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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10081VM

有価証券報告書抜粋 ルネサスエレクトロニクス株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)


事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


(1) 研究開発活動の体制および方針
当社グループの研究開発活動は、現在必要な、または近い将来に必要となるであろうソフトウェアおよびシステム開発などを、車載制御、車載情報に関する製品は第一ソリューション事業本部が、産業・家電、OA・ICTおよび汎用製品に関する製品は第二ソリューション事業本部が担当し、デバイス開発やデバイス応用技術などのデバイスソリューション開発を担うルネサスシステムデザイン㈱と協力しながら取り組んでおります。デバイス・プロセス技術、新規実装技術、設計手法などの部門横断的な共通技術については、主に第一ソリューション事業本部と生産本部とが協力しながら担当するという体制で取り組んでおります。
また、コンソーシアムや外部研究機関などへの研究委託や、幅広い分野やお客様へ最適なサポートを行うためのサード・パーティの活用など、自社の研究開発リソースのみならず社外のリソースも必要に応じて活用しております。
電子機器や社会インフラの急速なネットワーク化により訪れるスマート社会では、これまでマイコンが主に使われてきた制御機器と、システムLSIが主に使われてきたIT機器が急速に融合しており、マイコンを軸にした新たな制御機器市場の拡大が期待されます。当社グループは、こうした市場変化に対応するため、マイコンとアナログ&パワー半導体などを組み合わせたセットを提供するキットソリューションを強化するとともに、アプリケーションごとに共通して使用できるIP(設計資産)やOSなどのソフトウェアをプラットフォームとして提供するための研究開発活動を通じて、新市場での成長を実現してまいります。

(2) 主な研究開発の成果
① 自動運転に向けコンピューティング性能向上と自動車用機能安全規格に対応した世界最先端の車載SoCの製品化
当社グループは、車載情報システムや安全運転支援システムに幅広く適用できる新たな半導体ソリューションとして、車載SoC「R-Car」の第3世代製品「R-Car H3」を製品化し、2015年12月からサンプル出荷を開始しました。
近年、衝突防止や自動運転の実現に向けて、安全運転支援システムの高度化が急速に進んでいます。安全性向上のためには、自動車に数多くのカメラやセンサを搭載し、その情報を正確かつ迅速に処理して、即時に衝突回避などの判断を行う必要があり、従来の何倍ものコンピューティング性能が求められます。また、こうした自動車の状態をドライバーに適切に負荷なく伝え、安全性と快適性を両立するディスプレイ表示が必要になるため、高度なグラフィック性能も要求されます。
そこで、本製品では、高いコンピューティング性能を実現するために、ARM Limitedの高性能な64ビットCPUコア「ARM® Cortex®-A57/53」(※)を各4個搭載しました。また、ドライバーにとって必要な情報を適切に表示する表現力強化のために、グラフィックスの演算処理性能が極めて高い専用の最先端GPU(注1)を採用しました。さらに、衝突回避などを実現するための技術として、カメラが撮影した映像を高速でメモリ部分に読み書きできる内蔵SRAM技術(注2)や、映像の歪みの補正を超高速で行えるカメラ画像処理回路(注3)等を独自に開発し、本製品に搭載しました。これらの高い性能を1チップで実現するために、車載SoCとして、世界で初めて(2015年12月時点)16ナノメートル(注4)の最先端の微細プロセスを採用しました。
これらにより、本製品は、当社グループの従来製品「R-Car H2」の車載情報システムを中心にした利用から用途を広げ、安全運転支援システムにも利用できる、自動運転時代に向けた新たな車載コンピューティング・プラットフォームとなりました。
こうした当社グループ製品の性能向上により、自動車が自動的に、障害物の検知やドライバーの状態の認識、さらには危険予測や危険回避判断等の複雑な処理を行い、ドライバーはより安心・安全な運転を行うことが可能になり、より高度で快適な自動車とのインタフェースを体験できるようになります。また、本製品は、世界的な自動車用機能安全規格「ISO 26262(ASIL-B)」にも対応しており、半導体自身の故障リスクを最小化し、高度化するシステムにおいても安全性を担保しています。
当社グループは、車載向け半導体ソリューションの提供力の強化に向けて「R-Carコンソーシアム」を主宰していますが、170社を超えるパートナー企業と連携し、車載情報システムや安全運転支援システムのソリューションを拡充し、安心・安全・快適なクルマ社会の実現に貢献してまいります。


② IoT製品など組込み機器の開発スピードに革新を促す「Renesas SynergyTMプラットフォーム」の提供開始
当社グループは、成長を続けるIoTや組込み機器市場に向けて、「Renesas SynergyTMプラットフォーム」の提供を2015年10月から北米にて、同年12月から欧州および日本にて開始しました。
あらゆるモノがインターネットに繋がるIoT機器の開発では、現在、通信やセキュリティなどの新規技術の導入が必要になり、システムの複雑化が進んでいます。この複雑化により、特にIoT市場で多い新規市場参入者を中心に、機器の開発期間や総費用の増大が大きな課題となっています。
そこで、当社グループは、Renesas SynergyTMプラットフォームとして、動作保証されたソフトウェアパッケージ、マイクロコントローラ、開発環境、開発例などのソリューション、ソフトウェアをクラウドで公開するギャラリーの提供を開始しました。
これまでも半導体用のソフトウェアは、当社またはパートナー企業から提供していましたが、お客様の量産製品に対して動作保証をするものではありませんでした。今回提供するソフトウェアパッケージは、組込みシステムに必須となる標準的なマイクロコントローラ用ソフトウェアを一式取り揃え、さらに、必要に応じてお客様が追加的に機能を拡張できるよう、当社パートナー企業が提供するソフトウェアも用意し、当社が動作保証を行います。これらにより、お客様は独自のアプリケーションの開発やサービス提供に集中できるため、お客様の機器開発の優位化を図ることができるとともに、大幅な開発スピードアップにより短期での市場参入が期待できます。
当社グループは、本製品の提供に際して、ソフトウェアのアップデートにも継続的に対応し、一元的にお客様をサポートすることで、お客様側での開発着手の際のイニシャルコストの極小化だけでなく、メンテナンスにかかる総費用の低減、時間や労力の削減にも貢献してまいります。当社グループは、本製品などを通じて、様々な企業のIoT市場での成功を支援し、IoT・組込み機器市場を活性化させてまいります。
(注)1 GPU:Graphics Processing Unitの略で、3Dグラフィックス表示など、画像処理専用の計算処理を行う半導体のことです。
2 内蔵SRAM技術:2015年12月に「電子デバイス国際会議IEDM 2015(International Electron Device Meeting 2015)」で同技術を発表しました。
3 カメラ画像処理回路:2016年2月に「国際固体素子回路会議ISSCC 2016(International Solid-State Circuit Conference 2016)」で同回路を発表しました。
4 ナノメートル:1ナノメートルは、10億分の1メートルです。
※ARM、Cortexは、ARM Limitedの登録商標または商標です。その他、文中の製品名やサービス名は、すべてそれぞれの権利者に属する商標または登録商標です。

(3)研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の実績は、974億円であり、主に製品設計、システム開発、デバイス開発、プロセス技術開発、実装技術開発に使用しました。
なお、当社グループは半導体事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02081] S10081VM)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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