有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007ZIE
東洋エンジニアリング株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(EPC事業)
当連結会計年度において、当社グループは研究開発費449百万円を投入し、技術力強化方針として「新規分野の開拓・展開」、「保有技術、準保有技術の商品力強化」、「One TOYO体制下での業務を効率化するIT基盤整備」の三点に重点をおき、以下の研究開発活動を自社内および産官学連携により実施いたしました。《新規分野の開拓・展開》
未利用天然ガス資源の有効利用を目的として、三井海洋開発株式会社(MODEC)、米国ベロシス社と共同で取り組んでいたマイクロGTL(ガス・ツー・リキッド)プロセス開発は、ブラジル国営石油会社傘下の石油精製設備内での実証運転を終了し、開発が一区切りしました。石油価格低迷下ではありますが、陸上設備での商業実績を得るべく、営業活動を進めています。海底資源開発の分野では、同分野をリードする米国ベーカー・ヒューズ社、ノルウェーのアーカーソリューション社と協力関係を構築し海洋資源開発への体制構築を完了しました。この協力関係の下、最初の協業案件としてメタンハイドレート開発に取り組み、当社の資源開発計画力にベーカー・ヒューズ社、アーカーソリューション社の技術を加えた新しいモデルを構築しました。
医薬品分野では、高薬理医薬品生産、バイオ医薬品生産、無菌医薬品生産などの多様なニーズに的確に対応するため、関連技術に関する研究開発を継続しています。高薬理医薬品分野では模擬粉体による飛散性測定技術、3Dプリンタを活用したフレキシブルエンクロージャ関連器具の開発などを行っています。バイオ医薬品分野ではシングルユースの自動化装置を中心に精製工程自動化関連装置の開発を進めています。更に、無菌医薬品では無菌かつ高薬理活性を取扱う分野で運用技術開発に取り組んでいます。
環境・省エネ分野では、低エネルギー負荷社会の実現に向け、革新的な省エネルギー型蒸留システム“SUPERHIDIC®”を開発、2014年度に丸善石油化学株式会社から初号機を受注し実用化段階に入りました。2016年度の稼動に向けて建設工事が順調に進んでいます。同技術は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「地球温暖化対策技術普及等推進事業」にも採択され、現在タイの大手石油化学会社向けに、同技術の適用による温室効果ガス排出量削減および省エネルギー化の検討を実施中です。
他にも当社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」スキームにて、2014年度末に採択された「インドネシアにおける省エネ・環境対応型油田インフラシステム実証プロジェクト」の実証前調査(FS)を2015年度に実施し、今後のインドネシアの油田開発におけるガス分離事業に寄与する成果を上げました。
更に、再生可能エネルギー分野では、「集光式太陽熱」の利用技術として、当社は、東京工業大学で開発された集光技術(CL法)をもとにインドでの研究開発を進めており、現地の大学および企業と協力して実証化に取り組んでいます。現在は実証設備の建設がほぼ完成し、運転準備段階です。また、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」の中の研究題目である「高温集光集熱システムの開発」にも参加しています。
また、有力な地球温暖化対策の一つとして、CCS(二酸化炭素回収・貯留)の重要性に早くから着目し、CCSの早期実現に向けた取り組みを進めており、日本CCS調査株式会社への出資・派遣などの対外的な活動も引き続き実施してまいります。
《保有技術、準保有技術の商品力強化》
当社が開発した代表的自社保有プロセスである尿素プロセス“ACES21®”は、世界最大生産量となるナイジェリア向け尿素製造設備(4,000 t/日)において採用されており、2016年5月には、引き渡しに向けた試運転が開始しています。このプロジェクトでは、同じく当社が開発した大粒尿素プロセスが製品化工程に採用されています。更なる大型プラント(6,000 t/日)の開発も既に完了しており、上記尿素製造設備の稼働開始は、その実現に大きく貢献すると考えております。また、一層の省エネを図るためのプロセス改良にも取り組んでおり、その成果を今後の新規案件に取り込んでいきます。《One TOYO体制下での業務を効率化するIT基盤整備》
当社は、グローバルに展開している業務を効率化するIT基盤整備として、拠点やパートナーとの円滑なコミュニケーションと情報共有やワークフロー共有のための新情報基盤の利用を推進するとともに、継続的にプロジェクト管理や現場工事管理の高度化や情報の可視化に取り組み、遠隔地、マルチオフィスでのプロジェクト実施体制に向けた環境整備に注力しています。事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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