有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S10083M3
スズキ株式会社 研究開発活動 (2016年3月期)
事業等のリスクメニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの研究開発活動は主に当社が行っています。環境問題や多様化するお客様のニーズに対応し独創的で競争力のある商品を提供することを目指し、積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,310億円であり、セグメントごとの活動状況は、以下のとおりです。
(1) 二輪車
二輪車事業では、環境に配慮した技術開発に取り組んでいます。まず低燃費化技術の分野では、主な成果として、新興国向け機種で、MotoGPをはじめとするレースで培われた技術と最新の解析技術を用いた「SEP(Suzuki Eco Performance)」エンジンの採用を拡大しました。採用機種のインドネシア向け150ccアンダーボーン「Satria F150」、及びインド向け110ccバックボーン「Hayate EP」、同125ccスクーター「Access 125」は、優れた燃費性能と力強い加速を両立しました。また、欧州で発売した「SV650」では、ピストンの改良を行いメカニカルロスの低減を図ることで燃焼効率を高めました。これにより新排出ガス規制「ユーロ4」を満たしながら優れた出力と燃費性能を実現しました。軽量化についても最新の解析技術による部品毎の要素技術開発を通して形状、材質、製法の見直しを進め、車体構成部品と電装部品において、現行車に対し10%から最大65%の軽量化を実現しました。軽量化した部品は上記の新興国向けおよび欧州向けの各機種に採用しました。
次に環境性能の分野では、資源の有効利用促進のため、PPリサイクル材の利用拡大に取り組んでいます。また、リサイクル設計を推進する上で、部品の分解の容易性を追求しています。
その他の研究開発としては、水素を用いた空冷式燃料電池二輪車「バーグマン フューエルセル スクーター」の実用化に向けて開発を進めています。
レース活動に関しても、高い技術力を示すことによりブランドイメージを向上させるとともに、レースを通して得られる技術を量産車開発に還元し、より魅力的な商品の開発を進めます。
当連結会計年度における二輪車事業の研究開発費の金額は157億円です。
(2) 四輪車
四輪車事業では、国内軽自動車をはじめ、燃費の優れた小型車の普及こそが環境問題に貢献できると考え、トップクラスの環境性能を目指すと同時に、安心と喜びのある車をお求めやすい価格で提供することを方針として技術開発を行っています。特に環境に配慮しながら更に便利で楽しい車を実現する次世代環境技術「スズキグリーン テクノロジー」の開発・採用拡大を進めています。まず低燃費化技術の分野では、徹底した軽量化、パワートレインの高効率化、電動化を進めるとともに、新興国市場で低燃費として要望の高いディーゼルエンジンの自主開発にも取り組んでおります。主な成果としては、軽量プラットフォームの開発において、これまでの軽自動車に加え、AセグメントとBセグメントでも新たに開発し、当連結会計年度に発売した「ソリオ」、「イグニス」、「バレーノ」に採用しました。これは車体重量の軽減だけでなく、複数のプラットフォームを統合することで開発の効率化も同時にもたらすものであり、今後も新商品に順次採用していきます。また、ガソリンエンジンの新たな取り組みとして、排気量のダウンサイジングと直噴ターボにより、1.4Lの小排気量ながら2.2L自然吸気エンジン並みの出力性能を発揮し、さらに低燃費・低排出ガスも両立した「BOOSTERJET」エンジンを開発し、 2015年8月に中国で発売した「S-CROSS」に採用しました。電動化技術では、独自の低燃費化技術「エネチャージ」を進化させ、ISG(モーター機能付発電機)を搭載することで燃費向上とエンジン停止後のスムーズな再始動を実現した「S-エネチャージ」の採用拡大を進め、当連結会計年度発売の軽乗用車「ワゴンR」、「ワゴンRスティングレー」、「ハスラー」、「スペーシア」に採用しました。小型車の「ソリオ」でも出力を高めたISGと専用リチウムイオンバッテリーを採用した独自の「マイルドハイブリッド」と、新開発の「K12C型デュアルジェット エンジン」を組み合わせ、優れた低燃費と力強い走りを両立しました。現在、電動化を更に進めた新型ハイブリッドの開発を進めています。ディーゼルエンジンの取り組みとしては、初の自社製となる2気筒・800ccの「E08A型ディーゼルエンジン」を新興国向けに開発し、2015年6月にインド向けの「セレリオ」に搭載し、発売しました。
次にトランスミッションの分野では、5速マニュアルトランスミッションのクラッチとシフト操作を自動化した当社独自のAMT(Automated Manual Transmission)である「AGS(Auto Gear Shift)」の採用車を拡大すると共に、軽商用車の「エブリイ」や「キャリイ」に新たに2速発進モードを追加し、空荷や軽積載時・少人数乗車時における、よりスムーズな発進と快適な乗り心地を実現しました。
さらに先進安全技術分野ではステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」及び「全方位モニター」を搭載した軽乗用車「ハスラー」が、JNCAP予防安全性能アセスメントにおいて軽自動車で初めて46点満点を取得し、最高ランクの評価「先進安全車プラス(ASV+)」を獲得しました。予防安全性能アセスメントは、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が自動車の先進安全技術について評価し、結果を公表する制度です。当社は今後も安全技術の取り組みを強化し、積極的に安全性を向上させていきます。
その他の商品では、軽乗用車「アルト」、「アルト ラパン」が市場で高く評価され、日本自動車研究者ジャーナリスト会議(RJC)が主催する2016年次 RJC カー オブ ザ イヤー及び日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会が主催する2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー スモールモビリティ部門賞を受賞しました。
当連結会計年度における四輪車事業の研究開発費の金額は1,125億円です。
(3) 特機等
特機等事業では、マリン製品における環境や利便性向上に関わる技術開発を行っています。まず環境面では、低燃費化技術として軽量化を行った他、環境への配慮としてリサイクル性の向上を行いました。主な成果として、部品、レイアウトを徹底的に見直すことにより旧機種に比べて9%の軽量化を実現した3機種の新型船外機「DF4A/DF5A/DF6A」を開発しました。本機種はロアカバー、ヘッドカバーの樹脂化により軽量化を図るとともに、軸受系に上位機種と同様のプレーンベアリングを採用することで信頼性も向上させています。更にロアカバーを無塗装とすることでリサイクル性を高めました。
次に利便性向上面では、ボートから取り外した後の運搬時や保管時の方向の自由度を増す3方向保管に加えて、長期保管後の始動性を著しく向上する新しい燃料系や、ワンアクションで動作するチルトシステム(船外機の姿勢を変更する機構)を開発し、新型船外機「DF4A/DF5A/DF6A」に採用しました。また、「DF300AP」をはじめとする7機種において、従来は2機掛けボートでしか使用できなかったジョイスティックコントロールを3機掛けボートでも使用可能にしました。ジョイスティックコントロールは船の横方向の移動やその場の回転を可能にする装置で、マリーナでの離着岸など高い操船技術を要求される場面においても直感的な操作ができるため操船が容易になります。
当連結会計年度における特機等事業の研究開発費の金額は28億円です。
事業等のリスク財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 有価証券報告書 抜粋メニュー
- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 関係会社の状況
- 従業員の状況
- 業績等の概要
- 生産、受注及び販売の状況
- 対処すべき課題
- 事業等のリスク
- 研究開発活動
- 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
- 株式所有者別状況
- 役員の状況
- コーポレートガバナンス状況
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02167] S10083M3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。