有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YTII (EDINETへの外部リンク)
エア・ウォーター株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
当連結会計年度の研究開発活動につきましては、主要グループ会社と連携し、エア・ウォーターグループの新事業創出に向けた技術開発を推進いたしました。また、研究開発基盤の強化を目的として、「海水技術研究所」「再生医療研究所」「ガス技術研究所」の3つの研究所を新設いたしました。この3つの研究所は、未来志向で「エア・ウォーターの未来を創造」し、継続して社会に貢献し発展していくための長期的な研究開発を推進する組織として位置付けております。
(海水技術研究所)
グループ会社である㈱日本海水およびタテホ化学工業㈱の技術を軸に、海水の恵みを社会に届ける研究開発に取り組むことを目的として設立いたしました。海水に秘められた多様な資源の活用可能性を追求し、エア・ウォーターグループの多様な事業基盤と融合させることで、食糧・資源・エネルギー・環境などの社会課題解決に挑み、海水に関連する先端的な技術と知見を中核とした研究開発を推進しております。
(再生医療研究所)
先端医療の企業・団体が集積する神戸医療産業都市内の「国際くらしの医療館・神戸」に設置いたしました。グループ会社であるエア・ウォーター・アエラスバイオ㈱が2020年に世界で初めて実用化した「歯髄再生治療」の実績を基盤に、歯髄幹細胞を用いた神経系治療を中心とした再生医療技術の開発を、各医療機関と協力して進めております。当連結会計年度は、脊髄損傷治療に対する歯髄幹細胞の培養技術を確立し、厚生労働省にて治療計画が受理されたほか、脳梗塞治療や疼痛治療への適用拡大にも取り組んでおります。さらに、脂肪幹細胞等を用いた再生医療の実用化研究にも着手しており、幹細胞を用いた再生医療関連事業の拡大を通じて、人々のウェルネスに貢献してまいります。
(ガス技術研究所)
当社グループの発展の源泉であるガス基幹技術の深化と応用拡大を担い、エアセパレートガス以外の機能性ガスの可能性を追求し、エア・ウォーターならではのガス技術を獲得することを目指して設立いたしました。
今後発展する分野への適用を見据えたガスアプリケーションの開発を推進し、新規事業につながる製品・技術を生み出すことを目指しております。
各事業グループの開発センターは、短中期の事業課題に取り組むため、主要グループ会社と連携し技術や商品の開発を推進しております。
当連結会計年度は、ライフスタイルの多様化や予防意識の高まりに伴い、幅広い世代で「ウェルビーイング」実現へのニーズが拡大する中、医療費増や食料問題などの社会課題解決が急務となっていることを踏まえ、ヘルスケア開発センターと農業・食品開発センターの二つの開発センターを統合し、ヘルス&セーフティー・アグリ&フーズを横断的に活動する「ウェルネス開発センター」を設置いたしました。医食同源の考えに基づき、医療と食の融合を通じた豊かな社会生活の実現に向けた新規事業の創出を進めてまいります。
研究所、開発センターともに、ガス関連技術と事業グループのコア技術を磨きながら、事業部門との密接な連携のもと、事業の継続的な成長と社会に貢献できる新事業成果の創出に取り組んでまいります。
事業グループごとの研究開発活動につきましては、次のとおりであります。
(デジタル&インダストリー)
・当社の祖業である産業ガス事業において、中核商材の一つである空気分離装置について、国内外の半導体市場や製鉄オンサイト市場等に向け、従来よりも更に高効率なガス製造プラントを展開していくことを目指し、プロセス技術開発を推進しております。特に、消費電力の削減を図ることで、事業採算性の向上だけでなく、産業ガス製造工程におけるCO2排出量の削減に貢献してまいります。
・精密研磨に使用されるパッド材に関して、パワー半導体やデータセンター向けの需要拡大を踏まえ、SiCウエハ用精密研磨パッドおよびハードディスク用スエードパッドのさらなる高性能化に向けた技術開発を進めております。
・次世代のクリーンエネルギーとして期待されているアンモニア(NH3)のサプライチェーン構築に向け、当社が加盟する脱炭素産業熱システム技術研究組合(DITS)の支援のもと、アンモニアガスを供給するためのアンモニア蒸発システムの開発を推進しております。加えて、アンモニアを利活用するための技術ソリューションとして、アンモニア分解技術開発にも取り組むなど、将来の燃料用途アンモニア市場の形成に備える技術基盤構築を図っております。
・データセンターの高性能化やEV向け材料など、エレクトロニクス分野の需要拡大に対応するため、半導体・二次電池関連の材料開発を推進しております。当連結会計年度は、エレクトロニクス分野の材料開発機能を電子・機能材料開発センターに集約し、研究開発の効率化および高度化を進めております。
・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱では、2025年1月に開所した「湘南イノベーションラボ」への拠点集約が完了し、技術の集中・高度化による開発速度の向上を図るとともに、お客様からの高機能化ニーズへの対応を進めてまいります。
・成長著しい半導体パッケージ市場へ向け、高い信頼性を実現するための高機能材料の開発に注力しております。
・脱炭素社会でますます重要となる蓄電デバイスについて、リチウムイオン電池高性能化のための電解液添加剤の開発の他、リチウムイオン電池及びナトリウムイオン電池で寿命・容量を向上させることが可能な負極用真球状ハードカーボンの材料開発を推進しております。
・脱炭素社会の実現に向け、10%以下の低濃度排ガスからCO2を分離回収するシステムの開発を進めております。効率的に分離を行える新規開発触媒の開発に成功し、2030年の社会実装に向け継続的な技術開発、プロセス設計を進めてまいります。
(エネルギーソリューション)
・2030年までに2013年と比べてCO2を46%削減するという政府方針の実現に向けて、カーボンニュートラルエネルギー関連技術について、産・官・学との連携を通じて、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。
・家畜糞尿などに由来するバイオガスを活用した新たなバイオエネルギーサプライチェーンの構築に取り組んでおります。バイオガスを用いて液化バイオメタン(LBM)に加工することでLNGの代替燃料として活用する実証を完了し、2024年5月よりバイオメタンの商用販売を開始しております。さらに、2026年3月、JAXA宇宙戦略基金事業に採択され、ロケット燃料向けの高効率大型液化バイオメタン製造プラントを北海道鹿追町に建設する計画であります。
・バイオメタンの原料となるバイオガスを製造するためのバイオガスプラントについても、中小規模の酪農家をターゲットとしたユニット型バイオガスプラントの開発を行っており、2026年度中の上市を目指しております。ユニット型バイオガスプラントは、現地工事を最小化することで従来よりもイニシャルコストを低減させるとともに、発酵槽の増設、移設が可能なサステナブルプラントをコンセプトとしております。今後も自治体や企業とのさらなる連携を通じて、環境負荷の少ない地産地消エネルギー社会の実現に貢献してまいります。
・NEDO脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業として、「バイオエネルギーローカルサプライチェーンを実現するための未利用資源からのバイオメタン製造システム実証研究(インド)」を進めております。インドに適したユニット型バイオガスプラントを開発し、インドでのバイオメタン事業化に向けて、取組みを推進してまいります。
・NEDO水素社会構築技術開発事業として、「豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」を進めてまいりました。国内で初となる、DMR(Direct Methane Reforming)法を用いた商用規模のCO2フリー水素製造の実証を戸田工業株式会社とともに北海道豊富町で実施いたしました。引き続き、カーボンニュートラルへの貢献に向けた一つのソリューションとなるよう、取組みを推進してまいります。
・脱炭素社会の実現に向け、低濃度CO2回収・利活用に関する技術を推進しております。エア・ウォーターグループは、CO2の回収・精製・液化・輸送・利用一連の技術の深耕と同時に大学との共同研究により、新規の低濃度CO2回収技術の研究開発を行っております。様々な需要に対応した適切な回収・利活用技術を提供するために、今後も継続的に技術開発を行ってまいります。
・2022年に開発を完了した小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」回収ユニットの商用初号機、2号機を北海道及び東京都のお客様へ納入いたしました。また、「NEDO グリーンイノベーション基金(以下、GI基金)事業/廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」にて、カナデビア株式会社が受託した「CO2高濃度化廃棄物燃焼技術の開発」の再委託を受け、焼却炉排ガスからCO2を分離回収するシステムを開発し、2026年度に技術実証を実施する予定です。さらに、CO2回収に係るエネルギーの省力化を目的とし、「GI基金事業/CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」において、「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」を推進しており、大阪・関西万博において実証展示を行いました。低濃度ボイラー排ガスから回収したCO2は、液化炭酸やドライアイス原料として万博会場内で活用するとともに、大阪ガス株式会社が技術実証を行ったメタネーションプロセスの原料ガスとしても利用されました。本技術を用いたCO2回収装置は2027年度の商用化を目指しており、引続き技術開発を推進してまいります。
ヘルス&セーフティおよびアグリ&フーズにまたがるウェルネス分野では、新設したウェルネス開発センターを中心に、医療の技術を基盤に、既存事業の深化とウェルネス領域での新規市場開拓を両輪とし、社会課題解決と企業価値向上を目指して以下に注力しております。
(ヘルス&セーフティ)
・「個人特性に基づく最適な健康・行動変容支援」を目標に、生体・行動・心理データを統合する基盤技術の開発を推進しております。共創拠点であるエア・ウォーター健都を活用し、地域や企業との強固な協働を通じた実環境下での検証サイクルを高速化しております。これにより、単一の製品提供にとどまらない、顧客生涯価値(LTV)を最大化する統合的ソリューションを構築し、持続的な収益機会を創出してまいります。
・光学技術を応用した先端医療機器の研究・開発や、将来の在宅医療に向けたIoTプラットフォームを駆使した病院と在宅のシームレスなネットワーク作りに必要なデバイスやサービスに向けて研究・開発を行っております。国内医療費の適正化という社会課題の解決に寄与すると同時に、医療事業における競争優位性をさらに強固なものにしてまいります。
・歯髄再生治療の症例数の拡大に伴い、エア・ウォーター・アエラスバイオ株式会社が細胞治療用に提供する歯髄幹細胞の有用性が認知され、医療機関および研究機関からの歯髄幹細胞の活用ニーズも増加しております。このような事業環境の変化を踏まえ、再生医療研究所では、歯髄幹細胞の投与安全性に関するエビデンスの拡充を進めているほか、歯髄再生治療に関する研究知見を応用したインプラント体の開発、歯髄幹細胞を用いた脊髄損傷や認知症、自閉症などの重篤疾患への適用研究を開始しております。これらの取り組みにより、当社の祖業であるガス技術を活用し、将来の疾患に備える細胞保管サービス「アエラスバイオ歯髄幹細胞バンク™」のさらなる発展に寄与してまいります。
(アグリ&フーズ)
・農産物の未利用部位から高い付加価値を生み出す研究を推進しております。みかんの皮を活用したシニア犬の認知症緩和に関する東京大学との共同研究は安全性試験をクリアし(2026年3月国際誌掲載)、2026年秋の新製品上市に向け開発が進行中です。また、自社の冷凍加工過程で生じる副産物であるかぼちゃの種わたを用いた家畜用飼料についても帯広畜産大学等と連携し、独自の高付加価値素材として応用展開を図ってまいります。
・陸上養殖事業では、「地球の恵みファーム・松本」にて、酸素供給機能と脱炭酸機能を一体化したモジュール式システムの試作および実証を進めております。当該システムは、中小規模プラントへの導入を念頭に、メンテナンス性の向上およびランニングコストの低減を図った構成としており、現場環境に応じた柔軟な運用と効率的な設備利用の実現を目指しております。 また、サクラマスの陸上養殖による量産化については、前年度に飼育試験に成功したことを踏まえ、本年度より事業化を見据えた飼育ノウハウの蓄積および生産体制の確立に向けた取り組みを進めております。 さらに、「杜のサーモンプラント」において養殖したサーモンを「恵望サーモン」のブランドとして道内での販売を開始いたしました。これにより、生産から販売までを一貫して担う体制の構築を進め、陸上養殖事業におけるバリューチェーン全体の高度化を図っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は5,102百万円であり、デジタル&インダストリーが1,771百万円、エネルギーソリューションが481百万円、ヘルス&セーフティーが2,059百万円、アグリ&フーズが368百万円、その他の事業が421百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00792] S100YTII)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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