCXO)「TG1210SRN」「TG1210STN」を開発しました。GNSSをはじめとする高精度位置情報システムや、ウエアラブル機器、IoTデバイス市場の拡大により、高精度かつ低消費電力のタイミングデバイスへの需要が高まっています。加えて、通信モジュールやFA機器、データセンター向け用途においても、高温度環境下で安定した周波数温度特性を有するTCXOの需要が高まっています。こうしたニーズに応え、幅広い動作温度範囲において高精度な周波数温度特性を実現しました。また、従来品比63%の体積削減となる小型パッケージ化とスタンバイ機能搭載により、省スペース化および長時間駆動に貢献します。
半導体デバイス分野では、海外を中心にヘッドアップディスプレイ(HUD)搭載自動車の需要が高まるなか、AR-HUD(※9)の表示情報増加に伴うHUDの高解像度化により視認性や消費電力が課題となっていることから、これらに対応する高解像度HUD向けコントローラIC「S2D13V43」を開発しました。Host(SoC ※10)から入力される2K映像データに対応し、外付けメモリなしで自動車のフロントガラス曲面に合わせた歪み補正や、Local Dimmingによる映像解析と表示内容に合わせたバックライト制御が可能で、HUDやその他の車載ディスプレイにおける映像の視認性向上や低消費電力化に貢献します。加えて、エプソンの既存HUD向けコントローラIC製品と同様に、ピッチ補正機能や表示安全機能を備えており、より信頼性の高いHUDシステムの構築に寄与します。
センシングデバイス分野では、低ノイズ・小型3軸加速度センサー「M-A370AD10」を開発しました。エプソン独自の微細加工技術(※11)を用いた水晶加速度センサー素子とデジタルIP技術(※12)により低ノイズ性能を達成したほか、高いバイアス安定性と広いダイナミックレンジを実現し、極微小地震計測や常時微動を利用した地盤構造探査、建設物の長期的な傾き監視に適しています。さらに、低パワーかつデジタル出力により計測システムの簡素化を可能とし、組み込み可能な加速度センサーのラインアップ拡充によってシステムの信頼性を高め、自然災害やインフラ老朽化といった社会課題の解決に対応し、社会インフラの信頼性維持に貢献します。
※9 拡張現実(Augmented Reality)技術により、走行情報などを実際の風景に重ねて表示するHUD
※10 System on a chipの略。CPUなどの機能を一つの半導体チップに集約したもの
※11 水晶を微細加工し、水晶振動子による加速度検出を行う技術
※12 周波数を高速・高精度に検出するデジタル回路技術
④その他および全社
当領域では、各事業セグメントに共通する生産技術の高度化、DX基盤の強化、事業競争力を支える基礎研究、事業成長に向けた先端技術の研究開発に取り組んでいます。
例えば、エプソンは国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が採択した「次世代エッジAI半導体研究開発事業」に参画し、大学・企業との共創を通じて次世代半導体技術の研究開発を推進しています。本事業では、東北大学等と連携し、次世代エッジAI半導体に不可欠な「3Dヘテロ集積技術」の研究開発に取り組んでいます。エプソンは、長年培ってきた低消費電力の半導体技術と高密度実装のノウハウを融合させることで、高性能・高機能なエッジAI半導体の実現に貢献してまいります。
エプソンは創業以来、「省・小・精」の技術を核とした独自の技術力を強みに、社会に価値を提供してきました。これまで長期ビジョン「Epson 25 Renewed」のもと、社会課題の解決を起点とした技術開発へとシフトし、持続可能な社会の実現に貢献することを目指してきました。
技術開発においては、顧客価値や事業性を踏まえ、当社の技術的実力と現場で培った知見を掛け合わせながら、複数の選択肢を比較検討し、開発シナリオを設計する取り組みを継続してきました。これにより、研究開発成果の事業への接続と社会実装を加速し、開発の確度とスピードの両立を図ってきました。
エプソンは、新たに策定した長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」のもと、「省・小・精」の技術・思想を基盤として、精密技術と現場で培った知見を掛け合わせ、最適解を産業と社会に実装していく考え方を明確にしています。また、成長を牽引する領域に経営資源を集中し、その成果を確実に企業価値へつなげていく方針です。
研究開発体制は、2026年4月1日付の組織変更により、従来の技術開発本部体制を見直し、三つの開発センターへ再編しました。三つの開発センター(材料・加工プロセス開発センター、MEMS・デバイス開発センター、AI開発・分析技術センター)を中核に、技術の出口にあたる事業責任者が各センターの責任者を兼任することで、事業戦略と開発の方向性を一致させ、技術の強みの最大化と成長を加速させます。
材料・加工プロセス開発センターおよびMEMS・デバイス開発センターは、事業戦略と連動した中長期技術開発を担当し、AI開発・分析技術センターは全社共通基盤として、AI技術と分析・CAE技術を最大活用し全事業に対する技術開発を支援します。
各事業の製品開発および事業化に直結した技術開発と、全社に共通した技術基盤の高度化を両輪で推進し、全社一体となって技術革新と社会実装による価値創出に取り組んでまいります。
(2)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費総額は468億円であり、売上収益の3.3%にあたります。各セグメントの内訳は、プリンティングソリューションズ事業が227億円、ビジュアルコミュニケーション事業が73億円、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業が47億円、その他および全社が122億円です。なお、その他および全社の研究開発費には、事業強化や新規事業創出のための技術基盤の構築に必要な研究開発などを含みます。
■セグメント別研究開発費(2025年度)
| セグメントの名称 | 研究開発費(億円) |
| プリンティングソリューションズ事業 | 227 |
| ビジュアルコミュニケーション事業 | 73 |
| マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 | 47 |
| その他および全社 | 122 |
| 合計 | 468 |
(3)セグメント別の研究開発の目的および成果
以下では、当連結会計年度における各事業セグメントの研究開発について、価値創出と技術の社会実装につながる取り組みとして、その目的および成果を記載しています。
①プリンティングソリューションズ事業セグメント
当領域は、インクジェット技術・紙再生技術と「省・小・精」をベースとするイノベーションにより、印刷のデジタル化・生産性と利便性の向上・環境負荷低減を主導することを目指しています。
エプソン独自のインクジェット技術「Heat-Free Technology」による商品ラインアップの拡大、ソリューションの提供を進め、新興国での需要創出、環境負荷低減に資するレーザープリンターからインクジェットプリンターへのテクノロジーシフトの実現に取り組んでいます。
この方針に基づき、エコタンク搭載モデル「EW-M678FT」「EW-M638T」を発売しました。これまでの大容量インクタンク搭載による低印刷コストやコンパクトな設計を維持しつつ、印刷スピードと耐久性が向上しました。あわせて、本体前面に独立配置したインクタンクによるインク補充の簡易化、お知らせLED、排紙トレイ自動オープン機能および用紙残量を確認できる確認窓の採用等により、利便性を高めました。テレワークや家庭内での学習用途のほか、飲食店のバックヤード等におけるビジネス用途での利用をサポートします。
加えて、プリントやコピーの使用状況に応じたプランや機器を選べる「エプソンのスマートチャージ」の新商品として、A3カラーラインインクジェット複合機/プリンター「LX-C10060」を発売しました。100枚/分(※1)の高速印刷により大量出力業務においても高い生産性を確保するとともに、既存のシリーズの操作パネルを踏襲したことで操作性を向上させています。さらに、大容量インクカートリッジの搭載によりインク切れによるダウンタイムを軽減するほか、新たにSRA3サイズ(※2)対応の大容量給紙ユニットなどの拡張オプションに対応することで、業務効率化から大量出力まで幅広いニーズに応える柔軟な運用が可能です。あわせて、従来のスマートチャージ対応モデルと同様に低消費電力設計を実現し、CO2排出量を抑制することで、お客様の環境負荷低減に貢献します。
※1 A4横片面。印刷スピード算出条件は下記参照
https://www.epson.jp/products/printer/sokutei.htm#bizprinter09
※2 A3サイズより一回り大きい用紙サイズ(320mm×450mm)
当領域は、エプソンのコア技術であるインクジェットヘッド・インク・インクシステム・画像処理・メカ・エレキ・ソフトウエアを最大限活用し、印刷のデジタル化・生産性と利便性の向上・環境負荷低減を主導することを目指しています。印刷現場の業務効率化を支援し、アナログ印刷からデジタル印刷へのテクノロジーシフトの実現に取り組んでいます。
この方針に基づき、ラベル印刷業において高まっている「短納期」「多品種」「高付加価値」への対応ニーズに応えるため、高品質と高生産性を両立するSurePressシリーズのフラッグシップモデル「L-5034」の受注を開始しました。現行機種(※3)比での印刷スピード向上と高画質化によって短納期対応と高付加価値印刷を両立したほか、自動ノズル補完システムと自動ヘッドメンテナンス機能による長時間安定稼働、新開発の「SurePress AQインク T5」(※4)と「SurePress AQオプティマイザー」(※5)の搭載による鮮やかな色再現および紙・フィルム等への幅広い基材対応を実現しました。
加えて、エコソルベントインク搭載プリンター「SC-S8150」を発売しました。新プリントヘッドの採用により、従来機(※6)比で印刷スピードを約33%向上させるとともに、ホットスワップ対応によって印刷を停止することなくインク交換が可能となったことで、長時間稼働時における生産性維持と業務効率化に貢献します。さらに、800mlおよび1,500mlの2種類のインク容量に対応することで、使用環境や出力条件に応じた柔軟なコスト管理を可能としました。印刷品質の面では、ライトシアンとライトマゼンタインクの追加によりグラデーションの表現力を高めるとともに、「テキストシャープネス」機能により文字の輪郭をより鮮明に印刷できるようにしました。また、「ノズルインク温度センサー」を搭載し、長時間連続印刷時においても安定した色再現性を保ちます。
※3 「L-4733A/AW」
※4 広色域と高い耐候性を兼ね備えた新開発の水性顔料インク
※5 印刷素材に応じて最適な仕上がりを実現する補助液(紙用・フィルム用)。乾燥炉と組み合わせることで、
従来の水性インクでは難しかった高速印刷と高画質を両立
※6 「SC-S60650」「SC-S60650L」
②ビジュアルコミュニケーション事業セグメント
当領域は、感動の映像体験と快適なビジュアルコミュニケーションで人・モノ・情報・サービスをつなぎ、「学び・働き・暮らし」を支援することを目指しています。そのために、高画質な大画面を実現するレーザー光源採用の高輝度プロジェクターの開発や、スマート化により使用環境・用途・シーンを拡大する設置性の高いホームプロジェクターの開発に取り組んでいます。
この方針に基づき、ビジネスプロジェクターでは、レーザー光源プロジェクター「EB-L800シリーズ」を開発し、従来機の7,000lm/WUXGAに対し、8,000lm/4K(※7)への高輝度・高精細化を実現しました。特に、短投写距離レンズの追加と全レンズでのレンズシフト/ズーム対応により、設置自由度を大幅に向上させました。これにより、会議室や講義室に加え、体育館等の大空間でも柔軟な設置が可能となりました。また、AirPlayおよびスクリーンミラーリングに対応し、ワイヤレス接続機能を強化することで、設置性と運用利便性の両面から幅広い用途への対応力を強化しました。
家庭用プロジェクターでは、デザイン性や設置性に優れた「EF-72」を発売しました。Google TVTM(※8)内蔵で、Sound by Boseテクノロジー搭載スピーカーの高音質サウンドとともにストリーミングを楽しめます。また、フット付きのため投写角度を自由自在に調整可能で壁や天井への投写に対応しているほか、プロジェクターとして利用しない時も間接照明としての利用が可能です。
※7 シフト技術を採用した4K相当の解像度
※8 他者商標の帰属先は下記参照
www.epson.jp/trademark/
③マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント
当領域は、環境負荷に配慮した「生産性・柔軟性が高い生産システム」を共創し、ものづくりを革新することを目指しています。
この方針に基づき、製造業に加え、ライフサイエンス分野や製薬業界での活用を見据えた人協働ロボットを開発しました。製造業では熟練労働者減少に対する課題意識や生産性向上のニーズが高まり、ライフサイエンス分野では高精度かつ再現性の高い作業に加えてコンタミネーション(汚染)を防ぐための厳格な衛生管理が求められています。また、製薬業界や研究所では、繊細な作業を安全かつ清潔に行う必要があります。これらのニーズに対応するため、クリーンルーム対応・高精度制御・直感的な操作性を備えた人協働ロボットを通じて、製造業の多様なニーズに応えるだけでなく、ライフサイエンス分野などの需要にも対応し、より多くの業界における生産性向上と作業の自動化を支援します。
加えて、エプソンロボット総合ソフトウエアEpson RC+8.0の最新バージョン「Ver.8.1.0.×」をリリースしました。Epson RC+ソフトウエアを使用することで、セットアップ、操作および定期的なメンテナンスのための制御プログラムを簡単に開発することができます。最新バージョンでは、お客様の開発スタイルや課題に応じて4つのエディションのなかからの選択が可能となりました。お客様の自動化アプリケーション開発に新たな価値を提供し、未来のものづくりをともに切り拓いてまいります。
当領域は、匠の技能、センシング技術を活用したソリューションを共創し、お客様の多様なライフスタイルを彩ることを目指しています。ウオッチ分野では、感性に訴えるデザイン・高品質な商品を、お客様に共感いただけるブランド価値として提供すること、センシング分野では、センシング技術や分析アルゴリズムを活用した新たなソリューションの共創に取り組んでいます。
ウオッチ分野では、「Orient Star」のコンテンポラリーコレクションM34から、オリエントスター75周年を記念するモデル「M34 F8 スケルトン ハンドワインディング」を発売しました。ペルセウス座流星群をデザインテーマとした独創的なスタイリングに加え、先進のスケルトンムーブメントに施されたメテオライト(隕石)調の新しい仕上げが、宇宙へのロマンや知的探求心を呼び覚まします。暗い宇宙空間を思わせる黒メッキ仕上げのケースやバンドが明るいスチール色のベゼルや裏ぶた、りゅうずとコントラストを成して、デザインをさらに引き立てます。MEMS加工技術によるシリコン製がんぎ車を搭載した高精度な自社製手巻きF8B61ムーブメントをベースに、特別仕様のF8B65ムーブメントを搭載しました。
加えて、「Orient」のコンテンポラリーコレクションを代表する新シリーズ「オリエントストレット」から75周年記念の数量限定3モデルを発売しました。グレーのニュアンスカラー文字板は、円弧を描いた特長的な放射仕上げや立体的な楔型インデックスと調和して、「オリエントストレット」シリーズの都会的なデザインが一段と際立ちます。短時間でフル巻き上げが可能な両方向巻き上げ式の自動巻きで、日差+25~-15秒の精度と40時間以上の安定した持続時間を実現する自社製ムーブメントを搭載し、5気圧防水が備わるケースと合わせて、オン・オフを問わず日常のさまざまな場面で快適に使用できます。
当領域は、AI時代のデータインフラを支える中核技術として、社会課題の解決と技術革新の実装に取り組みます。AIの発展により価値は「モノ」から「コト」へ、資源は「資材」から「データ」へとシフトしています。これに伴い、AIサーバーを頂点とするデータインフラでは、電力供給の逼迫が大きな制約となりつつあります。
エプソンは、高精度タイミングデバイスによりデータ転送の効率を高め、消費電力あたりの処理・通信効率向上に貢献します。加えて、現実世界の膨大なデータを小型・低コストのセンシングデバイスで収集し、AI活用の裾野を拡大します。
水晶技術と半導体技術の融合による「省・小・精」のデバイス進化を通じて、タイミングとセンシングの両面からデータインフラの持続的な発展を支えます。
タイミングデバイス分野では、高精度で小型の温度補償型水晶発振器(TCXO)「TG1210SRN」「TG1210STN」を開発しました。GNSSをはじめとする高精度位置情報システムや、ウエアラブル機器、IoTデバイス市場の拡大により、高精度かつ低消費電力のタイミングデバイスへの需要が高まっています。加えて、通信モジュールやFA機器、データセンター向け用途においても、高温度環境下で安定した周波数温度特性を有するTCXOの需要が高まっています。こうしたニーズに応え、幅広い動作温度範囲において高精度な周波数温度特性を実現しました。また、従来品比63%の体積削減となる小型パッケージ化とスタンバイ機能搭載により、省スペース化および長時間駆動に貢献します。
半導体デバイス分野では、海外を中心にヘッドアップディスプレイ(HUD)搭載自動車の需要が高まるなか、AR-HUD(※9)の表示情報増加に伴うHUDの高解像度化により視認性や消費電力が課題となっていることから、これらに対応する高解像度HUD向けコントローラIC「S2D13V43」を開発しました。Host(SoC ※10)から入力される2K映像データに対応し、外付けメモリなしで自動車のフロントガラス曲面に合わせた歪み補正や、Local Dimmingによる映像解析と表示内容に合わせたバックライト制御が可能で、HUDやその他の車載ディスプレイにおける映像の視認性向上や低消費電力化に貢献します。加えて、エプソンの既存HUD向けコントローラIC製品と同様に、ピッチ補正機能や表示安全機能を備えており、より信頼性の高いHUDシステムの構築に寄与します。
センシングデバイス分野では、低ノイズ・小型3軸加速度センサー「M-A370AD10」を開発しました。エプソン独自の微細加工技術(※11)を用いた水晶加速度センサー素子とデジタルIP技術(※12)により低ノイズ性能を達成したほか、高いバイアス安定性と広いダイナミックレンジを実現し、極微小地震計測や常時微動を利用した地盤構造探査、建設物の長期的な傾き監視に適しています。さらに、低パワーかつデジタル出力により計測システムの簡素化を可能とし、組み込み可能な加速度センサーのラインアップ拡充によってシステムの信頼性を高め、自然災害やインフラ老朽化といった社会課題の解決に対応し、社会インフラの信頼性維持に貢献します。
※9 拡張現実(Augmented Reality)技術により、走行情報などを実際の風景に重ねて表示するHUD
※10 System on a chipの略。CPUなどの機能を一つの半導体チップに集約したもの
※11 水晶を微細加工し、水晶振動子による加速度検出を行う技術
※12 周波数を高速・高精度に検出するデジタル回路技術
④その他および全社
当領域では、各事業セグメントに共通する生産技術の高度化、DX基盤の強化、事業競争力を支える基礎研究、事業成長に向けた先端技術の研究開発に取り組んでいます。
例えば、エプソンは国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が採択した「次世代エッジAI半導体研究開発事業」に参画し、大学・企業との共創を通じて次世代半導体技術の研究開発を推進しています。本事業では、東北大学等と連携し、次世代エッジAI半導体に不可欠な「3Dヘテロ集積技術」の研究開発に取り組んでいます。エプソンは、長年培ってきた低消費電力の半導体技術と高密度実装のノウハウを融合させることで、高性能・高機能なエッジAI半導体の実現に貢献してまいります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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