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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10078VN

有価証券報告書抜粋 株式会社福田組 研究開発活動 (2015年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。
また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。
なお、当連結会計年度は研究開発費として、155百万円を投入しております。
当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。

( 建設事業 )
(1) 当社
① 高層RC、免震・制震技術の研究
鉄筋コンクリート構造での高層建築物の設計・施工技術について、実施工物件2棟(27階建て、29階建て、ともにプレキャスト・コンクリート構造)の成果を踏まえ、その適用範囲の拡大及び効率的施工法の確立を目指し、構造解析、高強度材料及び構・工法の研究を進めております。
なお、東京及び新潟地区において、Fc60N/㎜2 までの高強度コンクリートの大臣認定を取得しております。
免震建築物については8棟の施工実績を有しており(内5棟は設計・施工)、制震構造の設計技術も含め、引き続き実績の蓄積及び研究活動を行います。
② CFT構造の設計・施工技術の研究
高層建築物など、高軸力かつ高曲げ耐力を求められる柱を有する構造物への対応を目的に、CFT構造に関する設計・施工技術の研究を進めております。実大3層柱による施工試験を行い(社)新都市ハウジング協会による技術指導を終了しております。設計・施工で受注した同構造による物件が、2010年度のCFT構造賞((社)新都市ハウジング協会主催)を受賞しております。引き続き受注に向けた取組みを行うとともに、同構造に関する研究活動を行います。
③ プレキャスト構・工法の研究
鉄筋コンクリート造建築物において、梁・柱等のプレキャスト化及びWR-PC構造の適用拡大を進めるとともに、高層RC実施工物件のプレキャスト部材建方における施工効率化のためのデータを収集・分析中であります。薄肉中空プレキャスト・コンクリート柱に関しては、共同研究各社とともに一般評定を取得済みとなっております。
④ 既存建築物の改修技術の研究
既存建築物の耐震性向上や耐久性改善等の長寿命化及びコンバート対応できるリニューアル技術を研究し、ストック価値を高める構・工法の開発を目指しております。特に、居ながら補強を目的とした外付耐震改修構法については需要が高く、設計・施工による実績も増加しており、耐震補強に関する提案力の向上及びその受注に向けた取り組みを行います。
⑤ 床衝撃音に関する調査・予測手法の研究
既存建物を利用した床衝撃音の予測計算及び計測により、床衝撃音の予測計算精度の確認及びその実用性の検証を行いました。今後、調査・測定事例を蓄積し、その予測精度の向上を図る予定でおります。
⑥ 結露対策のための実証実験
設計・施工の建築物において実際に使用した外壁仕様でモックアップを作成し、壁内の温度分布や温・湿度を計測することにより、外壁性能を把握する実証実験を行いました。今後、継続的に実験・計測を行い、その結果を設計などに活用していく予定でおります。
⑦ コンクリート床の仕上げに関する調査・研究
コンクリートの仕上げ方法によるコンクリート表面の硬化性状の違いを実験的に検証する取り組みを進めております。
⑧ デュアルシールド長距離化
推進工法とシールド工法を融合させたデュアルシールド工法を長距離化することにより、立坑の数を削減、工事コスト縮減に加え、工事に伴う周辺環境負荷低減を目的に、真空吸引方式による掘削土の坑内長距離搬送メカニズムの解析と長距離搬送システムの開発に向けた取り組みを進めております。
⑨ シールド工事等で発生す自然由来ひ素汚染汚泥の浄化技術の開発
自然由来のひ素を含有し環境基準値を超過する地域は全国的に分布しているため、建設工事において発生土や汚泥がひ素に汚染されている事例は多く見られます。一方、環境関連法の強化、土壌汚染に対する認識の高まりから、汚染土壌の処理コストが高騰しており、それらの効率的かつ経済的に処理する技術の開発が求められております。特に都市部におけるシールド工事等においては多量の余剰汚泥が発生し、それらの処理技術の開発は喫緊の課題であるため、自然由来ひ素汚染汚泥を低コストかつ効率的に浄化する技術の開発に取り組んでおります。
⑩ トンネル切羽前方探査システム
トンネル切羽前方の地質や地下水の状態を精度よく調査するために、トンネル切羽より前方にボーリングして、そのボーリング孔を利用した電気探査トモグラフィーの探査方法と解析方法を開発し、トンネル現場での活用を目指しております。
⑪ 自由面発破における自由面形成パターンの合理的検討手法に関する研究
山岳トンネル工事で、発破振動を大幅に低減することが求められる場合において、掘削面に自由面を形成させることで大幅に振動を低減させる自由面発破が有効であります。しかしながら、コストや工程に与える影響も少なくないことから、合理的な自由面発破パターンの検討手法を確立するための研究を行っております。
⑫ 高強度吹付けコンクリートの開発
山岳トンネル掘削施工の主要支保工部材である吹付けコンクリートにおいて、掘削切羽の早期地山安定の確保、長期耐力の向上を目的とした低コスト・高強度吹付けコンクリートの実用化のための研究開発を進めております。
⑬ 橋梁維持更新(吊足場)
橋梁における維持管理及び補修においての作業床の敷設施工における作業員の安全性の向上、敷設の円滑化による作業効率の向上を目的とした吊足場の実証実験を進め、実用化に向けた開発を進めております。
⑭ 中・高層建築物の階上解体工法の改善
解体する建物が高く、周囲に解体重機の稼動空間がない場合に、スラブ・梁を多数の強力パイプサポートで鉛直・複数階にわたって補強支持し、解体重機を吊り上げて上層から解体する工法が採用されます。1本の強力パイプサポートは60kgと重く運搬設置作業が重労働でありますが、スラブへの鉛直設置では補強効果が小さいため、工事費低減と安全性向上を図る検討を行っております。

(2) 福田道路㈱
①開発技術の広報活動
開発した新技術の普及を図り、新たな技術開発の促進をおこなうために、フェアや会議へ参加し技術開発の成果を発表しております。
・2015年 1月「ゆきみらい」(アオーレ長岡:長岡市) 5工法出展
・2015年 6月「EE東北」(夢メッセみやぎ:仙台市) 5工法出展
・2015年10月「けんせつフェア北陸」(金沢産業展示館:金沢市) 2工法出展
・2015年10月「日本道路会議」(都市センターホテル:東京) 4工法発表
・2015年11月「ハイウェイテクノフェア」(東京ビックサイト:東京) 3工法出展
②開発技術のH27年施工実績
雪道や凍結路面の走行安全をサポートする凍結抑制舗装技術、廃材を出さないアスファルト舗装の再生技術、各種のコンクリート舗装施工技術などを推進しております。
イ.アイス・インパクト :凍結抑制舗装技術(幹線道路に適用 特許 第516060号)
低温でも柔軟性を持った弾性モルタルを舗装の中に形成し、たわみによって氷盤を割る機能性舗装。 施工1件(北陸自動車道 新潟県上越市付近)
ロ.ファインシート工法 :凍結抑制舗装技術(坂道、山間部の道路などへ適用)
柔らかく粘着性のある、シート状の薄層弾性舗装材料を、既設舗装に「貼るだけ」で、走行車両の荷重によって氷盤を割る工法。滑り止め効果を併せもった機能性舗装。
施工6件 (北海道3件、新潟県村上1件、福島県会津1件、愛知県設楽1件)
ハ.ヒートドレッシング工法:アスファルト舗装廃材を出さない原位置リサイクル技術
ひび割れの発生している既設路面をヒーターにて加熱し、その路面を掻きほぐして新しい舗装材料を1cm分加えることで、路面を走行し易くリフレッシュする舗装技術。
施工1件(新潟県十日町)
ニ.転圧コンクリート舗装 :大型施工機械や鉄筋を使わないコンクリート舗装技術
通常コンクリート舗装では、鉄筋を組み、大型の敷均し機械を用いて施工するのに対して、汎用性のあるアスファルト舗装機械を用いて施工できる技術。
施工2件(新潟県燕 新潟県柏崎)
③ 技術開発
イ.アスファルト舗装のリサイクル技術の高度化
国内で製造されているアスファルト混合物はほとんどが既設舗装を30~50%再利用した、再生アスファルト混合物であります。再利用するためには『再生用添加剤』を添加し、古く硬くなったアスファルトを柔らかくする必要があります。添加量を減らせ品質とコスト面で優位性のある再生用添加剤を開発していきます。
ロ.傷んだ路面の評価技術の開発
舗装の維持修繕の実施を判断のために、パトロール車を用いての目視観察、特殊測定車を走行させての機械測定のいずれかの方法で路面損傷の把握を行います。現在の方法で管理路線すべての道路で実施・解析するには、膨大な時間と労力が必要となります。管理車両が路線を走行するだけで路面状態を数値化しデータも蓄積できる、省力化評価技術とシステムを開発していきます。

(3) ㈱興和
① メンテナンス対応型消雪パイプブロック
プレキャスト消雪パイプブロックは、約20年近くの実績を持ち、交通規制の期間確保が困難な国道を中心に広く普及してきました。また、弊社仕様は、国交省北陸地整の標準設計にも組み込まれており、冬季道路交通確保に貢献してきました。しかし一方で、その維持修繕作業においては、構造上交換が容易にできないものとなっておりました。
建設予算が新設から維持管理へシフトしていく中、撤去・再設置・再利用が可能となるよう、ブロック端面の接続部を改良した“メンテナンス対応型消雪パイプブロック”を開発いたしました。2015年度は、約4,213mの施工実績でありました。
② KVSストレーナ
水質が悪く、井戸の耐久性の低下が懸念される地域に対する井戸構造材料として、耐食材料(塩化ビニル管、ステンレス巻線)を組み合わせた“KVSストレーナ”を開発し、販売を開始いたしました。亜鉛メッキ巻線を使用しておらず、地下への亜鉛溶出がなく環境性能が高いこともPR材料となっております。申請していたNETISには2010年1月に登録が認められました。
2015年度は、自社施工、他社販売も含め約511本の販売を行っております。
③ 法面作業用アシストロリップ
法面作業を行う際は、立木やアンカーに結んだ「命綱」と作業員の腰部につけた「安全帯」、それと命綱と安全帯を接続する『ロリップ』を用いて身体を支持しております。しかし、ロリップは『握ると動き』『離すと止まる』という仕組みを持っているものの、落ちそうになった時、咄嗟にロリップを握ってしまう事例もあり、逆に墜落してしまう重大事故も発生しておりました。こうした人間の本能(反射)に反する面もあり、改善が望まれておりました。そこで、ヒューマンエラーによる事故防止を目的に、ロリップの下に追加設置する補助装置(アシストロリップ)を開発いたしました。2011年9月にNETIS登録し、2015年度の販売実績は78個でありました。
④ フレキシブル伸縮計
地すべり地の地盤変状の監視には、従来インバー線を用いた伸縮計が一般的に用いられてきました。しかし、インバー線は細く動物や木の枝などが触れると簡単に破断するため、厳重に保護する必要があり、設置費や設置労務が掛かるといった問題があります。また、積雪地域では、通常の保護方法の他に、必ず雪囲いが必要となります。
これに比べフレキシブル伸縮計は、インバー線の代わりにφ5mm程度の炭素繊維ケーブル(東京製綱(株)と共同開発)を用いて、簡易な保護で地盤形状に合わせて設置可能であり、設置費や設置労力が少なくてすみます。また、雪囲いも不要であり、積雪地域に適した伸縮計であります。
フレキシブル伸縮計の炭素繊維ケーブルは、平成18~27年で約2,980m(20m/箇所)の実績があり、主に国土交通省北陸地方整備局、中部地方整備局、大手建設コンサルタント、大手ゼネコンに納入実績があります。NETIS登録をしてあることから、今後も販売拡大が見込まれております。
⑤ 遠隔監視制御機器(ネットワークロガー)
下水道流域のマンホールポンプの運転状況や故障、マンホール内の水位を管理事務所で監視できる遠隔監視制御装置を開発いたしました。この機器は、2005年度から2015年度まで959台の販売実績があり、今後も下水道関係の他に、農場関係の揚水ポンプや道路排水ポンプ、消雪用ポンプの遠隔監視用に販売が見込まれております。
(4) ㈱レックス
① 表面含浸材塗布装置の開発
近年増えている表面含浸材の塗布によるコンクリート構造物補修工事では、人力施工が主体であり、施工管理手法が確立されておりません。そこで、機械化施工による施工や管理の効率化及び施工品質の向上を図るため、表面含浸材塗布装置の開発を行い、2009年に「Made in新潟」登録を行っております。2011年度には、作業性や信頼性を向上させた改良型の装置を開発しております。
これまでに、国土交通省、新潟県等の発注工事において活用されております。
② 防護柵清掃工法(GRクリーン工法)の開発
消雪パイプ設置区間において防護柵類に付着した錆汚れは、視線誘導機能や美観を損なうものであり、汚 れの除去が困難であるため問題となっておりました。
洗剤メーカーと共同で防護柵清掃専用洗剤GRクリーンを開発し、洗浄後の排水処理手法も含めた防護柵 清掃工法とあわせ「Made in新潟」登録を行っております。
③ インフラ維持管理上の課題を解決するため技術・工法の開発
積雪地における標識、道路付帯施設等への着雪防止対策や塩害の影響を受けた鋼橋の桁洗浄装置等、橋梁長寿命化に寄与する点検・補修技術等、インフラの維持管理上の課題を解決するための技術や工法のテーマを主眼に開発に取り組んでおります。
( 不動産事業及びその他 )
研究開発活動は、特段行われておりません。


経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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