有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YHB1 (EDINETへの外部リンク)
カヤバ株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
(1) 目的
当社は、「人々の暮らしの未来を支えるパートナー」という長期ビジョンの実現に向け、創業以来培ってきた油圧技術、振動制御技術、パワー制御技術に電子制御技術を融合したコア技術を進化させ、モビリティ・インフラ・リビング分野における安全性・快適性の向上に貢献する研究開発活動を推進しております。2026年度を起点とする中期経営フェーズにおいては、「事業ポートフォリオの最適化」「新規事業創出」「モノづくり革新」を三本柱とし、既存事業における競争力強化とともに、コア技術を起点とした独創的な新規事業の創出を加速させる研究開発を行ってまいります。
具体的には、電動化・自動化・知能化が進展する市場環境に対応するため、現行製品の高性能化・高付加価値化に加え、システム化・電子制御化への対応、さらには軽量化、省エネルギー、CO2排出量削減など環境負荷低減に資する技術・製品の開発を推進しております。また、社会インフラの高度化・レジリエンス強化に貢献する製品・システムの開発にも注力し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
あわせて、新規事業創出に向け、電子システム分野をはじめとする先行開発機能を強化し、将来の事業の柱となる製品・サービスの事業化を見据えた研究開発に取り組むことで、企業価値の持続的向上を目指しております。
(2) 体制
当社の研究開発体制は、先行技術・基盤技術を担う研究部門と、各事業本部における商品開発部門が緊密に連携する体制を基本としております。2026年4月1日付の組織変更により、技術本部傘下の基盤技術研究所は「先進技術研究所」として再編され、事業領域との連携を一層強化するとともに、将来の事業化を見据えた先行技術・システム技術の研究開発を推進しております。
また、生産技術研究所は生産本部へ移管し、研究開発から生産、製品化までを一体で捉えたモノづくり革新を実現する体制へと移行しております。
各事業本部(AC事業本部、HC事業本部)においては、営業、調達部門の再編により、市場・製品軸での意思決定を迅速化し、事業部門が研究所と連携しながら、新製品開発、性能向上、コスト競争力強化に取り組んでおります。
さらに、事業部門と研究所が横断的に参画するプロジェクト活動を通じ、開発スピードの向上と価値創出力の強化を図っております。
新規事業領域においては、経営企画本部傘下に新設した「新事業イノベーション企画部」が中心となり、研究所と連携しながら事業機会の探索および事業化検討を推進するとともに、「電子開発本部」の設置により、電子制御・エレクトロニクス領域における先行開発体制を強化しております。
加えて、産学連携や他社との協業、モデルベース開発(MBD)やAI・デジタル技術活用の全社的推進、欧州テクニカルセンターを通じた先端技術情報も活用することで研究開発効率の向上とグローバル競争力の強化を図っております。
(3) 成果
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は8,087百万円であります。① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業
四輪車用の油圧緩衝器では、電動化・自動運転化が進展する将来を見据え、比例ソレノイドバルブ(連結子会社である株式会社タカコとの共同開発による内製品)を内蔵した減衰力調整式ショックアブソーバの量産を開始しました。本製品は、従来の比例ソレノイドバルブ外付け構造と同様に、優れた操舵応答性と快適な乗り心地を高い次元で両立しており、お客様の求める車両性能向上への寄与が非常に高く評価されています。新たに開発した本構造を付加価値製品ラインナップに加え、車両側の多様な搭載ニーズに対応することでさらなる拡販を図ってまいります。また、アフターマーケット向けには、減衰力調整式ショックアブソーバの技術を応用した電子制御サスペンションシステム「ActRide®」の量産を開始しました。専用アプリをインストールしたスマートフォンを用いることで、走行シーンや好みに応じた「走り」と「乗り心地」の設定を車内から容易に行うことが可能です。本製品は市場から高い関心を得ており、今後のニーズを踏まえながら対応車種の拡充を検討してまいります。さらに、環境配慮型技術として、業界初の生分解性を有する作動油「SustainaLub®(サステナルブ®)」については、量産化に向けた造り込みを継続しています。加えて、将来的な作動油リサイクルの実現に向けた取り組みとして、モータースポーツの過酷な使用環境下で使用・回収した作動油を独自技術により再精製し、再びレース用途として問題なく使用可能であることを確認しており、技術的検証が着実に進展しています。今後も、業界をリードする技術の高度化と付加価値の高い新製品の展開を推進し、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していきます。欧州テクニカルセンターでは、電子制御減衰力調整式ショックアブソーバにおいて、制御ソフトを含むシステム開発を行っています。また、欧州顧客向けに2つの減衰力可変機構を持つショックアブソーバの量産化を行い、順次採用モデルを拡大、性能向上開発を継続しております。本製品は、伸び側と縮み側の減衰力を独立に、高速かつ精密な応答で調整可能となっており、お客様に対して、路面状況や好みに合わせて車両挙動を常に最適にコントロールすることで、安全でダイナミックな操縦性とかつてない乗り心地の実現に貢献します。今後さらに、欧州顧客に対するプレゼンスを高め、電動化・自動運転化への対応を進めていきます。
二輪車用の油圧緩衝器では、ストリート用モデル向けリアクッションに、大入力時の吸収性能を大幅に改善できる「Hydraulic Compression Stop」を開発し量産を開始しました。国内の二輪車レースシーンにおいては、全日本ロードレース選手権(JSB1000)及び全日本モトクロス選手権IA2クラスにおいて、当社製のフロントフォークとリアクッションを装着した選手がいずれも総合優勝を収めました。また、モーターサイクル技術を応用し、高い吸収性による走行の安心感や操る喜びを実現した電動アシスト付きマウンテンバイク用フロントフォークを開発し発売しました。今後も様々な製品開発を行い、多岐にわたって高い技術力をお届けします。
四輪車用電動パワーステアリング機器では、2024年より内製生産を開始したPowerPack(コントローラ一体型モータ)製品を拡販すべく、新規車両や派生機種への展開提案を行い、新たな受注を獲得しました。受注活動を継続するとともに、次世代PowerPackの開発にも取り組んでおり、評価を進めております。また、ステアバイワイヤシステムの提供を目指し、海外と日本に配置しているデモカーを活用した先行開発や技術提案を積極的に行っています。
四輪用オイルポンプ製品では、電動オイルポンプを開発し2027年より車載機器向けに量産を開始する予定です。本製品では、これまでにトランスミッション用製品で培ってきた技術を活かし、ポンプ部のラインナップを拡充しました。高圧領域で静粛性と高効率に優れるベーン式に加え、低圧領域で高い商品性を持つ内接ギヤ式を展開し、用途や要求仕様に応じた製品提案を可能としています。本開発を起点として、電動オイルポンプのラインナップを順次拡充し、車載用途に限らないさまざまな用途に対応する製品展開を進めてまいります。
鉄道車両用製品では、新型台湾新幹線「N700ST」に、各種オイルダンパ、空気ばね高さ調整弁、差圧弁、踏面清掃装置が採用されました。また、アクティブ制振制御装置用にも当社のマルチモードアクチュエータ、セミアクティブダンパが採用されています。
2023年より全日本ラリー選手権に参戦を開始したカヤバ社員チームは、2024年からは社員ドライバーを起用した、オールカヤバ社員チームにて挑戦を継続しており、好成績(最高位5位)を獲得、2025年シーズンは全戦完走を達成し、シリーズランキング7位を獲得しました。また、実践を通じたフィードバック開発により、各クラスにおけるカヤバサスペンション装着チームが、シリーズチャンピオン獲得など好成績・高評価を証明頂き、カヤバ製品装着ユーザー拡販に寄与しております。2026年は更なる成長を目指し、引き続き、全日本ラリー選手権の最高峰クラスに挑戦しております。実践で得た技術ノウハウをフィードバックし、新たな商品開発を通じ、人財育成も推進してまいります。
当セグメントにおける研究開発費の金額は6,086百万円であります。
② HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業
HC事業では、コア製品である油圧ポンプ、バルブ、シリンダ、モータのラインナップ拡充や省エネ性能向上、コスト低減といった競争力向上に向けた開発と併行し、自動化・遠隔操作・電動化・IoT化等の将来ニーズに対応する電子制御化、省エネシステム、センシング技術、電動ユニット等の新たな付加価値創造に向けた開発を進めています。ショベル向けでは、小型油圧ショベル向けロードセンシングシステムコントロールバルブKVSX-12C-PSLを開発し、量産化しました。ショベルの自動化・遠隔操作や細かな制御が求められるコントロールバルブの需要に対し、2~4t向けKVSX-12Cを電子制御化したモデルです。従来の農機用から建機用に用途を拡大させ、チューニング性、組立性、メンテナンス性の向上を図り、省エネ、CO2低減の環境ニーズを両立した商品としてご採用頂いています。今後もより大きなクラスのバルブに電子化の展開を計画しています。IoTを活用したシステム製品としては、「油状態診断システム」のサービス提供を開始しました。近年、製造業を始めとする各種産業分野では、設備の老朽化や保全人材の不足、さらにはSDGs・カーボンニュートラルへの対応などを背景に、設備メンテナンスの高度化、効率化が求められています。本システムは、工場設備で使用される油圧機器の作動油状態をカヤバ独自の油状態センサでリアルタイムに検知、クラウド上で分析、作動油・機器の劣化異常を診断し、保守・交換の時期を適切なタイミングで提案します。センサ単体の「モノ売り」に加え、サービスを提供する「コト売り」商品として、機械停止ロスの未然防止、廃油量削減、メンテナンス最適化に貢献します。
当セグメントにおける研究開発費の金額は1,906百万円であります。
③ 航空機器事業
航空機器事業は、事業ポートフォリオの全面的な再検討の結果、経営資源の選択と集中による企業競争力強化を図るべく、2022年2月9日に事業の撤退を公表いたしました。その後、航空機器に関わる製品開発ならびに修理を含めたすべての製販活動を段階的に終了させていきます。そのため当セグメントにおける研究開発費の計上はございません。④ 特装車両事業及びその他
特装車両事業では、主力製品であるコンクリートミキサ車の国内トップシェアメーカーとして、将来の市場環境に応えた製品開発を積極的に進めています。2026年2月に大型車用ミキサをモデルチェンジしました。高張力鋼板の使用による薄肉化とアルミ材の採用により現行比140kgの軽量化を実現し、輸送効率の向上に貢献しています。
また、2026年3月に発表した小型EV車両のコンセプトモデルでは二酸化炭素排出ゼロ、低騒音化を実現しました。今後も継続した研究開発を進め、量産化を目指してまいります。
ミキサ車業界以外の新規分野へも進出するための製品開発に取り組んでいます。レジャー分野へ進出する第一弾として欧州車をベースにしたキャンピングカー「VILLATOR」を2026年3月より量産を開始しました。現在は、「VILLATOR」で得た技術的知見および市場評価を踏まえ、新たな車両の開発を進めています。今後は、お客様の多様化するライフスタイルや用途ニーズに対応した商品開発を推進し、お客様からご高評いただける製品の開発に努めてまいります。
当セグメントにおける研究開発費の金額は94百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02147] S100YHB1)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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