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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007ZJL

有価証券報告書抜粋 三菱マテリアル株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の研究開発活動は、基本的には各事業の基幹となる分野の研究を当社単独で、あるいは連結会社と連携をとりながら行い、各社固有の事業及びユーザーニーズに応える研究についてはそれぞれが単独で行っております。研究開発の内容としては、既存事業の領域拡大を主体としながら、当社事業の基礎となる材料の基盤技術とコア技術の高度化、最先端技術の育成を進めております。また、新興国市場をターゲットとした開発テーマにも重点的に取り組み、各セグメントと技術開発部が協力して、お客さまにとって魅力ある新製品や新規プロセスの開発に取り組んでおります。当社の技術・開発戦略としては、「顧客視点」と「スピード」をキーワードに、当社グループならではの「ユニークな技術」をベースとして、地球に新たな「マテリアル」すなわちグローバルマーケットで勝ち抜く「差別化された製品・技術」を創造して、「No.1企業集団への挑戦」を支えてまいります。特に、自動車、エレクトロニクス、エネルギー、環境リサイクルの注力分野における次期ニーズを取り込み、中長期的に事業の柱となる新事業開発を推進してまいります。
なお、研究開発費の総額は、11,225百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1)セメント事業
セメント事業カンパニーにおける研究開発は、ディビジョンラボであるセメント研究所を中心とし、テーマを中央研究所と共同または分担する効率的体制で実施しており、主な内容は次のとおりであります。
なお、研究開発に当たっては各事業所との連携により成果の早期移管を実現しております。また、他事業部との連携や、関係会社、大学等との共同研究を推進しております。
・セメント工場の安定操業及び廃棄物・副産物の利用拡大に関する技術開発
・セメント製造における省エネルギーに関する技術開発
・ニーズに対応したコンクリート技術開発
・コンクリート構造物の維持補修に関する技術開発
・鉱産品事業に関わる技術開発
研究開発費の金額は、845百万円であります。
(2)金属事業
製錬事業の研究開発は、グループ会社を含む国内各事業所と当社の中央研究所及び製錬部製錬技術開発センターとの緊密な連携により効率的に進めており、開発・製造が一体となって取り組んでおります。生産性向上・コスト低減、リサイクル技術の強化、湿式プロセスの改善を目的として研究開発を行っており、主な内容は次のとおりであります。
・各種製錬プロセスの解析及び開発
・銅、貴金属及びレアメタルリサイクル技術の開発
・湿式プロセスを用いたメタル回収・精製技術の開発
また、銅加工事業では、当社の中央研究所及び銅加工事業部技術部銅加工開発センターを中心とし、基盤技術の強化はもとより、製造プロセスの研究開発や新材料の研究開発を中心テーマとして研究開発活動を行っており、主な内容は次のとおりであります。
・高性能端子コネクター用銅合金及び製造プロセス開発
・各種シミュレーション技術の開発と応用
・ROX素材を活かしたプロセス及び商品開発
(※ROX:SCR法により製造される無酸素銅荒引銅線)
研究開発費の金額は、1,307百万円であります。
(3)加工事業
当社の中央研究所、筑波製作所、岐阜製作所、明石製作所、連結子会社である日本新金属㈱、三菱日立ツール㈱及び㈱ダイヤメットを中心に研究開発を行っており、主な内容は次のとおりであります。
・工具材料である超硬合金・サーメット・CBN焼結体の材料開発、硬質皮膜のコーティング技術開発
・刃先交換式切削工具、機能性コーティング膜を有する超硬ドリル・エンドミルの設計及び開発
・廃超硬工具からタングステンを回収・分離するリサイクル技術の研究開発
・精密工具、微細加工用工具の開発、IT市場向け超精密耐摩耗工具、鉱山・都市開発工具の開発
・超硬工具の主原料であるタングステンカーバイド粉の開発
・蓄電池用途及び医療材向けの発泡金属の研究開発
・ハイブリッド車・EV車用等エコカー向けのリアクトルコア、モーターコアの開発
・自動車の電動化に伴い要求が高まる耐熱・耐食軸受の開発
研究開発費の金額は、494百万円であります。
(4)電子材料事業
当社の中央研究所、三田工場、三菱マテリアル電子化成㈱、セラミックス工場、四日市工場で機能材料・化成品・電子デバイス・多結晶シリコン・各分野の研究開発を行っており、主な内容は次のとおりであります。
・高機能スパッタリングターゲット材の開発
・フラットパネルディスプレイ用材料の開発
・高機能・超低アルファ線はんだ材の開発
・高信頼性絶縁回路基板の開発
・導電性、光機能性を有した粉体とその応用製品の開発
・半導体プロセス並びに電子材料用フッ素系材料の開発
・親水撥油特性を有するフッ素系化合物の開発
・大型シリコン部材の開発
・サージアブソーバの開発
・チップサーミスタ、サーミスタセンサの開発
・チップアンテナの開発
・高品位多結晶シリコンの開発
研究開発費の金額は、1,065百万円であります。
(5)アルミ事業
ユニバーサル製缶㈱開発部・技術部並びに三菱アルミニウム㈱研究開発部を中心に研究開発を行っており、主な内容は次のとおりであります。
・缶胴、ボトル、缶蓋及びキャップの軽量化・用途拡大
・印刷技術、加飾技術の高度化
・生産設備の生産効率向上及び増速化
・成形性に優れる缶材の開発
・自動車軽量化を目的とした板・押出材の開発
・各種熱交換器用素材の開発
・エレクトロニクス分野における板・箔材の開発
・素材製造技術、用途に応じた加工・成型・接合・表面処理技術の向上
・各種シミュレーション技術の開発
研究開発費の金額は、2,827百万円であります。
(6)その他の事業
当社のエネルギー事業においては、エネルギー関連に関する技術開発を行っており、主な内容は次のとおりであります。
・転換・再転換や再処理等原子燃料サイクルの高度化に係る技術開発
・原子燃料サイクル技術を活用した有価金属等精製抽出に係る技術開発
・福島原発事故に伴う廃棄物や放射性廃棄物の処理、処分、リサイクル等の技術開発
・シミュレーション技術を利用した地熱貯留槽管理技術の開発
研究開発費の金額は、326百万円であります。
また、各セグメントにおける研究開発以外に、当社の中央研究所では、「お客様のニーズ、将来技術トレンドを的確に目利きし、差別化された製品・技術をタイムリーに開発・提供すること」を研究開発の基本方針として、これまでに蓄積してきた材料の分析評価やコンピュータ解析による材料・プロセス・製品開発支援などの基盤技術と、反応プロセス、金属・加工、界面・薄膜のコア技術を活用した開発を行っております。足許では、各事業のNo.1・オンリーワンに貢献する新製品・新技術をタイムリーに生み出してまいります。中長期的には、自動車、エレクトロニクス、エネルギー、環境リサイクルの注力分野における次期ニーズを取り込み事業の柱となる新事業開発を推進し、長期的には夢のある将来技術にも果敢にチャレンジしてまいります。主なテーマは以下のとおりであります。
・セメントキルンの廃棄物増処理設計技術
・自動車コネクター端子用低摩擦めっき
・レーザーを用いた高精度切削工具の精密形態形成技術
・高硬度鋼切削加工用コーテッドCBN材種
・次世代パワーモジュール用高放熱性絶縁回路基板
・屈曲性を備えた世界最薄フレキシブルサーミスタセンサ
・サージ保護素子の高サージ耐量円筒型ガスアレスタ
・薄型テレビのリサイクル用分解システム
・高効率なレアアース磁石回収精製技術
研究開発費の金額は、4,358百万円であります。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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