有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YR3G (EDINETへの外部リンク)
株式会社スリー・ディー・マトリックス 研究開発活動 (2026年4月期)
(1) 研究開発目的・体制
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を外科領域では吸収性局所止血材、粘膜隆起材、後出血予防材や癒着防止材等、組織再生領域では創傷治癒材及び歯槽骨再建材等、DDS領域では核酸医薬等のパイプラインへ応用し、製品化に向けた研究開発活動を行っております。
当社の研究開発活動は、製造販売承認申請と品質管理体制等を管掌する薬事開発部、臨床試験における臨床施設・治験医師・治験モニタリング等を担当する事業開発部の2部門で行っており、全体を代表取締役社長が統括・管掌する体制を取っております。また、外部機関に対する一部検査・試験等の委託やCROを活用する等、少人数で効率的に研究開発が進められる体制を整備しております。子会社においても、当社のサポートの下で、外部の薬事コンサルタント等の支援を得て、研究開発活動を進めております。
(2) 研究開発活動
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は640,210千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました。
| [表3]研究開発プロジェクトの状況 | ||
| プロジェクト | ニーズと特徴 | 状況 |
| 小児の心臓手術の止血 | 小児向けに承認を受けている安全な止血材がない。塗布後に膨張せず、術後癒着が抑えられ、狭い領域でも視野が確保されることが臨床ニーズ。ピュアスタットは第一候補になりうる。 | 欧州、米国にて承認申請準備中。 欧州における臨床データ収集終了、解析中。 |
| 小児及び成人の扁桃腺手術後の疼痛軽減と止血 | ピュアスタットによる止血は、焼灼止血に伴う組織障害を低減し、術後疼痛の軽減が期待される。扁桃摘出術後の出血と疼痛は、特に小児患者において臨床上の大きな課題であるが、現在これら二つの課題を同時に解決できる製品は存在しない。 | 米国申請データ取得のための臨床研究を実施中。 |
| オスラー病(HHT)の止血(鼻) | オスラー病は遺伝性の疾患で約8割は繰り返す鼻血をきたす。鼻血の止血処置は都市部の病院で対応するため、地方に住む患者は長時間かけて通う必要がある。在宅医療にてピュアスタットを用いることにより、患者QOLを向上させる。 | 欧州において臨床研究を準備中。米国においては既に承認を取得し販売中。十分な有効性が確認された場合には、HHT治療用製品としての申請を予定。少数例のデータについて論文発表済。精度の高いデータを取得するためRCT計画中。 |
| 生検後の止血 | 経内視鏡の生検鉗子による組織採取では肺等部位によって出血した場合、有効な止血手立てがなく十分なサンプルの取得が困難。ピュアスタットはこれら止血困難な部位にて使用可能であり十分量のサンプル取得を可能とする。 | 米国承認申請準備中。 |
| 前立腺肥大手術の止血 | ロボット手術で肥大部を削る際に出るウージングの経尿道カテーテルによる止血。焼灼を減らすことにより術後に男性生殖機能を低下させることを防げる。 | 欧州にて販売中。欧州で論文準備中(米国承認申請のため)。 米国にて承認申請準備中。 |
| 放射線直腸炎の治癒 | 放射線治療の副作用。難治性の潰瘍と出血。現在は治療法がないアンメットの状態。ピュアスタットを塗布することで潰瘍の治癒が観察されている。 | 米国にて販売中。 欧州の内視鏡学会で論文発表済。欧州ガイドラインにピュアスタット追加済。欧州での承認を目指し、欧州で臨床研究において症例蓄積中。 |
| 放射線膀胱炎の治癒 | 放射線治療の副作用。難治性の潰瘍と出血。現在は治療法がないアンメットの状態。ピュアスタットを塗布することで潰瘍の治癒が観察されている。 | 欧州で実施された臨床研究データが論文発表済。米国にて前立腺の止血と併せて承認申請予定。 |
| 脳外科における止血 (新規ペプチド) | 経鼻の内視鏡による脳手術において、焼灼以外で使える唯一の止血材となる可能性。当社が独自に開発した新規ペプチドを用いる。 | 2025年12月に欧州にて承認取得。脳神経外科、消化管、心臓血管、実質臓器等複数領域において術中止血の適応を取得。米日での承認申請データ取得のためPMCF(市販後調査)を計画中。 |
| 粘膜の創傷治癒 | 消化管、尿道、膀胱、鼻腔等の粘膜の創傷治癒材としての有効性はこれまでに様々なスタディで確認されている。正式な薬事承認を得ることで拡販に繋げ、また、難治性炎症の更なる症例蓄積に繋げる。 | 米国ではFDAとの協議により申請カテゴリーを510K申請からDe Novo申請に変更して再申請準備中。 欧州にて2026年3月に承認申請済。 |
| プロジェクト | ニーズと特徴 | 状況 |
| 炎症性腸疾患の粘膜の治癒 | 消化管の難治性炎症。原因不明で一度発症すると再燃と寛解を繰り返し、生涯治療が必要となる特定疾患。現在多数の抗炎症剤が用いられているが、粘膜を治癒することで治療効果が上がる可能性。ピュアスタットで粘膜の治癒を目指す。 | 米国にて臨床及び基礎データの収集を進め、ピュアスタットの作用機序の解明及び治癒効果を検証する。群馬大学で8例組入済。 |
| 食道狭窄予防 | 予防方法の確立していないESD後食道狭窄に対して、内視鏡的塗布による防止効果を実証。後出血や瘢痕化による創傷治癒の遅延も抑制。 | 欧州にてレジストリー実施中。 広島大学で実施した臨床研究データの論文発刊済。 |
| 嚥下障害予防 | 咽頭癌の抗癌剤/放射線治療後に実施する内視鏡下咽喉頭手術後の嚥下障害は、QOLの悪化を招くが予防方法が存在しない。この嚥下障害に対し、内視鏡的塗布による予防効果を目指す。 | 広島大学、関西医科大学にて特定臨床研究実施中。 |
| 口腔粘膜炎 | がん治療における化学療法、放射線療法及び造血幹細胞移植で発生する口腔粘膜障害は著しくQOLを低下させる。ピュアスタットにて予防及び治療が期待できる。 | 米国にて販売中。臨床研究計画中。 日本において臨床応用検討中。 |
| 心筋機能低下の回復 | 注入型の心筋機能回復デバイスとしての開発を目指し、当社ペプチドにより心筋再生の足場環境を構築するとともに、幹細胞及び成長因子タンパク質との混合注入による心筋再生の促進を確認した。 | 米国ハーバード大学より論文公開済。 |
| 骨充填材 | 当社ペプチドを骨再生の足場材料とし、患者本人の体液由来の成長因子を保持させることで低侵襲かつ注入可能な骨再生充填剤としての開発を目指す。歯槽骨再建にとどまらず、腫瘍切除後等の大型な骨欠損への再生材料を目指す。 | 既承認の骨充填材との併用も可能な移植担体として米国での承認申請準備中。 |
| 既存薬剤のスローリリース | 当社マテリアルを抗生物質やステロイド等の薬剤と混合することにより、持続的な薬剤放出が期待できる。適用範囲については耳鼻咽喉、消化管、心血管、皮膚領域等多岐に渡り、巨大な市場ポテンシャルを有する。 | 非臨床試験を進行中であり、幅広い薬剤との併用が可能なドラッグデリバリー担体として、米国にて種々の領域について承認申請検討中。 |
| 乳がんを対象としたsiRNAのデリバリー | がんの悪玉とされる「がん幹細胞」を抑制するsiRNAを、当社ペプチドでドラッグデリバリーすることで、腫瘍縮小だけでなく乳がんの再発や転移抑制にも寄与することも期待して開発中。国内治験において、ヒトへの安全性と腫瘍抑制メカニズム発揮を確認。 | 全身投与に最適化したDDSペプチドを開発中。トリプルネガティブ乳がんにおいて特に予後の悪いフェノタイプとRPN2発現プロファイルの相関解明に向けた研究の実施を検討中。 |
| 悪性胸膜中皮腫を対象としたmiRNAのデリバリー | アスベスト(石綿)に暴露された後、数十年の潜伏期間を経て発症するがん。症例数は向こう10年間増え続けるとされている。発症後は薬剤療法に決め手がなく、非常に侵襲性の高い外科手術をしても予後が悪い。マイクロRNA(miRNA)を、画期的新薬として当社ペプチドでドラッグデリバリーして治療する。 | 医師主導治験(PhaseⅠ)終了。主要評価項目(安全性の確認)を達成。導出先のPURMX社によるグローバルPhaseⅠ/Ⅱ企業治験準備中。国内において頭頚部癌に対する企業治験を実施中。 |
| ワクチンのデリバリー | 当社ペプチドと抗原(タンパク質あるいはmRNA)を複合した徐放作用をもつワクチンで、抗体価の上昇、単回投与での抗体獲得、炎症抑制に基づく副作用の低減を目指す。さらに、内包した抗原の安定性を高め、室温保存可能なワクチンとして輸送、貯蔵でのコールドチェーンを不要にできることも期待。 | 米国のワクチン開発企業、北海道大学と共同研究中。 |
| 内視鏡用粘膜下注入材(ピュアリフト) | 消化器内視鏡的に腫瘍を切除する際、病変部を挙上させる目的で粘膜下に注入する。粘膜下注入後にゲル化するため、注入しやすく、治療中の粘膜切開・剥離によっても流出しにくいため、腫瘍を切除しやすくなる。注入量や注入回数も減少できる可能性があり消化器内視鏡治療の質の向上に貢献できる。 | 薬事承認時の製造所との契約解除により現在販売を中止している。製造開始に向けて検討中。米国において申請準備中。 |
| 放射線治療用吸収性組織スペーサ | 前立腺がんや子宮がんの放射線治療の際、直腸へのダメージを減少させることを目的として、直腸と前立腺や子宮の臓器間に経皮的に注入される。当社ペプチドの生体分解性と高い生体適合性がニーズにマッチすると考えられる。特に子宮がんで注入可能なスペーサは国内未承認であり、早期の開発が待たれている状況。 | 日本で大学と共同研究中。動物実験終了。臨床応用検討中。 |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E25884] S100YR3G)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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