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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007S96

有価証券報告書抜粋 株式会社IHI 事業等のリスク (2016年3月期)


対処すべき課題メニュー研究開発活動

事業の状況,設備の状況,経理の状況に記載した事項のうち,当社グループの経営成績,株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお,文中における将来に関する事項は,当連結会計年度末(2016年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。当社グループは,以下のリスクを認識した上で,必要なリスク管理体制を整え,リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に最大限努めています。

(1)競争環境と事業戦略
わが国の経済は,国内需要が各種経済対策の効果もあって底堅く推移し,世界経済の成長率が次第に高まることなどを背景に,緩やかに回復していくことが期待されます。しかし,当社グループの業績に大きな影響を及ぼす国内民間設備投資を取り巻く環境については,輸出競争力の低下や生産拠点の海外移転により,当面は厳しい競争環境が続くと考えられます。
また,世界経済については,米国を牽引役として引き続き回復傾向にあり,全体としては次第に加速していくと考えられますが,米国の政策金利引上げに向けた動きの影響,欧州,中国やその他新興国経済の先行き,原油価格下落の影響,地政学的リスク等の懸念があり,先行きの不確実性は引き続き大きい状況です。
当社グループは,事業の集中と選択,経営資源の集中投入を進めるとともに,グローバルな事業運営を加速していくこととしています。しかし,国内市場における厳しい競争環境の継続や世界経済の成長鈍化,さらには業界再編に伴う競争環境の急激な変化などのリスクが顕在化し,競合企業との間で当社グループの製品・サービスが性能・品質・価格面で十分な競争優位性を得られない場合,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)他社との連携・M&A,事業統合
当社グループは営業協力,技術協力,生産協力や事業合弁の形で多くの他社との共同事業活動を行なっています。また,成長市場への事業展開の加速,要素技術の補完,シナジーの創出などを目的とした有効なM&Aを活用しています。しかし,経済環境の変化,法的規制,予期せぬ費用増加等の影響により,当初期待された効果を出せない可能性があります。また,当初期待した効果を享受できないと判断された場合は,他社との連携による事業統合の中断,解消を決断する可能性があり,その結果として業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3)カントリーリスク
当社グループの調達・生産・輸出・販売・建設等の諸活動は,米州やヨーロッパ,アジア・オセアニア地域等グローバルに展開されていますが,それぞれの地域・国において政治・経済の混乱並びにそれに起因する為替取引の凍結・債務不履行・投資資産の接収,想定していなかったテロ・労働争議の発生等のカントリーリスクが存在します。また,政情不安やデフォルト等により事業の継続や拠点経営が困難になる可能性があります。貿易保険の付保徹底やカントリーリスクに関する情報の収集とグループ内の啓蒙に努めてはいますが,リスクが顕在化した場合は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社が海洋資源開発関連事業を推進するため資本参加したものの,ブラジル経済の減速等により経営状態が悪化していたブラジル造船会社EASへの出資については,当社の連結子会社であるJEIが保有するEAS出資持分の全てを,EASの株主であるCamargo Corrêa グループ及びQueiroz Galvão グループへ譲渡することで合意し,2016年4月に譲渡を実行しました。

(4)資材調達
当社グループはキーとなる主要部品を自社グループ内で製造するよう努めている一方で,複数のグループ外調達先より原材料・部品・サービスの供給を受けています。主要な原材料・部品の市況動向については日常から情報収集に努め安定調達に努めるとともに,調達先の品質・納期等の管理を徹底し,特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進め,リスクの低減に取り組んでいます。しかしながら,原油・鋼材価格等の急激な変化,あるいは国際情勢の急激な変化による供給不足等の問題が生じた場合,コストアップ,品質管理上の問題,納期遅延等の問題が生じる可能性があり,その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。

(5)保証債務等
当社グループは,事業活動を営む上で必要かつ合法的と確認したものについて,債務の保証等を行なっていますが,経済環境の悪化の長期化や事業の失敗等により債務者の財務状態の悪化が生じた場合,保証の履行を債権者より求められる可能性があります。保証債務等に係る情報は第5「経理の状況」の「注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載しています。

(6)受注契約
当社グループは,個別にお客さまと受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く,請負金の大きい工事については受注契約締結前に多面的な社内審査を行なっています。しかし,契約締結後に当初想定できなかった経済環境の変化や検討不足,予期しないトラブルの発生,JV等のパートナー企業の経営悪化等により,見積コストを上回る工事の発生,お客さまから要求された性能・納期の未達によるペナルティーの支払い,追加の費用の発生等の可能性があり,その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。また,受注契約のお客さま都合による取り消しのケースでは,受注契約条件の中で違約金条項を設定する等そのリスク回避に最大限努力しているものの,必ずしも支出したコストの全額が回収できない可能性があります。
2015年3月,当社の連結子会社である㈱IHIインフラシステムが施工を手掛けているトルコ・イズミット湾横断橋建設工事では,主塔間に架設していた主ケーブル架設用の足場(キャットウォーク)の一部が破断し,海面上に落下する事故が発生しました。この事故によって生じた工程遅延に伴い,当連結会計年度においては,工程キャッチアップ費用や,契約上定められている納期遅延に係る費用を請求される可能性を考慮しその損失見込み額を計上しました。工程は終盤となっており,2016年6~7月の交通開放に向けて取り組んでいます。
また,当連結会計年度において多額の損失を計上したF-LNG・海洋構造物事業については,シンガポール向けドリルシップ船体建造工事は,工程終盤となっており,大型機器の試運転を順次実施中です。また,ノルウェー向けFPSO船体建造工事については,お客さまと納期変更の合意を行なったほか,2016年6月初旬から,愛知工場等で建造した大型ブロックについて,シンガポールYardへの移送を開始しており,7月から,スーパーバイザーを派遣して管理の徹底を図りつつ,船体一体化及び艤装・電装工事を進めていきます。LNG船用SPBタンク建造工事については,1~4番船のうち,1番船は2016年6月下旬から船体へのタンク搭載を開始する予定としており,その後2~4番船の搭載作業を4~5か月ごとに進めていく予定です。

(7)技術契約
当社グループは,国内外において多岐にわたる機種・技術分野を取り扱うため,他社との間に技術供与・受領に関する契約を締結する場合が多くなっています。締結前には,不利若しくは履行不能な条件の有無や,必要条件の欠落が無いか等,十分な社内審査を行なっています。しかし,事前の検討不足や契約条件の理解不足等により過大な保証・補填・ペナルティーが発生する,あるいは事業上の制約を受ける等の可能性があり,その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。

(8)生産・製造
当社グループは第3「設備の状況」の「主要な設備の状況」にあるとおり,各地に生産拠点を有しますが,生産施設に影響を及ぼす自然災害,停電,あるいは生産活動をスローダウンさせざるを得ない資機材の入手困難,電力の制限が,事業継続計画(BCP)の想定範囲を超えることがありえます。また,生産量が想定以上に急激に変動した場合,生産能力調整が即応できない場合もありえます。これらの結果,業績の悪化を招くおそれがあります。

(9)品質保証
当社グループは,製品の品質確保に努めるとともに,お客さまに安全に使っていただくために,製品安全・機械安全を確保するための設計時のリスクアセスメントの徹底及びお客さまへの注意喚起と情報提供の拡大を図っています。また,当社グループの製品は,品質や安全に関するさまざまな法的規制による制約を受けているため,これらの規制の遵守に努めるとともに,製造物責任賠償保険(P/L保険)に加入する等の対策を講じています。しかしながら,大規模な事故やクレームの発生及び製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は,多額のコストに加えて当社グループの社会的評価に重大な影響を及ぼすことが考えられ,これによって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当連結会計年度においては,一部のボイラ工事において,当社の在インドネシア子会社であるPT Cilegon Fabricators(以下,「チレゴン工場」という。)が製作した溶接部位の一部に溶接不適合が判明し,補修費用の計上とともに,納期遅延のリスクが高まりました。補修作業は順調に進捗しており,現地搬入済みであった4工事のうち,2工事については補修作業を完了し,残2工事については,2017年度下期までに完了の見込みとなっています。チレゴン工場については,溶接士及び溶材管理者の資格管理制度・教育制度を改善したほか,独立した品質保証部の設置等を実施するなど,品質管理体制及びガバナンス強化に向けた取り組みを進めています。

(10)知的財産
当社グループは保有する知的財産の適切な保全(特許・実用新案・先使用権の取得)に努めています。しかし,機種や技術分野は多岐にわたるため,第三者による当社グループの製品・技術の模倣や解析調査等技術的に凌駕しようとする動きを完全に防止することが困難な場合があります。
また,当社グループが将来に向けて開発している製品・技術が,潜在的に他社等の知的所有権を侵害してしまう場合や,従業員の発明に対して適切に対応しない場合は,損害賠償等を求められ当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

(11)研究開発
当社グループの研究開発活動に係る情報は第2「事業の状況」の「研究開発活動」に記載されています。これら研究開発活動は事業の性格上,多額の投資とともに長期の開発時間が必要とされるという特性があります。そのため,実用化の機会の逸失や事業戦略・市場動向との不整合等により十分な成果に結びつかず,当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

(12)法令・規制
当社グループは,グローバルに事業の展開をすすめる上で,日本のみならず,各国・各地域の各種法令,行政による許認可や規制の制約を受けており,その遵守に努めています。しかし,法律・規制に対する理解が不十分,又は予期せぬ変更への対応が適切でない場合等には,各種法令等に違反したと判定され,過料や課徴金による損失や営業停止等の行政処分による機会逸失を被る,あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって,業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
係争中の重要な訴訟案件のうち,当社グループの経営に重大な悪影響を及ぼす可能性のある訴訟は存在しません。しかしながら,現時点で認識していない想定外の訴訟が発生した場合,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13)情報システム
当社グループは技術情報及び事務管理情報のデータ処理のために多額の投資を行なっています。これらシステム運用並びに導入・更新に際しては,システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう最大限の対策を講じていますが,外部からのコンピュータウィルスの感染やハッキングの被害,ホストコンピュータ・サーバ・ネットワーク機器の障害や紛失・盗難,ソフトウエアの不備等によるシステム障害の発生と業務停止,情報の外部漏洩等の事態が発生する可能性があり,それに伴い当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(14)安全衛生
当社グループは事業所及び建設現場における安全衛生管理には万全の対策を講じていますが,万一不測の事故・災害等が発生した場合には,生産活動に支障をきたし,業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは,各種損害保険等に加入する等の対策を講じていますが,大規模な事故や災害が生じた場合,損害の全てを保険求償できない可能性があります。

(15)環境保全
当社グループには,製造工程で,大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる物質を使用している事業所・子会社等があります。これらの物質の管理には万全の注意を払い,万一外部に漏洩した場合においても,その拡大を最小限に抑えるための対策を講じています。しかしながら,想定外の事態が発生した場合には,社会的評価の低下を招くとともに,損害賠償責任が生じ,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(16)災害・システム不全
当社グループは,伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック),地震・洪水等の大規模災害,テロ等の犯罪行為,情報システムの機能不全によって,業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても,その影響を最小限に抑えるべく,事業継続計画(BCP)の整備,非常時を想定した訓練等を実施しています。しかし,想定規模を超える災害やシステム不全が発生した際は,事業を適切に遂行することができず当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(17)為替動向
外貨に対して円が上昇した場合は外貨建輸出工事における円換算後の入金額は目減りし,下落した場合は現地通貨建の海外調達において円換算支出額の増加を招く等,業績に及ぼす影響も大きくなります。そのため,外貨建の資産と負債のポジションの不均衡に対して,一定の方針に基づき為替予約やマリーの徹底によるリスクヘッジに努めていますが,想定以上の為替変動が発生した場合には,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(18)金利動向
金利が上昇した場合,当社グループの支払利息が増加し金融収支が悪化します。また,財務活動において借入金又は社債の発行条件が悪化する可能性があり,資金調達に悪影響を与え,ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(19)資金調達・格付
当社グループの借入金にはシンジケート・ローンが含まれており,自己資本と利益に関する財務制限条項が付されています。業績の悪化等により同条項に抵触した場合,同ローンの借入れ条件の見直しや期限前弁済義務が生じるおそれがあり,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また,格付機関が当社グループの格付を引き下げた場合,当社グループの財務活動において不利な取引条件で取引をせざるを得ない,あるいは一定の取引ができなくなる可能性があり,資金調達に悪影響を与え,ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(20)税務
繰延税金資産の計算は,将来の課税所得に関する予測・仮定を含めて個別に資産計上・取崩を行なっていますが,将来の課税所得の予測・仮定が変更され,繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合,当社グループの繰延税金資産は減額され,その結果,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(21)与信管理
当社グループは,世界中のお客さまに製品・サービスを提供しており,その多くが掛売り又は手形取引となっています。当社はこれに対し,グループ全体で与信管理体制の強化と債権保全の徹底に努めているものの,重要なお客さまが破綻し,その債権が回収できない場合には,当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(22)人材育成
当社グループの将来の成長,技能の伝承は有能な従業員による部分が大きく,高い技術力と技量を有する従業員の確保及び技能の伝承は当社グループの経営課題のひとつです。このようなキーパーソンとなりうる人員を確保あるいは育成できなかった場合には,当社グループの将来の成長,業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

対処すべき課題研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02128] S1007S96)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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