有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YJQU (EDINETへの外部リンク)
株式会社ぐるなび 事業等のリスク (2026年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項については、提出日現在において当社グループで想定される範囲で記載したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。
①外部環境および市場構造の変化に関するリスク
当社グループの連結売上高の基盤である飲食店販促サービスは、外食市場の動向に強く左右されます。現在、飲食業界においては、昨今の中東情勢の不安定化に伴う原油価格の上昇や、それに連動した広範な物価上昇による原材料費・光熱費の上昇に加え、構造的な労働力不足に起因する人件費の増大が深刻な課題となっています。これにより、加盟飲食店の収益性が悪化し、販促をはじめとする経営改善に向けた投資意欲の減退や休廃業が加速した場合、当社の有料加盟店舗数および契約単価の低下を招く恐れがあります。あわせて、地政学リスクや為替相場の変動によるインバウンド需要の質的変化、個人消費の選別意識の高まりといった市場構造の変化に適応できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対応するため、当社グループは以下の施策に重点的に取り組んでおります。
外食市場の構造変化や各種コストの高騰に直面する飲食店が、収益力を高められるよう「飲食店経営プラットフォーム」としての機能拡充を進めております。具体的に、「楽天ぐるなび」においては、楽天エコシステム(経済圏)を活用した安定的な送客サイクルの構築を図っております。また、人手不足の深刻化を踏まえ、当社が飲食店の一部となり各種業務を代行する「エージェントサービス」や、デジタルの力で店内業務の効率化を図る「モバイルオーダーサービス」等を通じ、飲食店経営の生産性向上支援に取り組んでおります。加えて、CRM機能や決済機能等、飲食店のライフラインとなり得る新たな価値を創出することで、飲食店の持続可能な経営モデル構築を後押しすると同時に、マクロ環境変動に強い強固な飲食店ネットワークの構築に努めてまいります。
②大規模な自然災害および感染症の流行に関するリスク
当社グループは過去において、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行といった未曾有の事態に伴う外食需要の急減により、加盟飲食店からの収入が激減する等、業績に著しい悪影響を受けた経験を有しております。
今後も、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模な自然災害、気候変動に伴う激甚災害、あるいは新たな未知の感染症が発生した場合、店舗の物理的被害や食材サプライチェーンの寸断により、加盟飲食店の休廃業が相次ぐ恐れがあり、当社の収益基盤に対する直接的かつ致命的な打撃を及ぼす可能性があります。
さらに、これらの自然災害等の発生は、当社グループのデータセンター、通信ネットワーク、オフィス設備といったサービス提供基盤の物理的破損や、従業員の安全確保を困難にするリスクを内包しております。これらによりサービスの長期停止を余儀なくされた場合、当社グループの事業継続、財政状態および経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
そこで当社グループは、不測の事態においても事業を継続できるよう、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的な見直しと訓練を実施しております。また、従業員の安全確保を最優先としつつ、テレワーク基盤の活用により業務継続を可能にする体制を整えております。加えて、サービス提供基盤においては、システムのクラウド環境への移行(クラウドマイグレーション)を推進し、データセンターの冗長化やバックアップ体制の強化により、物理的被害に対する耐性と早期復旧能力(レジリエンス)を高め、サービス提供の中断リスクを最小化するよう努めております。
③中期経営計画の達成状況に関するリスク
当社グループは、2027年3月期から2029年3月期の3か年を対象とする中期経営計画を始動しております。
本計画では、「提供価値の変革」と「飲食店ネットワークの拡大」を全社方針とし、飲食店経営を多面的に支えるプラットフォーム機能の拡充に取り組みます。これにより、従来の延長線上とは異なる売上・利益の成長を遂げつつ、次なる飛躍への強固な礎を構築する方針です。
しかしながら、B2B領域への「飲食店経営プラットフォーム」の機能拡充が計画通り進まないことにより、新規加盟店の獲得が遅延する等、本計画が達成できなかった場合には、当社グループの中長期的な成長基盤および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
そこで当社グループでは、本計画の方針である「提供価値の変革」と「飲食店ネットワークの拡大」を具現化し、実効性を高めるべく、初年度(2027年3月期)に営業体制の大幅な増強等への戦略投資を実施いたします。これにより、新規加盟店獲得力を向上させるとともに、CRMや決済機能等を含む多面的なプラットフォーム機能の拡充、および楽天グループとの協業深化による新たな価値創出に取り組んでおります。
これらの施策実行にあたっては、ROIC(投下資本利益率)マネジメントを軸とした資本コスト経営を推進し、各事業の収益性や資本生産性を厳格にモニタリングしてまいります。また、定期的に取締役会や経営執行会議において進捗状況を確認し、事業環境の変化に応じて柔軟かつ機動的なリソース再配分や事業の見極めを行うことで、計画未達リスクの低減に努めてまいります。
④技術革新への対応とAI活用に関するリスク
当社グループはITを事業の根幹と位置付けておりますが、技術革新の進展は極めて著しく、次のようなリスクを内包しております。なかでも生成AI技術の進化は、消費者および飲食店双方に大きな変化をもたらす可能性があります。消費者側においては、飲食店検索行動が従来の「ポータルサイト検索」から「AIとの対話による情報収集」へと変化し、既存のメディア型販促支援モデルの競争力が相対的に低下する恐れがあります。また、飲食店側においては、「AIを活用した経営の高度化」へのニーズが高まる可能性があり、これらの変化に適応し、新たな価値をタイムリーに提供できない場合、プラットフォームとしての優位性が低下するリスクがあります。これに対応するためのAI投資やシステム刷新において、技術の短命化による投資回収の遅延や、既存システムの技術的負債に伴う開発生産性の低下が生じた場合、市場シェアの喪失を招きかねません。また、当社が蓄積する情報資産のコモディティ化(汎用化)により独自性および優位性が損なわれた場合、当社グループの中長期的な成長基盤および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
そこで、当社グループでは、生成AI等の最新技術の検証・導入を推進する専門組織を中心に、全社的な実装を進めております。現在、AIがプロダクトやデータを直接解釈・活用できるモジュール構造(クラウドネイティブ)へ刷新する「AIフレンドリー化」のほか、AIが多種多様かつ膨大なデータを自律的に読み解き、価値を高め続ける「情報エコシステム」の構築を推進中です。また、開発プロセスに「Prototype First」を導入し、AIへの作業委譲による効率化と開発リードタイムの短縮を図っております。
さらに、情報資産のコモディティ化への対策の面では、当社の強みである営業を中心とした外食産業と深くつながり・支える力の強化を図るとともに、B2B領域への当社提供価値の拡大を通じた飲食店との接点の拡充から得られる「リアル情報」の集積を推進いたします。これによりWeb情報に留まらない、飲食店の経営状態をリアルに示し、改善提案に直結する情報資産の獲得が進みます。
こうした取り組みにより、技術陳腐化リスクを低減するとともに、当社独自の情報資産を活かした競争優位性の構築に努めております。
⑤人材の確保および組織運営に関するリスク
当社事業の領域拡大および構造転換を推進するための高度な専門人材や、収益確保の根幹を支える営業人員を確保・育成することは、当社グループの成長戦略における最重要課題です。
IT・サービス業界における人材獲得競争の激化により、新規加盟店の獲得および既存加盟店の経営サポートを担う営業人員を計画通りに確保できない場合や、離職率の上昇によるノウハウ継承の断絶等が生じた場合、売上高の成長が停滞するリスクがあります。また、加盟飲食店のDX化を支援するためのコンサルティングスキルの習得が遅延し、人員配置の最適化が図れない場合、営業生産性の低下や採用・教育コストの著しい増加を招き、当社グループの競争力および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当社グループでは「飲食店経営プラットフォーム」としての機能拡充を推進するにあたり、高度専門人材および営業人員の採用・育成を人的資本経営の柱と位置づけております。採用チャネルの多角化等により優秀な人材を確保するとともに、エンゲージメントサーベイの導入を通じた組織状態の可視化や、階層別マネジメント研修等の強化を通じて従業員の定着率向上を図っております。また、全社的なAI活用により創出された時間を高付加価値な事業推進へ再配置し、個人の「やりがい」と組織全体の生産性向上を両立させることで、人材不足リスクの軽減に努めております。
⑥情報セキュリティおよびシステム基盤に関するリスク
当社グループのサービスは複雑なネットワークおよびクラウド基盤に依存しており、サイバー攻撃の高度化(AI悪用型攻撃等)やサプライチェーンの脆弱性を突いたセキュリティ侵害のリスクに常に晒されています。万が一、大規模なシステム障害や個人情報の漏洩・不適切な利用が発生した場合、サービス提供の中断による直接的な収益減少にとどまらず、国内外の法規制に基づく巨額の制裁金、損害賠償、およびブランド価値の致命的な毀損を招く恐れがあります。また、ゼロトラスト環境への移行やサイバーレジリエンスの強化に遅れが生じた場合、事故発生時の社会的責任を問われ、事業に対する信頼が失墜すること等により、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
そこで当社グループでは、情報セキュリティを極めて重要な経営課題と認識し、専門組織である「セキュリティマネジメント室」を中心に全社的なガバナンス体制を構築しております。サイバー攻撃に対するゼロトラスト環境の整備や常時監視体制を敷くとともに、プライバシーマーク(Pマーク)の取得・運用に向けた個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の構築・内部監査を通じ、情報管理の徹底と教育を行っております。また、クラウド環境への移行により、システム障害時の早期復旧能力(サイバーレジリエンス)を強化しております。
⑦資本・業務提携および財務戦略に関するリスク
当社グループは、楽天グループ株式会社との資本業務提携によるシナジーを成長戦略の柱の一つとしております。仮にこの提携関係が解消・縮小された場合、楽天エコシステム(経済圏)を通じた送客力の減退や、共同マーケティング機会の喪失等が業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、財務面においては、国内金利の上昇トレンドに伴う調達コストの増大に加え、資本コスト(WACC)の上昇による投資判断基準の厳格化が、成長投資のスピードを抑制する要因となる可能性があります。さらに、新規事業やM&Aにおいて、期待通りの成果・シナジーが創出できず、投資原資の回収が困難と判断された場合には、減損損失の計上等により財務状況が悪化するリスクがあります。
これに対処するため、楽天グループ株式会社との提携においては、楽天ポイントや楽天カード、楽天ペイ等とのサービス連携を深化させ、会員の相互送客や共同商品の開発等、高いシナジー効果の実現に努めております。財務面においては、D/Eレシオ0.5倍程度、自己資本比率45%以上、手元流動性(現預金)月商2か月分以上の維持、これら3つのマイルストーンのもと、財務の健全性および安全性の維持に取り組んでまいります。さらに、ROICマネジメントの実践による投資規律の強化や、債権回収領域の拡大による早期キャッシュインを図ることで、金利変動・資金繰りリスクを適切にコントロールしていく所存であります。
⑧法規制の遵守およびレピュテーションに関するリスク
当社グループは、景品表示法、特定商取引法、独占禁止法、個人情報保護法、取適法等広範な法的制約下で事業を行っております。また、アルゴリズムの透明性確保やAI利用に関する新たな法的枠組みへの対応、サプライチェーン全体での適正取引(価格転嫁)の要請等、規制環境は厳格化の途にあります。これらの遵守に不備があった場合、行政処分や課徴金の対象となるだけでなく、SNS等を通じたネガティブな評判の急速な拡散により当社のレピュテーションが毀損し、その悪評が定着するリスクがあります。特に社会課題への取り組みにおける実効性の欠如が指摘された場合、ステークホルダーからの信頼喪失を招き、中長期的な企業価値の毀損等を通じて当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを低減するため、当社グループでは、オンラインプラットフォーム運営やデータ収集・利用、取適法等を含む新たな法的規制の動向を継続的に注視し、適切なコンプライアンス体制の保持と必要なシステム改修等の検討を進めております。また、レピュテーションリスクに対しては、「食でつなぐ。人を満たす。」とのパーパスを中核とした理念体系に基づく経営を徹底しております。具体的には、継続的なコーポレートガバナンスの強化や人的資本経営の推進、気候変動に関するリスク・機会への対応等に取り組んでおります。経営の透明性を高めるにあたっては、財務情報のみならず気候変動対応を含む非財務情報の開示の充実に取り組むことで、ステークホルダーからの信頼維持と社会的責任の遂行に努めております。なお、CO2排出量に関する規制強化に伴うコスト増加リスクについては、事業の特性上限定的であると認識しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05456] S100YJQU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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