有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YITC (EDINETへの外部リンク)
株式会社大林組 研究開発活動 (2026年3月期)
当社グループは、社会及び顧客の多様なニーズに応えるため、環境保全やエネルギー対策等の社会に貢献する技術、生産性向上、品質確保、コストダウン等に資する工法や技術のほか、事業領域の拡大を図るための技術開発など多岐にわたる分野の研究開発活動を実施している。
また、研究開発活動の幅を広げ、効率化を図るため、国内外の大学や公的研究機関、異業種企業との技術交流、共同開発も積極的に推進している。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は177億円であり、主な研究開発成果は次のとおりである。
なお、当社は研究開発活動を国内建築、海外建築、国内土木、海外土木、不動産及びその他の各セグメントには区分していない。
(1) 当社
① 低炭素型の高性能セメント複合材料「ユニバーサルクリート®GX」を開発
太平洋マテリアル㈱と共同で、低炭素型高性能セメント複合材料「ユニバーサルクリートGX」を開発し、大阪・関西万博の来場者移動EVバス向け走行中ワイヤレス給電システムの道路設備に適用した。本材料は非磁性で高い耐久性を備え、0.5%程度の引張ひずみでも引張強度を維持できる点が特長。また、セメントの一部に高炉スラグ微粉末等を使用することで、製造時のCO2排出量を従来材料比で約50%削減した。実証では、道路に埋設した部材が車両荷重に耐えながら給電性能を確保できることを確認した。今後は、ワイヤレス給電システムにおける道路設備をはじめ、非磁性・高耐久性が求められる分野への適用拡大と、低炭素材料の普及を通じた脱炭素社会の実現に貢献していく。
② 金属3Dプリンターを活用した大型モックアップを製造
アーク溶接技術(※1)を応用したWAAM技術(※2)による金属3Dプリンターを開発し、炭素鋼およびステンレス鋼を用いた大型モックアップ「The brænch®」を製造した。
WAAM技術による金属3Dプリンターは、炭素鋼造形における効率的なスラグの除去方法や造形精度の確保が課題となっていたが、当社はこれらの課題を克服し、材料の組み合わせや溶接パラメータを最適化した溶接法を用いた金属3Dプリンターを開発した。各種強度試験を行うことでその造形品質を確認。さらに、製造工程を工夫することで、従来の鋳造による製造方法と比較してコストや納期の大幅な削減が可能であることを確認した。
※1 空気中の放電現象(アーク放電)を利用して、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接方法。
※2 金属同士をつなげるアーク溶接の手法を応用し、ビード(溶接中に凝固した金属)を積層していく手法。
③ 豪雨と猛暑の影響を軽減する多機能舗装「ハイドロペイブ®」を開発、神戸市と共同で公道実証試験を実施
当社と大林道路㈱は、豪雨と猛暑による影響を軽減する多機能舗装「ハイドロペイブ」を開発し、神戸市と共同で実証試験を実施した。「ハイドロペイブ」は、車道部の透水性舗装と歩道部の湿潤舗装を組み合わせ、両者を導水パイプで連結する構造であり、一般的な道路への適用を可能とした。透水性舗装では路盤内に雨水を一時貯留・浸透させることで豪雨時の雨水の流出量を抑制し、下水施設などに一気に雨水が集中することを抑制する。また、貯留水の一部を湿潤舗装に導水・蒸発させることで路面温度の上昇が抑制される。
実証試験では、歩道部の路面温度が従来舗装より約6℃低下し、路盤内貯水が約30分で地中浸透し、次の雨に対する貯水空間が路盤内に確保できたことを確認した。本技術により都市部における豪雨災害・猛暑災害軽減が期待される。
④ ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を開始
㈱アイシンと共同でペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を開始した。建物にペロブスカイト太陽電池を設置する場合、建物が使用中でも、電池を容易に交換可能な仕組みが求められるところ、本実証ではファスナーを用いた取り外し式工法を開発し、当社技術研究所の屋上にて施工した。本工法は、同電池付きシートをファスナー部分で容易に連結させることや、部分的に交換することが可能なため、長期的な保守性に優れている。設置形状は、年間の発電量が最大となるようシミュレーションをもとに決定した。本実証で得られる知見をもとに、ペロブスカイト太陽電池の早期実用化に向けた技術開発を推進する。
⑤ 建設現場の熱中症対策に、施工済みダクトを活用した仮設空調システムを構築
2025年6月に改正労働安全衛生規則が施行され、職場における熱中症の重篤化を防止する対策が事業者に義務付けられる中、施工後空調用ダクトに大型仮設空調機を接続し全館を冷却する仮設空調システム「建設現場“涼人®”プロジェクト」を、東京都内のオフィスビル新築工事に初適用した。本技術は、作業環境の適温化を通じて建設技能者の身体負荷及び熱中症リスクを軽減する。完成建物の空調稼働前に全館空調を行う取組みは、建設業界初となる。
⑥ 東北自動車道竜ヶ森トンネル補強工事に「ワンバインドクロス®」を初適用
東レ㈱、コニシ㈱、㈱ケミカル工事と共同で、縦横2方向に補強効果を有する炭素繊維シート接着工法「ワンバインドクロス」を開発し、東北自動車道竜ヶ森トンネル補強工事に初適用した。本工法は、2方向の炭素繊維シートを1層で適用することで、従来の2層貼り工法と同等の補強性能を確保するとともに、工程数の削減を実現している。さらに、シートの大判化により貼付作業の施工効率を約2倍に向上させた。今後はさらなる高強度化を進め、トンネル以外の構造物への適用拡大を目指す。
⑦ 製造時CO2排出量を67%削減するプレキャストPC床版「クリーンクリート®PC床版」を開発
低炭素型コンクリート「クリーンクリート」を橋梁向けプレキャストPC床版に適用できるよう初期強度を高めた「クリーンクリートPC床版」を開発した。本床版は、セメントの75%を高炉スラグ微粉末に置換することで製造時のCO2排出量を67%削減する。ブレーン値4,000cm2/gの高炉スラグ微粉末と早強ポルトランドセメント、特殊混和剤を使用し蒸気養生を行うことで、初期強度を確保するとともに、材料の配合や養生条件を工夫することで従来と同等の製造サイクルおよびコストを実現した。
また、硬化体の緻密化により、塩化物イオンの見かけの拡散係数を一般的なコンクリートの約6分の1まで低減し、塩害環境下での高い耐久性を実現した。今後も低炭素型資材の活用工事を積極的に提案し、安全・安心なインフラ整備とカーボンニュートラルの実現に貢献していく。
⑧ 中規模木造建築の準耐火構造提案を支援する計算ツール「SynchroMOK™」を開発
中規模木造建築の準耐火構造提案を支援する計算ツール「SynchroMOK」を開発した。本ツールは、火災時及び避難時の倒壊防止性能検証法に基づき、木構造の燃えしろ深さをBIMと連携して自動算出するものである。中規模建築物を純木造で設計する際には、火災・避難時に主要構造部が倒壊しないよう高度な安全性評価が求められるが、計算が複雑で設計上の課題となっていた。「SynchroMOK」はBIMモデルから構造データを自動抽出し、歩行距離や歩行速度などの基本的な避難情報を入力することで、短時間での計算を可能とし、従来比80%以上の省力化を実現する。さらに、建築確認申請への適用が可能であることも検証済みであり、中規模建築物の純木造化提案の促進に寄与する。
⑨ 日本初、建設現場において水素燃料電池搭載油圧ショベルの実証実験を実施
岩谷産業㈱およびコマツと共同で、上信越自動車道(落石対策)北野牧(その2)工事において、水素燃料電池を搭載した中型油圧ショベル(FCショベル)の実証実験を実施した。
施工中の建設現場でFCショベルを使用する取り組みは国内初。軽油を使用する従来機と同等の作業性能であることに加え、排気ガスゼロ、低騒音・低振動による環境負荷低減と作業者への負担軽減を確認した。また、高速な水素供給・充填の必要性など実用化に向けた課題について、今後の導入に向けた実運用モデルや、現場選定の指針を検討するための知見が得られた。
(2) 大林道路㈱
バイオマスプラスチック「ライスレジン®」の規格外品を添加したアスファルト混合物の開発
㈱ライスレジン及び日本大学工学部と共同で、米由来バイオマスプラスチック「ライスレジン」の規格外品を添加したアスファルト混合物を開発し、試験施工を行った。「ライスレジン」は、非食料米と石油プラスチックから製造される。従来は焼却処分されていた規格外品を再資源化することで、米の生育過程において光合成により吸収されたCO2を舗装に固定する。また、これを添加したアスファルト混合物は耐久性向上に寄与することから、将来的な維持補修頻度の低減も期待される。これらにより、舗装ライフサイクル全体での環境負荷軽減に貢献する。
また、研究開発活動の幅を広げ、効率化を図るため、国内外の大学や公的研究機関、異業種企業との技術交流、共同開発も積極的に推進している。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は177億円であり、主な研究開発成果は次のとおりである。
なお、当社は研究開発活動を国内建築、海外建築、国内土木、海外土木、不動産及びその他の各セグメントには区分していない。
(1) 当社
① 低炭素型の高性能セメント複合材料「ユニバーサルクリート®GX」を開発
太平洋マテリアル㈱と共同で、低炭素型高性能セメント複合材料「ユニバーサルクリートGX」を開発し、大阪・関西万博の来場者移動EVバス向け走行中ワイヤレス給電システムの道路設備に適用した。本材料は非磁性で高い耐久性を備え、0.5%程度の引張ひずみでも引張強度を維持できる点が特長。また、セメントの一部に高炉スラグ微粉末等を使用することで、製造時のCO2排出量を従来材料比で約50%削減した。実証では、道路に埋設した部材が車両荷重に耐えながら給電性能を確保できることを確認した。今後は、ワイヤレス給電システムにおける道路設備をはじめ、非磁性・高耐久性が求められる分野への適用拡大と、低炭素材料の普及を通じた脱炭素社会の実現に貢献していく。
② 金属3Dプリンターを活用した大型モックアップを製造
アーク溶接技術(※1)を応用したWAAM技術(※2)による金属3Dプリンターを開発し、炭素鋼およびステンレス鋼を用いた大型モックアップ「The brænch®」を製造した。
WAAM技術による金属3Dプリンターは、炭素鋼造形における効率的なスラグの除去方法や造形精度の確保が課題となっていたが、当社はこれらの課題を克服し、材料の組み合わせや溶接パラメータを最適化した溶接法を用いた金属3Dプリンターを開発した。各種強度試験を行うことでその造形品質を確認。さらに、製造工程を工夫することで、従来の鋳造による製造方法と比較してコストや納期の大幅な削減が可能であることを確認した。
※1 空気中の放電現象(アーク放電)を利用して、同じ金属同士をつなぎ合わせる溶接方法。
※2 金属同士をつなげるアーク溶接の手法を応用し、ビード(溶接中に凝固した金属)を積層していく手法。
③ 豪雨と猛暑の影響を軽減する多機能舗装「ハイドロペイブ®」を開発、神戸市と共同で公道実証試験を実施
当社と大林道路㈱は、豪雨と猛暑による影響を軽減する多機能舗装「ハイドロペイブ」を開発し、神戸市と共同で実証試験を実施した。「ハイドロペイブ」は、車道部の透水性舗装と歩道部の湿潤舗装を組み合わせ、両者を導水パイプで連結する構造であり、一般的な道路への適用を可能とした。透水性舗装では路盤内に雨水を一時貯留・浸透させることで豪雨時の雨水の流出量を抑制し、下水施設などに一気に雨水が集中することを抑制する。また、貯留水の一部を湿潤舗装に導水・蒸発させることで路面温度の上昇が抑制される。
実証試験では、歩道部の路面温度が従来舗装より約6℃低下し、路盤内貯水が約30分で地中浸透し、次の雨に対する貯水空間が路盤内に確保できたことを確認した。本技術により都市部における豪雨災害・猛暑災害軽減が期待される。
④ ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を開始
㈱アイシンと共同でペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を開始した。建物にペロブスカイト太陽電池を設置する場合、建物が使用中でも、電池を容易に交換可能な仕組みが求められるところ、本実証ではファスナーを用いた取り外し式工法を開発し、当社技術研究所の屋上にて施工した。本工法は、同電池付きシートをファスナー部分で容易に連結させることや、部分的に交換することが可能なため、長期的な保守性に優れている。設置形状は、年間の発電量が最大となるようシミュレーションをもとに決定した。本実証で得られる知見をもとに、ペロブスカイト太陽電池の早期実用化に向けた技術開発を推進する。
⑤ 建設現場の熱中症対策に、施工済みダクトを活用した仮設空調システムを構築
2025年6月に改正労働安全衛生規則が施行され、職場における熱中症の重篤化を防止する対策が事業者に義務付けられる中、施工後空調用ダクトに大型仮設空調機を接続し全館を冷却する仮設空調システム「建設現場“涼人®”プロジェクト」を、東京都内のオフィスビル新築工事に初適用した。本技術は、作業環境の適温化を通じて建設技能者の身体負荷及び熱中症リスクを軽減する。完成建物の空調稼働前に全館空調を行う取組みは、建設業界初となる。
⑥ 東北自動車道竜ヶ森トンネル補強工事に「ワンバインドクロス®」を初適用
東レ㈱、コニシ㈱、㈱ケミカル工事と共同で、縦横2方向に補強効果を有する炭素繊維シート接着工法「ワンバインドクロス」を開発し、東北自動車道竜ヶ森トンネル補強工事に初適用した。本工法は、2方向の炭素繊維シートを1層で適用することで、従来の2層貼り工法と同等の補強性能を確保するとともに、工程数の削減を実現している。さらに、シートの大判化により貼付作業の施工効率を約2倍に向上させた。今後はさらなる高強度化を進め、トンネル以外の構造物への適用拡大を目指す。
⑦ 製造時CO2排出量を67%削減するプレキャストPC床版「クリーンクリート®PC床版」を開発
低炭素型コンクリート「クリーンクリート」を橋梁向けプレキャストPC床版に適用できるよう初期強度を高めた「クリーンクリートPC床版」を開発した。本床版は、セメントの75%を高炉スラグ微粉末に置換することで製造時のCO2排出量を67%削減する。ブレーン値4,000cm2/gの高炉スラグ微粉末と早強ポルトランドセメント、特殊混和剤を使用し蒸気養生を行うことで、初期強度を確保するとともに、材料の配合や養生条件を工夫することで従来と同等の製造サイクルおよびコストを実現した。
また、硬化体の緻密化により、塩化物イオンの見かけの拡散係数を一般的なコンクリートの約6分の1まで低減し、塩害環境下での高い耐久性を実現した。今後も低炭素型資材の活用工事を積極的に提案し、安全・安心なインフラ整備とカーボンニュートラルの実現に貢献していく。
⑧ 中規模木造建築の準耐火構造提案を支援する計算ツール「SynchroMOK™」を開発
中規模木造建築の準耐火構造提案を支援する計算ツール「SynchroMOK」を開発した。本ツールは、火災時及び避難時の倒壊防止性能検証法に基づき、木構造の燃えしろ深さをBIMと連携して自動算出するものである。中規模建築物を純木造で設計する際には、火災・避難時に主要構造部が倒壊しないよう高度な安全性評価が求められるが、計算が複雑で設計上の課題となっていた。「SynchroMOK」はBIMモデルから構造データを自動抽出し、歩行距離や歩行速度などの基本的な避難情報を入力することで、短時間での計算を可能とし、従来比80%以上の省力化を実現する。さらに、建築確認申請への適用が可能であることも検証済みであり、中規模建築物の純木造化提案の促進に寄与する。
⑨ 日本初、建設現場において水素燃料電池搭載油圧ショベルの実証実験を実施
岩谷産業㈱およびコマツと共同で、上信越自動車道(落石対策)北野牧(その2)工事において、水素燃料電池を搭載した中型油圧ショベル(FCショベル)の実証実験を実施した。
施工中の建設現場でFCショベルを使用する取り組みは国内初。軽油を使用する従来機と同等の作業性能であることに加え、排気ガスゼロ、低騒音・低振動による環境負荷低減と作業者への負担軽減を確認した。また、高速な水素供給・充填の必要性など実用化に向けた課題について、今後の導入に向けた実運用モデルや、現場選定の指針を検討するための知見が得られた。
(2) 大林道路㈱
バイオマスプラスチック「ライスレジン®」の規格外品を添加したアスファルト混合物の開発
㈱ライスレジン及び日本大学工学部と共同で、米由来バイオマスプラスチック「ライスレジン」の規格外品を添加したアスファルト混合物を開発し、試験施工を行った。「ライスレジン」は、非食料米と石油プラスチックから製造される。従来は焼却処分されていた規格外品を再資源化することで、米の生育過程において光合成により吸収されたCO2を舗装に固定する。また、これを添加したアスファルト混合物は耐久性向上に寄与することから、将来的な維持補修頻度の低減も期待される。これらにより、舗装ライフサイクル全体での環境負荷軽減に貢献する。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00055] S100YITC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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