有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007VY0
フジテック株式会社 業績等の概要 (2016年3月期)
(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、中国の景気は減速基調が強まり、その他のアジア地域でも輸出の停滞から成長のペースは鈍化しました。一方、北米では総じて景気が拡大し、欧州でも英国を中心に景気は緩やかに回復しました。日本の景気は、企業収益や雇用情勢の改善などにより、回復基調が続きました。昇降機業界におきましては、中国では、不動産投資の減速が続く厳しい市場環境の中、需要は減少しました。その他のアジア地域も需要は停滞しましたが、北米では堅調に推移しました。日本では、建築コストの上昇から、新規着工を手控える動きが強まりましたが、首都圏ではオフィスビルを中心とした大型複合施設の開発計画が進みました。
このような情勢のもと、当連結会計年度の国内新設事業は、エスカレータの販売は店舗向けなどで減少しましたが、首都圏を中心にオフィスビルやマンション向けのエレベータ販売が順調に増加しました。既設エレベータの安全性・快適性を高めるモダニゼーション事業は、主力商品の「制御盤交換パッケージ」や「安全向上パッケージ」の販売が堅調に推移したものの、需要の一巡もあり受注が減少しました。以上の結果、国内受注高は680億3百万円(前期比0.8%減)となりました。
海外市場においては、主に北米での増加や円安の効果により、海外受注高は1,232億79百万円(同11.8%増)となりました。なお、海外受注高は為替変動による影響を除くと、実質0.1%減となっています。
以上の結果、受注高合計は、1,912億82百万円(同7.0%増)となりました。
売上高は、国内売上高603億81百万円(前期比1.8%減)、海外売上高1,167億47百万円(同12.5%増)となり、合計で1,771億28百万円(同7.2%増)となりました。また、海外売上高は為替変動による影響を除くと、実質0.7%増となっています。
受注残高は、国内受注残高554億75百万円(前連結会計年度末比16.1%増)、海外受注残高1,398億63百万円(同17.6%増)となり、合計で1,953億39百万円(同17.1%増)となりました。なお、海外受注残高は為替変動による影響を除くと、実質4.8%増となっています。
損益面では、営業利益は主に北米の採算改善により144億49百万円(前期比7.1%増)、経常利益は年度末の円高により為替差損が発生する一方で、金融収支の増加により151億62百万円(同2.3%増)となりました。税金等調整前当期純利益は150億36百万円(同1.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は88億7百万円(同5.4%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
売上高(百万円) | 営業利益または営業損失(△)(百万円) | |||||
前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減率(%) | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減額 | |
日 本 | 65,514 | 65,001 | △0.8 | 5,149 | 5,199 | 50 |
北 米 | 17,735 | 22,360 | 26.1 | △582 | 137 | 719 |
欧 州 | 601 | 508 | △15.5 | △1 | △43 | △41 |
南アジア | 15,499 | 17,075 | 10.2 | 1,558 | 1,626 | 68 |
東アジア | 76,240 | 84,606 | 11.0 | 7,328 | 7,500 | 172 |
小 計 | 175,591 | 189,552 | 8.0 | 13,453 | 14,421 | 968 |
調 整 額 | △10,294 | △12,423 | ― | 35 | 28 | △6 |
合 計 | 165,297 | 177,128 | 7.2 | 13,488 | 14,449 | 961 |
① 日本
売上高は、工期の延伸などで新設工事が減少しましたが、サービス事業は堅調に推移し、650億1百万円(前期比0.8%減)となりました。営業利益は、新設工事の採算改善や保守売上の増加などで、輸入コストや据付コストの上昇をカバーして、51億99百万円(同50百万円増)となりました。② 北米
売上高は、新設工事やサービス事業が増加し、223億60百万円(前期比26.1%増)となりました。営業損益は、据付コストの低減やサービス事業の採算向上で、1億37百万円の営業利益(前期 営業損失5億82百万円)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は、実質14.0%増となりました。③ 欧州
売上高は、エスカレータ販売の減少により、5億8百万円(前期比15.5%減)となり、43百万円の営業損失(前期 営業損失1百万円)となりました。④ 南アジア
売上高は、新設工事およびサービス事業の増加により、170億75百万円(前期比10.2%増)、営業利益は、16億26百万円(同68百万円増)となりました。なお、為替変動による影響を除いた売上高は、実質3.7%増となりました。⑤ 東アジア
売上高は、香港での増加や円安の効果により、846億6百万円(前期比11.0%増)となりましたが、為替変動による影響を除くと、中国での工期延伸による減少で実質2.1%減となりました。営業利益は、75億円(同1億72百万円増)となりました。(2) キャッシュ・フロー
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 10,753 | 8,932 | △1,820 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △619 | △5,319 | △4,700 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △3,225 | △11,532 | △8,306 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | (百万円) | 2,790 | △865 | △3,656 |
現金及び現金同等物の増減額 | (百万円) | 9,699 | △8,784 | △18,483 |
連結の範囲の変更に伴う現金及び 現金同等物の増減額(△は減少) | (百万円) | ― | 15 | 15 |
現金及び現金同等物の期末残高 | (百万円) | 30,602 | 21,833 | △8,768 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、218億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ87億68百万円減少しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益150億36百万円および減価償却費27億48百万円に対し、売上債権およびたな卸資産の増加ならびに法人税等の支払などで、89億32百万円の収入(前期比18億20百万円の収入減)となりました。その主な要因は、売上債権が前期比58億4百万円および法人税等の支払額が19億16百万円の減少に対し、たな卸資産が前期比24億92百万円、仕入債務が30億52百万円および前受金が38億20百万円、増加したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金(期間が3ヵ月超)の預入れ・払戻しの純額12億84百万円および有形固定資産の取得42億10百万円の支出などにより、53億19百万円の支出(前期比47億円の支出増)となりました。主な要因は、定期預金(期間が3ヵ月超)の預入れ・払戻しの純額が前期16億50百万円の収入に対し、当期12億84百万円の支出に転じたこと、貸付金の回収による収入が16億92百万円、減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出76億66百万円や配当金の支払いなどにより、115億32百万円の支出(前期比83億6百万円の支出増)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増減額75億30百万円の減少、自己株式の取得による支出が7億72百万円、増加したことによります。
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