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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007X29

有価証券報告書抜粋 サン電子株式会社 事業等のリスク (2016年3月期)


対処すべき課題メニュー経営上の重要な契約等


当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を与える可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、以下に記載しました将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、以下の記載は当社グループの事業に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

ア.当社グループの事業について
① 遊技台部品事業及びホールシステム事業
(パチンコ業界への依存について)
当社グループの主たる事業であります遊技台部品事業及びホールシステム事業の販売に係る製品の顧客は、遊技機メーカー及び全国のパチンコホールであります。パチンコホールは、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」及び「都道府県条例」による規制を受けるとともに、過度な射幸性を抑制する目的等から、パチンコホールの業界団体が自主規制を行うことがあります。このような法的規制の改正や新たな自主規制の実施により、遊技機メーカー及びパチンコホールの営業に制限が課せられた場合、また、市場環境や経済情勢の変化によって、遊技機メーカー及びパチンコホールの経営環境が急激に変化した場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、遊技台部品事業及びホールシステム事業は、需要変動が比較的大きな傾向を有しております。当社グループでは、市場動向への適切な対応に努めるべく各種の施策を講じておりますが、これらの施策にもかかわらず当社グループの経営成績が大きく変動する可能性があります。
(遊技台部品事業)
・制御基板
a) 最近の動向と当社グループの対応について
最近の動向としましては、各パチンコ遊技機メーカーが短いサイクルで多数の新機種を発売することにより、同時期に販売される競合機種が増加しており、1機種当たりの販売台数は減少傾向にあります。さらに、パチンコホールの店舗数も減少傾向にあることから、遊技機メーカーの競争は激しさを増しております。また、一部のヒット機種が中長期にわたり市場を支配するなど、遊技機メーカーの二極化も進展しております。
当社グループでは、ライフサイクルの短命化に対応すべく、開発体制、生産体制等の整備に努めており、従来の取引関係、開発・販売実績等から、安定的な取引関係を有しているものと考えております。しかしながら、既存の競合先に加え、ゲームソフトメーカー等が液晶表示装置向けのソフトウエア開発に参入しており、現在の取引関係が今後も維持し得るかは明らかではありません。
また、当社グループが取引する以外の遊技機メーカーの新機種動向によっては、当社グループの販売計画及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
b) 法的規制について
当社グループの製造・販売する制御基板が組込まれるパチンコ遊技機は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、国家公安委員会規則第四号(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)で定められた「技術上の規格」に適合することが必要であります。そのため、機種毎に国家公安委員会の指定試験機関である財団法人保安電子通信技術協会(保通協)による型式試験及び各都道府県の公安委員会による型式検定を受けており、保通協の型式試験に合格した機種が販売を許可され、その後、各都道府県公安委員会による検定に適合した機種だけがパチンコホールに導入されます。
今後、これらの法律、規制等に重大な変更が加えられた場合、パチンコ遊技機の開発・製造・販売のため新たな対応を余儀なくされる可能性があります。当社グループはこれらの要因に対し、適切な対応を図るよう努めておりますが、これらの対応にもかかわらず、当社グループの販売計画、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

c) 特定の取引先との取引関係について
当社グループが開発・製造するパチンコ制御基板の販売は、少数かつ特定のパチンコ遊技機メーカーに限定されております。なかでも、株式会社藤商事に対する販売実績比率が高く、当社グループの総販売実績に対する同社の割合は、2012年3月期30.3%、2013年3月期33.8%、2014年3月期30.2%、2015年3月期26.2%、2016年3月期25.2%となっております。
当社グループでは、これら少数かつ特定のパチンコ遊技機メーカーとは、安定的な取引関係にあり、企画提案力の向上を図るなど、より一層の関係強化に努めておりますが、これら販売先の販売状況、仕入方針、他のパチンコ制御基板メーカーとの競合の状況によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、これら販売先が、パチンコ制御基板の開発・製造を独自に行う可能性も否定できません。
d) 需要の大幅な変動について
パチンコ遊技機は、新機種の発売当初に急激に需要が増加し、ヒット機種以外ではその後の需要は急速に減少する傾向を有しております。また機種毎の需要動向は、遊技者の嗜好の変化、遊技機メーカーの競合の状況、さらにはパチスロ遊技機に対する需要動向等により、大幅に変動する傾向を有しております。このため、当社グループが開発・製造・販売を行っているパチンコ制御基板の需要動向も、大幅に変動する傾向を有しております。
当社グループでは、このような需要動向の変化に対応できる生産体制をとっておりますが、想定していない需要が生じた場合、又は当社グループ製品への需要が想定を大幅に下回った場合などには、新たな対応を余儀なくされ、そのような場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
・樹脂成形品及び金型
当社グループは、イードリーム株式会社において射出成形による樹脂成形品及び金型の製造・販売を行っております。射出成形・金型加工技術は、当社グループのパチンコ関連事業、情報通信関連事業の製品製造に不可欠であり、同社の射出成形・金型加工技術の維持向上を図り、パチンコ業界への企画提案営業を推進しております。しかしながら、主要な販売先はパチンコ遊技機メーカーでありますことから、パチンコ遊技機の需要動向等により業績が大幅に変動する場合があります。
(ホールシステム事業)
パチンコホールの店舗数は、厳しい業界環境の中、店舗の大規模化、チェーン店化に伴い減少傾向にあります。このような状況の中、店舗管理の必要性からパチンコホールの情報化、ネットワーク化が進展しております。そのため、パチンコホール内の設備・システムに対する一定の投資需要はあるものの、激しい価格競争もあり、厳しい状況で推移していくものと認識しております。
当社グループでは、ネットワーク化に対応したシステムの開発・販売、コストダウンによる低価格製品の投入等により競合先との差別化を図っておりますが、競合先の対応によっては当社グループが新たな対応を余儀なくされる可能性があります。また、技術の進展により、当社グループが予想し得ない技術が普及した場合、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、ホールシステム事業におきましては、パチンコ機の年末年始の新機種需要に合わせたパチンコ店の設備投資需要による季節変動要因があり、11~12月に売上が集中する傾向があります。一方、近年では、年末年始にとらわれず、人気機種の販売に合わせ設備投資を行うパチンコ店も増加傾向にあることから、前述の集中傾向は変動する場合があります。
当連結会計年度におけるホールシステム事業の四半期会計期間別売上高は以下のとおりです。
(会計期間)第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計
売上高
(対通期比率)
(千円)
(%)
664,356
(25.9)
711,157
(27.7)
641,917
(25.1)
545,009
(21.3)
2,562,441
(100.0)


② モバイルデータソリューション事業
・最近の動向と当社グループの対応について
当社グループは、Cellebrite社において開発・製造されるモバイルデータトランスファー機器及び関連サービスの販売を行っております。また、競争力を保つべく、新規携帯電話の対応及び新製品・新サービスの継続的な開発を行っております。しかしながら、当社グループの計画通りに事業が展開しない場合は、開発投資等負担により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
・海外市場動向の影響について
同事業における主要な顧客は米国を中心とした全世界の携帯電話通信事業者・携帯電話機器販売店、犯罪捜査機関等であり、同機器について更なる機能向上とワールドワイドな展開を推進し、当社グループの海外地域における業績は拡大基調にあります。今後も同事業については、販売地域の拡大など海外展開を継続する予定であることから、米国及び各国の経済環境や政治情勢の急激な悪化、為替相場の変動、予期しない法的規制や税制の変更等が生じた場合は、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
・季節変動要因
携帯電話機器販売店向け(モバイルライフサイクル)につきましては、クリスマス商戦に備えた機器の投資需要による季節変動要因があります。また、犯罪捜査機関等向け(モバイルフォレンジック)につきましては、犯罪捜査機関等の予算執行が下期に集中する傾向があります。上記の要因により、モバイルデータソリューション事業においては、連結子会社における第3四半期(7~9月)及び第4四半期(10~12月)に売上が集中する傾向があります。
当連結会計年度におけるモバイルデータソリューション事業の四半期会計期間別売上高は以下のとおりです。
(会計期間)第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計
売上高
(対通期比率)
(千円)
(%)
2,805,853
(23.5)
2,967,114
(24.8)
2,899,558
(24.2)
3,285,300
(27.5)
11,957,827
(100.0)

③ その他の事業
・M2M通信機器
a) 最近の動向と当社グループの対応について
M2M通信機器市場は、モバイル通信インフラの急速な高速・大容量化と通信料金の固定化・低価格化、またクラウド環境のインフラを利用し、あらゆるIT機器がインターネットへつながるIoT(Internet of Things)への関心の高まりとあいまって、その規模は急速に拡大しておりますが、他業種からの新規参入も相次ぎ、M2M通信機器関連製品及び関連サービスの競争は激しさを増しております。
当社グループでは、特にM2M(マシン to マシン)市場に焦点をあて、そのニーズを的確に捉えた新製品の開発をいち早く行うことで、価格競争に巻き込まれない事業展開を図りますが、対応が遅れたり、予想し得ない新技術が普及し新たな対応を余儀なくされた場合、更には、他社との競合状況などによっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
b) 法的規制について
当社グループが開発・製造・販売を行っているM2M通信機器は、電気通信事業法に基づき、総務省が定める技術基準に適合することが必要であり、このため機種毎に指定試験機関(一般財団法人電気通信端末機器審査協会(JATE)及び一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC))による審査・認定を適宜受けております。
今後、これらの法律・規格等の改廃が行われた場合、当社グループにおいて新たな対応を余儀なくされる可能性があり、経営成績に影響を与える可能性があります。
・コンテンツ配信サービス
当社は、人気ゲームソフト「上海」、女性向け恋愛シュミレーションゲーム「ケモ彼!」及びアドベンチャーゲーム「オズの国の歩き方」等の各シリーズを、急激に成長しているiPhone・Android等のスマートフォン向けマーケットやソーシャルプラットフォームに対して展開を行い、モバイルコンテンツサービスを積極的に推進しております。しかしながら、当社グループの計画通りに当該事業が展開するとは限らず、そのような場合には開発投資負担等により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。


イ.当社グループの財政状態及び経営成績の変動について
当社グループは、連結財務諸表作成時において、在外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、米ドルやイスラエル・シェケル等の為替の変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

ウ.その他事業遂行上のリスクについて
①新株予約権の付与について
・ 当社
当社は、インセンティブを目的として当社及び子会社の取締役、監査役及び従業員に対し新株予約権を付与しております。
2009年7月10日に第3回新株予約権、2012年7月13日に第4回新株予約権、2014年8月29日に第5回新株予約権、2015年2月5日に第6回及び第7回新株予約権並びに第1回株式報酬型新株予約権を発行し、当社及び子会社の取締役、監査役及び従業員に付与しております。
上記、新株予約権による潜在株式数の残高は、以下のとおりであります。
区 分2016年3月31日現在
第3回新株予約権 (2009年7月10日発行)237,000株
第4回新株予約権 (2012年7月13日発行)243,000株
第5回新株予約権 (2014年8月29日発行)266,000株
第6回新株予約権 (2015年2月5日発行)40,000株
第7回新株予約権 (2015年2月5日発行)20,000株
第1回株式報酬型新株予約権 (2015年2月5日発行)9,000株
潜在株式数合計815,000株

(注) 潜在株式数合計815,000株は、2016年3月31日現在の発行済株式総数22,463,000株の3.6%に相当しております。
・ Cellebrite Mobile Synchronization Ltd.
当社の連結子会社であるCellebrite社は2008年9月24日にストック・オプションとしての新株予約権の発行枠(目的となる株式数の上限は26,000株)を決議し、段階的に発行及び同社従業員に付与しております。
なお、当連結会計年度において当該ストック・オプションの一部が行使されたため、2015年12月31日現在の同社に対する当社持分は94.1%となっております。
上記、新株予約権による潜在株式数の残高は、以下のとおりであります。
区 分2015年12月31日現在
2008年ストック・オプション8,485株
潜在株式数合計8,485株

(注)1 潜在株式数合計8,485株は、2015年12月31日現在の発行済株式総数132,968株の6.4%に相当しております。
2 当該発行枠の内、2015年12月31日現在未発行のストックオプションの目的となる株式数は4,547株であります。

②事業投資等について
当社グループは、既存事業の強化・新規事業の展開等による事業拡大を図ることを目的として、子会社の設立、あるいは 当社グループ以外の企業との資本提携、合併及び買収(以下、M&A)を必要に応じて検討・実施しております。投資判断にあたっては、市場動向・顧客のニーズ、資本提携及びM&Aの場合は、相手先企業の経営成績・財務状況・技術優位性、当社グループとの相乗効果の有無等を充分に勘案し、決定しております。
しかしながら、市場環境の著しい変化により当該事業の継続が困難である場合や、当初想定していた相乗効果が得られない場合、また、投資金額の回収が困難である場合等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

③情報セキュリティについて
当社及び国内連結子会社は、経営に関する情報・取引先に関する情報・個人に関する情報の保護の観点から、情報システムセキュリティに関する社内規程を整備し、個人情報保護方針の策定、ITセキュリティの強化、従業員教育等を実施しております 。また、Cellebrite社は、情報セキュリティに関する国際規格「ISO27001」の認証を取得しており、同規格に基づいた情報セキュリティ管理体制を構築、継続的に運用しております。
しかしながら、過失や外部からの攻撃等により情報漏洩・改ざん等の問題が発生した場合には、損害賠償金等の費用発生、信用低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

④知的財産権について
当社グループでは、製品・サービスの企画・開発過程で創造される発明案件につきましては、法務・知的財産部が管理を行い、顧問弁護士・弁理士と連携の上、速やかに特許申請等を行える体制を構築しております。また、特許申請を行わない方が競争優位に立てると判断した発明案件については、意図的に特許申請を行わない場合もあります。しかしながら、他社による類似製品及びサービス等の製造・販売を効果的に防止できない可能性があります。
一方、他社の知的財産権の侵害を回避するため、法務・知的財産部において事前調査を実施しておりますが、
当社グループが他社の知的財産権を侵害していると司法判断され、知的財産権の使用料・損害賠償金等を請求された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

⑤海外事業展開について
当社グループは海外への事業展開を積極的に進めておりますため、当社グループが事業展開する国・地域における政治、社会、経済状況、関連法規制等につきましては、現地の動向を随時把握し、適切に対応していくよう努めております。
しかしながら、当該国・地域における紛争・自然災害・疾病流行等の発生、社会環境の変化、関連法規制の変更等、不測の事態が発生し、計画通りの事業展開が見込めない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

対処すべき課題経営上の重要な契約等


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