有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007VYI
株式会社ジェイテクト 研究開発活動 (2016年3月期)
経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループは、「JTEKT GROUP VISION」で掲げた「No.1 & Only One –より良い未来に向かって–」を2014年4月に策定し、必要な要素として「価値づくり」「モノづくり」「人づくり」という3本の柱を掲げております。研究部門では、ステアリング、駆動系部品、ベアリング、工作機械・メカトロ商品を中心に、今までには存在していなかった価値をつくり続けるという想いを込めて、研究開発活動を推進しております。
お客様の期待を超えるような新しい価値を生み出し続けるために、先を見据えた将来の商品に繋げる基盤要素研究に取り組んでおります。その内容は強い技術領域をさらに進化と融合させるもので、トライボロジー(潤滑、摩擦、摩耗等を対象とする科学技術)・材料技術、超精密加工技術、システム制御技術、要素・基盤技術等をベースにしております。また、「地球にやさしい、安全・安心・快適」な新商品をスピーディかつ確実に提供することを目的に、成長分野を視野に入れた積極的な研究開発に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費は462億96百万円であり、各セグメントにおける研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
(1) 機械器具部品
①ステアリング部門
ステアリング部門では、自動車の低燃費・高機能化に貢献できる電動パワーステアリングの全ラインナップを品揃えしており(Only One)、また、グローバルシェアは30%を超え世界トップであります(No.1)。今後も社会ニーズ、顧客ニーズにお応えした商品を提供するため、次世代商品の開発に取り組んでおります。当連結会計年度の主な成果としては、次のとおりであります。ボールねじ機構を介して直接出力軸へ伝えるラックパラレルタイプ電動パワーステアリング(RP-EPS)の開発を完了し市場投入を2016年度末に予定しております。また、すでに量産しておりますデュアルピニオンタイプ電動パワーステアリング(DP-EPS)の適用領域を広げる高出力化の開発も推進しております。この開発により当社の電動パワーステアリングの競争力を高めることで、従来の油圧パワーステアリングが搭載された車種領域にも、電動パワーステアリングを採用していただくことで低燃費/高機能化に貢献してまいります。
②駆動系部品部門
駆動系部品部門では、走行安定性・安全性向上へのニーズに対応を図る一方で、低燃費貢献技術にも取り組んでおります。当連結会計年度の主な成果としては、2014年度までに開発して国内展開した次の二つの商品を北米にも展開いたしました。構成部品の強度バランスを最適化することで小型・軽量化した新型等速ジョイント(Constant Velocity Universal Joint)と、電磁クラッチの表面形状の工夫などで温度によるトルク変化を大幅に低減した第3世代電子制御カップリングITCC(Intelligent Torque-Controlled Coupling)です。③ベアリング部門
ベアリング部門では、将来への弾込めとして、新たな領域での新商品創造を目指した活動を、技術戦略の柱としております。当連結会計年度における主な成果は、次のとおりであります。自動車用ベアリングでは、年々厳しさを増す環境規制への対応商品を継続的に市場投入してまいります。当社の強みである低トルク円すいころ軸受において、今後も業界No.1を維持すべく「次世代超低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅳ)」の先行開発を完了いたしました。現在、国内外のお客様に積極的に技術PRをしております。また、CVTやHVなどの自動車変速機用軸受として、従来品より軸受サイズをアップさせることなく耐クリープ性能を向上させた「アンチクリープ軸受」の開発を完了いたしました。足回りを支えるハブユニットでは、大幅なトルク低減と信頼性、耐久性を両立させた、新しい「低トルクハブユニット」も先行開発を完了し、量産化に向けた取り組みを推進しております。
産業機器用ベアリングでは、従来のセラミック玉軸受よりも、幅広い温度環境への対応を可能とする新セラミック材料を採用した玉軸受を開発いたしました。この新しいセラミック材料は、ベアリングの軌道輪(内輪・外輪)に使用される金属材料に近い熱膨張率特性を有しており、モータ用など、電食によるベアリング損傷が発生しやすいアプリケーションでも安心して使用していただける新商品として、国内で初めて2016年度より、量産開始の予定であります。
(2) 工作機械
工作機械では、狙い市場を明確化し、戦略的に研削盤、マシニングセンタとギヤスカイビング加工機及び制御システムの商品力強化を図ってまいりました。お客様から信頼される真の総合生産システムインテグレータを目指し、モノづくりすべてのフェーズでバリューを提供してまいります。当連結会計年度の主な成果としては、次のとおりであります。
①研削盤
自動車用量産部品対応設備では、これまで以上の安定した加工精度、コスト低減のための高生産性と、さらに製品ライフサイクルの短縮、多様化等に伴う設備のフレキシブル性を実現する設備開発を行いました。新開発のミッションシャフトの量産加工に最適なCNC円筒研削盤「e500G」では、砥石軸に、静圧と動圧を組み合わせたハイブリッドタイプの「TOYODA STAT BEARING」を採用し、研削精度を向上するとともにクラス最速サイクルタイムや段取り替えレス、CBN砥石採用による生産性の向上とクラス最少スペース、かんたん操作の改良も加え競合他社の市場の切り崩しを図ります。
また、エンジンのバルブ駆動用カムシャフト研削盤では、自動車のさらなる低燃費、性能向上を図る凹プロフィールカムに対応して、定評のあるGC20Mi、GC20Riカムシャフト研削盤に、小径かつ高剛性の砥石軸を開発し搭載することで、他社に先駆け凹プロフィールカムの高能率研削加工を実現し、カム研削盤のシェアNo.1を維持いたします。
高付加価値商品では、CNC円筒研削盤GE4iのバリエーション拡大として、匠の技を生かすプロ仕様を追加したCNC円筒研削盤GE4i-PROにおいて、「誰でも簡単に高度なモノづくりができる」CNC機能と、熟練作業者の「匠の技」を生かす油圧機のハンドル操作性の両立でTOYODA研削盤を長くお使いのプロの仕事にお応えいたします。
②マシニングセンタ
高付加価値商品として、大物部品切削加工を行う当社最大の横形マシニングセンタFH1600SW5iを開発いたしました。本機は、クラス最大の工作物サイズを誇り、農建機、エネルギー、発電機、航空機等の大型部品加工に最適であります。従来の大型部品加工では、門形マシニングセンタや横中ぐり盤等を使用しておりますが、本開発機では、パレットチェンジャと高速性能、高剛性クイル主軸による高い生産性を実現することにより、門形マシニングセンタと横中ぐり盤の2台を1台に工程集約が可能となります。また小型マシニングセンタにはDD(Direct Drive)テーブルを搭載し生産性向上を図りました。
③生産型マシニングセンタ
自動車用量産設備の開発を進めてまいりましたが、特に今年はTNGA(Toyota New Global Architecture)対応TE704生産型マシニングセンタを開発、更なる高生産性を実現するとともに、設備の高さを抑えコンパクトで見通しの良い新しい発想のライン構築を可能とし、日・米へ展開いたしました。④ギヤスカイビング加工機
当社が新分野として重点的に取り組んでおりますギヤの歯切り加工設備において、従来のGS300Hギヤスカイビングセンタは、工作物外径が最大220mmであり主に自動車に使用されるギヤを対象としておりましたが、今回、新開発の大型ギヤスカイビングセンタGS700Hでは、工作物外径が250~700mmの大型ギヤ加工を可能とし、産業ロボット、建設機械及びトラック等の今後需要が見込める大型ギヤ加工市場への販売強化を図ります。⑤制御
お客様のさらなる効率的な生産を支援する生産マネジメントシステムを開発、個々の設備の見える化だけではなく、生産ライン全体、工場全体の見える化を行い、ライン管理者の生産状況の正確な把握と異常時の迅速な解決を支援いたします。また当社のマシニングセンタに新たにHMIであるTOYOPUC-Touchを新開発し搭載、19インチの大画面タッチスクリーンを備え、スマートフォン感覚で使える簡単操作とともに、機械状態、生産状況情報管理及び遠隔診断等を実現しております。
⑥ IoE(Internet of Everything)
IoT(Internet of Things)の概念をより広範に捉えるべく当社はIoE(Internet of Everything)を提唱、生産のIoE・品質のIoE・保全のIoEの3つのIoEに取り組み「モノ」だけではなく、人、サービスなどの「コト」も含めた全てをつなげて、新たな価値を創出することに拘って、取り組んでおります。IoEを実現する、ビッグデータ情報の高速通信と処理を行うPLCであるTOYOPUC-Nanoと高度なビッグデータ解析を実現するPLCであるTOYOPUC-AAAの開発を実施、またそれらを使い予兆管理等を可能とするソフト開発にも併せて取り組み中であります。
お客様のスマート工場づくりのために、ハードのみではなくソフト開発も進め、まず当社の社内設備に搭載し実証した上で広く外販できるソフトビジネスにつなげてまいります。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01602] S1007VYI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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