有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10081M4
宮地エンジニアリンググループ株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。
当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社千葉工場技術部および技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の技術部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は80百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。
1.宮地エンジニアリング
当連結会計年度における研究開発費は55百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。
(1)施工技術に関する研究
① 大規模更新に関する研究
高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する計画が相次いで公表されております。特に首都高速道路株式会社では2020年東京オリンピック・パラリンピック大会開催に向けて急ピッチで大規模更新工事が本格化するものと予想されます。これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。特に2012年より、大学と民間企業11社で構成される「取替用高性能鋼床版パネル開発研究会」の活動にエム・エム ブリッジ株式会社とともに参画し、共同研究を実施しております。
② 現場溶接技術に関する研究
橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。
③ 建築構造物の製作に関する研究
宮地エンジニアリング株式会社千葉工場は、Hグレード製作工場として、国土交通大臣認定を取得し、建築構造物の製作を行っております。本研究は、建築構造物の品質向上と製作コスト縮減に向けた製作技術の研究であります。
(2)新材料・新素材に関する研究開発
① 耐疲労性に優れた鋼材の疲労特性の研究
新しく開発された耐疲労性に優れた鋼材の疲労強度の確認と、疲労強度をさらに向上させる手法を実工事に適用することを目的とした研究であります。既に大型試験体を用いて鋼材の疲労強度を確認し、超音波ピーニング法により引っ張り残留応力を低減することで耐疲労性が向上することを確認しており、実工事での実績を重ね、改良事項等の検証を進めております。
② 新素材の施工性・耐久性の検討
高機能鋼材の実工事への適用に関する基礎的研究であり、現在は過去の研究に加え、より厚い高機能鋼材を対象に溶接施工性等の基礎的研究を継続しております。
③ FRPの橋梁構造物への適用に関する研究
橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化と耐食性のさらなる向上を目指して継続的に実験、調査を実施しております。「FRP合成床版」の技術を生かした新たな商品として、FRP拡幅床版の研究開発を官学との共同研究により実施しており、実構造物への適用を実現するとともに,鉄道のホーム用床版としても実用化しました。また、首都高速道路株式会社と共同で、地震時に生じた橋梁の段差を、車両の通行が可能となる渡し板「F-Deck」を開発し、商品化を図っております。さらに、FRP伸縮装置、スマートカバー(FRP飛来塩分防護板)についても、大学等との共同研究として要素試験、載荷試験を継続的に実施しており、早期の商品化を目指しております。なお、これらの商品については、類似構造の発生防止のため構造に関する特許を取得いたしました。
(3)構造・強度・検査に関する研究開発
① 合成床版橋「QS Bridge」に関する技術検討
合成床版橋「QS Bridge」については、今後増加する市町村などの中小規模の架け替え需要を目標として、他の構造形式に対してコスト品質において優位性を持たせるため、構造・製作および施工に関する合理化、改良の検討を進めております。
② 鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」に関する技術検討
橋梁床版の現場施工を簡易化するために鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」は、引き続き施工性、経済性の向上のための構造の合理化と製作コストの縮減検討とコンクリート充填確認等の品質確保のための非破壊検査方法の確実性向上を進めております。
③ 腐食部材の非破壊検査および耐荷力・耐久性に関する研究
実橋の余寿命評価に関する技術提案等に、残存板厚測定にレーザ変位計の適用した腐食鋼板の疲労強度評価法を適用するため、継続して実工事への試行準備を進めております。また、腐食した摩擦接合継手の強度を把握するため、大学と共同で、実橋の接合面の腐食状況計測、すべり試験による強度特性の評価を実施して研究を進めております。
(4)新製品・新技術に関する研究開発
① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討
既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。特に光ファイバーを用いた経時モニタリングシステムの既設構造物の延命化技術としての適用検討を進めており、土木学会モニタリング小委員会への参加、国土交通省近畿地方整備局管内の有年橋での長期モニタリングを通じ、道路管理者のニーズの反映とモニタリング結果の評価方法について検討を継続しております。さらに、無線センサー等の最新のシステムの採用について検討を進めております。
② 複合・合成構造の研究開発
従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)について、実際に同構造形式の受注を想定して設計手法の改良を継続しております。また、複合構造であるポータルラーメン橋について、構造と設計の合理化に関する日本橋梁建設協会と土木研究所との共同研究に参加し、中小規模の橋梁への適用拡大について検討を行っております。
(5)施工工法等に関わる研究、取り組み
① PC橋との連携
PC橋に関する技術を研究することにより、現在高速道路会社で計画されている道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。
② 送り出し工法の合理化に関する研究
鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、限られた時間内で安全に鋼桁を送り出すためのジャッキ装置付重量台車を開発し、この台車を用いて送り出し時の反力を自動計測・調整するシステムの開発・研究を進めてまいりました。現在、実工事に適用し、効果の検証・改善を行いながら、より安全な急速施工を目指しております。
③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究
当社グループの建築分野で得意としている競技場大屋根鉄骨やビル鉄骨のメガトラスなどの大空間構造物の建方について、以前より取り組んできたリフトアップ工法や移動ステージによる工法を実工事で改良を加えながら、常に一歩進んだ技術を提供できるよう研究しております。
④ 建築構造物免震化工事の研究
東日本大震災以降、加速する建築構造物の免震化工事に際し、以前より導入しているRC柱を切断する完全無水式ワイヤーソーの使用により、廃水・粉塵を出さない切断工法を実用化しており、また、OA機器による仮受けジャッキの荷重集中管理システムを用いて、安全施工を提供しております。
2.エム・エム ブリッジ
当連結会計年度における研究開発費は24百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。
(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発
① 大規模更新に関する研究
都市内高速道路の床版の架け替えに関する技術の研究・開発に取り組み、1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、「取替用高性能鋼床版パネル開発研究会」の活動に参画し、共同研究を実施しております。
② 耐候性鋼材に関する研究
ライフサイクルコスト縮減の観点から採用が増えている耐候性鋼材を用いた橋梁に対して、保護性さびの早期生成技術とさび評価技術に関する研究を実施しております。
③ 鋼床版疲労き裂探傷に関する研究
鋼床版Uリブ溶接部から生じる可能性のある疲労き裂の早期検出を目的として、フェーズドアレイ超音波探傷装置を用いた疲労き裂探傷に関する研究を実施しております。
(2)新製品・新技術に関する研究開発
沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証
東亜建設工業株式会社と共同で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「海洋エネルギー発電システム実証研究」に採択された高効率波力発電システムの実証研究を実施しました。2011年に研究に着手し、2015年には山形県酒田港の護岸にて実証試験を実施しました。また、環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。
当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社千葉工場技術部および技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の技術部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は80百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。
1.宮地エンジニアリング
当連結会計年度における研究開発費は55百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。
(1)施工技術に関する研究
① 大規模更新に関する研究
高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する計画が相次いで公表されております。特に首都高速道路株式会社では2020年東京オリンピック・パラリンピック大会開催に向けて急ピッチで大規模更新工事が本格化するものと予想されます。これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。特に2012年より、大学と民間企業11社で構成される「取替用高性能鋼床版パネル開発研究会」の活動にエム・エム ブリッジ株式会社とともに参画し、共同研究を実施しております。
② 現場溶接技術に関する研究
橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。
③ 建築構造物の製作に関する研究
宮地エンジニアリング株式会社千葉工場は、Hグレード製作工場として、国土交通大臣認定を取得し、建築構造物の製作を行っております。本研究は、建築構造物の品質向上と製作コスト縮減に向けた製作技術の研究であります。
(2)新材料・新素材に関する研究開発
① 耐疲労性に優れた鋼材の疲労特性の研究
新しく開発された耐疲労性に優れた鋼材の疲労強度の確認と、疲労強度をさらに向上させる手法を実工事に適用することを目的とした研究であります。既に大型試験体を用いて鋼材の疲労強度を確認し、超音波ピーニング法により引っ張り残留応力を低減することで耐疲労性が向上することを確認しており、実工事での実績を重ね、改良事項等の検証を進めております。
② 新素材の施工性・耐久性の検討
高機能鋼材の実工事への適用に関する基礎的研究であり、現在は過去の研究に加え、より厚い高機能鋼材を対象に溶接施工性等の基礎的研究を継続しております。
③ FRPの橋梁構造物への適用に関する研究
橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化と耐食性のさらなる向上を目指して継続的に実験、調査を実施しております。「FRP合成床版」の技術を生かした新たな商品として、FRP拡幅床版の研究開発を官学との共同研究により実施しており、実構造物への適用を実現するとともに,鉄道のホーム用床版としても実用化しました。また、首都高速道路株式会社と共同で、地震時に生じた橋梁の段差を、車両の通行が可能となる渡し板「F-Deck」を開発し、商品化を図っております。さらに、FRP伸縮装置、スマートカバー(FRP飛来塩分防護板)についても、大学等との共同研究として要素試験、載荷試験を継続的に実施しており、早期の商品化を目指しております。なお、これらの商品については、類似構造の発生防止のため構造に関する特許を取得いたしました。
(3)構造・強度・検査に関する研究開発
① 合成床版橋「QS Bridge」に関する技術検討
合成床版橋「QS Bridge」については、今後増加する市町村などの中小規模の架け替え需要を目標として、他の構造形式に対してコスト品質において優位性を持たせるため、構造・製作および施工に関する合理化、改良の検討を進めております。
② 鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」に関する技術検討
橋梁床版の現場施工を簡易化するために鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」は、引き続き施工性、経済性の向上のための構造の合理化と製作コストの縮減検討とコンクリート充填確認等の品質確保のための非破壊検査方法の確実性向上を進めております。
③ 腐食部材の非破壊検査および耐荷力・耐久性に関する研究
実橋の余寿命評価に関する技術提案等に、残存板厚測定にレーザ変位計の適用した腐食鋼板の疲労強度評価法を適用するため、継続して実工事への試行準備を進めております。また、腐食した摩擦接合継手の強度を把握するため、大学と共同で、実橋の接合面の腐食状況計測、すべり試験による強度特性の評価を実施して研究を進めております。
(4)新製品・新技術に関する研究開発
① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討
既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。特に光ファイバーを用いた経時モニタリングシステムの既設構造物の延命化技術としての適用検討を進めており、土木学会モニタリング小委員会への参加、国土交通省近畿地方整備局管内の有年橋での長期モニタリングを通じ、道路管理者のニーズの反映とモニタリング結果の評価方法について検討を継続しております。さらに、無線センサー等の最新のシステムの採用について検討を進めております。
② 複合・合成構造の研究開発
従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)について、実際に同構造形式の受注を想定して設計手法の改良を継続しております。また、複合構造であるポータルラーメン橋について、構造と設計の合理化に関する日本橋梁建設協会と土木研究所との共同研究に参加し、中小規模の橋梁への適用拡大について検討を行っております。
(5)施工工法等に関わる研究、取り組み
① PC橋との連携
PC橋に関する技術を研究することにより、現在高速道路会社で計画されている道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。
② 送り出し工法の合理化に関する研究
鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、限られた時間内で安全に鋼桁を送り出すためのジャッキ装置付重量台車を開発し、この台車を用いて送り出し時の反力を自動計測・調整するシステムの開発・研究を進めてまいりました。現在、実工事に適用し、効果の検証・改善を行いながら、より安全な急速施工を目指しております。
③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究
当社グループの建築分野で得意としている競技場大屋根鉄骨やビル鉄骨のメガトラスなどの大空間構造物の建方について、以前より取り組んできたリフトアップ工法や移動ステージによる工法を実工事で改良を加えながら、常に一歩進んだ技術を提供できるよう研究しております。
④ 建築構造物免震化工事の研究
東日本大震災以降、加速する建築構造物の免震化工事に際し、以前より導入しているRC柱を切断する完全無水式ワイヤーソーの使用により、廃水・粉塵を出さない切断工法を実用化しており、また、OA機器による仮受けジャッキの荷重集中管理システムを用いて、安全施工を提供しております。
2.エム・エム ブリッジ
当連結会計年度における研究開発費は24百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。
(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発
① 大規模更新に関する研究
都市内高速道路の床版の架け替えに関する技術の研究・開発に取り組み、1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、「取替用高性能鋼床版パネル開発研究会」の活動に参画し、共同研究を実施しております。
② 耐候性鋼材に関する研究
ライフサイクルコスト縮減の観点から採用が増えている耐候性鋼材を用いた橋梁に対して、保護性さびの早期生成技術とさび評価技術に関する研究を実施しております。
③ 鋼床版疲労き裂探傷に関する研究
鋼床版Uリブ溶接部から生じる可能性のある疲労き裂の早期検出を目的として、フェーズドアレイ超音波探傷装置を用いた疲労き裂探傷に関する研究を実施しております。
(2)新製品・新技術に関する研究開発
沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証
東亜建設工業株式会社と共同で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「海洋エネルギー発電システム実証研究」に採択された高効率波力発電システムの実証研究を実施しました。2011年に研究に着手し、2015年には山形県酒田港の護岸にて実証試験を実施しました。また、環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01461] S10081M4)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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