有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YJ8D (EDINETへの外部リンク)
大王製紙株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は3,936百万円であり、紙・板紙事業、ホーム&パーソナルケア事業、その他事業等における研究開発活動の状況は以下のとおりです。
(1)紙・板紙事業
紙・板紙事業では、メディア用途の紙から梱包・包装用途の紙へのシフトを進めており、営業と工場部門が一体となって、マーケットの変化や需要動向をいち早く捉え、商品開発に活かせるよう取り組んでいます。
研究体制は、国内の主要な生産拠点に開発部員を配置しています。商品開発・企画推進グループでは、特殊紙分野の新商品開発を担当しており、昨今の脱プラスチック・環境配慮の要求に対応しながら、市場ニーズに合った紙製品・プラスチック代替商品の企画提案・開発を行っています。生産技術グループでは、ユーザーと直接対話を行いながらFSC認証製品化、再生紙化といった国内ユーザーのニーズを満たす商品のリニューアルや新規紙商品開発の他、海外で差別化が図れる高強度の板紙生産技術開発に取り組んでいます。また、昨今の古紙不足に対応するため、未利用古紙(難処理古紙)のリサイクル技術確立を進めています。
当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。
① 脱プラスチック・減プラスチック商品の開発に関する取組み
紙という生分解性があり再生可能な原料を使用して脱プラスチック・減プラスチックに貢献できるよう「FSエリプラ」ブランドの開発を進めてきました。ナイフ、マドラーなどの高い剛性と耐水・耐油性が求められるプラスチックや、食品の2次包材として使われているフィルムの代替となる強度の高い薄葉紙の開発品と合わせて37品種(エリプラシリーズ15品種、その他22品種)をラインナップし、用途・要望に応じた提案活動を行っています。
② 輸出向け高破裂強度板紙開発の取組み
デジタル化による印刷用紙の需要減少に対し、新興国で需要が拡大する板紙需要を取り込むため、2020年4月に当社三島工場新7号マシンの板紙への転抄を行い、海外への販売を開始しています。新7号マシンでの板紙生産開始当初は、薄物クラフトライナーボード(古紙パルプの配合率が低く、強度が高い段ボール原紙)の代替需要を取り込むため、高破裂強度製品の開発と増産を進めてきましたが、ロシアからの薄物クラフトライナーボードが安価でアジア圏に流入していることから価格競争を避けるため、現在は自動車部品のような重量物を運ぶケースや紙製パレットに使用される高米坪(300g以上)で強度の高いクラフトライナーボードの代替品を開発・生産し、国内や韓国への販売を開始しています。
③ 紙おむつ用フラッフパルプ開発の取組み
印刷用紙からの転換として、当社三島工場15号マシンをフラッフパルプ生産設備へ転換し、2023年7月から生産を開始しています。当社グループ内での使用以外に、国内及び海外の紙おむつ製造会社向けフラッフパルプや海外の化学薬品製造会社の原材料用途への品質改良と拡販を進めています。
④ 低透気度クラフト紙開発の取組み
小麦粉やセラミック粉末などの微粉体製造工場では、充填時の生産性向上を目的に輸入クラフト紙を使った低透気度のクラフト袋が一部利用されています。2024年には更に粉体やペレットなどの充填性を向上させた超低透気度のクラフト紙の生産に成功し、充填機製造会社での実証結果を基に各コンバーターへの提案と実機テストを進めています。
紙・板紙事業に係る研究開発費は、563百万円です。
(2)ホーム&パーソナルケア事業
ユーザーニーズの変化に対応した新商品開発と既存商品の改良に加え、SDGs推進の一環として環境配慮型商品の開発に主眼を置き、付加価値商品の売上比率を増やすべく開発を進めています。
研究体制は、国内及び海外の市場変化への素早い対応だけでなく、グローバル市場全体で品質とブランド価値を確立できるよう東京本社と国内3工場に開発部員を配置しています。また、中国、タイ、インドネシア、ブラジルの在外子会社4社にも開発部員を配置し、世界で共通した商品価値の提供ができるようにしています。
当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。
① 衛生用紙での取組み
トイレットペーパーのフラッグシップ商品である『Theエリエール』について、「安らぎの上質な香り」の香り持続性を向上させる改良を行うとともに、パッケージ状態での香り漏れを低減するガスバリアフィルムを採用したリニューアルを2025年8月に実施しました。また、新規クレーピングブレードを活用し、紙内部の空隙率を高めることで吸収性を向上させた『超吸収キッチンタオル』のリニューアルを実施しました。業務用商品においても、同クレーピングブレード技術を活用し、パルプ使用量を抑制しながら吸収性を維持する品質改良を行い、『エリエールペーパータオルライト』『エリエールペーパータオルセレクトエンボス』を発売しました。ティシューでは、環境負荷低減への取組みとして、シート取り出し適性を維持しながら、カートン取り出し口フィルムを削減したフィルムレスカートンを開発し、ティシューブランド「i:na」の企画品として全国展開しました。さらに天然素材100%の不織布を使用して、環境にやさしく、油こし等のキッチン周りに使用できる『超吸収タフタオル』をEC市場向けに発売しました。
② ベビー用紙おむつでの取組み
ベビー用紙おむつでは、育児負担軽減に貢献するブランドとして、「親子のできるが増える」をコンセプトに、家族に寄り添う紙おむつの新シリーズ「グーン モレ0へ」シリーズを2026年3月に発売しました。
本シリーズでは、成長に伴い変化するモレや装着に関する悩みに対応したラインナップを展開しており、テープタイプ『グーン ゆるうんちモレ0へ』新生児・Sサイズでは、装着位置の目安となる「おむつ替えらくらく装着ガイド」を採用し、装着エラーの軽減を図りました。パンツタイプ『グーン 長時間でもモレ0へ』L・BIGサイズでは、拡散性の高い吸収体エンボスを採用することで、繰り返しの排尿に対する吸収性能を向上させ、長時間の外出時や就寝時にも安心して使用できる設計としました。また、パンツタイプ全品に採用している「ふわふわのびーるウエスト」については、より柔軟性とコシを両立した素材へ改良することで、快適なはき心地とフィット性の向上を図りました。
③ 大人用紙おむつでの取組み
市販用商品では、「アテント 夜1枚安心パンツ」のラインナップ拡充として、『アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 6回吸収』を開発しました。900ccの吸収量を備えることで、夜間使用時の安心感向上と快適なはき心地の両立を図りました。病院・介護施設向け商品では、介護現場の業務負担軽減を目的として、誰でも使いやすいテープ式紙おむつ『アテント スマートホールドテープ』を2025年8月に発売しました。バックシート全面に貼り付け可能な専用テープにより、装着の簡便性とサイズ適用範囲を拡大するとともに、うす型吸収体と立体ギャザー構造により快適性とモレにくさを両立しました。また、プラスチック使用量を従来品比12%削減し、使いやすさと環境配慮を両立した商品としました。さらに、大人用紙おむつをより快適なものとし、誰もが自然に使用できる社会の実現を目指した開発活動の一環として、2025年大阪・関西万博で開催された「未来のおむつコレクション」において、デニム調やフリル、レザーをあしらったデザインを施した未来の大人用紙おむつ3品を出品しました。
④ フェミニンケア用品での取組み
SDGs推進の一環として、『エリス 新・素肌感 (多い昼~ふつうの日用) 羽つき 20.5cm』2コパックについて、外装フィルムを廃止するリニューアルを2026年3月に実施しました。これにより、包装プラスチック使用量を従来品比57%削減し、環境負荷低減を図りました。また、吸水ケアブランド「ナチュラ」では、従来の吸水ケア用品のイメージを見直し、気軽に交換できる使い切りタイプの『ナチュラ 吸水ショーツ』を2025年9月に発売しました。ヒップラインにひびきにくい薄型吸収体を採用しながら、ポリマー配合を最適化することで、高い吸収性能とスピード消臭機能を実現しました。さらに、『ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン』は、「スピード吸収」「汗+尿をダブル消臭」といったナチュラならではの商品特長がより伝わりやすいデザインへ刷新し、商品名も『ナチュラ さら肌さらり あんしん吸水ナプキン』として、2025年9月にリニューアルしました。
⑤ ウエットワイプでの取組み
トイレクリーナーでは、部分清掃ニーズへの対応商品として、ドライ層とウェット層を一体化したワイパーシート『キレキラ!ワイパー ドライ×ウェットシート』を2025年10月に発売しました。また、エリエールブランドのデザインを採用した手のひらサイズのポケットウエットティシューとして、『除菌アルコールタイプ』『除菌ノンアルコールタイプ』『トイレに流せるタイプ』の3種類を2025年11月に発売しました。さらに、持ち歩き用途における「除菌性能」「ウイルス除去性能」「厚手仕様」へのニーズに対応し、『超 除菌できるアルコールタオル パワープラス 携帯用』を上市しました。加えて、ボトル用詰め替え商品の全ラインナップについて、開封性向上を目的としてノッチを追加する改良を実施しました。
⑥ ペットケア用品での取組み
ペット用品ブランド「エリエールPet キミおもい」では、犬用ペットシーツ『キミおもい たっぷり吸収パワフル消臭シート』について、従来品で好評であった逆戻りしにくい特長と長時間消臭性能を維持しながら、吸収性能を強化したリニューアルを2026年3月に実施しました。また、おしっこの拡散面積を抑えることで、排尿時の足濡れ軽減を図りました。猫用『キミおもい パワフル消臭・抗菌システムトイレ用シート』については、クエン酸を新規配合することで消臭性能を向上させ、2026年春にリニューアルしました。
ホーム&パーソナルケア事業に係る研究開発費は、2,435百万円です。
(3)その他事業
市場成長が期待でき汎用性材料としてコスト優位性がキーとなるセルロースナノファイバー(以下本項において「CNF」という。)複合樹脂について、パイロット設備で開発した一貫製造プロセスをベースとした商用設備を2025年7月に稼働させ、商用生産開始、拡販活動を開始しており、水分散液や乾燥体についても既存パイロット設備での用途展開と量産プロセスの開発を継続しています。
また、2023年度より木質バイオマス由来のパルプや古紙などを有効に活用したバイオリファイナリー事業を紙・板紙事業、ホーム&パーソナルケア事業での日用品の販売に続く新素材分野として生産実証に向けた研究開発を進めています。
研究体制は、CNF複合樹脂の拡販及び新規案件獲得に向けた開発力強化とバイオリファイナリー事業化に向けた組織力増強を目的に既卒・新卒採用及び配置転換による人員増強を行うことで研究体制の強化を図っています。
当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。
① セルロースナノファイバー(CNF)
(a) 複合樹脂に関する取組み
CNF複合樹脂は、パイロット設備での開発成果を基盤として、商用プラントを2025年7月に稼働させ、計画どおりに商用生産を開始しました。パイロット品で品質課題であったセルロースの分散性は、セルロースの凝集物をパイロット品から約20分の1まで低減させることで、大幅に向上しました。また、ユーザーからの要望に応え、成形機で直接使用できる混ざりやすいグレードの『ELLEX-R50』を上市しました。さらに、CNF複合樹脂は、軽量かつ強度・剛性向上の特長があるものの耐衝撃性が低下する品質課題がありましたが、耐衝撃性を両立するグレードの開発に成功し、自動車部材製造会社の品質合格を獲得できるレベルまで用途開発が進展しています。
(b) 水分散液に関する取組み
高透明度水分散液『ELLEX-C(エレックスクリア)』を配合したエリエール初のスキンケア商品シートマスクの開発に成功し、2026年5月から発売しました。CNFの増粘効果がありながらも、べとつき感を低減する性質を活かして、うるおいながらも軽やかな保湿感を実現しています。
② バイオリファイナリー
バイオリファイナリー事業はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の採択事業で共同研究者Green Earth Institute株式会社(以下、「GEI」という。)とともに研究開発を進めており、2025年度に計画していたエタノール、アスパラギン酸、コハク酸のラボテストは完了しました。今後、研究規模をパイロットプラントでの実証にスケールアップしていく予定で、2030年度には数万キロL/年(エタノール換算)の商用設備稼働を目指しています。
(a) 製造プロセスに関する取組み
ラボスケールでのエタノール、アスパラギン酸及びコハク酸の目標収率での生成に成功し、GEI所有の既存ラボ機によるアスパラギン酸の連続糖化実験も予定どおり完了しました。2025年3月にベンチスケール設備を稼働させ、連続試験及びサンプルワーク用のサンプルを連続生産しています。また、古紙パルプ、ペーパースラッジの前処理や凝結剤、酸・アルカリ処理、洗浄等により糖化率の向上を確認できており、前処理を行うことで古紙由来パルプやWP(ウェステッドパルプ)でもバイオリファイナリー原料として使用可能であることを見出しました。
(b) サプライチェーン構築に関する取組み
エタノールについては、サプライチェーン構築のため化学メーカー等へサンプルワークを開始しています。2026年度も引き続きサンプルワーク先を増やしながら、評価結果を製品製造技術にフィードバックさせることで品質向上を図るとともに、更なるサンプル提供、事業性の確認等を進めていきます。また、糖液の販売先を開拓するため数社と秘密保持契約を締結し、事業化の検討を進めています。
その他事業に係る研究開発費は、937百万円です。
CNF及びバイオリファイナリーに係る研究開発費は、前期までは紙・板紙事業に含めていましたが、当連結会計年度からその他事業に含めています。
(1)紙・板紙事業
紙・板紙事業では、メディア用途の紙から梱包・包装用途の紙へのシフトを進めており、営業と工場部門が一体となって、マーケットの変化や需要動向をいち早く捉え、商品開発に活かせるよう取り組んでいます。
研究体制は、国内の主要な生産拠点に開発部員を配置しています。商品開発・企画推進グループでは、特殊紙分野の新商品開発を担当しており、昨今の脱プラスチック・環境配慮の要求に対応しながら、市場ニーズに合った紙製品・プラスチック代替商品の企画提案・開発を行っています。生産技術グループでは、ユーザーと直接対話を行いながらFSC認証製品化、再生紙化といった国内ユーザーのニーズを満たす商品のリニューアルや新規紙商品開発の他、海外で差別化が図れる高強度の板紙生産技術開発に取り組んでいます。また、昨今の古紙不足に対応するため、未利用古紙(難処理古紙)のリサイクル技術確立を進めています。
当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。
① 脱プラスチック・減プラスチック商品の開発に関する取組み
紙という生分解性があり再生可能な原料を使用して脱プラスチック・減プラスチックに貢献できるよう「FSエリプラ」ブランドの開発を進めてきました。ナイフ、マドラーなどの高い剛性と耐水・耐油性が求められるプラスチックや、食品の2次包材として使われているフィルムの代替となる強度の高い薄葉紙の開発品と合わせて37品種(エリプラシリーズ15品種、その他22品種)をラインナップし、用途・要望に応じた提案活動を行っています。
② 輸出向け高破裂強度板紙開発の取組み
デジタル化による印刷用紙の需要減少に対し、新興国で需要が拡大する板紙需要を取り込むため、2020年4月に当社三島工場新7号マシンの板紙への転抄を行い、海外への販売を開始しています。新7号マシンでの板紙生産開始当初は、薄物クラフトライナーボード(古紙パルプの配合率が低く、強度が高い段ボール原紙)の代替需要を取り込むため、高破裂強度製品の開発と増産を進めてきましたが、ロシアからの薄物クラフトライナーボードが安価でアジア圏に流入していることから価格競争を避けるため、現在は自動車部品のような重量物を運ぶケースや紙製パレットに使用される高米坪(300g以上)で強度の高いクラフトライナーボードの代替品を開発・生産し、国内や韓国への販売を開始しています。
③ 紙おむつ用フラッフパルプ開発の取組み
印刷用紙からの転換として、当社三島工場15号マシンをフラッフパルプ生産設備へ転換し、2023年7月から生産を開始しています。当社グループ内での使用以外に、国内及び海外の紙おむつ製造会社向けフラッフパルプや海外の化学薬品製造会社の原材料用途への品質改良と拡販を進めています。
④ 低透気度クラフト紙開発の取組み
小麦粉やセラミック粉末などの微粉体製造工場では、充填時の生産性向上を目的に輸入クラフト紙を使った低透気度のクラフト袋が一部利用されています。2024年には更に粉体やペレットなどの充填性を向上させた超低透気度のクラフト紙の生産に成功し、充填機製造会社での実証結果を基に各コンバーターへの提案と実機テストを進めています。
紙・板紙事業に係る研究開発費は、563百万円です。
(2)ホーム&パーソナルケア事業
ユーザーニーズの変化に対応した新商品開発と既存商品の改良に加え、SDGs推進の一環として環境配慮型商品の開発に主眼を置き、付加価値商品の売上比率を増やすべく開発を進めています。
研究体制は、国内及び海外の市場変化への素早い対応だけでなく、グローバル市場全体で品質とブランド価値を確立できるよう東京本社と国内3工場に開発部員を配置しています。また、中国、タイ、インドネシア、ブラジルの在外子会社4社にも開発部員を配置し、世界で共通した商品価値の提供ができるようにしています。
当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。
① 衛生用紙での取組み
トイレットペーパーのフラッグシップ商品である『Theエリエール』について、「安らぎの上質な香り」の香り持続性を向上させる改良を行うとともに、パッケージ状態での香り漏れを低減するガスバリアフィルムを採用したリニューアルを2025年8月に実施しました。また、新規クレーピングブレードを活用し、紙内部の空隙率を高めることで吸収性を向上させた『超吸収キッチンタオル』のリニューアルを実施しました。業務用商品においても、同クレーピングブレード技術を活用し、パルプ使用量を抑制しながら吸収性を維持する品質改良を行い、『エリエールペーパータオルライト』『エリエールペーパータオルセレクトエンボス』を発売しました。ティシューでは、環境負荷低減への取組みとして、シート取り出し適性を維持しながら、カートン取り出し口フィルムを削減したフィルムレスカートンを開発し、ティシューブランド「i:na」の企画品として全国展開しました。さらに天然素材100%の不織布を使用して、環境にやさしく、油こし等のキッチン周りに使用できる『超吸収タフタオル』をEC市場向けに発売しました。
② ベビー用紙おむつでの取組み
ベビー用紙おむつでは、育児負担軽減に貢献するブランドとして、「親子のできるが増える」をコンセプトに、家族に寄り添う紙おむつの新シリーズ「グーン モレ0へ」シリーズを2026年3月に発売しました。
本シリーズでは、成長に伴い変化するモレや装着に関する悩みに対応したラインナップを展開しており、テープタイプ『グーン ゆるうんちモレ0へ』新生児・Sサイズでは、装着位置の目安となる「おむつ替えらくらく装着ガイド」を採用し、装着エラーの軽減を図りました。パンツタイプ『グーン 長時間でもモレ0へ』L・BIGサイズでは、拡散性の高い吸収体エンボスを採用することで、繰り返しの排尿に対する吸収性能を向上させ、長時間の外出時や就寝時にも安心して使用できる設計としました。また、パンツタイプ全品に採用している「ふわふわのびーるウエスト」については、より柔軟性とコシを両立した素材へ改良することで、快適なはき心地とフィット性の向上を図りました。
③ 大人用紙おむつでの取組み
市販用商品では、「アテント 夜1枚安心パンツ」のラインナップ拡充として、『アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 6回吸収』を開発しました。900ccの吸収量を備えることで、夜間使用時の安心感向上と快適なはき心地の両立を図りました。病院・介護施設向け商品では、介護現場の業務負担軽減を目的として、誰でも使いやすいテープ式紙おむつ『アテント スマートホールドテープ』を2025年8月に発売しました。バックシート全面に貼り付け可能な専用テープにより、装着の簡便性とサイズ適用範囲を拡大するとともに、うす型吸収体と立体ギャザー構造により快適性とモレにくさを両立しました。また、プラスチック使用量を従来品比12%削減し、使いやすさと環境配慮を両立した商品としました。さらに、大人用紙おむつをより快適なものとし、誰もが自然に使用できる社会の実現を目指した開発活動の一環として、2025年大阪・関西万博で開催された「未来のおむつコレクション」において、デニム調やフリル、レザーをあしらったデザインを施した未来の大人用紙おむつ3品を出品しました。
④ フェミニンケア用品での取組み
SDGs推進の一環として、『エリス 新・素肌感 (多い昼~ふつうの日用) 羽つき 20.5cm』2コパックについて、外装フィルムを廃止するリニューアルを2026年3月に実施しました。これにより、包装プラスチック使用量を従来品比57%削減し、環境負荷低減を図りました。また、吸水ケアブランド「ナチュラ」では、従来の吸水ケア用品のイメージを見直し、気軽に交換できる使い切りタイプの『ナチュラ 吸水ショーツ』を2025年9月に発売しました。ヒップラインにひびきにくい薄型吸収体を採用しながら、ポリマー配合を最適化することで、高い吸収性能とスピード消臭機能を実現しました。さらに、『ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン』は、「スピード吸収」「汗+尿をダブル消臭」といったナチュラならではの商品特長がより伝わりやすいデザインへ刷新し、商品名も『ナチュラ さら肌さらり あんしん吸水ナプキン』として、2025年9月にリニューアルしました。
⑤ ウエットワイプでの取組み
トイレクリーナーでは、部分清掃ニーズへの対応商品として、ドライ層とウェット層を一体化したワイパーシート『キレキラ!ワイパー ドライ×ウェットシート』を2025年10月に発売しました。また、エリエールブランドのデザインを採用した手のひらサイズのポケットウエットティシューとして、『除菌アルコールタイプ』『除菌ノンアルコールタイプ』『トイレに流せるタイプ』の3種類を2025年11月に発売しました。さらに、持ち歩き用途における「除菌性能」「ウイルス除去性能」「厚手仕様」へのニーズに対応し、『超 除菌できるアルコールタオル パワープラス 携帯用』を上市しました。加えて、ボトル用詰め替え商品の全ラインナップについて、開封性向上を目的としてノッチを追加する改良を実施しました。
⑥ ペットケア用品での取組み
ペット用品ブランド「エリエールPet キミおもい」では、犬用ペットシーツ『キミおもい たっぷり吸収パワフル消臭シート』について、従来品で好評であった逆戻りしにくい特長と長時間消臭性能を維持しながら、吸収性能を強化したリニューアルを2026年3月に実施しました。また、おしっこの拡散面積を抑えることで、排尿時の足濡れ軽減を図りました。猫用『キミおもい パワフル消臭・抗菌システムトイレ用シート』については、クエン酸を新規配合することで消臭性能を向上させ、2026年春にリニューアルしました。
ホーム&パーソナルケア事業に係る研究開発費は、2,435百万円です。
(3)その他事業
市場成長が期待でき汎用性材料としてコスト優位性がキーとなるセルロースナノファイバー(以下本項において「CNF」という。)複合樹脂について、パイロット設備で開発した一貫製造プロセスをベースとした商用設備を2025年7月に稼働させ、商用生産開始、拡販活動を開始しており、水分散液や乾燥体についても既存パイロット設備での用途展開と量産プロセスの開発を継続しています。
また、2023年度より木質バイオマス由来のパルプや古紙などを有効に活用したバイオリファイナリー事業を紙・板紙事業、ホーム&パーソナルケア事業での日用品の販売に続く新素材分野として生産実証に向けた研究開発を進めています。
研究体制は、CNF複合樹脂の拡販及び新規案件獲得に向けた開発力強化とバイオリファイナリー事業化に向けた組織力増強を目的に既卒・新卒採用及び配置転換による人員増強を行うことで研究体制の強化を図っています。
当連結会計年度における研究開発の取組みは以下のとおりです。
① セルロースナノファイバー(CNF)
(a) 複合樹脂に関する取組み
CNF複合樹脂は、パイロット設備での開発成果を基盤として、商用プラントを2025年7月に稼働させ、計画どおりに商用生産を開始しました。パイロット品で品質課題であったセルロースの分散性は、セルロースの凝集物をパイロット品から約20分の1まで低減させることで、大幅に向上しました。また、ユーザーからの要望に応え、成形機で直接使用できる混ざりやすいグレードの『ELLEX-R50』を上市しました。さらに、CNF複合樹脂は、軽量かつ強度・剛性向上の特長があるものの耐衝撃性が低下する品質課題がありましたが、耐衝撃性を両立するグレードの開発に成功し、自動車部材製造会社の品質合格を獲得できるレベルまで用途開発が進展しています。
(b) 水分散液に関する取組み
高透明度水分散液『ELLEX-C(エレックスクリア)』を配合したエリエール初のスキンケア商品シートマスクの開発に成功し、2026年5月から発売しました。CNFの増粘効果がありながらも、べとつき感を低減する性質を活かして、うるおいながらも軽やかな保湿感を実現しています。
② バイオリファイナリー
バイオリファイナリー事業はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の採択事業で共同研究者Green Earth Institute株式会社(以下、「GEI」という。)とともに研究開発を進めており、2025年度に計画していたエタノール、アスパラギン酸、コハク酸のラボテストは完了しました。今後、研究規模をパイロットプラントでの実証にスケールアップしていく予定で、2030年度には数万キロL/年(エタノール換算)の商用設備稼働を目指しています。
(a) 製造プロセスに関する取組み
ラボスケールでのエタノール、アスパラギン酸及びコハク酸の目標収率での生成に成功し、GEI所有の既存ラボ機によるアスパラギン酸の連続糖化実験も予定どおり完了しました。2025年3月にベンチスケール設備を稼働させ、連続試験及びサンプルワーク用のサンプルを連続生産しています。また、古紙パルプ、ペーパースラッジの前処理や凝結剤、酸・アルカリ処理、洗浄等により糖化率の向上を確認できており、前処理を行うことで古紙由来パルプやWP(ウェステッドパルプ)でもバイオリファイナリー原料として使用可能であることを見出しました。
(b) サプライチェーン構築に関する取組み
エタノールについては、サプライチェーン構築のため化学メーカー等へサンプルワークを開始しています。2026年度も引き続きサンプルワーク先を増やしながら、評価結果を製品製造技術にフィードバックさせることで品質向上を図るとともに、更なるサンプル提供、事業性の確認等を進めていきます。また、糖液の販売先を開拓するため数社と秘密保持契約を締結し、事業化の検討を進めています。
その他事業に係る研究開発費は、937百万円です。
CNF及びバイオリファイナリーに係る研究開発費は、前期までは紙・板紙事業に含めていましたが、当連結会計年度からその他事業に含めています。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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