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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007Z5L

有価証券報告書抜粋 池上通信機株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析



当社グループは、顧客に満足して頂ける製品を創造するために常に技術を磨き、「技術の池上」と評価を頂けるよう、積極的に研究開発活動を行っています。 研究開発は、主に技術開発センター(川崎市)で要素技術・機能開発を行い、プロダクトセンター(宇都宮市)とシステムセンター(藤沢市)で、製品化開発を行っています。 また、グループ外企業との分業と連携により、自社のコア技術開発とスピードある製品開発を実現しています。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、18億74百万円です。

(1)放送システム事業関連

放送システム事業関連では、デジタル放送番組素材の撮影取材、中継伝送、編集制作、放送番組の送出・基幹網伝送に注力して、番組制作機器、有線/無線中継機器およびネットワーク機器の研究開発を行っています。 また、総務省の推進する4K・8Kロードマップを重視した研究、製品開発に取り組んでいます。 当連結会計年度では以下の主な成果がありました。

放送カメラでは、4Kシステムカメラ新シリーズ「UNICAM XE」の最初の製品として、2/3型 800万画素(4K)CMOSセンサを搭載した新開発4K 3CMOSシステムカメラ「UHK-430」を製品化しました。また、同時に、3機種のビューファインダ、大型レンズ装着用のシステムエキスパンダやマスターコントロールパネル「MCP-300」などの周辺装置も併せて製品化しました。この「UHK-430」は、3月にドバイで開催されたCABSAT展示会で製品発表し、既存のHD放送用カメラの操作性と運用性を踏襲した4Kシステムカメラとして注目を集めました。「UHK-430」は4KとHD(2K)のサイマル運用が可能なカメラシステムとして、今後4K対応を検討されている放送各社のスタジオや中継車の機器更新需要に対応していきます。
8Kスーパーハイビジョンカメラにおいては、昨年度に日本放送協会(NHK)様と共同開発した第4世代カメラの追加納入を行いました。来るべき東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツ分野における運用が期待されます。併せて昨今4K/8Kにおいて映像の表現力向上を目的として標準化されるHDR(High Dynamic Range)の対応を行いました。
現行HDカメラでは、ヘリコプタ搭載用高感度カメラ「HDL-F3000」を開発しました。従来機種とインタフェース等の互換性をとることで、ヘリコプタの防振雲台を大型化する事無く使用可能なため、ヘリコプタ航続距離などの運用面に寄与します。

放送モニタでは、放送市場がHD(2K)から4K、さらに8Kと高精細化が進むことに伴い、表示系ヒューマンインタフェースのモニタの重要性は増しています。当社では従来の運用性を踏襲しつつ、4K、8K時代に求められる新たな機能に対応したモニタの製品開発を進めています。
昨年度は今後、HD(2K)のみならず4K、8K対応の幅広い放送モニタの製品化を見越し、共通プラットフォームの開発を進めました。この開発によりモニタ製品の効率化を図っていきます。さらに、4K、8Kで求められる高色域表現、HDR対応の開発も進めています。
昨年の11月に開催された国際放送機器展に4K対応モニタの参考出展を行い、製品化に向けて幅広いお客様から貴重なご意見を頂きました。これらの貴重なご意見を基に製品化を進めています。

また、8Kスーパーハイビジョンモニタは、まず55型8K LCDパネルを採用し、製品化前の技術検証として8Kスーパーハイビジョンカメラの画質評価および展示会にてデモンストレーション等を実施しました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、制作用として小型化の8Kスーパーハイビジョンモニタが望まれており、インタフェース技術、HDR技術を含め、製品化の開発を進めていきます。


放送映像音声スタジオ機器・システムとしては、放送局需要をターゲットとした「MuPS-4000大型スイッチャ」の映像制作機能の高度化を進めました。
2018年の4K BS放送の本放送では、スイッチャに4Kフォーマットの映像制作機能が必要となるため、まずは、4K画面内への映像インポーズ機能を加え、本格的な4K映像制作に対応しました。
また、2K、4K映像を記録・再生できる動画(静止画)ファイル機能を新しく開発しました。任意の映像をリアルタイム送出できる映像制作の新たな機能として提案することで、複数の放送局への納入に繋がりました。
さらに、2016年からの小型SNG中継車の更新需要に向け、大型スイッチャの制作機能(多チャンネルのエフェクタの他、フレームシンクロナイザ、カラーコレクタ、マルチビューワ等)をそのまま踏襲しつつも3Uのラック収納サイズに収めた、省スペース小型スイッチャを新開発しました。
大型から小型システムまで、今後高まるシステム更新需要に向け幅広い映像制作システムの提案をしていきます。

無線伝送・通信機器では、700MHz帯FPUの周波数移行に対応した1.2GHz帯/2.3GHz帯のデユアルバンド対応・SISO方式超小型FPU送信装置「PP-90」を開発し、販売を開始しました。この「PP-90」は、徹底した小型・軽量化を図ることで業界最軽量の約1kgを実現しました。本体には、最新のH.265コーデックを内蔵し、放送番組素材伝送で重要な、超低遅延・高画質映像伝送を実現しています。さらに、5W出力の電力増幅器も同時に開発し小型・高出力での運用が可能なことから、ロードレースのバイクカメラ等で使用されました。「PP-90」は低消費電力化と合わせワイヤレスカメラやイベント中継等、様々な中継形態への活用が期待されています。
また、海外向けFPUとして「PF-531A」を開発し、東南アジア、西アジア、大洋州地域から販売を開始しました。PF-531(国内モデル)の高い耐環境性能(直射日光、雨に強い構造)を継承し、高温・多湿な東南アジア、西アジア、大洋州地域の気候に対応しました。各国により異なる無線周波数帯に対応したユニット類を用意し、積極的な販売活動を行っていきます。


(2)産業システム事業関連

セキュリティ機器関連では、市場での高画質化、ネットワーク化のニーズの高まりに対応したフルHDネットワークカメラシリーズの開発を行い、ラインアップの拡充を図りました。

一昨年、フルHDネットワークカメラ「IPD-BX300」(ボックス型)、「IPD-DM300」(ドーム型)とフルHDネットワークレコーダ「INR-1008P/1016P」(PoE対応)を開発し好評を得ました。そこで昨年度はさらに顧客の多様化するニーズに対応すべくフルHDネットワークカメラ5機種、統合ソフトウェア一式を開発し、販売を開始しました。
フルHDネットワークカメラのラインアップとして、屋外ハウジング一体型「IPD-BL300」、耐衝撃屋外ドーム型「IPD-VR300」、屋内パンチルト・ミニドーム型「IPD-PT200」、屋外コンピネーションドーム型「IPD-SP200T」、屋内コンピネーションドーム型「IPD-SP200U」の5機種を追加開発しました。また、カメラ台数の多い大規模システムに対応すべくフルHDネットワークカメラシリーズとネットワークレコーダ2機種を接続し運用することが可能な統合監視ソフトウェア「INR-1000SW」も開発し、多様なご要望に合わせて分割画面表示やマップ表示のカスタマイズなどが行えるソリューションを提供しました。
当社のフルHDネットワークカメラは発売以来、最新のH.264画像圧縮技術による高画質と、複雑なネットワーク設定を排除し簡単設定、操作を実現したことにより、店舗系では大手コンビニエンスストアチェーン2社の推奨メーカーとなりました。その他、フランチャイズチェーン店や量販店、さらに、テナントビル、マンションや老人ホーム向けに多くの受注を獲得しました。特に、老人ホームの案件では、40個所の統合監視としてカメラ総数600台を遠隔監視できる大規模システムを実現しています。
今後は、当社納入実績の多い公共、プラント市場向けに新設や従来型アナログシステムからネットワークカメラシステムへの更新を図るべく、高画像圧縮技術、ハイエンドネットワークカメラ、システム周辺機器の拡充を進め監視ソリューションの高度化を図っていきます。


メディカル機器関連では微細手術の高度化を支える映像装置の研究開発を進めています。

手術顕微鏡、術野カメラシステム等、さまざまな場面で活用頂く医療用カメラの高精細最高機種として、高感度4K出力カメラ「MKC-704KHD」と、高解像度4Kカメラ「MKC-750UHD」を製品化しました。 MKC-704KHDは、FULL HD(1920×1080)の4倍の4K映像(3840×2160)を出力し、当社医療用カメラとして最高感度の2000lx/F17(LINE MIX ON)を達成しています。さらに特殊画像補正機能の搭載により、微細部分の表現力、解像感、被写界深度を格段に向上させたことにより、ヘッドアップサージャリーや低照度の眼科手術などの用途に効果を発揮します。MKC-750UHDは、4K(3840×2160)デジタルプロセスの搭載により従来のHD方式(1920×1080)と比較して4倍高精細な映像を実現。限界解像度1600本、S/N56dBの高画質を達成しており、高画質が必要な今後の医療分野に4Kソリューションの入力カメラとして注目を集めています。
MKC-704KHDでは、4K対応の専用手術顕微鏡アダプタを使用することで、ICG、フルオレセイン、5-ALAの高感度高画質による撮影が可能となり、眼科をはじめ、脳神経外科や整形外科など外科分野での活躍も期待されています。
また、高精細の表示機器としてのモニタ開発を進めており、今年度、新型モニタのラインアップを発表し新たなソリューション提案を行っていきます。


検査機器関連では、お客様の製品品質の向上を支えるために、画像処理とメカトロニクスを融合した検査装置システムの研究開発を行い、事業拡大に努めています。

主要製品である錠剤検査装置TIE-9000シリーズでは、昨年度、X線錠剤内部検査装置「TIE-XR」を製品化しました。また、昨年7月のインターフェックスジャパンで錠剤検査装置との連動モデルを発表し、ジェネリック医薬品の大手メーカーに納入実績を得ました。
さらに、患者の高齢化に伴う錠剤医薬品の識別改善の要求に応えて、非接触型のインクジェット錠剤印刷装置「TIE-9000P」の研究開発を進め、同展示会に参考出展し注目を集めました。政府の後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進方針による錠剤医薬品の需要増に応えるべく、検査性能の向上、新機能の研究開発を進め、さらなるソリューションの提供を継続していきます。

一方、平面検査市場では高速搬送による高精度検出に対応する16,000画素850MHz高速ラインカメラの検査機器を開発し、2016年4月の高機能フィルム展にPIE-650平面検査装置として製品発表し販売を始めました。本装置は、すでに大手銅箔メーカーからの受注を獲得し、本年9月納入予定です。今後、業界最速、高解像度の平面検査装置として機能強化を進め、お客様への新たなソリューションを展開していきます。





経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01819] S1007Z5L)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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