有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007WQE
富士通株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループ(当社及び連結子会社)の事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っており、近年は、特にビッグデータの利活用に関する研究開発に注力しております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器等のユビキタス社会に不可欠な製品・技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージや電池)等の各種デバイス製品及び技術関連の研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTがどのようにビジネスと社会のイノベーションに貢献するかについての当社グループの考え方を「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、セグメントの区分を超えてヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ(*1)の実現に向けた「ヒューマン・エンパワーメント」、「クリエイティブ・インテリジェンス」及び「コネクテッド・インフラストラクチャー」の3つのアプローチを提唱しています。当社グループでは、これらの3つのアプローチに加え、それらを支えるコア技術となる「共通な基盤」の発展に向けて研究開発を推進しています。
(*1)テクノロジーの力で実現される、より安全で、豊かな、持続可能な社会
上記の各アクションアイテム等に関する、当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,798億円となりました。そのうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費997億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は235億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は168億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は397億円です。
①ヒューマンエンパワーメント
人と情報を結び様々な場所の活性化を目指した技術、それらを支える先進のIoT技術の研究開発をしました。
・遠い場所の状況を3次元パノラマ合成画像で把握し、遠隔からAR技術を使い作業指示ができる技術を開発しました。熟練者が現場に行かなくても保守点検等の作業が可能になります。
・空間をデジタル化するUI技術を開発しました。各自が持つスマートフォンの情報を机や壁に投影し、投影した情報への手書きでのメモの記入や簡単な操作によるデータ交換を行うことが可能です。ICTを使った共創支援としてワークショップの現場で実証実験をしています。
・多種多様なIoTデバイスを簡単に管理できるソフトウェアプラットフォームを開発しました。情報形式を同一にするため、障害検出に必要な情報の一元管理が可能になります。
・スマートフォン等の端末を、OSに依存せずプラグ&プレイでドライバを自動配信して、周辺機器に簡単につなげる技術を開発しました。手持ちのスマートフォンでテレビ、スピーカー、センサー等の様々な機器を簡単につなげ、操作やデータ収集が可能なIoT世界の実現を目指します。
②クリエイティブ・インテリジェンス
加速するAI(人工知能)の更なる発展に向けた技術、金融業界に向けたフィンテック及び情報社会から人や組織を守る多角的なセキュリティ技術の研究開発をしました。
・AI技術を「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」として体系化し、そのサービスを強化する研究開発をしています。新たなディープラーニング技術により、IoT機器等から得られる時系列データの分析精度を25%向上させました。AI技術を活用して人を超える中国語の手書き文字認識率を世界で初めて達成し、また、Zinraiを適用して、人の行動特性から人や交通の混雑を緩和する実証実験をシンガポールで開始しています。
・オープンデータが最新であることを保証した金融向けデータ分析プラットフォームを開発し、データ分析を容易にしました。また、国境を越えた証券クロスボーダー取引の決済業務期間を即日化する実証実験を実施しました。ビッグデータ・アナリティクスやブロックチェーン技術の活用により、利便性の高い金融システムの実現を目指します。
・手のひら静脈等の生体情報を安全に暗号鍵として利用できる技術を開発しました。クラウドサービスのようなオープンなネットワーク上でも、生体情報を安全に利用することが可能になります。
・利用者のいつもと違う操作から標的型メール攻撃をリアルタイムに検知する技術を開発しました。ネットワークを監視する技術と組み合わせ、組織や個人のリスク状況を素早く把握します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
ICTインフラを強化する次世代の通信やサーバの高性能化及び信頼性向上に向けた技術を研究開発しました。
・将来の移動通信システム「5G」に向けて、同一周波数での送信と受信の同時利用を可能にすることで、同じ基地局エリア内の通信容量を2倍にする技術や、12Gbpsのミリ波ビーム多重化技術を開発しました。多数ユーザーによる大容量同時通信時における速度低下を防ぎ、高速通信を可能にします。
・100キロメートル圏内のデータセンター間の大容量通信を低コストで接続できる、400Gbps光送受信方式を開発しました。次世代の大容量通信に向けて適用していきます。
・世界最高速の200Gbpsで通信パケットをモニタしながら品質解析するソフトウェアを開発し、トラブルの早期発見やセキュリティ強化に貢献します。
・特定用途に絞ったドメイン指向サーバの研究開発を進めています。膨大な画像データから目的の画像を検索する専用サーバを試作し、従来の50倍の速さで実行できることを確認しました。また、ゲノム情報の解析処理をデータベース上で従来の400倍高速化する技術を開発し、ゲノム医療研究、分子情報等のビッグデータ解析に貢献します。
④共通な基盤
ICTを支える基盤技術を開発しました。
・AIを活用した生産ラインの画像検査プログラムを短時間で自動生成する技術を開発し、生産ラインの早期立ち上げや仕様変更の迅速対応を可能にしました。
・業務アプリケーションの改版時に人手で行っていた分析作業の軽減可能な、業務ロジックの複雑度を可視化する技術を開発しました。
・窒化ガリウムHEMTを活用し、スマートフォンの急速充電を可能にする世界最小かつ最高効率のACアダプターの試作に成功しました。
・4K等の高精細映像の瞬時転送が可能な300GHz帯受信機の小型化に成功しました。従来の受信機より10分の1に小型化したため、携帯端末への搭載が期待できます。
・動物の生息可能数を予測する技術を開発し、山梨県で食害の被害が深刻化するニホンジカの生息予測実験を開始しました。他の動物にも適用を広げ生物多様性保全に貢献していきます。
当社グループでは、ICTがどのようにビジネスと社会のイノベーションに貢献するかについての当社グループの考え方を「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、セグメントの区分を超えてヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ(*1)の実現に向けた「ヒューマン・エンパワーメント」、「クリエイティブ・インテリジェンス」及び「コネクテッド・インフラストラクチャー」の3つのアプローチを提唱しています。当社グループでは、これらの3つのアプローチに加え、それらを支えるコア技術となる「共通な基盤」の発展に向けて研究開発を推進しています。
(*1)テクノロジーの力で実現される、より安全で、豊かな、持続可能な社会
Fujitsu Technology and Service Visionにおけるイノベーション創出のための3つのアプローチ ①ヒューマン・エンパワーメント 人をエンパワーして、イノベーションを実現します。具体的には、お客様のイノベーションを富士通のエンジニアが実現する「インテグレーションによる価値創造」、モバイルで人をエンパワーする「モビリティとエンパワーメント」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ②クリエイティブ・インテリジェンス 多様な情報分析を通じて新たな知識を創造するとともに、高まるリスクに対してセキュリティを確保します。具体的には、膨大で多様な情報(ビッグデータ)から新たな価値を見いだす「情報からの新たな価値」、ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティの基礎となる情報の信頼性を確保する「セキュリティと事業継続」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ③コネクテッド・インフラストラクチャー 今後のIoT(*2)時代に、モノや社会インフラを含めてつなげ、柔軟かつ機動的に変化に対応できるICT環境を提供していきます。具体的には、クラウドであらゆるモノをつなげる「オンデマンド・エブリシング」、自律・自動化されたコンピューティング環境を築く「統合されたコンピューティング」、データセンター、広域ネットワーク、デバイスを環境変化に対応して最適化する「ネットワーク・ワイドな最適化」という3つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 (*2)Internet of Things。パソコン、サーバ等に留まらず、様々な物がインターネットに接続され、情報交換する仕組み。 |
上記の各アクションアイテム等に関する、当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,798億円となりました。そのうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費997億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は235億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は168億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は397億円です。
①ヒューマンエンパワーメント
人と情報を結び様々な場所の活性化を目指した技術、それらを支える先進のIoT技術の研究開発をしました。
・遠い場所の状況を3次元パノラマ合成画像で把握し、遠隔からAR技術を使い作業指示ができる技術を開発しました。熟練者が現場に行かなくても保守点検等の作業が可能になります。
・空間をデジタル化するUI技術を開発しました。各自が持つスマートフォンの情報を机や壁に投影し、投影した情報への手書きでのメモの記入や簡単な操作によるデータ交換を行うことが可能です。ICTを使った共創支援としてワークショップの現場で実証実験をしています。
・多種多様なIoTデバイスを簡単に管理できるソフトウェアプラットフォームを開発しました。情報形式を同一にするため、障害検出に必要な情報の一元管理が可能になります。
・スマートフォン等の端末を、OSに依存せずプラグ&プレイでドライバを自動配信して、周辺機器に簡単につなげる技術を開発しました。手持ちのスマートフォンでテレビ、スピーカー、センサー等の様々な機器を簡単につなげ、操作やデータ収集が可能なIoT世界の実現を目指します。
②クリエイティブ・インテリジェンス
加速するAI(人工知能)の更なる発展に向けた技術、金融業界に向けたフィンテック及び情報社会から人や組織を守る多角的なセキュリティ技術の研究開発をしました。
・AI技術を「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」として体系化し、そのサービスを強化する研究開発をしています。新たなディープラーニング技術により、IoT機器等から得られる時系列データの分析精度を25%向上させました。AI技術を活用して人を超える中国語の手書き文字認識率を世界で初めて達成し、また、Zinraiを適用して、人の行動特性から人や交通の混雑を緩和する実証実験をシンガポールで開始しています。
・オープンデータが最新であることを保証した金融向けデータ分析プラットフォームを開発し、データ分析を容易にしました。また、国境を越えた証券クロスボーダー取引の決済業務期間を即日化する実証実験を実施しました。ビッグデータ・アナリティクスやブロックチェーン技術の活用により、利便性の高い金融システムの実現を目指します。
・手のひら静脈等の生体情報を安全に暗号鍵として利用できる技術を開発しました。クラウドサービスのようなオープンなネットワーク上でも、生体情報を安全に利用することが可能になります。
・利用者のいつもと違う操作から標的型メール攻撃をリアルタイムに検知する技術を開発しました。ネットワークを監視する技術と組み合わせ、組織や個人のリスク状況を素早く把握します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
ICTインフラを強化する次世代の通信やサーバの高性能化及び信頼性向上に向けた技術を研究開発しました。
・将来の移動通信システム「5G」に向けて、同一周波数での送信と受信の同時利用を可能にすることで、同じ基地局エリア内の通信容量を2倍にする技術や、12Gbpsのミリ波ビーム多重化技術を開発しました。多数ユーザーによる大容量同時通信時における速度低下を防ぎ、高速通信を可能にします。
・100キロメートル圏内のデータセンター間の大容量通信を低コストで接続できる、400Gbps光送受信方式を開発しました。次世代の大容量通信に向けて適用していきます。
・世界最高速の200Gbpsで通信パケットをモニタしながら品質解析するソフトウェアを開発し、トラブルの早期発見やセキュリティ強化に貢献します。
・特定用途に絞ったドメイン指向サーバの研究開発を進めています。膨大な画像データから目的の画像を検索する専用サーバを試作し、従来の50倍の速さで実行できることを確認しました。また、ゲノム情報の解析処理をデータベース上で従来の400倍高速化する技術を開発し、ゲノム医療研究、分子情報等のビッグデータ解析に貢献します。
④共通な基盤
ICTを支える基盤技術を開発しました。
・AIを活用した生産ラインの画像検査プログラムを短時間で自動生成する技術を開発し、生産ラインの早期立ち上げや仕様変更の迅速対応を可能にしました。
・業務アプリケーションの改版時に人手で行っていた分析作業の軽減可能な、業務ロジックの複雑度を可視化する技術を開発しました。
・窒化ガリウムHEMTを活用し、スマートフォンの急速充電を可能にする世界最小かつ最高効率のACアダプターの試作に成功しました。
・4K等の高精細映像の瞬時転送が可能な300GHz帯受信機の小型化に成功しました。従来の受信機より10分の1に小型化したため、携帯端末への搭載が期待できます。
・動物の生息可能数を予測する技術を開発し、山梨県で食害の被害が深刻化するニホンジカの生息予測実験を開始しました。他の動物にも適用を広げ生物多様性保全に貢献していきます。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
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