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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007ZFY

有価証券報告書抜粋 パイオニア株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの研究開発は、主に当社を中心に行っています。
当社は、主にカーエレクトロニクス事業の将来を見据えた研究開発を行っています。従来からの強みである光学技術や信号処理技術、情報処理技術、デバイス開発力などを応用しシステム化する技術に加え、今後の車載機器に関する新たな技術として、各種センシング技術、ネットワークサービス、地図データの高度化、ドライバーモニタリングやHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の技術を発展させ、来るべき自動運転の普及と発展に貢献することで、事業の成長を図っています。
また、医療・健康機器関連や有機EL照明など、次の事業の柱となるべき新規事業の育成に向けた研究開発にも積極的に取り組んでいます。
さらに、大学や公的研究機関、他企業との共同研究も積極的に推進し、イノベーションの実現と研究開発のスピードアップに取り組んでいます。

当連結会計年度における主な活動および成果は次のとおりです。
(1) 3D-LiDAR(※)(ライダー)センサー
世界各国で自動運転に向けた取り組みが進められる中、当社は2015年9月、光ディスク関連技術などを駆使した3次元走行空間センサー「3D-LiDAR(ライダー)」の車載実証実験を開始しました。これは、レーザー光で周辺状況をリアルタイムかつ詳細に把握するセンサーで、数十メートル先の物体までの正確な距離の測定や形状把握などが可能なため、将来的に自動運転車に不可欠なシステムになると言われています。
当社は、高性能・低価格・小型化された「3D-LiDAR」の実現を目指してまいります。
(※) LiDAR: Light Detection and Rangingの略称

(2) 高度化地図“データエコシステム”
当社は、自動運転に必須となる「3D-LiDAR」と、3次元の詳細な情報を持つ精度の高い地図データであり、自動運転の中核を担う「高精度地図データ」をともに供給できる強みに加え、アライアンスの活用により、自動運転向けの地図を効率的に更新・運用する「高度化地図“データエコシステム”」の構築と事業化に取り組んでいます。
なお、当社は2016年5月に、位置情報クラウド企業のHEREと“データエコシステム”の構築に向けた実証実験を行うことに合意しました。


(3) ドライバーモニタリング
ドライバーモニタリングは、生体情報を検知する様々なバイタル(生体)センサーを使い、ドライバーの身体状態を推定する技術です。将来の自動運転の実現になくてはならない技術として、近年、注目度が高まっています。当社は、ドライバーモニタリングに必要とされるセンサーからアプリケーションまでの技術を一貫して提供することを目指し、研究開発に取り組んでいます。
自動運転車は、部分自動運転から実用化が進むといわれています。部分自動運転では、自動運転から手動運転への切り替えの際、ドライバーが運転可能な状態かを事前に判断する機能が不可欠です。自動運転は人的ミスによる交通事故を減らすことを目的として開発されており、これに起因する新たな事故があってはなりません。そのため、ドライバーモニタリングは自動運転の実現に向けた重要な基盤技術の一つと位置づけられています。
また、ドライバーモニタリングは車室空間の快適性向上でも期待されています。ドライバーの関心事を車載システムが先読みしやすくなり、より最適なタイミングと手段でコンテンツを提供できるようになります。
当社ではバイタルセンサとして、視線や顔の向き、姿勢を検知するカメラセンサ、心電を検知するハンドルセンサ、脈拍を検知するシートセンサの開発に取り組んでいます。
ドライバーの身体状態推定技術では、主に運転中の眠気、疲労、緊張の検出技術の開発に取り組んでいます。眠気の検出では、当社は自律神経系に着目し、心拍や脈拍の変化から眠気予兆を高精度に検出する技術の開発を進めています。また、不快に感じない無自覚の領域から音や振動等の刺激により、ドライバーを良好な身体状態に改善、維持する技術の開発にも取り組んでいます。

(4) テラヘルツイメージング
当社は、テラヘルツ波を用いて物体内部の様子を映像化するイメージング装置の研究開発に積極的に取り組んでいます。テラヘルツ波は、光のような直進性と電波のような透過性を兼ね備えた電磁波です。布や紙、木、プラスチック、陶磁器を透過する一方、金属や水は透過しないという特性を持っています。また、テラヘルツ波の特性を活かしたイメージング技術は、工業製品の品質管理、文化財やインフラ構造物等の非破壊検査、危険物検知などのセキュリティ検査、医療といった幅広い分野への応用が期待されています。
当社が開発したテラヘルツイメージング装置は、その優れた解析性能に加え、小型で持ち運びがしやすく計測も簡便です。これらの特長が評価され、2016年の2月末から3月に実施された独立行政法人 奈良文化財研究所による国宝 高松塚古墳壁画の保存状態調査における劣化状況の確認に、当社のテラヘルツイメージング装置が、国内メーカーで初めて使用されました。
今後は、インフラ構造物の非破壊検査や危険物のセキュリティ検査への応用も視野にテラヘルツイメージング技術の研究開発に取り組んでまいります。

なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
カーエレクトロニクス17,8078.1
その他3,745△60.0
全社 (注)3,25238.2
合計24,804△12.0

(注1) 全社は、主に当社の要素技術研究および応用開発に関する費用です。
(注2) 当連結会計年度にセグメント変更を行っており、前期比については過年度を組み替えたものと比較しています。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01794] S1007ZFY)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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