有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YC5I (EDINETへの外部リンク)
雪印メグミルク株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
(1)研究の目的
当社グループ(当社および連結子会社)の研究開発部門では、「食の持続性」の実現に向けて、既存の事業戦略上急務となっている課題に対する研究開発や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しています。
また、新規事業創出につながる新たな価値や技術を創造し、グループの持続的発展と事業の戦略的拡大を目指しています。「Next Design 2030」においては、7つの戦略課題の実現に向けて、基礎研究とそれによる商品への具現化を進めます。
(2)研究開発体制
当社グループの研究開発部門は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱に設置されています。
そのうち、当社の研究開発体制は、おいしさ向上や健康寿命延伸などに繋がる乳の研究や環境負荷低減に関する研究を行なう「ミルクサイエンス研究所」、乳食品や市乳の新商品開発や既存商品の改良を行なう「商品開発部」、そして事業戦略に基づき研究開発・知財戦略を策定・推進する「研究開発部」が相互に連携することで、新たな需要の創出、高付加価値化、商品力の強化を実現させています。
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(3)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の総額は5,334百万円です。
各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。
乳製品:当連結会計年度の研究開発費の総額は2,245百万円です。
飲料・デザート類:当連結会計年度の研究開発費の総額は2,028百万円です。
飼料・種苗:当連結会計年度の研究開発費の総額は1,060百万円です。
(4)研究開発成果
主な研究開発活動とセグメントおよび7つの戦略課題との関係性は以下のとおりとなります。
●「Next Design 2030」における7つの戦略課題における研究開発成果
| セグメント | |||
| 7つの戦略課題 | 乳製品 | 飲料・デザート類 | 飼料 ・種苗 |
| 海外展開の強化 | ●当社 ・グローバル戦略を加速するため、機能素材や乳酸菌等の各国での認証取得等に継続して取り組んでいます。 | ● ― | ● ― |
| セグメント | |||
| 7つの戦略課題 | 乳製品 | 飲料・デザート類 | 飼料 ・種苗 |
| 重点機能性商品の成長 | ● ― | ●当社 ・宅配商品として「良質な眠りのサポート」「目のピント調節のサポート」「肌を乾燥から守る機能を維持する」の3つの機能を備えた「ナイトチア クロセチン&セラミド」を発売しました。 | ● ― |
| ●当社 ・Lactobacillus paragasseri SBT2055を用いた臨床試験を実施し、pDCを活性化して主観的症状を改善する可能性についての新たな知見を得ました。 ・機能素材・乳酸菌等について、新たな価値訴求を目指した研究開発を実施中です。 | ● ― | ||
| 代替食品の拡充 | ●当社 ・乳と植物性のハイブリッド商品として「6Pgreen 午後のひととき」を発売しました。 ・おつまみの新フレーバーとして「Plant Label えんどう豆由来のおつまみ ガーリック味」を発売しました。 | ●当社 ・「Plant Label えんどう豆生まれ 砂糖不使用200ml」を発売しました。 | ● ― |
| ●当社 ・これまで培ってきた「乳」の知見と機能を活かした商品開発を進めています。 | ● ― | ||
| チーズの 徹底拡大 | ●当社 ・2023年から展開している「torochi」シリーズを、なめらかで絞りやすくするなどの改良を行い、リニューアル発売しました。 | ● ― | ● ― |
| ●当社 ・カマンベールチーズの熟成中に生じる呈味の成分分布変化を、質量分析イメージングを用いて可視化しました。 ・北海道生乳を有効活用したチーズ展開を目指し、製造技術開発や商品開発を推進しています。 | ● ― | ● ― | |
| 白物飲料でのプレゼンス拡大 | ● ― | ●当社 ・「雪印メグミルクおいしい牛乳750ml」を全国に販売エリアを拡大しました。 ・2026年4月より、牛乳・乳飲料の賞味期限を現状の15日間から18日間に延長しました。 | ● ― |
| ● ― | ●当社 ・弘前大学との共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」にて、健康ビッグデータ解析を行っています。牛乳・乳製品を摂取している人は、腸内細菌や脂質マーカーに特徴があることが示されました。また、乳糖不耐症状を自覚する人はカルシウム摂取量や骨密度が低いことが示されました。 ・当社独自の情報発信サイト「骨太な未来プロジェクト」に学術データを掲載し、情報発信や新たな価値提案に繋げています。 | ● ― | |
| セグメント | |||
| 7つの 戦略課題 | 乳製品 | 飲料・デザート類 | 飼料・種苗 |
| 自給飼料需要拡大の取組み | ● ― | ● ― | ●雪印種苗㈱ ・新品種として飼料用とうもろこし品種、北海道向けネオデント「ユミル85」・「マグナス95」、都府県向けスノーデント「凄夏」および牧草イタリアンライグラス「ビッグボス」を発売しました。 ・粗飼料サイレージ用の乳酸菌資材の「サイマスターACスリム」を発売しました。 ・気候変動に対応して都府県栽培作物を北海道エリアでの栽培試験を実施し、適地拡大に取り組んでいます。 ・高WSC含量牧草オーチャードグラス「わせじまん」、栄養価の高い草種ペレニアルライグラス「ルフレ」および都府県向け飼料用トウモロコシ「SH9702」・「にきまる」の発売を2026年に予定しています。 ・GHG低減が期待できる飼料原料や関連資材の開発に取り組んでいます。 |
| 応用ビジネスの展開 | ●当社 ・オープンイノベーションを活用した研究開発の取組みを行っています。 ◇弘前大学との共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」を 通じて、「岩木健康増進プロジェクト健診」のビッグデ ータの活用や参画企業との共創により、乳製品の新たな 価値創造を行っています。 ◇バッカス・バイオイノベーションに出資し、腸内細菌叢 モデル技術や統合型バイオファウンドリ技術を活用し、 バイオテクノロジー分野における研究開発を加速し、当 社が保有する乳酸菌等の価値の向上とともに新たな価値 の創造に取り組んでいます。 ◇NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業にお いて、食品企業および団体と京都大学、九州大学と連携 したコンソーシアムにて「食のAIシステム」に関する取 組みを進めています。期待する食品の品質(物性・風 味など)を得るための配合、加工条件を予測AI技術によ り最適化することを目指して取り組みます。 | ● ― | |
| セグメント | |||
| 7つの 戦略課題 | 乳製品 | 飲料・デザート類 | 飼料・種苗 |
| その他 | ●当社 ・新たに商品に適した乳酸菌を選定し、「濃厚さ」と「コク」にこだわった「The 発酵BUTTER」を発売しました。 ・2025年10月から「ネオソフト」等マーガリン類7品のフタにバイオプラを導入しました。 ●雪印ビーンスターク㈱ ・母乳の主要成分(たんぱく質、脂質、炭水化物、エネルギー)と母親や児の健康状態や栄養摂取などの背景因子との関連について、国際誌Current Developments in Nutritionにて発表しました。 ・母乳中ポリアミンと児のアレルギー発症との関連について日本栄養食糧学会にて発表しました。 ・妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性向けに開発した葉酸マルチサプリ「はなえみ」(※)を2025年12月に発売しました(通販専用商品)。葉酸を含め、11種のビタミンと8種のミネラルを配合し、独自のコーティング技術により臭いを抑えたハート型の錠剤となっています。 ※「はなえみ」は、大和言葉で、咲いた花のように華やかな笑顔のこと。 | ●当社 ・2026年3月から「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズおよび「恵 megumi ビフィズス菌SP株ヨーグルト」の個食カップ容器を、紙製へ変更しました。 | ●雪印種苗㈱ ・気候変動に適応できるインゲン品種「BN140」を発売しました。 ・2026年にポットカーネーション3品種、ガーデンカーネーション2品種を発売し、品種ラインナップを拡充します。 ・気候変動に対応して、緑肥作物の栽培適地拡大に取り組んでいます。 ・環境適応性の高い芝生用品種のベントグラス「CY-4」を発売しました。 |
各研究開発成果の補足事項は次のとおりです。
●当社
〈乳製品〉
当社は2025年に創業100周年を迎え、バター製造開始から100年のタイミングで「The 発酵BUTTER」を2025年9月に東日本限定で発売しました。このバターは、複数の乳酸菌からコクに寄与するものを新たに選定することで、パン(小麦)の香りと調和する豊かな発酵風味と、後味に余韻を与える濃厚さとコクを実現しました。
2026年3月に、「6P」シリーズから、新しい価値を提案する「6Pgreen 午後のひととき」を発売しました。チーズとえんどう豆たんぱく質を組み合わせた、おだやかな味わいの乳と植物性のハイブリッド商品です。また、2024年3月に立ち上げた新ブランド「Plant Label」から、おつまみの新フレーバーとして「Plant Label えんどう豆由来のおつまみ ガーリック味」を発売しました。当社は、将来のたんぱく質危機などへの課題解決に向けて植物性素材も活用し、「食の持続性」の実現に取り組みます。
手軽にかけるだけで、チーズの新しい食習慣や食文化の創出を目指す「torochi」シリーズは、2023年に発売されました。2026年3月には、「torochi チーズソース モッツァレラチーズ入り」および「torochi チーズソース 濃い味」のチーズソースのなめらかさをアップしました。冷蔵庫から取り出した直後でも絞り出しやすくなるよう、改良しリニューアル発売をしました。
また、2025年10月より「ネオソフト」などのマーガリン類7品のフタにバイオマスプラスチック配合容器を順次導入しました。これにより石油由来プラスチックの使用量を年間約10トン削減見込みです。持続可能な資源の利用を目指して、今後も環境に配慮した容器の導入拡大を推進します。
今後も当社は、消費者の健康ニーズおよび環境負荷軽減への対応を進め、新しい価値を提供し続けることで、持続可能な社会の実現に貢献します。
主な研究成果は以下のとおりです。
・脂肪分の低いマーガリン類は香り成分の放出が弱く、バター様の風味の付与が難しいとされています。そこで、マーガリン類の香りや味が放出されるメカニズムの研究を行っています。その結果、ゼラチンを含む乳化物の脂肪酸(香り成分)の放出量は、ゼラチンを含まない乳化物と比較して大幅に減少し、この現象はゼラチンとの相互作用により脂肪酸の放出が抑制されたことによると推察されました。この研究成果は、学術雑誌「Journal of Japan Oil Chemists’ Society」に論文掲載され、日本油化学会関東支部より若手研究者奨励賞を受賞しました。今後、得られた知見を活用して、バター様の風味を向上させた脂肪分の低いマーガリン類の開発に繋げます。
・カマンベールチーズの熟成中の呈味の変化を、質量分析イメージングを用いて可視化しました。伝統製法とスタビライズ製法の2つの製法で作られたカマンベールを評価した結果、熟成に伴い、グルタミン酸は白カビが生育するチーズ表面付近から増加し、乳酸は表面付近から減少することが示され、これらの変化は伝統製法でより顕著であることが明らかとなりました。この研究成果は、学術雑誌「Journal of Dairy Science」へ論文掲載され、日本農芸化学会2026年度大会で発表しました。今後、得られた知見をもとに、さらなるチーズのおいしさのメカニズム解明や商品開発に活用します。
〈飲料・デザート類〉
牛乳カテゴリーでは、2025年8月より「雪印メグミルクおいしい牛乳750ml」を全国に販売エリアを拡大しました。少人数世帯の増加を背景に、お客様のライフスタイルに合わせて選択できるラインナップを提案します。
また、2026年4月より、牛乳・乳飲料の賞味期限延長を実施しました。昨今、食品ロス削減が社会的課題として注目されており、農林水産省も食品ロス削減の推進に向け、食品製造業者に対して賞味期限延長を呼びかけています。こうした呼びかけを受けて、当社は保存性の再検証と賞味期限延長の要件を整理し、牛乳・乳飲料の大型商品について、従来よりも長い賞味期限を保証できることを確認し賞味期限を現状の15日間から18日間(製造日を含む)に延長いたしました。今後ともお客様に安全で、安心してお召し上がりいただける商品を安定的に提供するとともに、食品ロス削減を通して「食の持続性」の実現に向け、社会課題の解決に取り組みます。
その他の飲料カテゴリーにおいては、2025年9月に宅配専用商品「ナイトチア クロセチン&セラミド 瓶100ml」を発売しました。「クロセチン」と「グルコシルセラミド」を配合し、「良質な眠りのサポート」「目のピント調節のサポート」「肌を乾燥から守る機能を維持する」の3つの機能を備えています。併せて、共働き世帯の増加やオートロックマンション等による居住環境の変化により、牛乳販売店の家庭宅配の利用が難しいお客様に向けた宅配便で毎月お届けするPET商品として「ナイトチア クロセチン&セラミド PET100ml」「ルテイン&GABA PET100ml」を発売しました。
2026年3月より、健康意識の高い方に向けた「Plant Label えんどう豆生まれ 砂糖不使用200ml」を発売しました。1本57kcal、低脂肪で甘くなく、素材の味わいを楽しみながら植物性たんぱく質が摂取できます。
ヨーグルトカテゴリーでは、2026年3月より「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」シリーズおよび「恵 megumi ビフィズス菌SP株ヨーグルト」の個食カップ容器を、石油由来のプラスチック製から紙製へ変更しました。当社グループでは、サステナビリティ経営の実現に向けて環境負荷の低減に取り組んでおり、その取組みの一環として、石油由来のプラスチック製から紙製へ切り替えました。持続可能な資源の利用を目指し、今後も環境に配慮した容器の導入拡大を推進します。
デザートカテゴリーでは、2026年3月に「アジア茶房 濃厚とろける杏仁豆腐 ミニパック」を発売しました。本格的な杏仁豆腐を小容量で楽しみたい方に向けた、70gの4個入りパックです。容量が個食タイプ(140g)の半分になることから、食感や杏仁の香りにこだわって開発し、1個70gで満足できる味わいを実現しました。
飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕や、乳の持つ可能性を明らかにすることを目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用できるよう、研究を続けています。
主な研究成果は以下のとおりです。
・弘前大学と当社との共同研究講座「ミルク栄養学研究講座」において、健康ビッグデータである「岩木健康増進プロジェクト健診」を用いた解析研究を継続して実施しています。今年度は、牛乳・乳製品摂取の有無と腸内細菌の関係について研究した結果、日常的に牛乳・乳製品を摂取している人は、習慣が無い人と比較して、腸内細菌の組成に違いがあり、特にラクトバチルス菌の増加を介して脂質代謝と関連し、脂質代謝環境を改善する可能性があることが示唆されました。この研究成果は、酪農乳業研究に関する国際学術雑誌である「International Dairy Journal」に論文掲載されました。また、牛乳を含む乳製品の摂取量と乳糖不耐症様自覚症状に関して研究した結果、牛乳・乳製品を摂取して不快症状を自覚する人はカルシウム摂取量や骨密度が低いことが示されました。この研究成果は、栄養学研究に関する国際学術雑誌である「European Journal of Nutrition」に論文掲載されました。今後もビッグデータ解析により、乳製品摂取と健康状態の関係を明らかにし、当社が強みとする骨や乳酸菌などの深耕とともに、ミルクの新たな健康価値を研究します。
・乳酸菌Lactobacillus paragasseriSBT2055(SBT2055)を摂取した健康な成人における体調と、形質細胞様樹状細胞(pDC)の活性化との関連を研究した結果、SBT2055摂取群は、摂取期間中に9症状(鼻閉、くしゃみ、嗄声、咳、頭痛、全身倦怠感、悪寒、熱っぽさ、体調不良)における「症状あり」の割合が有意に低いことが確認されました。また、若年参加者(40歳未満)ではSBT2055群でpDCの細胞表面マーカー(CD86、HLA-DR、CD40)の発現レベル変化が有意に大きく、同時にSBT2055摂取により体調変化が抑制されていました。この研究成果は、「Frontiers in Nutrition」に論文掲載されました。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E23202] S100YC5I)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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