有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007CRT
セイコーエプソン株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
エプソンは、創業以来培ってきたDNAである「省・小・精の技術」を源泉とする「マイクロピエゾ」「マイクロディスプレイ」「センシング」「ロボティクス」の独自のコア技術を徹底的に極め、これらをあらゆるお客様に提供できるように共通化(プラットフォーム化)し、お客様の期待を超える価値ある製品・サービスを作り出すことを目指して研究開発活動を行っています。
この基本方針のもと、事業部開発部門では、短期から長期的視野で市場における位置付けを強化するために、コア技術の開発および技術基盤の共通化を行っています。一方、本社開発部門では、既存技術に加えて、新規事業創出および事業革新を目指した新たなコア技術・技術基盤の開発に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発費総額は531億円であり、各セグメントの内訳は、プリンティングソリューションズ事業が221億円、ビジュアルコミュニケーション事業が102億円、ウエアラブル・産業プロダクツ事業が65億円、その他および全社が141億円です。
各セグメントの主な開発成果は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンター事業においては、カラリオ・プリンターの新製品として、印刷の基本となるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色に「レッド」と「グレー」インクを加えた新6色染料インク「Epson ClearChrome(クリアクローム)K2インク」を搭載し、カラー、モノクロを問わず写真作品づくりを楽しむことができるA3対応多機能複合機を、フラッグシップモデルとして発売しました。本製品は、プロセレクションシリーズで採用されている色生成テクノロジー・LCCS(論理的色変換システム)を、カラリオシリーズとして初めて全面的に採用し、滑らかな階調性と高い色再現性で安定した画質を実現します。
また、ビジネスインクジェットプリンターの新製品として、当社A4サイズにおいて最速の印刷速度と30万ページの高耐久性を実現したモデルを発売しました。本製品は、プリントヘッドに「PrecisionCore(プレシジョンコア)プリントヘッド」を採用し、カラー/モノクロともに約24ipm(※1、従来はカラー/モノクロともに20ipm(※2))の高速印刷を実現すると同時に、ウォームアップ時間が短いため、1枚目の印刷スピードもカラー/モノクロともに約7秒と高速で、プリント待ちのストレスを感じることなく利用が可能です。
プロフェッショナルプリンティング事業においては、大判インクジェットプリンターの新製品として、「PrecisionCoreプリントヘッド」を採用した、新インクテクノロジー「UltraChrome(ウルトラクローム)HDXインク」搭載の10色顔料インクモデルおよび「UltraChrome(ウルトラクローム)HDインク」搭載の8色顔料インクモデルを発売しました。本製品は、新インクテクノロジーにより、フォトブラックインクの顔料粒子量が従来比約1.5倍(※3)に増量したことで黒濃度が向上しており、写真・ポスター・プルーフ用途などの高品位印刷に適しています。
※1 ipm(image per minute)は、ISO(国際標準化機構)が策定したプリンティング生産性測定方法規格のオフィスカテゴリに基づき、1分あたりに印刷可能な面の数を示す。
※2 当社ビジネスインクジェットプリンター「PX-M840F」の基本仕様。
※3 当社の評価結果に基づく。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジネス向け3LCD方式のプロジェクターの新ラインアップとして、レーザー光源を採用し世界最高(※4)の明るさ25,000lm(※5)から6,000lmまでのモデルを開発しました。本製品は、レーザー光源に世界で初めて(※4)となる無機の素材でできた蛍光体と無機のLCDパネルを組み合わせることで、約20,000時間(※6)のメンテナンスフリーという高い信頼性を実現しました。
また、メガネのように装着して使用するウエアラブル機器である第3世代のスマートグラスMOVERIO(モベリオ)を開発しました。本製品は、光学エンジンにエプソン独自の0.43型超小型高精細カラーのシリコンOLED(Organic Light Emitting Diode:有機EL)ディスプレイをMOVERIOシリーズとして初採用し、100,000:1以上の高コントラストの特長を生かして、従来品のコントラスト(230:1)ではできなかったスクリーン感を意識させない映像表現を実現しました。加えて、本OLEDディスプレイをスマートグラス専用に最適化したことにより、光学レンズの小型化など、一層の軽量化が可能となり、ヘッドセット部の重量を前モデルから約20%削減することに成功しました。
さらに、スマートグラスを利用してさまざまな分野で共同実証実験に取り組み、作業支援によって実現する業務改善を提案し、それらを通じて得られたニーズを開発にフィードバックすることにより、業務用途に機能を進化させたスマートヘッドセットを発売しました。本製品は、両眼シースルーにより視野内に情報を大画面で表示でき、かつ、ハンズフリーで作業を行うことができるため作業現場の効率化を実現します。
※4 発売済みの3LCDプロジェクター製品において。2015年12月現在、当社調べ。
※5 lm(ルーメン)とは、光源から出る光の量(光束)を表す単位。
※6 製品の使用開始時と比較して、明るさが50%低減するまでのおおよその時間。
(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)
ウエアラブル機器事業においては、GPS Sports Monitor「WristableGPS」の新製品として、センサー・フュージョン・テクノロジー(複数のセンサー情報を融合して、より高度な計測精度を実現する技術)を搭載し、安全・安心な登山にご活用いただけるエプソン初のGPSトレッキングギアである「WristableGPS for Trek」を発売しました。また、ランナーにとって重要な指標であるVO2Max(体重1㎏あたり1分間に体内に取り込める最大酸素量)推定計測機能(※7)と活動量計測機能を新たに搭載し、これ1台でランナーのトレーニングから日常生活までフルサポートすることが可能となるGPSランニングギアを発売しました。
ロボティクスソリューションズ事業においては、世界初(※8)の折りたたみ式新型アーム構造を採用した、省スペースでの設置が可能な新小型6軸(垂直多関節型)産業用ロボットを開発しました。本製品は、設置面積600㎜×600㎜と当社従来機種比で約40%削減を達成し、重量は従来機種の3分の2へ大幅に軽量化しました。また、干渉回避動作が減ったため、約30%のタクトタイム(※9)短縮を実現しました。
マイクロデバイス事業においては、通信ネットワークおよび産業分野向けに、高安定・小型の原子発振器を開発しました。本製品は、新方式を採用し、内製のレーザー素子VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)および専用ICを独自設計することで、当社従来機種(1,200㏄)と同等の長期周波数安定度を維持しながら、体積比16分の1(75㏄)の小型化を実現しました。また、制御システムの最適化により、消費電力も従来比6分の1に抑えました。
※7 走行速度と脈拍数から簡易的に算出。また、走行条件を満たした場合に計測可能。
※8 6軸ロボットにおいて。2015年10月末現在、当社調べ。
※9 製造工程において、ある決まった作業を行うのに要する時間。
(その他および全社)
独自の新技術である「Dry Fiber Technology(ドライファイバーテクノロジー)により、世界で初めて(※10)、使用済みの紙(一般コピー用紙(A4、A3))を原料として、水を使わずに(※11)、文書情報を完全に抹消したうえで、新しい紙を生産できる小型のオフィス製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」を開発しました。エプソンは、印刷コストや消費電力に優れた高画質・高速のビジネスインクジェットプリンターを販売し、プリントによる価値でお客様の業務効率向上を支援していますが、さらに今後、お客様が使い終わった紙を「PaperLab」で新しい紙につくり変えて使う循環型オフィスを実現することにより、紙の未来を変える「スマートサイクル事業」の取り組みを進めていきます。「PaperLab」については、2016年内の商品化を予定していますが、企業や自治体は本製品の導入により、オフィスのバックヤードなどで、紙厚の異なるオフィス用紙や名刺用紙、色や香り付きの紙など、さまざまな紙を生産することが可能になります。
※10 乾式の製紙機において。2015年11月時点、当社調べ。
※11 機器内の湿度を保つために、少量の水を使用。
この基本方針のもと、事業部開発部門では、短期から長期的視野で市場における位置付けを強化するために、コア技術の開発および技術基盤の共通化を行っています。一方、本社開発部門では、既存技術に加えて、新規事業創出および事業革新を目指した新たなコア技術・技術基盤の開発に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発費総額は531億円であり、各セグメントの内訳は、プリンティングソリューションズ事業が221億円、ビジュアルコミュニケーション事業が102億円、ウエアラブル・産業プロダクツ事業が65億円、その他および全社が141億円です。
各セグメントの主な開発成果は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンター事業においては、カラリオ・プリンターの新製品として、印刷の基本となるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色に「レッド」と「グレー」インクを加えた新6色染料インク「Epson ClearChrome(クリアクローム)K2インク」を搭載し、カラー、モノクロを問わず写真作品づくりを楽しむことができるA3対応多機能複合機を、フラッグシップモデルとして発売しました。本製品は、プロセレクションシリーズで採用されている色生成テクノロジー・LCCS(論理的色変換システム)を、カラリオシリーズとして初めて全面的に採用し、滑らかな階調性と高い色再現性で安定した画質を実現します。
また、ビジネスインクジェットプリンターの新製品として、当社A4サイズにおいて最速の印刷速度と30万ページの高耐久性を実現したモデルを発売しました。本製品は、プリントヘッドに「PrecisionCore(プレシジョンコア)プリントヘッド」を採用し、カラー/モノクロともに約24ipm(※1、従来はカラー/モノクロともに20ipm(※2))の高速印刷を実現すると同時に、ウォームアップ時間が短いため、1枚目の印刷スピードもカラー/モノクロともに約7秒と高速で、プリント待ちのストレスを感じることなく利用が可能です。
プロフェッショナルプリンティング事業においては、大判インクジェットプリンターの新製品として、「PrecisionCoreプリントヘッド」を採用した、新インクテクノロジー「UltraChrome(ウルトラクローム)HDXインク」搭載の10色顔料インクモデルおよび「UltraChrome(ウルトラクローム)HDインク」搭載の8色顔料インクモデルを発売しました。本製品は、新インクテクノロジーにより、フォトブラックインクの顔料粒子量が従来比約1.5倍(※3)に増量したことで黒濃度が向上しており、写真・ポスター・プルーフ用途などの高品位印刷に適しています。
※1 ipm(image per minute)は、ISO(国際標準化機構)が策定したプリンティング生産性測定方法規格のオフィスカテゴリに基づき、1分あたりに印刷可能な面の数を示す。
※2 当社ビジネスインクジェットプリンター「PX-M840F」の基本仕様。
※3 当社の評価結果に基づく。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジネス向け3LCD方式のプロジェクターの新ラインアップとして、レーザー光源を採用し世界最高(※4)の明るさ25,000lm(※5)から6,000lmまでのモデルを開発しました。本製品は、レーザー光源に世界で初めて(※4)となる無機の素材でできた蛍光体と無機のLCDパネルを組み合わせることで、約20,000時間(※6)のメンテナンスフリーという高い信頼性を実現しました。
また、メガネのように装着して使用するウエアラブル機器である第3世代のスマートグラスMOVERIO(モベリオ)を開発しました。本製品は、光学エンジンにエプソン独自の0.43型超小型高精細カラーのシリコンOLED(Organic Light Emitting Diode:有機EL)ディスプレイをMOVERIOシリーズとして初採用し、100,000:1以上の高コントラストの特長を生かして、従来品のコントラスト(230:1)ではできなかったスクリーン感を意識させない映像表現を実現しました。加えて、本OLEDディスプレイをスマートグラス専用に最適化したことにより、光学レンズの小型化など、一層の軽量化が可能となり、ヘッドセット部の重量を前モデルから約20%削減することに成功しました。
さらに、スマートグラスを利用してさまざまな分野で共同実証実験に取り組み、作業支援によって実現する業務改善を提案し、それらを通じて得られたニーズを開発にフィードバックすることにより、業務用途に機能を進化させたスマートヘッドセットを発売しました。本製品は、両眼シースルーにより視野内に情報を大画面で表示でき、かつ、ハンズフリーで作業を行うことができるため作業現場の効率化を実現します。
※4 発売済みの3LCDプロジェクター製品において。2015年12月現在、当社調べ。
※5 lm(ルーメン)とは、光源から出る光の量(光束)を表す単位。
※6 製品の使用開始時と比較して、明るさが50%低減するまでのおおよその時間。
(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)
ウエアラブル機器事業においては、GPS Sports Monitor「WristableGPS」の新製品として、センサー・フュージョン・テクノロジー(複数のセンサー情報を融合して、より高度な計測精度を実現する技術)を搭載し、安全・安心な登山にご活用いただけるエプソン初のGPSトレッキングギアである「WristableGPS for Trek」を発売しました。また、ランナーにとって重要な指標であるVO2Max(体重1㎏あたり1分間に体内に取り込める最大酸素量)推定計測機能(※7)と活動量計測機能を新たに搭載し、これ1台でランナーのトレーニングから日常生活までフルサポートすることが可能となるGPSランニングギアを発売しました。
ロボティクスソリューションズ事業においては、世界初(※8)の折りたたみ式新型アーム構造を採用した、省スペースでの設置が可能な新小型6軸(垂直多関節型)産業用ロボットを開発しました。本製品は、設置面積600㎜×600㎜と当社従来機種比で約40%削減を達成し、重量は従来機種の3分の2へ大幅に軽量化しました。また、干渉回避動作が減ったため、約30%のタクトタイム(※9)短縮を実現しました。
マイクロデバイス事業においては、通信ネットワークおよび産業分野向けに、高安定・小型の原子発振器を開発しました。本製品は、新方式を採用し、内製のレーザー素子VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)および専用ICを独自設計することで、当社従来機種(1,200㏄)と同等の長期周波数安定度を維持しながら、体積比16分の1(75㏄)の小型化を実現しました。また、制御システムの最適化により、消費電力も従来比6分の1に抑えました。
※7 走行速度と脈拍数から簡易的に算出。また、走行条件を満たした場合に計測可能。
※8 6軸ロボットにおいて。2015年10月末現在、当社調べ。
※9 製造工程において、ある決まった作業を行うのに要する時間。
(その他および全社)
独自の新技術である「Dry Fiber Technology(ドライファイバーテクノロジー)により、世界で初めて(※10)、使用済みの紙(一般コピー用紙(A4、A3))を原料として、水を使わずに(※11)、文書情報を完全に抹消したうえで、新しい紙を生産できる小型のオフィス製紙機「PaperLab(ペーパーラボ)」を開発しました。エプソンは、印刷コストや消費電力に優れた高画質・高速のビジネスインクジェットプリンターを販売し、プリントによる価値でお客様の業務効率向上を支援していますが、さらに今後、お客様が使い終わった紙を「PaperLab」で新しい紙につくり変えて使う循環型オフィスを実現することにより、紙の未来を変える「スマートサイクル事業」の取り組みを進めていきます。「PaperLab」については、2016年内の商品化を予定していますが、企業や自治体は本製品の導入により、オフィスのバックヤードなどで、紙厚の異なるオフィス用紙や名刺用紙、色や香り付きの紙など、さまざまな紙を生産することが可能になります。
※10 乾式の製紙機において。2015年11月時点、当社調べ。
※11 機器内の湿度を保つために、少量の水を使用。
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このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01873] S1007CRT)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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