有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YDJU (EDINETへの外部リンク)
株式会社ケー・エフ・シー 研究開発活動 (2026年3月期)
当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に各部門の担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、お客様のニーズ並びに社会的ニーズに応えることをモットーとしております。
現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新製品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。
建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにして、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関、発注機関との技術交流・関係強化を図りつつ、製品、施工技術、点検及びモニタリング技術と建設分野のDX推進に役立つデジタル技術を組み合わせた技術開発を推進しております。
なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、119,690千円であります。
当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1)ファスナー事業
あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でもコンクリート構造物せん断補強『RMA』に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまでに積み重ねてきた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献しております。公益社団法人日本水道協会(JWWA)が定めた新規格に適合した上水道施設向けのせん断補強用『RMA-AFカプセル』を幅広く営業展開しております。本カプセルは水質への配慮が必要な上水道施設や水門・堰などの河川構造物、ダム洪水吐部の柱・堰、農水事業関連施設等の耐震化に今後も需要が見込め徐々に採用されております。
電気通信設備工事共通仕様書が昨年改訂され、金属拡張アンカーの設計指針も変わりました。新しい設計指針に対応すべく3D金属拡張アンカーを開発・上市に至っており、量産・在庫も進めております。開発商品は、電気通信設備の設置に使用するアンカーとして必要な「スリーブ打込み式」、「3Da」、「二重落下防止対策」の機能を兼ね備えており、拡販が期待できる商品となっております。また、付属のストッパードリルや、専用機械式打込み棒などの周辺資材の開発も進めており、販売・施工の両面からお客様に選ばれる商品化を目指してまいります。
道路・鉄道トンネルの維持管理において、市場から求められている各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良及び施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究開発とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のミスを未然に防ぐプリベンション機能付き製品の研究開発を継続しております。
アンカー点検診断機器開発においては、開発した機器による点検診断業務を鉄道事業者から継続して受注することができました。建設業界以外のお客様からも様々なお問い合わせをいただいており、ご要望にお応えするべく改良改善を進めてまいります。
高速道路の照明器具更新工事では、ポール照明など高位置に設置されている照明器具を、低位置・道路側面の高欄上部に移設することが標準になりつつあります。こうした背景から低位置照明器具設置用の金属アンカーの開発を行っております。こちらは2027年3月期中の開発完了・上市を目標としております。
コンクリート構造物の小片はく落対策製品『ガイナメッシュ』の固定用アンカーとして『ホーク・ウェッジアンカーZ』を2025年3月期に開発終了し、鉄道高架橋のはく落対策などにご使用頂いております。また、アンカー定着強度の高い『ホーク・ガイナフィックス』の樹脂併用型あと注入タイプも開発・改良中であります。ガイナメッシュは道路、鉄道など様々なコンクリート構造物に使用できるため、定着するアンカーについても様々な基準・規格に合致する製品の開発を進めております。
今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新製品を上市してまいります。
(ファスナー事業研究開発費 32,651千円)
(2)土木資材事業
山岳トンネル新設工事におけるロックボルト、補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクトごとの対応を軸に継続しております。これらは、施工現場のニーズに即応し、売上に直結した研究開発活動となります。
ロックボルト、補助工法の施工は、山岳トンネル新設工事において掘削面である切羽に近い場所での作業となり、危険性が高く、作業員の高齢化や人材不足などの理由により、作業の自動化や省力化が求められております。2026年3月期は、『RPE自動化』について大まかな開発を完了させ、現地試験施工を実施し、一部改良が必要なものの良好な評価をいただくに至りました。売上等に直結する開発は少なかったものの、来たる自動化の流れを見据え、各工法の部品・部材の自動化対応への改良や、自動化における施工効率の向上を見据えた工法の簡素化や材料の軽量化・改良などに加え、未開発部分の立案と実証に注力して取り組んでおります。また、自動化の普及にも注力し、特にICT化技術である『モルサポ』・『SMERTチェッカー』などは採用に向けた活動に加え採用現場での指導を行い、お客様に「使い慣れていただく」といった活動を徹底することで、今後のリピート向上など長期的な戦略を持った活動を推進いたしました。また、指導を通して「現場の声」に対応し、頂いたご意見を精査したうえで必要な改良を行い、お客様に選ばれる製品として新たに導入されております。このようなお客様対応を中心とした改良中心の開発を進めたことで、既存製品での売上維持・向上に貢献いたしました。
トンネル防水シートでは、2023年3月期に上市しました『インテロック』が2つ目の現場で採用され、施工が開始されたため引き続き売上に貢献しております。また、『インテロック』の技術を応用した新たな製品開発を行い、新しい考え方のトンネル構築に向けた技術に採用して、インフラの安全性向上・長寿命化に寄与する取り組みを進め、2027年3月期には実証実験の実施が決定しております。さらに今後も大型プロジェクトへの採用に向けて検証と改良を進めてまいります。
トンネル構築のトータルプランナーとなるべき取り組みとして、これまで取り扱いの無かった分野への参入を視野に、教育研究機関、元請け事業者とともに、トンネル覆工コンクリートの品質向上によるインフラの長寿命化に貢献する新しい技術の開発も進めており、数年以内の商業化を目指して開発に邁進しております。
重金属処理に関する分野については、すでに上市しました『パデムシート』は営業活動、スペックイン活動により、3件の現場で採用していただきました。また、新たな取り組みとして火山灰に含まれる有害物質の流出防止について研究機関、自治体と共同で実地試験を開始するなど、適用範囲の拡大に向けた活動を開始しております。
『微生物による重金属処理』技術を応用し、廃PV(使用済み太陽光パネル)処理への適用、レアメタルの抽出など適用範囲の拡大に向けた研究を芝浦工業大学と共同で進め、新技術として新聞発表を行いました。引き続き基礎研究を行いながら将来的な商業化を視野に取り組んでまいります。
また、斜面の防災・補強をターゲットとした研究開発では、『IBO-Zロックボルト』を使用した自穿孔ボルトによる本設仕様の施工システムで小型の施工機械により狭隘な箇所でも施工できる工法『ホーク・ネイリング』は、2024年12月にNETIS登録が完了し、公的機関や関連する企業への広報活動やコンサルタント等へのスペックイン活動も積極的に進めております。
今後も、各種の新設・補修補強プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。
(土木資材事業研究開発費 56,069千円)
(3)建設事業
トンネル内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料・工法・機器の改良開発、トンネル工事における安全対策製品の開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムや、省人化対策として補修・補強工事の機械化・自動化技術の研究開発を継続しております。
フレキシブルPV(太陽電池)『Haru-PV』は、接着材及び粘着材で貼付したHaru-PVの動風圧試験を実施し、剥がれが生じないことを確認いたしました。また、台風被害が多い地域である南西諸島・徳之島に接着・粘着タイプを設置し、実際の台風に対する耐久性を検証する暴露試験を実施しております。施工性を向上させた粘着タイプは、大阪市からフィールドの提供を受け、淀川左岸線(2期)大淀入路区間の道路壁面に設置し、道路近傍環境下における粘着力の検証試験を実施いたしました。2026年3月期は材料販売実績が3件となり、スペックイン活動も進展しております。
基板の突起部に高性能反射材を貼付した『ガイナ視線誘導ライン反射材』は、基板の耐候性を向上させる改良を行い、長寿命化に成功いたしました。また、実現場における試験施工も実施いたしました。2027年3月期には2現場での採用が決定しております。
トンネル壁面の凹凸形状にもフレキシブルに設置でき、はく落防止性能及び漏水防止性能を向上させた『ガイナメッシュD』の開発が完了いたしました。実現場での試験施工を3件実施し、良好な評価を得ております。また、漏水防止性能に特化した「漏水対策シート」を製品化し、はく落防止性能と漏水防止性能を用途に応じて使い分けることで、お客様の要望に寄り添った価値を提供いたします。
JR東日本の新幹線大規模改修工事に向けて開発を進めているトンネル覆工コンクリートの目地部におけるはく落対策製品『ガイナメッシュBT』は、JR東日本管内のトンネルでの試験施工を完了し、補修材料として十分な性能が確保されていることを確認いたしました。
コンクリート構造物だけでなく鋼構造物にも適用可能な高目付繊維補強工法として上市した『SHシートボード工法』は、漏水が多い場合に従来の繊維補強シートでは施工後に再漏水が発生してシートに浮きが生じるトラブルを回避できる工法として、高速道路トンネルにおいて2区間の試験施工を実施いたしました。また、スペックイン及び材料販売ともに順調に進んでおります。
株式会社熊谷組、日進機工株式会社との3社共同で、繊維補強シート工法の機械化に関する開発を進めております。覆工コンクリート表面を削るウォータージェット工の機械化や、ロボットアームによるプライマー塗布工の機械化について、当社模擬トンネルで試験を重ねた後、実現場での試験施工を実施いたしました。試験施工により抽出された課題につきましては、引き続き改善を進めてまいります。今後も省人化対策を推進するとともに、高い施工品質を提供できる技術開発に取り組んでまいります。
また、トンネル以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらに強化するための研究開発のほか、橋梁下部工の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続しております。
既設構造物の耐震補強や構造物の支持力対策などに適用可能な小口径鋼管杭『STマイクロパイル工法』は、国立研究開発法人土木研究所と当社を含む民間企業との共同研究により開発された工法であります。本工法は、既設構造物の補強を主な対象として開発されたものですが、狭隘地、難掘削地盤、空頭制限など、従来工法では施工が困難となる各種制約条件に対して高い適応性を発揮する工法であります。その特長を活かし、既設構造物の補強のみならず、新設構造物基礎から斜面補強に至るまで適用範囲を拡大しており、累計施工延長は9万mを上回るなど、施工実績も着実に増加しております。また、さらなる普及と信頼性の向上を図るため、最新の技術動向に対応した建設技術審査証明の取得に向けて、載荷試験をはじめとする各種実験を精力的に進めております。あわせて、得られた実験結果を踏まえながら、評価検討を進めております。
さらに、工法としての信頼性を一層高める取り組みとして、ICTを活用した『支持層地盤探査システム』の研究開発を進めております。現在、現場での実測データの蓄積を継続するとともに、実施工においてより使いやすいシステムとなるよう、機能面及び運用面での改良を進めております。今後は、これらの成果を踏まえ、建設DXへの展開も視野に入れた取り組みを進めてまいります。
新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、今後も施工品質向上と長寿命化をキーワードに研究開発に取り組むとともに、長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイノベーションを通じて取り組み、建設分野のDX推進に貢献してまいります。
(建設事業研究開発費 30,969千円)
現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新製品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。
建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにして、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関、発注機関との技術交流・関係強化を図りつつ、製品、施工技術、点検及びモニタリング技術と建設分野のDX推進に役立つデジタル技術を組み合わせた技術開発を推進しております。
なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、119,690千円であります。
当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1)ファスナー事業
あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でもコンクリート構造物せん断補強『RMA』に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまでに積み重ねてきた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献しております。公益社団法人日本水道協会(JWWA)が定めた新規格に適合した上水道施設向けのせん断補強用『RMA-AFカプセル』を幅広く営業展開しております。本カプセルは水質への配慮が必要な上水道施設や水門・堰などの河川構造物、ダム洪水吐部の柱・堰、農水事業関連施設等の耐震化に今後も需要が見込め徐々に採用されております。
電気通信設備工事共通仕様書が昨年改訂され、金属拡張アンカーの設計指針も変わりました。新しい設計指針に対応すべく3D金属拡張アンカーを開発・上市に至っており、量産・在庫も進めております。開発商品は、電気通信設備の設置に使用するアンカーとして必要な「スリーブ打込み式」、「3Da」、「二重落下防止対策」の機能を兼ね備えており、拡販が期待できる商品となっております。また、付属のストッパードリルや、専用機械式打込み棒などの周辺資材の開発も進めており、販売・施工の両面からお客様に選ばれる商品化を目指してまいります。
道路・鉄道トンネルの維持管理において、市場から求められている各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良及び施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究開発とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のミスを未然に防ぐプリベンション機能付き製品の研究開発を継続しております。
アンカー点検診断機器開発においては、開発した機器による点検診断業務を鉄道事業者から継続して受注することができました。建設業界以外のお客様からも様々なお問い合わせをいただいており、ご要望にお応えするべく改良改善を進めてまいります。
高速道路の照明器具更新工事では、ポール照明など高位置に設置されている照明器具を、低位置・道路側面の高欄上部に移設することが標準になりつつあります。こうした背景から低位置照明器具設置用の金属アンカーの開発を行っております。こちらは2027年3月期中の開発完了・上市を目標としております。
コンクリート構造物の小片はく落対策製品『ガイナメッシュ』の固定用アンカーとして『ホーク・ウェッジアンカーZ』を2025年3月期に開発終了し、鉄道高架橋のはく落対策などにご使用頂いております。また、アンカー定着強度の高い『ホーク・ガイナフィックス』の樹脂併用型あと注入タイプも開発・改良中であります。ガイナメッシュは道路、鉄道など様々なコンクリート構造物に使用できるため、定着するアンカーについても様々な基準・規格に合致する製品の開発を進めております。
今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新製品を上市してまいります。
(ファスナー事業研究開発費 32,651千円)
(2)土木資材事業
山岳トンネル新設工事におけるロックボルト、補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクトごとの対応を軸に継続しております。これらは、施工現場のニーズに即応し、売上に直結した研究開発活動となります。
ロックボルト、補助工法の施工は、山岳トンネル新設工事において掘削面である切羽に近い場所での作業となり、危険性が高く、作業員の高齢化や人材不足などの理由により、作業の自動化や省力化が求められております。2026年3月期は、『RPE自動化』について大まかな開発を完了させ、現地試験施工を実施し、一部改良が必要なものの良好な評価をいただくに至りました。売上等に直結する開発は少なかったものの、来たる自動化の流れを見据え、各工法の部品・部材の自動化対応への改良や、自動化における施工効率の向上を見据えた工法の簡素化や材料の軽量化・改良などに加え、未開発部分の立案と実証に注力して取り組んでおります。また、自動化の普及にも注力し、特にICT化技術である『モルサポ』・『SMERTチェッカー』などは採用に向けた活動に加え採用現場での指導を行い、お客様に「使い慣れていただく」といった活動を徹底することで、今後のリピート向上など長期的な戦略を持った活動を推進いたしました。また、指導を通して「現場の声」に対応し、頂いたご意見を精査したうえで必要な改良を行い、お客様に選ばれる製品として新たに導入されております。このようなお客様対応を中心とした改良中心の開発を進めたことで、既存製品での売上維持・向上に貢献いたしました。
トンネル防水シートでは、2023年3月期に上市しました『インテロック』が2つ目の現場で採用され、施工が開始されたため引き続き売上に貢献しております。また、『インテロック』の技術を応用した新たな製品開発を行い、新しい考え方のトンネル構築に向けた技術に採用して、インフラの安全性向上・長寿命化に寄与する取り組みを進め、2027年3月期には実証実験の実施が決定しております。さらに今後も大型プロジェクトへの採用に向けて検証と改良を進めてまいります。
トンネル構築のトータルプランナーとなるべき取り組みとして、これまで取り扱いの無かった分野への参入を視野に、教育研究機関、元請け事業者とともに、トンネル覆工コンクリートの品質向上によるインフラの長寿命化に貢献する新しい技術の開発も進めており、数年以内の商業化を目指して開発に邁進しております。
重金属処理に関する分野については、すでに上市しました『パデムシート』は営業活動、スペックイン活動により、3件の現場で採用していただきました。また、新たな取り組みとして火山灰に含まれる有害物質の流出防止について研究機関、自治体と共同で実地試験を開始するなど、適用範囲の拡大に向けた活動を開始しております。
『微生物による重金属処理』技術を応用し、廃PV(使用済み太陽光パネル)処理への適用、レアメタルの抽出など適用範囲の拡大に向けた研究を芝浦工業大学と共同で進め、新技術として新聞発表を行いました。引き続き基礎研究を行いながら将来的な商業化を視野に取り組んでまいります。
また、斜面の防災・補強をターゲットとした研究開発では、『IBO-Zロックボルト』を使用した自穿孔ボルトによる本設仕様の施工システムで小型の施工機械により狭隘な箇所でも施工できる工法『ホーク・ネイリング』は、2024年12月にNETIS登録が完了し、公的機関や関連する企業への広報活動やコンサルタント等へのスペックイン活動も積極的に進めております。
今後も、各種の新設・補修補強プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。
(土木資材事業研究開発費 56,069千円)
(3)建設事業
トンネル内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料・工法・機器の改良開発、トンネル工事における安全対策製品の開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムや、省人化対策として補修・補強工事の機械化・自動化技術の研究開発を継続しております。
フレキシブルPV(太陽電池)『Haru-PV』は、接着材及び粘着材で貼付したHaru-PVの動風圧試験を実施し、剥がれが生じないことを確認いたしました。また、台風被害が多い地域である南西諸島・徳之島に接着・粘着タイプを設置し、実際の台風に対する耐久性を検証する暴露試験を実施しております。施工性を向上させた粘着タイプは、大阪市からフィールドの提供を受け、淀川左岸線(2期)大淀入路区間の道路壁面に設置し、道路近傍環境下における粘着力の検証試験を実施いたしました。2026年3月期は材料販売実績が3件となり、スペックイン活動も進展しております。
基板の突起部に高性能反射材を貼付した『ガイナ視線誘導ライン反射材』は、基板の耐候性を向上させる改良を行い、長寿命化に成功いたしました。また、実現場における試験施工も実施いたしました。2027年3月期には2現場での採用が決定しております。
トンネル壁面の凹凸形状にもフレキシブルに設置でき、はく落防止性能及び漏水防止性能を向上させた『ガイナメッシュD』の開発が完了いたしました。実現場での試験施工を3件実施し、良好な評価を得ております。また、漏水防止性能に特化した「漏水対策シート」を製品化し、はく落防止性能と漏水防止性能を用途に応じて使い分けることで、お客様の要望に寄り添った価値を提供いたします。
JR東日本の新幹線大規模改修工事に向けて開発を進めているトンネル覆工コンクリートの目地部におけるはく落対策製品『ガイナメッシュBT』は、JR東日本管内のトンネルでの試験施工を完了し、補修材料として十分な性能が確保されていることを確認いたしました。
コンクリート構造物だけでなく鋼構造物にも適用可能な高目付繊維補強工法として上市した『SHシートボード工法』は、漏水が多い場合に従来の繊維補強シートでは施工後に再漏水が発生してシートに浮きが生じるトラブルを回避できる工法として、高速道路トンネルにおいて2区間の試験施工を実施いたしました。また、スペックイン及び材料販売ともに順調に進んでおります。
株式会社熊谷組、日進機工株式会社との3社共同で、繊維補強シート工法の機械化に関する開発を進めております。覆工コンクリート表面を削るウォータージェット工の機械化や、ロボットアームによるプライマー塗布工の機械化について、当社模擬トンネルで試験を重ねた後、実現場での試験施工を実施いたしました。試験施工により抽出された課題につきましては、引き続き改善を進めてまいります。今後も省人化対策を推進するとともに、高い施工品質を提供できる技術開発に取り組んでまいります。
また、トンネル以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらに強化するための研究開発のほか、橋梁下部工の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続しております。
既設構造物の耐震補強や構造物の支持力対策などに適用可能な小口径鋼管杭『STマイクロパイル工法』は、国立研究開発法人土木研究所と当社を含む民間企業との共同研究により開発された工法であります。本工法は、既設構造物の補強を主な対象として開発されたものですが、狭隘地、難掘削地盤、空頭制限など、従来工法では施工が困難となる各種制約条件に対して高い適応性を発揮する工法であります。その特長を活かし、既設構造物の補強のみならず、新設構造物基礎から斜面補強に至るまで適用範囲を拡大しており、累計施工延長は9万mを上回るなど、施工実績も着実に増加しております。また、さらなる普及と信頼性の向上を図るため、最新の技術動向に対応した建設技術審査証明の取得に向けて、載荷試験をはじめとする各種実験を精力的に進めております。あわせて、得られた実験結果を踏まえながら、評価検討を進めております。
さらに、工法としての信頼性を一層高める取り組みとして、ICTを活用した『支持層地盤探査システム』の研究開発を進めております。現在、現場での実測データの蓄積を継続するとともに、実施工においてより使いやすいシステムとなるよう、機能面及び運用面での改良を進めております。今後は、これらの成果を踏まえ、建設DXへの展開も視野に入れた取り組みを進めてまいります。
新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、今後も施工品質向上と長寿命化をキーワードに研究開発に取り組むとともに、長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイノベーションを通じて取り組み、建設分野のDX推進に貢献してまいります。
(建設事業研究開発費 30,969千円)
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02876] S100YDJU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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