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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YJE7 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ヤマハ株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、ヤマハが目指すものとして「世界中の人々のこころ豊かなくらしの実現」を、企業理念として 「感動を・ともに・創る」を掲げています。この理念の実現に向け、製品・サービス分野における新たな価値創出を目的として、コア技術の更なる高度化および拡張に資する研究開発を進めております。取り組んでいる研究開発の領域は、アコースティック技術、デジタル技術を中心に、音そのものに留まらず、基礎から応用まで、音の活用を支える技術分野に大きく広がっています。
当連結会計年度は、
◆ 音・音楽領域における新たな価値創造の可能性を追求する取り組み
◆ 世界中の人々の自己表現、多様な個性の発揮を後押しする製品・サービス
◆ 多様なステークホルダーと協業し、社会課題の解決に資する価値を共創
をテーマに研究開発を進めました。

これら3つのテーマのもと、当社グループは音・音楽の価値拡張と社会課題の解決を両立する研究開発に取り組みました。
「音・音楽領域における新たな価値創造の可能性を追求する取り組み」では、車載スピーカー向けの新技術「Isolation Frame」を開発しました。近年、自動車の車内は「セカンドリビング」として多彩な音響エンターテインメントを楽しむ空間へと進化しています。一方で、出力要求の増大、スピーカーに対する入力増大の傾向により、ドアへのスピーカー設置に伴う振動伝播が、異音や共振音を発生させ、音質低下の要因となるケースも増えています。「Isolation Frame」は、当社特許取得済み振動抑制機構によりスピーカーと車体パネルを機構的に分離することで振動の伝搬を抑制します。この結果、入力レベルの上昇に伴う異音や共振音が低減し、スピーカー本来の性能を最大限に引き出すことができます。これにより、リズム楽器の力強さや中低音楽器の豊かな響きを、より自然でクリアに再現し、快適な車室音響空間を実現します。今後、量産化に向けて国内外の自動車メーカーへの提供を開始し、快適な車内空間の創出に貢献してまいります。



「世界中の人々の自己表現、多様な個性の発揮を後押しする製品・サービス」では、クリエイター向けの新たな統合型プラットフォーム「Yamaha Creator Pass」(ヤマハ・クリエイター・パス)の提供を開始しました。ヤマハおよびパートナー企業の幅広いサービスをワンストップで提供し、より快適かつ効果的な音楽制作を実現するサブスクリプションサービスです。専用アカウント「Yamaha Creator ID」一つで、音楽・ポッドキャスト制作者向けの多様なツールを利用できます。制作レベルや目的に応じて複数のプランから選択でき、楽曲・音声コンテンツの制作・編集・配信から、ジャケット写真などのグラフィック生成、プロモーション動画制作、グッズ制作・販売まで、クリエイタージャーニーにおける一連のプロセスをシームレスに進めることができます。基本プランには、音楽制作ソフトウェア「Output」、AIマスタリング・ミキシングツール「LANDR」、ポッドキャスト制作ツール「Riverside」、アーティスト支援プラットフォーム「Groover」などが含まれます。さらに、追加ツールの利用時にはユーザー限定の特典割引が適用されるなど、各ユーザーのニーズに応じた柔軟な制作環境を実現します。今後もコンテンツ制作・配信から収益化に至るまでのクリエイタージャーニー全体を支えるために、スタートアップやパートナー企業との協働を通じて、最適なソリューションを届けてまいります。


「多様なステークホルダーと協業し、社会課題の解決に資する価値を共創」では、全日本ピアノ指導者協会(以下、ピティナ)と、ピアノの演奏を多面的に計測できるシステムを使ったピアノ演奏計測の共同研究を開始しました。ピアノの教育現場では、科学的なアプローチでより効率的に演奏を上達させたいという要望が上がっています。本研究では、ピティナの持つピアノ教育に関する知見や演奏データと、当社が持つ高精度なピアノセンシング技術および演奏データ計測システムを活かし、両者の知見や計測データ、技術を掛け合わせることで、演奏技術の発展とピアノ教育の新たな可能性を探求します。データを収集、分析、活用し、適切な形で公開するという研究サイクルを回しつつ、演奏科学研究に携わる方々と議論しながら、ピアニストや指導者にとってより効果的な演奏・指導方法の発見を目指します。

当社は、ピアノなどの楽器演奏における動作をより深く理解するために、演奏中のさまざまなデータを記録・分析する取り組みを進めています。本研究を含む活動を通じて、教育分野や演奏科学分野の発展に貢献してまいります。






当社グループの研究開発体制は、事業分野ごとに専門性を生かした形で行われています。楽器事業については当社楽器事業本部およびYamaha Guitar Group,Inc.の開発担当部門、音響機器事業については当社音響事業本部のほか、NEXO S.A.およびSteinberg Media Technologies GmbHの開発担当部門、その他の事業については当社ゴルフHS事業推進部およびヤマハファインテック株式会社の開発担当部門、全社横断のR&Dについては当社研究開発統括部が担う形で構成しております。

各セグメントにおける研究開発費の金額は以下の通りであります。

セグメントの名称研究開発費(百万円)
楽器12,025
音響機器14,498
その他1,197
合計27,720


当連結会計年度における主な成果をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

(1) 楽器事業
楽器事業においては、長年培ってきた楽器づくりの技術を基盤に、デジタル技術との融合を通じて、演奏者一人ひとりの感性や表現意図に寄り添う製品開発を進めました。

ピアノ関連では、当社フラッグシップモデルであるコンサートグランドピアノ『CFX』の開発で培った設計思想やノウハウを応用し、より多くの演奏者が表情豊かな演奏表現を追求できるグランドピアノとして『C3X espressivo』および『C2X espressivo』を開発いたしました。響板やアクションの構造を見直すことで、低音から高音まで奥行きのある立体的な響きを実現するとともに、わずかなタッチの違いを音色に反映する繊細な表現力を高めています。
また、ピアノの発音機構を物理シミュレーションによりリアルタイムで演算し音響信号を生成する「物理シミュレーション・システム」の開発に成功しました。本システムは、ハンマー、ダンパー、弦、響板、フレーム、支柱などの構成部品および空気の相互作用を考慮した精緻なシミュレーションをリアルタイムに実施するもので、3次元の有限要素法および境界要素法を用いてピアノと空気の挙動を再現します。先進的かつ独創的な音響技術の周知と楽器文化の継承を目的として、本システムを搭載した電子ピアノ試作機を浜松市に寄贈しました。
管弦打楽器関連では、アコースティック楽器の演奏感とデジタル技術を融合させたサイレントチェロ『SVC300』シリーズを開発いたしました。本シリーズでは、楽器構造や音響設計を刷新し、アコースティックチェロの自然な演奏感や表現のニュアンスを忠実に音へ反映することを追求しています。これにより、自宅練習からステージ演奏まで幅広い演奏環境に対応し、演奏者の表現領域を拡張しています。
電子楽器関連では、エレクトーンのフラッグシップシリーズ『Electone STAGEA』を約12年ぶりに刷新し、新たに『ELS-03』シリーズを開発いたしました。演奏中の操作によって音色やリズムをリアルタイムに変化させる新たな演奏インターフェースや、指の圧力の違いを繊細に音へ反映する進化した鍵盤表現技術を搭載することで、演奏者の感情やインスピレーションを即時に音楽へ反映できる、より自由で創造的な演奏体験を実現しています。
音楽制作分野では、フラッグシップモデルのDNAを継承したミュージックシンセサイザーとして、『MODX M6』『MODX M7』『MODX M8』を開発いたしました。複数のサウンドエンジンを搭載するとともに、操作性や表現力の向上を図ることで、演奏から音楽制作まで幅広い用途に対応するモデルとして進化しています。
ギター関連では、演奏性とサウンドの完成度を高次元で追求したエレキギターとして『Pacifica SC Professional』および『Pacifica SC Standard Plus』を開発いたしました。『Pacifica』シリーズの設計思想を継承しつつ、ボディ構造やネック設計、ピックアップ構成を最適化することで、幅広い演奏スタイルに対応する表現力と高い演奏性を実現し、ステージから制作環境まで多様な演奏シーンに対応するモデルとして仕上げています。
ミュージックコネクト事業においては、ヤマハ株式会社、株式会社ヤマハミュージックジャパン、一般財団法人ヤマハ音楽振興会の3社が連携し、新たなオンライン音楽レッスンサービス「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」の提供を開始しました。本サービスは、オンライン音楽学習分野で実績を持つ米国のTrueFire Studiosのプラットフォームおよび教材コンテンツを活用して構築されており、ヤマハ認定講師によるチャットレッスンとライブレッスンの2種類の形式でお客様一人ひとりの学びに寄り添う個別指導を提供します。あわせて、楽器演奏者の練習・演奏を日常的に支えるミュージックツールアプリの拡充として、ギターチューナーアプリ「Tuner for Guitar」をグローバルで提供開始しました。また、国内で先行展開していたメトロノームアプリ「METRONOME」についても同時期に海外展開を開始しています。さらに、「Yamaha Music ID」を活用した顧客向けメンバーシッププログラムの展開を欧州で開始しました。顧客データ基盤とAIを活用して、お客様一人ひとりの属性・行動・購買データをもとに最適な楽器・サービス提案を行うことで、演奏体験の継続的な向上を支援する仕組みです。
また、米国子会社であるYamaha Music Innovations, LLCは、「ヤマハグループ音・音楽に関するAI活用基本方針」のもと、Boomy Corporation(米国)と協業し、音楽制作ツール『SEQTRAK』アプリへの生成AI機能統合に向けた技術検証を開始しました。本取り組みは、プロンプトから「欲しい音」をその場で生成し、生成したサンプル音をそのまま『SEQTRAK』での制作・演奏に活用できる新しいワークフローを提案するもので、2026年1月開催の「The NAMM Show」にて限定デモが公開されました。

これらをはじめとした研究開発およびデザインに関する取り組みは、国内外のさまざまな機関から高い評価を受けました。管楽器エントリーモデルの梱包箱デザインが、世界的に権威あるパッケージデザインのコンペティション「Pentawards 2025」において金賞を受賞しました。本デザインは、環境への配慮とともに、楽器を手にする際の期待感を高める点が評価されています。天然木材の多様性や個性を生かしたクラリネットのプロトタイプ「Designed by Nature Clarinets」は、国際的に権威あるデザイン賞である「Red Dotデザイン賞」デザインコンセプト部門を受賞しました。また、電子ピアノ『TORCH T01』、楽器演奏者向けアプリ『Extrack』、管楽器エントリーモデルの梱包箱の3件が、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2025年度グッドデザイン賞」を受賞するとともに、電子ピアノ『クラビノーバ CLPシリーズ』が「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞しました。当社のグッドデザイン賞受賞は1984年から42年連続となります。さらに、フィンガードラムパッド『FGDP-50/FGDP-30』とハイエンドヘッドホンアンプ『HA-L7A』がドイツのデザイン賞「Red Dotデザイン賞プロダクトデザイン2025」を受賞し、当社の同賞受賞は2011年から15年連続、累計35件となりました。電子ピアノ『TORCH T01』は、ドイツの国際的なデザイン賞「iFデザインアワード2026」も受賞しており、当社の同賞累計受賞数は28件となりました。フィンガードラムパッド『FGDP-50/FGDP-30』は「アジアデザイン賞2025」において銅賞を受賞し、国内外で通算3度目のデザイン賞受賞となりました。音楽制作分野では、ミュージックシンセサイザー『MONTAGE M』のマニュアルが「ジャパンマニュアルアワード2025」で最高評価「マニュアル オブ ザ イヤー」を受賞しました。ヤマハとして初の受賞となります。
これらの取り組みにより、当社は楽器そのものの完成度を高めるとともに、演奏者の感性に寄り添った新たな音楽体験の創出を進めています。


(2) 音響機器事業
音響機器事業においては、高度なデジタル信号処理技術とネットワーク技術を核に、プロフェッショナルな現場から家庭での視聴環境までを視野に入れた音響システムの高度化と、音響体験の質的向上に取り組みました。

設備音響分野においては、フリーコンフィグレーション型シグナルプロセッサー『DME5』『DME3』、クラスDアンプを搭載したパワーアンプリファイアー『XMS』シリーズ、ウォールマウントコントローラー『MCP2』、タッチパネルコントローラー『TCD10』を新たに投入しました。あわせて、統合プラットフォームソフトウェア『ProVisionaire』シリーズをバージョン3.0へアップデートし、複数のヤマハ製音響機器を統合的に構築・管理するエコシステムを整備することで、複雑化する音響システムの設計性および運用性の向上を図りました。
遠隔会議向けワンストップサウンドソリューション『ADECIA』については、ファームウェアV3.0の提供を通じて機能を拡充しました。ヤマハ独自の「ボイスリフト」技術を活用した自動音声最適化機能や、AIノイズリダクション機能の強化、最大64本のワイヤレスマイクへの対応、SNMPやIEEE 802.1X認証への対応による遠隔管理機能の向上などにより、会議室や教育現場における快適な音声環境の構築と運用負荷の軽減を両立しています。
音響信号処理技術を活用した取り組みとしては、イヤホン・ヘッドホン向け仮想立体音響ソリューション『Sound xR Core』が、大型ゲームタイトルに採用されました。立体音響総合技術『ViReal』で培った頭部音響伝達関数(HRTF)技術を継承し、通常のイヤホンやヘッドホンで360度全方位の音像定位を可能とすることで、コンテンツへの没入感向上に寄与しています。
コンシューマー向け分野では、ホームシアター・オーディオ製品の展開を進めました。サウンドバー『SR-X90A』は、独自のビームスピーカー技術や『SURROUND:AI』を採用し、Dolby Atmos®などの立体音響フォーマットに対応するとともに、新技術『SYMMETRICAL FLARE PORT』の採用により、広がりのある音場再生と低音表現の両立を実現しました。
また、ヘッドホン分野では、開放型『YH-4000』と密閉型『YH-C3000』の2モデルを発売しました。いずれも独自ドライバー技術や木製ハウジングの採用、国内自社工場での生産体制などにより、音の再現性と製品品質の向上を図っています。加えて、ワイヤレスBluetooth®ヘッドホン『YH-L500A』では、ヤマハの音場創生技術を応用した「サウンドフィールド」機能を搭載し、映像コンテンツ視聴時における立体的で臨場感のある音場表現を実現しました。
さらに音楽制作分野では、Steinberg Media Technologies GmbHが、作曲、アレンジ、レコーディング、波形編集、ミキシングなどをサポートする総合音楽制作ソフトウェア『Cubase 15』を開発しました。今回の最新バージョンでは、パターンエディターへの新モード追加やエクスプレッションマップの刷新など、より細かな作業を効率的に進めるための機能強化が図られています。また、歌声合成のVSTインストゥルメント『Omnivocal Beta』も標準搭載し、直感的な操作で歌声をディレクションすることが可能となりました。
これらの取り組みを通じて、音響機器事業は、プロフェッショナルな現場における音響システムの完成度向上と、家庭における音響体験の質的向上の双方に貢献しました。

なお、音響機器事業分野の取組においても、さまざまな社外機関より高い評価を受けました。音場支援システム『AFC Enhance』は、空間の響きを電気音響的に制御する技術が評価され、「2025年度全国発明表彰」において「発明賞」を受賞しました。また、ネットワーク機器分野においては、「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2025-2026」ネットワーク機器部門で2年連続第1位を獲得するとともに、「日経コンピュータ パートナー満足度調査 2026」ネットワーク機器部門においても4年連続で第1位を獲得しました。


(3) その他の事業
「沖縄三線文化継承プロジェクト―技術貢献と共創―」においては、琉球大学、沖縄県立芸術大学ほかと連携し、木材の音響学的分析や三線の振動挙動の可視化など、当社が長年蓄積してきた楽器・感性研究の技術・知見・実験施設を活用した研究活動を推進しました。
また、ヤマハファインテック株式会社は、空中超音波式アレイセンサーと独自の音響信号処理技術を組み合わせた超音波式ヒートシール検査機『ULTRASONICA UE-02』を展開しています。本製品は、包装シール部の内部不良を非破壊・非接触で全数検査することを可能にしたもので、シワや噛み込みなどのシール不良検出に加え、弱溶着の予兆管理にも対応しています。従来の赤外線センサー、外観検査カメラ、X線などの方式では困難とされてきたシール部の不良検出を可能にし、食品・医薬品・化学製品など幅広い業界におけるシール工程の品質管理・省人化という社会課題の解決に寄与するものです。

なお、超音波式ヒートシール検査機『ULTRASONICA UE-02』は「JAPAN PACK AWARDS 2025」包装関連装置・機器カテゴリーにおいて最優秀賞を受賞し、「沖縄三線文化継承プロジェクト―技術貢献と共創―」は公益社団法人企業メセナ協議会による「This is MECENAT 2025」に認定されました。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02362] S100YJE7)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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